2015年07月14日

ネオラクゴ・フロンティアsection39(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection39

 ゲスト:桂あおばさん、作道雄君
(2015年7月13日20時開演/錦湯)


 おなじみ月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection39はサンキュー回を記念して(?)、この度製作されるyoutubeドラマ『フェイク・ショウ』の相棒桂あおばさんがゲスト出演。
 ご新規さんに落語ファンと思しき年配の方々、そして常連の面々と今回もバラエティに富んだお客さんでけっこうな入りだったが、そこは冷房導入で涼しく会を愉しむことができた。

 まずは開口一番、太遊さんとあおばさんのおしゃべりから。
 太遊さんの伊根町での活動やあおばさんと師匠のざこばさんのエピソードで盛り上がる。

 で、なんとあおばさんは古典の大ネタ『景清』に挑んだ。
 盲いてしまった京都でも指折りの目貫師定次郎は、柳谷観音への願掛けに失敗するが、面倒見のよい甚兵衛さんの強い勧めで今度は清水観音への願掛けを始める。
 実は、清水観音には悪七兵衛藤原景清が自らの両目をくり抜いて奉納したとの言い伝えがあったのである。
 こうして100日の願掛けを続けた定次郎だったが…。
 という、おかかなしさにあふれた展開だ。
 今のあおばさんには相当荷の重い噺なのだけれど、ラストのトークで語っていたように、どうしても定次郎を演じてみたいというあおばさんの強い想いはしっかり伝わってきた。
 例えば、定次郎が歌う歌がなんとなく今の流行りの歌に聴こえてしまうあたりも含めて、あえてあおばさん自身がもっと前面に出てくるような演じ方、崩し方をしてしまってもいいのではないかと思った。
 ぜひとも長いスパンであおばさんの『景清』に接していきたい。

 そして、太遊さんの新作は『きいろいおやま〜バカでも達者が溶岩す〜』。
 46歳(わしと同い年や)になっても夜伽の話を求める痛いお嬢様と、がんすがんすの語尾でおバカな言葉を繰り返す従者の滑稽なお話、と思いきや、そこは太遊さんである。
 駄洒落や過去の作品とのリンクを巧く仕掛けながらも、今回もまたきわきわの線をしっかりついてきた。
 カルティベイトなどでの再演がとても愉しみである。

 最後は、作道雄君が登場し、『フェイク・ショウ』の設定や見どころ、そしてクラウド・ファンディングなどについて、太遊さんやあおばさんと軽快なトークを繰り広げた。
 着々と参加者を増やしているクラウド・ファンディングだが、さらに多くの皆さんにご支援ご協力いただければとのこと。
 詳しくは、こちらをご参照のほど。

 と、今夜も盛りだくさんなネオラクゴ・フロンティアだった。
 まだお越しではない皆さんも、来週はぜひ!!
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2015年07月07日

ネオラクゴ・フロンティアsection38(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection38

 ゲスト:桂三河さん、センサールマン、廣瀬信輔君
(2015年7月6日20時開演/錦湯)


 なんとか雨もやみ、気温もあまり上昇しないほどよい状態の中で開催された月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection38は、太遊さんとゲストの桂三河さんが思わずネタにしてしまうほどの、男性率の高さ。
 どんなお客さんがどのような具合に集まるかがわからないというのも、このネオラクゴ・フロンティアの面白さの一つだ。

 で、太遊さんと三河さんの開口一番のおしゃべりのあとは、センサールマンのお二人(客席側から見て左から、愛植男さんと山崎仕事人さん)の漫才が始まる。
 仕事人さんの息子に植男さんのお父さんが読み聞かせをするという体のシリーズで、今回は『ウサギとカメ』が主題である。
 もちろんそこはセンサールマンのお二人だから、ウサギとカメはウサギとカメでも、突拍子もないウサギとカメで、まさしく勝負はダービー気分。
 植男さんの口跡の良さと仕事人さんの反応の良さが妙味の漫才となっていた。

 続く、三河さんは古典の『粗忽長屋』をかける。
 行き倒れの死体を同じ長屋住まいの友人と勘違いした男が、なんと友人その人を連れて死体を引き取りに来て…。
 というおなじみの噺だが、死とはなんぞや自己同一性とはなんぞやといった哲学的な思弁性よりも何よりも、話そのもののおかしさを素直に表した語り口で、登場人物の間の抜けっぷりと三河さんの人の好さそうな雰囲気がよく合っていた。

 そして、太遊さんの新作は『友は自らを家畜とも知らずに』。
 舞台は養豚所。
 人を神様だと信じていた豚だったが、ネオラクゴではおなじみの登場人物の言動によってあることを気付かされる…。
 狼は生きろ豚は死ね、なんてどぎつい惹句がかつてあったけれど、それをついつい思い起こさせられるかのような展開だ。
 日常性への疑問やコミュニケーションのすれ違いといった仕掛けや寓話性に富んだ内容で、非常にネオ度が高い。
 『あしたのジョー』へのオマージュなど、一粒でも何度も愉しい刺激的な作品だった。

 最後は、SFトーク「出張未来会議」と題して廣瀬信輔君と出演者の面々がSFについて語ったが、SFの二つの定義(サイエンス・フィクションとサイエンス・ファンタジー)や、SFと現実の関係性などがときに笑いを盛り込みながら丁寧に解説されていて、これは予想以上に面白かった。
 廣瀬君の真摯な語り口にも好感が持てた。
 さらに、ラストのラストでは、作道雄君も登場。
 『フェイク・ショウ』のクラウド・ファンディングの途中経過等に関して詳しく説明が行われた。

 と、今夜も盛りだくさんなネオラクゴ・フロンティアだった。
 ああ、面白かった!
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2015年06月30日

ネオラクゴ・フロンティアsection37(月亭太遊のネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection37

(2015年6月29日20時開演/錦湯)


 会を重ねて、月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアも37回目のsection37。
 今回は、ほぼコアな常連のお客さんが集ったということや、太遊さんのみの出演ということで、涼やかな飲み物を口にしながら、ファン感謝ナイトとでも呼ぶべきフレンドリーな回(会)となった。

 まずは、ずっとフロンティアのお手伝いをしている桜井さんを交えてのおしゃべり。
 いつもの如く笑いを笑いをというトークは避けて、しみじみとフロンティアを振り返る。
 太遊さんのお話を聴きながら、これまでの新作のあれやこれやを思い出した。

 なお、おしゃべりの合間には、MBSの『歌ネタ王決定戦2015』のネタも披露される。
 このネタ自体が放送されるというわけではないものの、審査対象のものゆえあえて詳しくは触れないが、歌とともに太遊さんの絵心が発揮された愉しいネタに仕上がっていた。

 そして、今回の新作は『ノータリンロータリー』。
 若者の多くが外に出て寂れる一方の地方都市では駅のロータリーがナンパの場所となっている、という前振りのあと、そんなとある地方都市の駅のロータリーにひなにも稀なる清楚な文学少女が表われて…。
 といった具合に展開する、『ニュータウンとちゃんとする』の姉妹篇である。
 当然、意外性に富んだ話が愉しいし、地方に対する視点などもネオラクゴならではなのだけれど、そこは人と人とのつながりの面白さ大切さが加味されていることも忘れてはなるまい。
 ああ、面白かった!

 と、毎回何が繰り広げられるかわからない、ネオラクゴ・フロンティア。
 皆さんも、ぜひぜひお越しください!
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2015年06月27日

ネオラクゴ・カルティベイトY「僕(シモベ)・サルベイジ」

☆ネオラクゴ・カルティベイトY「僕(シモベ)・サルベイジ」

 出演:月亭太遊さん
(2015年6月26日20時半開演/ライト商會2Fギャラリー)


 月亭太遊さんが主催する企画といえば、昨夜の月亭太遊のちゃいちゃい寄席、毎週月曜20時スタートのネオラクゴ・フロンティア(in錦湯さん)、そして忘れてはいけないのが、フロンティアで発表した新作の中から厳撰した数本を再演するというネオラクゴ・カルティベイトだ。
 あいにくの雨模様だったが、6回目となる今回のY「僕(シモベ)・サルベイジ」もコアな常連さんにご新規さんも集まって愉しい会となっていた。

 まずは、ロマンティックなピアノの音色とともに太遊さんが登場し、昨夜のちゃいちゃい寄席のことや、ネオラクゴ・フロンティア等について語る。
 で、ひとしきり太遊さんが語って会場が盛り上がったところで、本題の『メシとパチンコ』(ネオラクゴ・フロンティアsection36)を演じた。
 今週の月曜日に語りおろしたばかりの作品だけれど、細部がより詰まっていて、こうした再演の意味がよく表われていた。
 細かいくすぐりはもちろん、後半の展開がまた面白い。

 続いて次の新作に、はいかず、太遊さんがかつて居住していた新今宮近辺のエピソードをつないで巧くまとめた。
 太遊さん曰く「にしなりばなし」(表記は正確ではないかも)。
 まさしく、おかかなしい世界である。

 と、ここで小休止。
(なお、今夜はブリッジなどでクラシック音楽が流されていたが、なかなかの選曲だった)
 オレンジの着物に着替えた太遊さんが、月面クロワッサン製作のドラマ『フェイク・ショウ』のメイン・キャラクター揚鳥亭翔鳥として高座に上がり、太遊さんから教わったという体でネオラクゴの十八番『たまげほう』を演じた。
 権威主義や閉塞した業界社会へのおちょくりも小気味よく、やはりこれは巧く出来た作品だ。

