ちょうど京都シネマの会員の更新時期で、はじめはケン・ローチ監督の『エリックを探して』を観るつもりだったのだが、予告でそれほどしっくりこなかったことに加え、上映時間が2時間近くあることもあって(体調的・生理的な問題)、『玄牝』を選んだ。
『玄牝』は、愛知県で自然分娩にたずさわる吉村医院の吉村正院長と、そこに集う人々を描いたドキュメンタリー作品である。
当然のことながら、出産がこの作品の中心に置かれているのだけれど、それがまた、そのまま、生きるということや死ぬということへの真摯な問いかけともなっていて、子供を出産する女性たちの姿やそれを見守る家族たち、そして吉村さんや助産婦の方たちの姿に強く心を動かされるとともに、自分自身の生や死についても深く考えさせられた。
ただ、この『玄牝』をもって「女性にとって、やっぱり出産こそが一番で重要なものだ!」と強圧的に論じることは問題外として、単純に吉村さんたちの姿勢を賛美することに終わっては何かが違うとも思った。
(河瀬さん自身も、助産婦の方たちの言葉や吉村さんの娘さんの言葉を織り込むなど、そうした観点を忘れてはいないが)
いずれにしても、今現在妊娠出産と直接関係するか否かは別にして、この作品を観た人たちの様々な意見を耳にしたいし、そのことについていろいろと語り合いたいと思う。
【関連する記事】

