フィリップ・ヘレヴェッヘにとって二度目となるシューマンの交響曲全集<Phi>から、完結篇にあたる第1番「春」と第3番「ライン」を聴いた。
前回はピリオド楽器のシャンゼリゼ管弦楽団との録音だったが、今回はモダン楽器オーケストラのアントワープ交響楽団が相手をつとめる。
ただし、金管楽器など一部ピリオド楽器が使われているようにも思う。
シャンゼリゼ管弦楽団との全集は線がはっきりした演奏だったように記憶しているけれど、楽器の違いに加え録音の加減もあってか、より響きが豊かに感じる。
演奏自体も、スピーディーで歯切れがよくて前のめりな行き方や楽曲と適度な距離を保ったうえで徹底的に腑分けしてみせる行き方は異なり、ヴィヴラートを抑制しつつ旋律を清澄に流れよく歌うといった趣が強かった。
特に、第1番第4楽章の中間でホルンが『美しく青きドナウ』に似た音型を吹き、フルートが小鳥のようにさえずる部分だとか、第3番第1楽章の憂愁を含んだ雰囲気などは、そうしたヘレヴェッヘの志向や嗜好がよく表れていた。
若干弱さはあるものの、アントワープ交響楽団もヘレヴェッヘの解釈によく応えているのではないか。
中でもホルンの朗々とした音色は魅力的だった。
2024年01月28日
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