 で、再び小休止ののち、再度着物を着替えた太遊さんが、『ニュータウンとちゃんとする』(ネオラクゴ・フロンティアsection34)の再演に挑んだ。
 この作品、初演時は思わぬアクシデント、というかトラブルが発生し、笑いはしっかり起こっていたものの、せっかくみっちりと作り込んだ作品の全体像がどうにもぼやけてしまっていた。
 今回は、そうしたもやもや感を払しょくする語り具合で、地域創生にむらがる怪しき連中を見事に笑いのめし切った。


 本題と合間のおしゃべりのバランスも今夜はひときわよく、大いに笑わされたネオラクゴ・カルティベイトだった。
 ああ、面白かった!
 そして、ネオラクゴ・フロンティア、ちゃいちゃい寄席とともに、ネオラクゴ・カルティベイトにも皆さんぜひ一度お越しください。
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2015年06月26日

第13回月亭太遊のちゃいちゃい寄席in梅湯

☆第13回月亭太遊のちゃいちゃい寄席in梅湯

 出演:月亭太遊さん、月亭天使さん、桂恩狸さん、笑福亭笑利さん、十手リンジン
(2015年6月25日19時半開演/サウナの梅湯)


 ネオラクゴ・フロンティアとともに、月亭太遊さんが継続的に開催している落語会企画、月亭太遊のちゃいちゃい寄席in梅湯に足を運んだ。
 サウナの梅湯さんは、五条木屋町−五条楽園(ひとまち交流館の裏辺り)にあって、いったん営業をやめたものの、銭湯活動家として知られる湊三次郎さんの尽力で復活した銭湯。
 女湯男湯の壁を取り払って開かれた今回のちゃいちゃい寄席だったが、満席どころか立ち見のお客さんまで出る大盛況で、本当に何よりだった。

 で、今回は太遊さんを含めて6人(5組)が出演する超豪華な番組となっていた。

 まずは、笑福亭笑利さん。
 先日の出町柳での落語会がおろしたてだった『手水廻し』を演じたのだけれど、笑利さんが着々と話術の腕(舌)を磨いていることを強く感じた。
 昔話を落語化した噺など、今後の笑利さんの活躍にますます期待したい。

 続く、桂恩狸さんは『みかん屋』をかけた。
 親切な知り合いのおぜん立てで急にみかんを売り始めた男だったが、この男、どうにもアホウゆえやることなすこと間が抜けていて…。
 といった展開の噺だが、恩狸さんの独特のエロキューション(語り口、口跡)とフラ(おかしみ)が、みかん屋の男とよく重なり合っていて、大きな笑いを生んでいた。
(終演後、またブロマイドを売ってはどうですかとお話したりもした)

 中入りの感じで漫才を披露したのは、十手リンジンのお二人(客席から観て左側から、十田卓さんと西手隼人さん)である。
 先日のネオラクゴ・フロンティアと同じ奈良のネタをここでも演じていたが、西手さんの鉄板ネタを組み込んだり(巧く決まっていた)、お客さんへの攻めをさらに積極的に行ったりするなど、会場にあわせたバリエーションが効いていて大いにフィーバーする。
 十手リンジンの漫才は、さらに大きな場所で観てみたい。

 月亭天使さんは4月の独演会で挑んだ、『元犬』ならぬ『元猫』。
 マクラから本題に入ったあと、すっと雰囲気が変わるあたりがやはり天使さんらしい。
 前回も思ったが、白猫から人間へと変わってもなお残る猫の仕草がかわいらしく、天使さんが演じる『元猫』の見せ場だと思う。
 さらに磨き込んだ次回の高座が愉しみだ。

 さてどんじりに控えしは、太遊さん。
 自慢の喉で×××××を笑いのめしたあと、会場の雰囲気にあわせて『寿限無』をかけた。
 寿限無寿限無五劫の擦り切れ…。
 というフレーズ(長たらしい名前)を繰り返すおなじみの古典だが、そのフレーズを流れるように語るだけではなく、後半変化球的なくすぐりを仕掛けていた点も強く印象に残る。
 トリとしての務めをしっかり果たした高座だった。

 最後は、出演者全員のおしゃべりがあり、湊さんが再び登場してあいさつを行い、サウナの梅湯さんのますますの発展を祈願して会を〆た。

 フロンティアとは何味も違うちゃいちゃい寄席も愉しいな。
 ああ、面白かった!
 そして、皆さんもサウナの梅湯さんに一度、と言わず何度もぜひ!!
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2015年06月23日

ネオラクゴ・フロンティアsection36(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection36

 ゲスト:桂三幸さん、桂三河さん、十手リンジン
(2015年6月22日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection36は、約2ヶ月ぶりの桂三河さんに十手リンジン(客側から観て左から十田卓さんと西手隼人さん)、そして桂三幸さんと超豪華ラインナップ。
 さらには、リビング京都の記事の掲載もあって、今夜も大勢のお客さんが集まっていた。

 まずは、太遊さんと三河さんがこの間のあれこれや、三河さんの鳥取三朝温泉「住みます芸人」の際の話、8月28日に日本橋19ビルで予定されている三河さんの「見切り発車落語会 〜桂三河2015夏〜」(予約数で会場が大きなホールか小さなホールのままかとなる。予約1000円。皆さんもぜひ!)の話で盛り上がる。
 久しぶりのお二人の掛け合いが嬉しい。

 で、奈良の住みます芸人となった十手リンジンのお二人の漫才は、その奈良をネタにしたもの。
 大阪府高石市出身の西手さんに対して、奈良県出身の十田さんが奈良のよいところをアピールする、かと思いきや…。
 ネオラクゴ・フロンティアは2回目の出演だが、今回もエネルギー全開。
 しかも、前へ前へと攻め迫るネタだったのだけれど、それがまた笑いを生み出していた。
 今後のさらなる活躍に期待大である。

 続く、三幸さんはおなじみミニジェット噴射機然としたスピーカーを駆使したネオはめ物の新作。
 ではなく、MBSの歌ネタ王決定戦2015のネタの公開録画だった。
 それゆえ、三幸さんの歌が聴けたということ以外はあえて記しません。
 好結果を祈っています!

 三河さんは新作『ベサメムーチョ』を再演した。
 会社の交流人事で日本にやって来たスペイン人カルロスさんのおかかなしい姿を通して、先入観の面倒臭さを笑い描いた作品だ。
 ちょっとした言葉に一瞬毒を感じたりもした点も面白かった。

 そして、太遊さんの新作はパンとサーカスならぬ『メシとパチンコ』。
 タイトルの如く、パチンコが重要な役回りを果たす内容だけれど、そこはネオラクゴ、やっぱり一筋縄ではいかない。
 フロンティアの常連さんには「おお」という仕掛けもあったりして、一粒で何度も美味しい作品となっていた。

 最後は、太遊さんはじめ全員でのトーク。
 十手リンジンの鉄板ネタに三河さんや三幸さんが挑戦したりしてさらに盛り上がり、先週に続いて月面クロワッサンの作道雄君の『フェイク・ショウ』(とクラウド・ファウンディング)の見事な説明で会を〆た。
 ああ、面白かった!

 盛りだくさんなネオラクゴ・フロンティアに皆さんもぜひ!!

(ちなみに、作道君にはこちらも些少ながら協力させてもらった。企画の成功を願っています)
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2015年06月16日

ネオラクゴ・フロンティアsection35(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection35

 ゲスト:桂三幸さん、桂あおばさん
(2015年6月15日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection35は、もはや準レギュラーと呼ぶべき桂三幸さんと約2ヶ月ぶりとなる桂あおばさんがゲスト。

 まずは開口一番、太遊さんとあおばさんのおしゃべりからで、あおばさんのご実家ネタで大いに盛り上がる。

 で、あおばさんがネタおろしとなる古典の『おごろもち盗人』に挑む。
 嫁の言葉に邪魔されながら夫が算盤勘定をしていると、何やら妙な声がする。
 なんとその声の正体は、戸の下の土に穴を掘り、そこに手を通し入れて桟を開けようとする盗人だった…。
 といった展開の作品で、ちなみにおごろもちとは土竜(もぐら)のこと。
 この間のあおばさんの研鑚ぶりがよくわかる高座になっていて、登場人物の描き分けのうち、お嫁さんのかわいらしさが印象に残った。

 続いて、三幸さんが新作落語をかけた。
 以前、このネオラクゴ・フロンティアでも演じた『空みなよ』の改作は、おなじみミニジェット噴射機然としたスピーカーを駆使したネオはめ物だ。
 突然旅に出る男、それを案じて追う女、そんな二人を待つ共通の友人の男…。
 まさしくスマホの留守電が「物を言う」作品である。
 とって出しならぬつくって出し、ならぬつくりながら出しというスリリングな内容だったが、それもまた三幸さんらしくおかしい。
 改作の意味もよく伝わってきたのではないか。
 なお、日付変わって今夜は、大阪福島の八聖亭で三幸さんの二回目の落語会が開催される予定だ。
 18時半の開場で19時の開演、前売り1500円、当日2000円ということで、皆さん、こちらもぜひ!

 そして、太遊さんのネオラクゴは『喫茶ツツジ』。
 ジム・ジャームッシュ監督の『コーヒー&シガレッツ』を意識したというふれ込みのオムニバス作品である。
 太遊さんらしい仕掛けが施されるとともに、後半、太遊さん自身がこうむった最近の出来事がそのまま反映された私ネオラクゴとなっていたのも面白かった。
 それにしても、相米慎二のくすぐりとは本当にマニアックだなあ。
 僕には、嬉しかったけど。

 最後は、太遊さん、あおばさん、三幸さんのおしゃべりで〆る。
 と、思いきや、ここで月面クロワッサンの作道雄君が登場し、太遊さんとあおばさんのお二人が重要な役どころを演じるyoutubeドラマ『フェイク・ショウ』自体とクラウド・ファウンディングの説明を行った。
 プロとしてもまれていることもあってか、作道君の弁舌はますます快調であり、この場でのクラウド・ファウンディングがなかなか成功していたのも何よりだった。

 ますますバラエティに富んできているネオラクゴ・フロンティアに、皆さんもぜひお越しください!
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2015年06月09日

ネオラクゴ・フロンティアsection34(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection34

(2015年6月8日20時開演/錦湯)


 夕方以降、強い雨となる。
 ということで、今夜は常連さんだけかなあと思っていたら、開演少し前になってどっとお客さんが入って来る。
 と、月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection34もなかなかの盛況で本当に何より。

 さて、今回はノーゲスト、つまりは月亭太遊さんの一人舞台、ならぬ一人高座。
 まずは普通の服装から着物へ着替える様子を見せ、衣装についてつまびらかに説明する。
 さらに、今夜初めての方が多いということもあって、お客さんからの質問コーナーを設けたりもした。

 で、会場があたたまったところで、新作の『ニュータウンとちゃんとする』(ミュータントタートルズではないよ!)が披露された。
 舞台は地方のある町、町おこしをせんと某芸能プロダクションに依頼したのだけれど、どうにもそのプロダクションが怪しい、そこで立ち上がったのは町の若者だった…。
 という具合の、これまで「住みます芸人」として各地で活躍してきた太遊さんだからこその内容である。
 笑いの仕掛けが豊富で毒っ気も効いている上に、展開も劇的と密度の濃い作品に仕上がっていた。
 今夜は、アクシデントというか、ライヴならではのスリリングな出来事があって、それと太遊さんのせめぎ合いしのぎ具合にも僕は笑ってしまった。
 ああ、面白かった!

 何が起こるかわからないネオラクゴ・フロンティア。
 毎週月曜20時からです。
 皆さん、ぜひ!!
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2015年06月02日

ネオラクゴ・フロンティアsection33(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection33

 ゲスト:桂三幸さん
(2015年6月1日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアだが、section33の今回はリビング京都さんが取材に来られていた。
 このリビング京都さんの浸透力って侮れないんですよね。

 今回のゲストはおなじみの桂三幸さん。
 開口一番のおしゃべりでは、大阪・福島の八聖亭で開催された三幸さんの落語会や前回登場の際話題になったモータースポーツの話で盛り上がる。

 で、新しいお客さんが来られていることもあり、通常の落語とネオラクゴの違いをわかってもらおうという意図もあり、太遊さんが古典の『十徳』をテンポ良く演じる。

 続いて、三幸さんが出来たてほやほやの新作を披露。
 本題が始まって、三幸さんがやおら懐から取り出したものは…。
 遺産をテーマにした作品で、遺言に関する耳寄りな情報が織り込まれているのは親切だ。
 細かい笑いの仕掛けに加え、終盤の捻りも三幸さんらしいと思った。

 そして、太遊さんのネオラクゴ新作は、『百合の造花』。
 クラスメートの男子に好かれていると思い込んだ女子は、同じクラスの親友の女子にあることを頼むのだったが…。
 セクシュアリティに切り込む内容、ということに間違いはないのだけれど、笑いにまぶされた後半の展開もまた太遊さんの強いメッセージの表われであることは言うまでもあるまい。
 あえて詳しくは触れないが、とても時宜を得た作品だった。

 最後は、再び太遊さんと三幸さんのおしゃべりで〆られた。
 三幸さんは再来週もゲストで出演の予定だそう。
 次回は「ネオはめ物」か、それとも否か、こちらも愉しみだ。

 来週も月曜20時からのスタート。
 皆さんも、ぜひネオラクゴ・フロンティアへ!
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2015年05月27日

ネオラクゴ・カルティベイトX『穢・カムアゲイン』

☆ネオラクゴ・カルティベイトX『穢・カムアゲイン』

(2015年5月26日20時半開演/ライト商會2Fギャラリー)


 ネオラクゴ・フロンティアで初演したネオラクゴのうち、厳撰4本を再演するという月亭太遊さんの月一企画、ネオラクゴ・カルティベイトX「穢・カムアゲイン」を観聴きした。
 昨夜のフロンティアsection32に続いて、太遊さんはネオラクゴ二連投である。

 今回は、某所で予定されている講演のウォーミングアップを兼ねて「住みます芸人になって学んだこと〜これからの芸の在り方〜」と題するスタンダップのおしゃべりから。
 一つには、前回の座りっぱなしの2時間弱が大変だったとも…。

 で、諸々の事情も含めて太遊さんのこれまでの活動が30分ほど語られたのち、高座に上がっての本題が始まる。
 もともと予定されていた作品からちょっと変更があり、『お笑い三百人委員会』(フロンティアsection31)、十八番の『来て!観て!イミテイ村』とそのスピンオフ『流浪の楽団ノシエチミ』(section30)、『アート意固地センター』(section27)が演じられていたが、いずれも主張が明確な線と狙いのはっきりしたネオラクゴらしい作品だと改めて感じた。
 太遊さんご自身、別の場所でネオラクゴを演じた際の話をされていたが、フロンティアやカルティベイト(この二つでも、いろいろと雰囲気が異なるのだけれど)と違った場所で、どのようにネオラクゴが拡がっていくのか、再演を重ねることによってどう作品が練り上げられていくのかが非常に興味深く、愉しみだ。

 昨夜も、フロンティアではお見かけしないお客さんが来られていて、少しお話をうかがうことができた。
 こうした出会いがまた嬉しい。
 フロンティアともども、カルティベイトもぜひ!
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2015年05月26日

ネオラクゴ・フロンティアsection32(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection32

 ゲスト:センサールマン
(2015年5月25日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアはsection32。
 前々回前回と宣言した「コント」も視野に入れてか、今夜は後方(錦湯さんの入口側)に台を組んで長椅子を置くなど、より客席らしいしつらえとなっていた。

 ゲストは久方ぶりのセンサールマン(愛植男さんと山崎仕事人さんのお二人)だが、開口一番のおしゃべりでは、新たに芸能事務所に所属したことがまず報告される。
 そして、とあるイベントで一緒になった大先輩のエピソードが植男さんの仕草込みで語られていて、どうにもおかしい。
 あまりのおかしさに、大先輩への曰く言い難いかなしみを覚えたほど。

 で、センサールマンの漫才へ。
 中学生や高校生にも対応するということで、いつもと一味違うよう心掛けた卒業式を舞台とするネタを披露した。
 掛け合いのありようなど確かにマイルドかなと思いつつも…、そこはセンサールマンのお二人、一筋縄ではいかない。
 そして、やっぱり歌!

 太遊さんの新作は、『白球/俳優/不惑 悠(ハッキュー ハイユウ フワクユー)』。
 突如野球をやめたいと言い出した少年に両親は…。
 といった展開で、太遊さんの言いたいことがストレートに表わされ(だいたい、タイトルからしてそうだもんね)、なおかつ含みも多いネオ度の高い作品となっていた。
 section30以降の新たなステージは、ネオ度にさらに磨きがかかっていて、今後のパワーアップがますます気になるところだ。

 〆のおしゃべりでは、センサールマンのお二人の門真市でのイベント『WRIDE(ワライド)10』(6月7日日曜・15時半開場、16時開演/門真市民文化会館ルミエールホール大ホール)の告知も行われていた。
 ルミエールといえば1000人規模の大きなホールだが、すでに1階席はソールドアウト、500円の2階席が残っているだけだそう。
 ご都合よろしい方は、ぜひ!

 そして、日付変わって5月26日20時半からは、寺町三条から一筋目の細い道を入ったところにあるライト商會2Fのギャラリーで、ネオラクゴ・カルティベイトX『穢・カムアゲイン』(予約1300円、当日1500円)が開催される予定となっている。
 皆さん、こちらもぜひ!!
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2015年05月19日

ネオラクゴ・フロンティアsection31(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection31

 ゲスト:桂三幸さん
(2015年5月18日20時開演/錦湯)

 しのつく雨の中開催された月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection31だったが、今回初めてのお客さんも何人か来られるなどなかなかの盛況。
 重畳重畳。

 まずは、先週に続いて二週連続の登場となるゲストの桂三幸さんと太遊さんが開口一番のおしゃべりで盛り上げる。
 最近の大阪に関する時事ネタやら三幸さんの趣味嗜好(モータースポーツ等)と、連鎖反応の芋蔓式に話がつながり、けっこう長めのおしゃべりとなった。

 で、三幸さんは5年ほど前につくって、その後改作を加えた『冬のゴルゴ』を手短に。
 おなじみ殺し屋ゴルゴ13の日常を描いた作品で、途中の難所も巧くハンドルを切って無事ゴールイン。

 太遊さんの新作は、『お笑い300人委員会』。
 舞台はどうやら漫才か何かのコンクール。
 変格的なネタに挑んだコンビに対して、居並ぶ審査員たちが評価を下していくのだが…。
 といった内容で、その審査員のチョイスがツボにはまり、ちょっと笑い過ぎてしまい、後半はぐっと笑いを我慢した。
 だって、今は亡き香川先生が出てくるんだもんね。
(昔、高校の修学旅行で三条のいろは旅館に泊まったとき、A山君にエロい深夜番組があるから見ようと言われて同じ部屋のみんなで観たのが、三幸さんの師匠三枝さん=現文枝さん司会の『ナイトinナイト』。この香川さんやざこば師匠、遥洋子が並んでクイズに答えるという全くエロくなさそうな番組で、A山君にどこがエロかとやと訊くと、クイズに間違えたらみんな脱いでいくととんでもないことをぬかす。はっ、遥洋子ばかりか香川さんも脱ぐのか、と再度尋ねると、そうだよ脱ぐよと平然と応える。もちろん、そんなわけはなく終了。今度は映画『二十四時間の情事』を見ようと煽動するので呆れて寝てしまった。長崎の高校生がエロさ期待に観る映画か!)
 ただし、審査員のキャラクター設定は饅頭でいえばガワの部分で、もちろん餡子は別のところ。
 犬も杓子もならぬ、猫も杓子も好き勝手にああだこうだと自覚もなしに批評家然としていられることに疑問を投げかけた作品で、やっぱり自分自身のことを省みる。
 余談だけど、簡単に他人を評価できるってことは、その評価によって自分自身も簡単に見抜かれてしまうってことなんだけどなあ。

 最後は、三幸さんと太遊さんのおしゃべりで〆る。
 前回に続き、今回も太遊さんから「コント」の企画についての言葉がある。
 こちらの展開も愉しみだ。

 なお、今週木曜の21日に、大阪福島の八聖亭で三幸さんの入門13年目にして初の主催落語会「桂三幸落語会パート1」が開催される由。
 18時半開場で19時の開演、前売1500円の当日2000円、ゲストは桂三語さんに太遊さんということで、ご都合よろしい方はこちらもぜひぜひ!
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2015年05月12日

ネオラクゴ・フロンティアsection30(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection30(月亭太遊のネオラクゴ企画)

 ゲスト:桂三幸さん
(2015年5月11日20時開演/錦湯)


 回を重ねて月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアも30回目となるsection30を迎えた。
 19時から開催されていたダンス・パフォーマンス(あいにく見逃してしまった。残念)からのお客さんもおられたりと、なかなかの盛況で重畳重畳。

 まずは開口一番、ゲストの三幸さん(上方若手噺家グランプリ2015の決勝進出、改めておめでとうございます!)と太遊さんがゴールデンウィークの出来事などを肴にして、たっぷりと盛り上げる。

 で、三幸さんが8年前につくったという新作落語を演じる。
 ネオラクゴ・フロンティアではおなじみのミニ・ジェット噴射機のような2台のスピーカー=現代的な「はめ物」を使った作品。
 付き合いはじめてそこそこの時間が経った恋人どうしだったが…。
 と、ここから先は入門13年目にして初となる三幸さんの独演会(5月21日夜、大阪福島・八聖亭、1500円)でお愉しみいただきたいのであえて記さないけれど、三幸さんの趣味趣向の一端もうかがわれたりもしていて、面白かった。
 独演会では、さらに磨き込まれているに違いない。

 そして、太遊さんのネオラクゴ新作は『流浪の楽団ノシエチミ』。
 エリチエミ(太遊さんはこんなくすぐり入れてませんので悪しからず)、じゃないノシエチミなるコーラスグループのジャパン・ツアーを聴いて感動したネットニュースの記者は、彼らへの取材を試みるが…。
 太遊さん自らネオ度が高いと公言する通り、ネオラクゴらしさの強い作品で、大いに笑わされながらも、それじゃあこうやってネットで自分の感想をとくとくとさらしこましている自分はどうなんやと改めて反省させられもした。

 最後は、再び三幸さんと太遊さんのおしゃべりで〆る。
 ここでは、太遊さんから「コントをやりたい」との発言(宣言)があり、こちらのほうも実に愉しみだ。

 次回からは、ネオラクゴ・フロンティアも新たなステージに入るわけで、ますます目も耳も離せない。
 皆さんも、お気軽にぜひ!


 ところで、今夕のABCテレビのニュース情報番組『キャスト』の特集において、ネオラクゴ・フロンティアでの取材もしっかり放映されていたそうで、当方のインタビューも使われていた旨、太遊さんに教えていただいた。
 冷や汗が出る…。
 そして、ますます悪いことができなくなる…。
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2015年05月10日

笑福亭笑利さんのチャリティー落語会(出町柳・かぜのね)

☆笑福亭笑利さんのチャリティー落語会

 出演:笑福亭笑利さん、月亭太遊さん
(2015年5月10日15時半開演/出町柳「かぜのね」)


 ネオラクゴ・フロンティアでの二度の高座がとても印象深い笑福亭笑利さんだが、できるだけ経験を積んだほうがいいという師匠笑福亭鶴笑さんの教えに従って、積極的に活動を続けている。
 その笑利さんが、出町柳のカフェ「かぜのね」で、会場費を除く収益をがん患者支援団体に寄付する旨のチャリティー落語会を開催した。
(かぜのねは、京阪叡電・出町柳駅から歩いてすぐ。名曲喫茶・柳月堂側の細い路を少し入ったところにある。カフェの奥に、和室というか畳敷きの広いスペースがあって、そこが会場だった。なかなかいい感じ)

 テーマは、笑いで免疫力アップ。
 にプラスして、チャリティーは(単純な)善ではなく、伝統は保守ではないという、笑利さんの想いが込められた会ともなっていた。
 実際、会の説明を兼ねた開口一番のおしゃべりでは、20代初めの土砂災害のボランティアでの微妙な体験が語られていたが、淡々とした口調である分、かえってその微妙さが強調されていたのではないか。

 で、一席目は、古典の『手水廻し(ちょうずまわし)』。
 大阪から訪れたお客さんから「ちょうずをまわして欲しい」と言われた丹波の宿屋の主人たちは、物識りの坊さんの助言を受けて長い頭(長頭=ちょうず)の男を連れてくるが…。
 というおなじみの展開で、長頭男が頭を回す場面もそうなのだけれど、宿屋の主人たちの勘違い、やり取りに笑利さんの特性がよく表われていたように思う。

 続いて、笑利さんと漫才時代の同期でにあたる太遊さんが、会のテーマに沿う内容ということで、ネオラクゴの十八番『来て!観て!イミテイ村!』をかける。
 笑利さん主催の会であることや、会場の雰囲気、お客さんの顔ぶれなど、全体の流れを見計らった、かろみのある口演だった。

 三席目は、再び笑利さんで、丹後峰山(父方の田舎だ)に伝わる昔話を古典のスタイルで落語家した『六助いなり』を演じた。
 世話焼きだけれど、ときにそれが行き過ぎる六助。
 そんな六助が、野良作業のついでに狐の巣穴をきれいにしたところ、夜になって白狐が恩返しに現れた。
 喜び勇む六助だったが…。
 小さな親切大きなお世話って言葉があったっけ。
 いくら自分がよかれと思っても、必ずしもそれが相手のためになるとはかぎらない。
 まさしく今回の会のテーマとも重なる内容で、後半の六助の大きな感情の変化が作品の肝となるように感じた。
 再演再々演を心待ちにしたい。

 そして、最後は笑利さんと太遊さんのおしゃべりで〆た。

 約90分。
 休日の午後に相応しい会であり、会場だった。
 次回も本当に愉しみだ。
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2015年04月30日

ネオラクゴ・カルティベイトC『濁・フィルトレイション』(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・カルティベイトC『濁・フィルトレイション』

(2015年4月29日20時半開演/ライト商會2Fギャラリー)


 今は亡きオーストリア出身の世界的名ピアニスト、フリードリヒ・グルダに『グルダ・ノン・ストップ』<SONY>というタイトルの魅力的なアルバムがある。
 休憩なしでグルダが心おもむくままにピアノ作品を弾き連ねたミュンヘンでのコンサートのライヴ録音を収めたもので、クラシックの大家でありながら終生ジャズを愛し続けた彼らしい、変幻自在、計りつつも愉しむ、なおかつ自らの想いがストレートに示された、実に聴き応えのある一枚だ。
 その伝でいけば、ゲストなしで月亭太遊さんが語り続けた今夜のネオラクゴ・カルティベイトは、まさしく『タイユウ・ノン・ストップ』ということになるだろう。
 いや、すでに大阪で『太遊のまつり』なる同スタイルの会を開催していたというから、無理に他人の企画の名前をなぞる必要もないか。

 思うところあって事業をリタイアしたおっさんが自分の見た摩訶不思議奇妙奇天烈不条理不気味な夢を淡々と語る、で、それがなんとテーマパークというのだから、なんやこれはと口にするほかない、ネオラクゴ度高濃度の『山城ヨチムーランド』(ネオラクゴ・フロンティアsection25、2015年3月30日)。
 生まれたとたん凶事を預言して死ぬという、頭は人間、身体は牛の「件(くだん)」をユーモラスに、そして鋭いメッセージをこめて描いた『にんべんにうし』(section15、2015年1月19日)。
 ロールプレイング・ゲームの台詞を考える達人と、まじめ過ぎる社員のずれたやり取りが滑稽な、その名もずばり『RPGの村人のセリフを考える仕事をしている人』(section21、2015年3月2日)。
 興味深い伝統風習を持つ村、と思いきや実は…、というイミテイ村を舞台とした、もはやネオラクゴの十八番と呼ぶべき『来て!観て!イミテイ村』(section5、2014年11月30日他)。

 と、それこそ「語りは騙り」と評したくなるような4作品はもちろんのこと、ブリッジにあたるおしゃべりの部分がまたいい。
 ネオラクゴが持つ民俗性土着性の源流や、漫才を含むこれまでの積み重ね、太遊さんの今現在の想いや考え方等々、ネオラクゴの背景根底にあるものが、ふんだんな笑いとともに披歴されていて、とても面白く聴き応えがあった。
 あっという間の約100分で、ワンマン・ライヴの良さが十二分に発揮された会だったと思う。
 ああ、面白かった!

 フロンティアもいいけど、カルティベイトも忘れちゃいけないな、やっぱり。
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2015年04月28日

ネオラクゴ・フロンティアsection29(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection29(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

 ゲスト:笑福亭笑利さん
(2015年4月27日20時過ぎ開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、いつもと違って変則的なスタート。
 と、言うのも坂田淳さんの東京月桃三味線ライブが19時から1時間と少し開催されていたからだ。
(ちなみに、河原町界隈や三条京阪辺りの路上で見事な三味線を披露しているのが坂田さんである。坂田さんは、錦湯さんによく来られているとのこと)

 で、ライブからの流れのお客さんも多数おられるということで、ゲストの笑利さん、太遊さんともに古典を演じる。
 まずは、開口一番のおしゃべり抜きに笑利さんが登場し、自己紹介とネオラクゴ・フロンティア紹介のマクラののち本題の『時うどん』に入る。
 もはや説明するまでもないおなじみの噺だけれど、笑利さんの『時うどん』は一味、ばかりか二味三味違う。
 映画『柳生一族の陰謀』のラストで三代将軍徳川家光の首を我が子十兵衛に落とされた萬屋錦ちゃん演じる柳生但馬守とたとえるとちょっとずれてるかな、単なるアホではなく、前回登場時(2月9日のsection18)のカレー屋への弟子入り志願する若者をグレードアップさせたかのような、まさしくmad、いっちゃってる感じが全面に押し出されていて、その狂気の様がどうにもおかしかった。

 続く、太遊さんは、これまたおなじみ『犬の目』をかける。
 ネオラクゴ・フロンティアでは、section24(3月23日)以来の二回目だが、今回も笑いのツボをしっかりと押さえた話しぶりだった。

 と、ここで短いお休み。
 おしゃべりのほか、5月10日の笑利さんと太遊さんの勉強会(出町柳駅近くのカフェ「かぜのね」で、15時開場、15時半開演。料金は1000円だが、こちらはガン患者のための寄付にあてるとのこと。こちらも愉しみだ)の案内があってから、いつもの「ネオ」の世界へ。

 漫才との企画(その際は、マイクの前に立って、ただし着物で演じるそう)で笑利さんが勝負するネタの『金玉』!でごぐっと盛り上げたのち、太遊さんが新作『出間流散太夫(でまながしさんだゆう)』を演じる。
 怪しげな雑誌の記者がインタビューするのは、巷に氾濫するデマの造り手を自任する「出間流散太夫」なる人物で…。
 といった展開からもわかるように、太遊さんの伝えたいこと、意図がストレートに示された内容だった。
 もちろん、笑わせどころや常連さんへの目配せも充分で、ネオラクゴらしい作品に仕上がっていた。
 ああ、面白かった!

 なお、来週のネオラクゴ・フロンティアはお休みですので、その点くれぐれもご注意くださいませ。
 そして、今週水曜日20時半からは、ライト商會2Fでネオラクゴ・カルティベイトC『濁・フィルトレイション』が開催される予定です。
 こちらのほうも、皆さんぜひ!
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2015年04月27日

堕天使の解(月亭天使さん主催の落語会)

☆堕天使の解(月亭天使さんの落語会)
 −天使になれないなら せめてまともな 猫になりたい。−

 ゲスト:桂米紫さん、月亭方気さん
(2015年4月26日18時半開演/大阪・八聖亭)


 人間だから堕ちるのであり、生きているから堕ちるだけだ。
 だが人間は永遠に堕ち抜くことはできないだろう。
 なぜなら人間の心は苦難に対して鋼鉄の如くでは有り得ない。
 人間は可憐であり脆弱であり、それ故愚かなものであるが、堕ちぬくためには弱すぎる。

 とは、坂口安吾の『堕落論』の一節だが、「堕天使の解」という月亭天使さんの落語会のタイトルを目にして、ふと『堕落論』のことを思い出した。
 堕天使の解。
 天使さんの散文的なセンスの高さが示されていることはもちろん、天使という名前そのままに高みを目指そう高みにあろうという気持ちとあえて低きに重心を置こうとする心意気、ばかりではなく、天使のような純真無垢にも堕天使のような業の全肯定、叛逆独尊にもいられない天使さんの今現在、言い換えれば天使さんの自負と矜持、逡巡と自省がよく表わされているという意味で、非常に優れたネーミングだと僕は思う。

 一席目の『ちょーたんき』のマクラでは、そうしたこととも繋がりがありそうな、女性が落語を演じることについての天使さんの想いが、作品の紹介を兼ねて語られていた。
(ほかに、伝説のギリヤーク尼ヶ崎!と遭遇した話も)
 古典の『長短』を現代の女友だち二人の会話に置き換えた『ちょーたんき』といえば、昨年12月8日のネオラクゴ・フロンティアsection10でネタおろしされた作品だが、二人のやり取りやくすぐりがしっかり練り上がってきていて嬉しい。
 中でも、「長」の側の女性のみゅわもちゃあっとした感じがおかしかった。

 続いては、急遽出演が決まった方気さんが『延陽伯』を演じる。
 やたらと言葉遣いがよろしい「延陽伯」なんて名前の女性と、彼女を妻に迎えた男との珍妙な掛け合いが肝となる噺。
 江戸落語では、『たらちね』の名で親しまれている。
 方気さんは先週のネオラクゴ・フロンティアで接したばかりだけれど、流れの良さ、調子の良さが身上といった具合で、男のほうの軽妙な滑稽さが強く印象に残った。

 三席目。
 『黒猫のタンゴ』の出囃子にのって天使さんが再び登場し(お召し物も噺に合わせて猫っぽい柄)、『元猫』をかける。
 『元猫』は、おなじみ『元犬』を今夜のゲスト米紫さんが猫を主人公に仕立て直したものだ。
 天神さんにお願いをして人間となった白犬、ならぬ白猫が巻き起こす騒動を描いたお話だが、天使さん同様猫好きという米紫さんだけに、猫らしさが巧くくすぐりに取り入れられている。
 また、猫好き云々はひとまず置くとして、キュートで抜けているという猫→人間の役回りは、天使さんの特性によく合っているのではないか。
 またぜひ聴いてみたい。

 中入り前の米紫さんは、はめもの入りの噺のリクエストに応えて『遊山船』、と思っていたら、なんと『ちょーたんき』のマクラで天使さんが噺の大切な部分をまんま口にしてしまったため、珍しい『堺飛脚』に変更。
 米紫さんの生の落語を聴いたのは、まだ都んぼ時代の染屋町寄席か何か以来だから、もう15年近く前になるのではないか。
 攻める、押すというか、パワフルに前に繰り出す姿勢が堂に入ってきているように感じられた。
 笑いの勘所をぽんぽんと押さえつつ、絵がきちんと目に見えるような小気味いい高座に仕上がっていた。

 そして、中入り後は、天使さんが『つぼ算』に挑む。
 ちなみに、マクラはお土産のおスル(都こんぶを一回り大きくしたような、薄い板状のスルメ。砂糖で味付けしてあって美味。ごちそうさまです!)を買いに行ったついでに、母校龍谷大学深草学舎近辺をぶらぶらしたお話。
 数年間同じ場所に通っているだけに、あああそこと見当がつく。
 で、アホを引き連れて瀬戸物屋に向かった男は、ずるいやり口でもってまんまと二荷入りの水甕(つぼ)を手に入れる…という展開の『つぼ算』だけど、今夜の天使さんは男と番頭の駆け引き、悪意の表出よりも、番頭の困惑ぶりに重きを置いていたように思った。
 新しいネタということもあってか、話の流れを追ったり話を置きにいったような感じになっている部分もなくはなかったが、番頭の弱さ、ひいた感じがさらに高じれば見事な「ゲシュタルト崩壊」となるに違いない。
 これまた次回が愉しみだ。

 と、中入りありの5席で、約2時間半。
 久しぶりの古典の落語会を愉しみました。
 天使さんはじめ、皆さんお疲れ様でした。

 ところで、坂口安吾は、『堕落論』に続く『続堕落論』を以下の言葉で締めくくっている。

 我々の為しうることは、ただ、少しずつ良くなれということで、人間の堕落の限界も、実は案外、その程度でしか有り得ない。
 人は無限に堕ちきれるほど堅牢な精神にめぐまれていない。
 何物かカラクリにたよって落下をくいとめずにいられなくなるであろう。
 そのカラクリをつくり、そのカラクリをくずし、そして人間はすすむ。
 堕落は制度の母胎であり、そのせつない人間の実相を我々は先ずきびしく見つめることが必要なだけだ。

 これは僕が表現すること、何かに向き合うことに悩んでいる際によく思い返す言葉であるのだけれど、天使さんにも一歩一歩、一回一回、天使さんらしい解を見つけていってもらえればと心から願う。
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2015年04月21日

ネオラクゴ・フロンティアsection28(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection28(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

 ゲスト:桂三河さん、月亭方気さん
(2015年4月20日20時開演/錦湯)


 外は、雨、雨、雨。
 太遊さんの前髪もしなくちゃっとくせの出るような湿度の高さの中、今回初めての方をはじめ、大勢のお客さんが集まっての大盛況だった。
 しかも、先週に続いて、今夜はABCテレビ『キャスト』の取材クルーの方々も来られているということで、ついにネオラクゴ・フロンティアの春が来たか!
 って、ここは落ち着いて落ち着いて。
(開演前に今回初めてのお客さんとお話したが、京都新聞の記事に触れてという声が多かった。やはり新聞の影響力は大きいなあ)

 開口一番、太遊さんと三河さんのおしゃべりのあとは、月亭八方さんの六番弟子にあたる月亭方気さんが古典落語『道具屋』をかけた。
 フロンティア初登場ということで、漫才(方気さんは口にされなかったが、『アルトバイエルン』というコンビ)からサラリーマンなどに転じ、再び落語家になったという自らの経歴なども含めてたっぷりとマクラを語る。
 で、方気さんが慣れ親しんだ大阪の土地柄などで笑わせたのち本題に入ったが、柔よく剛を制すというか、メリハリはしっかりつきながらも柔らかい、どこかたおやかさを感じさせる語り口。
 アホなことを繰り返しつつも、どうにもにくめない道具屋が強く印象に残った。

 続いて、三河さんは『僕だけのアイドル』を演じた。
 タイトルからして三河さん印全開。
 アイドル・オタクの職場の先輩宮崎さん(55歳。宮崎さん!)から、小林君が薦められた地下アイドルは、AKB48ならぬABK48…。
 前回の『春の一大寺』よりさらに踏み込んでアイドル・オタク道のあり様が語られた作品で、細かいくすぐりも含めて会場がわき、三河さんも乗りに乗った。
 なお、今夜の三河さんは渋めの色合いのお召し物。
(今週金曜19時から、大阪日本橋のAinsNeusHallで、三河さんの月一ネタおろし企画『さんがワールド〜激情のラクゴ〜』が開催される予定。ゲストは太遊さん)

 そして、太遊さんの新作は『さよならシガー&ラミー』。
 カフェで作業をしていた男の前に現れたのは、ヒッピーみたいな風体をした男女の二人組だった…。
 自由を謳歌するかと思われた二人組が、案外そうではなくてという毒っ気の効き方等、まさしくネオラクゴらしい展開だ。
 そして、「今私たちに大切なものは、恋や夢を語りあうことじゃなく、一人ぼっちになるためのスタートライン」「今私たちに必要なものは、光あふれる明るい場所じゃなく、闇に向かって走り出すためのスタートライン」と歌った海援隊の『スタートライン』(3年B組金八先生のテーマ曲。実は、武田鉄也のある種のバーバリズムはあまり得意ではないんだけど)じゃないけど、そのタイトルからも太遊さんの「孤であること」への意志が強く示されていたようにも思った。
 ぜひ、再演を愉しみにしたい。

 最後は、太遊さん、三河さん、方気さんがおしゃべりで〆た。

 と、今夜も盛りだくさんのネオラクゴ・フロンティア。
 今後はますますの盛況が見込まれますので、ご興味ご関心がおありの方はお早めにご来場のほど!

 そうそう、日付変わって今日4月21日は太遊さんのお誕生日なのだった。
 太遊さん、お誕生日おめでとうございます!
 これからの一年がこれまで以上に幸多く充実した一年となりますように!
 ますますのご活躍とご健康を心より祈願しております!
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2015年04月14日

ネオラクゴ・フロンティアsection27(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection27

 ゲスト:桂三河さん、桂あおばさん、銭湯芸術祭錦湯で展示されるアーティストの皆さん
(2015年4月13日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection27は、先週火曜日の京都新聞朝刊掲載の記事(森静香記者)もある上に、テレビ大阪の取材クルーも加わっての大盛況。
 この度、よしもとへ移籍したという桂あおばさんなど、いつもに輪をかけての全力投球ぶりだった。

 まずは、太遊さん、三河さん、あおばさんの三人で開口一番のトーク。
 テレビカメラでお客さんのほうが緊張せぬよう、そこらあたりにも配慮したおしゃべりをする。

 で、あおばさんの新作から。
 第2回上方落語台本賞の優秀賞を受けた、2丁拳銃の小堀裕之さん作による『ハンカチ』で、些細なことから喧嘩になった夫婦がひょんなことから愛情を確認する様を、細かなくすぐりを織り込みつつ巧みに描いた人情風味豊かな作品だ。
 あおばさんの畳みかけるような口跡が印象的で、ここら辺りを磨いていくと大きく化けてしまうのではないかと思ったりもした。

 続いて、おなじみ三河さんがご自身の企画「さんがワールド」(毎月最終金曜日に新作ネタおろし中)でおろしたばかりの『春の一大寺』をかけたのだけれど、これはある意味、「私落語」的性質が強く示された作品ではなかったか。
 煩悩にまみれた一大寺なる寺の坊さんに対して、仏像の仏様がかけたお言葉は…。
 アイドルに造形の深い三河さんならではのネタで、仏様の心の吐露が面白く、二重の意味でおかしかった。
 なお、今夜の三河さんは紫のお着物をお召し。

 そして、太遊さんのネオラクゴ新作は、『アート意固地センター』。
 舞台は、とある芸術大学のアート意固地センター。
 緊急搬送された芸術家気取りの「それぶった」若者の意固地さを、大学OBの先輩は如何にして解きほぐしていくのか…。
 芸術家ぶった人々をからかった作品、と笑わせて、その実、そこから先も語ってみせたまさしくネオラクゴらしい一作。
 若者が口にするそれらしい言葉についつい笑ってしまう。
 でも、そうやって笑う自分はなんなんや、とふと思ったりもして。
 OBの問いと若者の答えには、様々なバリエーションがあるようにも感じられて、再演が愉しみだ。

 最後は、お三人さんの他、ここ錦湯をはじめ、京都市内各地の銭湯で開催される銭湯芸術祭のうち錦湯で展示される作品の造り手の皆さんが登場し、芸術祭についていろいろとご説明があった。
 すでに作品の展示も始まっていて、これまた面白そうな企画である。

 さらに、終了後の打ち上げでは、本日プレオープンした餃子処「太八」(店主はフロンティアのおなじみでもある大岡政和さん)の餃子と叉焼の差し入れをご馳走になったが、いやあこの餃子と叉焼は掛け値なしに美味しかった。
 餃子は風味がよく効きつつしつこさのない味わいで、こういう場でなければ遠慮せずにばくばくばくついたほど。
 叉焼! 口の中でとろけるような柔らかさでこれまた美味。
 京都市中京区西ノ京小堀池町、最寄りの駅は地下鉄の西大路御池、太子道通から西小路通を南へ下ったところで、近くには島津製作所や花園大学もある。
 ぜひ一度、足を運びたい。

 と、今夜はひときわ盛りだくさんのネオラクゴ・フロンティアでした。
 愉しく美味しいネオラクゴ・フロンティアへ、皆さんもぜひ!


 そうそう、忘れちゃいけない。
 先週ゲスト出演された桂三幸さんが、『上方若手噺家グランプリ』の決勝に見事進出なされたそうです!
 おめでとうございます!!
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2015年04月07日

ネオラクゴ・フロンティアsection26(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection26

 ゲスト:桂三幸さん、桂三河さん、センサールマン(愛植男さん、山崎仕事人さん)
(2015年4月6日20時開演/錦湯)


 あいにくの雨でせっかくの桜も散ってしまった京この頃だが、新年度第一回目となる月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection26は、桂三幸さん、桂三河さん、センサールマンのお二人がゲストと豪華版。
 笑いの花が満開…。
 って、まさしくオールドな書き方やなあ。

 で、ゲストが多いということもあって、今夜は開口一番のトークなしで『十徳』から。
 前から見たら羽織の如く、後ろから見たら坊(ぼん)さんの衣の如く、如く=五徳と如く=五徳で十徳、という着物を手にした男だったが…。
 というおなじみの古典落語を、太遊さんがKBS京都・月面クロワッサンのドラマ『ショート・ショウ2』で扮した揚鳥亭翔鳥の体で演じたのだけれど、こうしたバリエーションもまたおかしい。

 続くは、三河さんが新作『KANNIE』をかける。
 久しぶりに映画を観ようと映画館に来た男、さあ『ANNIE(アニー)』を愉しもうと思ったら、なんだか様子が変で…。
 最近観て強く心魅かれた映画『ANNIE/アニー』と、地元鳥取のエピソードを組み合わせたネタで、そんなんありえへんでと、あっなんかありそうやなという辺りがバランスよく配分された作品となっていた。
 それにしても、三河さんの深紅の着物。
 この赤さは忘れようったって忘れられません。

 センサールマンの漫才は、思いついたプロポーズのアイデアを植男さんが仕事人さん相手に演じるというもの。
 式仕立てのプロポーズを植男さんが巧みに演じ分けてみせる。
 表情の豊かさ(良い意味で気持ちが悪い)も強く印象に残った。
 で、それを仕事人さんが受けていくのだが、中でも「多重人格か」という突っ込みがツボにはまった。

 『上方若手噺家グランプリ』の予選を控える三幸さんは、昨年12月8日のsection10で演じた『その川の向こう側』に再び挑む。
 祖国の家族のために懸命にバイトに励む留学生クリス君の姿を描いた新作で、家族の狡さ賢しさとクリス君のお人よしぶりの対比がよく表されている。
 グランプリのほう、ぜひぜひよい結果となりますように。

 そして、太遊さんのネオラクゴ新作は、『煙草部屋の手記』。
 可愛い孫が生まれたので、階段下のせっまいせっまい部屋に閉じこもって煙草を吸いふけるようになった祖母。
 その祖母が遺した手記に書かれていたのは、なんと…。
 小刻みに笑いを仕掛ける軽めの作品かと思いきや、今回限りでは終わらない続きものだったとは。
 今後の展開や如何?

 ラストは、全員のトーク。
 『KANNIE』=映画つながりで、まさか黒澤明監督の『どですかでん』が話題になるとは。
 あの映画は、本当にすごいからなあ。

 と、新年度も実に愉しいネオラクゴ・フロンティアでした。
 皆さんもよかったらぜひ。

 そうそう、明日(日付的には今日)の京都新聞の朝刊にネオラクゴ・フロンティアの記事が掲載される予定だそうですので、ご購読の方はもちろん、そうでない方もご高覧いただければ。
(実は、先々週記者さんが取材に来られていたのでした)
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2015年03月31日

ネオラクゴ・フロンティアsection25(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection25

 ゲスト:桂あおばさん
(2015年3月30日20時開演/錦湯)


 3月おしまいの月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、今夜で二回目となる桂あおばさん(ざこばさんのお弟子さん)がゲスト。
 でも、先日の「月亭太遊の○○落語研究会G」にも出演されていたので、久しぶりという感じがしない。

 で、まずは開口一番のおしゃべりで盛り上げたのち、あおばさんが古典の『いらち俥』(東京では『反対俥』)を演じた。
 梅田のステンショ(駅)まで急ごうと人力車に乗ったはよいが、はじめの車夫は病み上がりでどうにもとろい、それで乗り換えると、今度はいらちの車夫で…。
 という展開の噺だけれど、あおばさんはフロンティアの高座(テーブルを利用)をめいっぱい活かした「体技」を繰り広げるなどしてしっかり笑いをとっていた。
 が、僕はあおばさんが飛ばしに飛ばす車夫を演じる際のどこか狂気を宿した目が強く印象に残った。
 あおばさんのあの目!

 続く、太遊さんのネオラクゴ新作は、『山城ヨチムーランド』。
 男二人が向かった先は、夢の国は夢の国でも、おなじみのあの夢の国ではなく、山城ヨチムーランドなる不思議なテーマパークだった…。
 細かい設定、くすぐりの妙は言わずもがなだけれど、なんと言っても繰り出される夢の数々が二重の意味で「おかしく」、薄気味悪く、怪体である。
 ついついマジックリアリズムなんて言葉を使ってみたくなる作品に仕上がっていた。
 ああ、面白かった!

 最後は、太遊さんとあおばさんが修業時代などについて語り倒し終了した。

 まもなく開店する餃子処「太八」(西大路御池近く)のご主人もいらっしゃるなど、今夜も幅の広い方々が集まった。
 さて、来週はどんな方と出会うことができるかな。
 それも愉しいネオラクゴ・フロンティアだ。
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2015年03月29日

ネオラクゴ・カルティベイトB「絆・インタラプト」(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・カルティベイトB「絆・インタラプト」

 ゲスト:ラショウさん(仮面舞踏)
(2015年3月28日20時15分開演/ライト商會2Fギャラリー)


 月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアでネタおろしをした新作ネオラクゴから選りすぐりの作品を演じるネオラクゴ・カルティベイトは、今回からライト商會のギャラリーが会場。
 寺町三条を一筋下がった細い路地にあるカフェの2階で、今は亡き天知茂が明智小五郎を演じる土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズの舞台に似合いそうな独特の雰囲気を持った場所だ。
 で、そんな場所にあわせ、音楽のほうもこれまでのクラシックのピアノ曲からエキゾチックなものに変わってカルティベイトがスタートする。

 まずは「独居老人」という安直なくくりで年長者に対するアプローチを繰り返す学生や大学教授らの薄っぺらさ、上っ面加減を鋭く突いた『おしかけロンリネス』<section13>。
 もちろん、登場人物である学生や大学教授らが諸々の象徴であることは言うまでもあるまい。
 サゲの老人の言葉も切ない。

 『断絶の園』<section18>は、最近京都界隈を賑わせたある事件をちらと思い起こしたりもする作品。
 全くかみ合わない夫婦の姿を描いたどうにも毒っ気の強い展開だ。

 と、ここで太遊さんと今回のゲスト・ラショウさんの軽いトークを挟み、ラショウさんの仮面舞踏のコーナーへ。
 「絆・インタラプト」というタイトルを意識した内容で、別れることになってしまった「あなた(私)」にとって大切な人と「あなた(私)」自身を、仮面を付け換えることで続けて踊った。
 悲哀、哀しさ、強い心の想いを緩やかで細やかな身体の動きで表現したダンスだったが、あえて長調陽性な音楽が使われていたのも強く印象に残る。
 笑いに満ちたネオラクゴのあとだけに、そうした踊りに接することへのとまどいも生まれたのだけれど、そうした感情も含めて刺激的な内容だった。

 続く、太遊さんの『地球溶接倶楽部(アースヨウセツクラブ)』<section22>は、慈善=偽善団体を通して、さらにその背景土台にあるものの嘘臭さ胡散臭さを叩きのめす傑作である。
 まずもって、「ジシャリエキジシャリエキ(自社とともに、自者利益でもあるだろう)」と繰り返す倶楽部の部歌が痛快だ。

 そして、再びラショウさんの仮面舞踏。
 『おしかけロンリネス』に通じる老いた人や、全てを踏まえた踊りなどが繰り広げられていたが、タランテラ的というか、内面の強い動きが即身体の動きに結び付くような後半の激しいダンスに特に心を動かされた。

 最後は、山登りの元気な老人たちにコンビニでバイトをしてくたくたな若者が激しい言葉を浴びせる『絶対安全ハイキング』<section23>で太遊さんが〆る。
 みんなの歌の「小さな木の実」(ビゼー作曲)などの選曲もいい。

 と、「絆・インタラプト」というタイトル・テーマにぴったりと沿った直球勝負のネオラクゴ4作品だった。
 ネタおろし時と比べて若干粗さを感じる部分もありはしたが、笑いの仕掛けも豊富で、ラショウさんの仮面舞踏ともども濃密な時間を過ごすことができた。
 ああ、面白かった!

 ネオラクゴ・フロンティアと一味違ったネオラクゴ・カルティベイトにも、皆さんぜひ足をお運びくださいませ。
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2015年03月24日

ネオラクゴ・フロンティアsection24

☆ネオラクゴ・フロンティアsection24

 ゲスト:桂恩狸さん、作道雄君
(2015年3月23日20時開演/錦湯)


 24回目となる月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、いつもとちょっと趣向を変えた内容となっていた。
 それは何かと尋ねたらベンベン。
 月亭太遊さんがKBS京都・月面クロワッサンのテレビドラマ『ショート・ショウ2』で演じた揚鳥亭翔鳥の体で古典落語をかけるということ。

 で、開口一番はその絡みもあって、『ショート・ショウ2』の作り手である作道雄君とのトークだったが、回転が速いというか反応がよいというか、こういう際の作道君の話は実に安定している。
 かつての企画外企画劇場や学生演劇祭のそれを思い起こした。

 そして、揚鳥亭翔鳥さんが演じたのはおなじみ『犬の目』。
 眼病の患者の目を繰り抜いて施術を行い干したまではよかったが、それを犬が食べて…。
 といった落語だからこそ許される展開のお話。
 掛け合い仕草とも骨法によく則った高座だったのだけれど、ネオラクゴ・フロンティアづいている人間にとっては、医者のあり様からちょっとだけドクトル・パンデミックが思い出されたのも面白かった。

 続くは、フロンティア初登場となる桂恩狸さんだ。
 『なるみ・岡村の過ぎるTV』で男性なのに女性のような乳房の持ち主として登場したばかりという、桂文福さんのお弟子さん。
 高身長で独特のフラ(おかしみ)があり、なおかつ前にも押し出す芸風の持ち主である。
 今夜で二回目となる『牛ほめ』をかけていて、上方落語の大家風の噺ぶりなのだけれど、フラの部分に強くおかしみを感じる。
 恩狸さん自身が口にされていた通り、ぜひともオンリーワンを目指して欲しい。

 月亭太遊さんの今夜の新作は、『Clair de Lune(月の光)』。
 元ビジュアル系バンドのボーカル・ルナが経営する店に入ったサブカル好きの女の子だったが…。
 イメージと現実のギャップの大きさでしっかりと笑いを造りつつ、勝手な思い込みをする側の薄っぺらさや嘘臭さを鋭く突いた作品となっていた。
 ある種の「断念」を感じる噺でもあった。
 らしい歌の選曲もいい。

 最後は、太遊さん、作道君に恩狸さんも加わってのトークだったが、ここでは恩狸ワールドが炸裂。
 フラでふらふらになるという、べたな地口を思わず記してしまうほどのおかしさで、思わず自家製ブロマイド(100円)を購入してしまったほど。
 もちろん、『ショート・ショウ2』についても話題になっていて、パート3での揚鳥亭翔鳥の活躍にも期待したいところだ。

 と、今夜も密度の濃いネオラクゴ・フロンティアでした。
 そういえば、秋田からバイクのツーリングで来られていた男性の方が、終了後面白かったので最後まで残ってしまいましたとおっしゃっていました。
 開演前に入ろうかどうしようか迷われているのをたまたまお見かけして、途中で抜けても大丈夫ですし投げ銭なのでお気軽にとお誘いしただけに、こちらもとても嬉しかったです。
 皆さんも、ぜひお気軽に!
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2015年03月17日

ネオラクゴ・フロンティアsection23

☆ネオラクゴ・フロンティアsection23

 ゲスト:桂三幸さん、桂三河さん
大喜利ゲスト:合田団地君、無農薬亭農薬君、作道雄君、丸山交通公園君
(2015年3月16日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection23は、22時頃終了という長丁場となった。

 まずは、太遊さんと三河さん、さらに三幸さん(山形での師匠文枝さんの独演会から返って来て、F1を観ながら寝入ってしまったとのこと)のおしゃべりで盛り上げたのち、三幸さんが新作を披露する。
 正式なネタおろし前の試演だそうで、フロンティアではおなじみのジェット噴射機の如きミニスピーカーとスマホの留守番メッセージを駆使したネタだ。
 卒業式シーズンにちなんだ内容であり、笑いの仕掛けでもある留守電のメッセージの積み重ねが後半の展開に巧くつなげられていた。

 続いて、太遊さんの新作は『絶対安全ハイキング』。
 観客罵倒、読者罵倒というスタイルが演劇や小説にはあるが、強いてあげればそれに近い内容か。
 アルバイト終わりの若者とハイキング(山登り)帰りの老人たちの電車内での掛け合いに始まって、歌を効果的に織り込みながら、激しい感情表現身体表現に到るという、実に密度の濃い作品に仕上がっている。
 笑いの仕掛けも豊富だし、伝えたいこともはっきりと示されて聴き応え充分だった。

 そして、最後は三河さんの仕切りで太遊さん、三幸さん、上記の面々が大喜利に挑んだ。
 「月刊舌打ちという雑誌の舌打ちしたくなる内容」だとか、「バカタ大学のカルタサークルがつくったカルタのカの札には何と書いてある」といったお題に対して、各々その特性を十二分に発揮して面白かったのだけれど、結構お題が多かったこともあり、終盤は笑いの耐久レース的な様相を呈していたりもして、それがまたおかしかった。

 と、笑いのツボの試金石となるネオラクゴ・フロンティアにあなたも一度お越しになられてみては。
 大いにお薦めです。
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2015年03月10日

ネオラクゴ・フロンティアsection22(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection22

 ゲスト:センサールマン、桂三河さん、日本夢之助さん
(2015年3月9日20時開演/錦湯)


 22回目を迎えたネオラクゴ・フロンティアのゲストは、おなじみ桂三河さんとセンサールマン(愛植男さん、山崎仕事人さん)に日本夢之助さんの四人。

 開口一番、月亭太遊さんとセンサールマンのお二人が地元(植男さんは門真、太遊さんは大分、残りは鳥取!)を肴にわかせたのち、三河さんが新作を演じた。
 スマホの課金アプリを題材にした作品で、そのあざといやり口をからかったりもするのだけれど、アプリの設定やアプリをやっているヒロユキさんとキャラクターとのやり取りが実に愛らしかったりするあたり、やはり三河さんらしい。
 それにしても、三河さんの紫色の着物はインパクトがあるなあ。

 続くは、夢之助さんの漫談。
 昭和の寄席芸人っぽい雰囲気というか、オフビートな感じに満ちた芸風である。
 ネタが自転車の撤去だったこともあって、前輪のブレーキが壊れた自転車をゆらゆらと揺らしながら乗っている人を目にしているようなスリリングさを覚える笑いだった。

 そんな夢之助さんのあとだけに、センサールマンの漫才は一層きっちりと造り込まれているように感じられた。
 プロ野球の場内アナウンスを扱ったネタで、まずもって愛植男さんの口跡の良さが光る。
 また、電車に衣裳を忘れたという仕事人さんがそれにしっかりと応じつつ、足元の絨毯の歪みにささっと対応したのも印象に残った。

 そして、太遊さんのネオラクゴは『地球溶接倶楽部(アースヨウセツクラブ)』。
 地球溶接倶楽部なる慈善団体の偽善性を鋭く突いた内容で、その嘘臭さ胡散臭さ、閉塞性が巧みに笑いに転じられていた。
 溶接ならではの「アイテム」も、非常に効果的だった。

 最後は三河さん司会の大喜利で、四者四様の特性が十二分に発揮されていた。

 と、今夜も大いに愉しむことのできたネオラクゴ・フロンティアでした。
 皆さんもぜひ一度お越しになられては。
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2015年03月03日

ネオラクゴ・フロンティアsection21(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection21

 ゲスト:月亭天使さん、梅澤和寛さん(映画監督)
(2015年3月2日20時開演/錦湯)


 前回でファーストステージが終わった月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティア。
 今回は、おなじみ月亭天使さんのほか、太遊さんが出演したCO2映画作品『治療休暇』の監督、梅澤和寛さんがゲストに迎えられていた。

 開口一番のおしゃべりでは、太遊さんが南丹市でのKBS・月面クロワッサンのドラマ撮影でのエピソードを語り、天使さんが猫の日落語会にまつわるエピソードを語る。

 で、まずは天使さんが新作のネタおろしに挑む。
 かつてラウンジで働いていた頃の経験も活かした新作で、歌あり(キュートな声!)音ありと盛り沢山のネタになっていたが、女性どうしの掛け合いに登場人物の描き分け、そして終盤の軽くじとっとしかかるあたりがやはり肝になる作品だと思った。
 今夜はできたてということもあって、さらに練り上げられたあとにぜひ改めて聴いてみたい。
(当然のことながらほどよいところというか、笑いの範疇に留めてあったけれど、良い意味で本当はもっとじとっどろっねとっとしたことを散文的に思い付いてはるような気もした。そして、ちょうど女性の三人姉妹を主人公にした作品を書いている分、いろいろと刺激を受ける)

 続く太遊さんの新作は、『RPGの村人のセリフを考える仕事をしている人』。
 昨日行われた高校生(梅澤監督が指導されている)とのユーストリーム中継で、その創作過程が明らかにされていたとのこと。
 タイトル通り、RPG(ロールプレイングゲーム)の台詞を考える老大家と頭のカタい社員との掛け合いで愉しませる作品だ。
 笑いの仕掛けも含めて、ネオラクゴ・フロンティアのセカンドステージを予想させる展開となっていた。

 最後は、梅澤監督を交えてのトーク。
 こういった形で、いろいろなジャンルの方々に登場していただければなあと思う。
 そして、梅澤監督の今後のご活躍を心より祈願したい。

 と、さらにバラエティに富みつつあるネオラクゴ・フロンティアを、皆さんにお薦めします!
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2015年02月24日

ネオラクゴ・フロンティアsection20(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection20

 ゲスト:桂三幸さん、桂三河さん、月亭天使さん、太陽の小町
(2015年2月23日20時開演/錦湯)


 今夜のネオラクゴ・フロンティア(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)は、section20。
 そんな記念すべき回に相応しく、三幸さん、三河さん、天使さん、太陽の小町とおなじみの顔ぶれが勢ぞろい。
 お客さんも大入りで本当に何よりだった。

 まずは太遊さん、三幸さん、三河さん、天使さんがこれまでのネオラクゴについて振り返る座談でスタート。
 そうそうそんな話そんな話と、一連の作品を思い出す。

 で、天使さんの『平林』へ。
 「タイラバヤシかヒラリンか…」というフレーズでおなじみの古典で、天使さんにとっては新しいネタとなるとのこと。
 きっちりと演じて造り込もうという意欲がうかがえる本題であり、フロンティアでかけた『初天神』の息子と同じく、この『平林』でも小僧さんが天使さんの柄にあっているように感じた。
 そうそう、マクラを耳にしていて、独演会の『堕天使の解』(今月は残念ながら拝見できず。次回は4月26日。八聖天で18時半から)のほかに、落語は一席程度で、天使さんがこれはと思う他ジャンルのゲストとゆったりじっくり語り合うような会があったら面白いだろうなとふと思ったりもした。

 続いては、これから東京に拠点を移す太陽の小町の漫才。
 じわじわとおかしさをためつつも、漫才の上では「こちら側」の人間を代表するヤスダ君に対し、つるちゃんが妄想妄念を言いつのるというシチュエーションの太陽の小町のネタは、我が我がとがっつくタイプではない分、より東京のほうになじみがよいかもしれない。
 今夜は、「家庭教師をやってみたかった」というヤスダ君の言葉に、つるちゃんが食いついていた。
(余談だけど、つるちゃんが考えてヤスダ君が描く『小鳥と小町の絵本日記』は、つーんとくるなあ)

 三幸さんは、師匠文枝さんの『初恋』を演じる。
 島崎藤村の『初恋』(まだあげそめし前髪の…ってやつ)を題材に、高校の国語教師と生徒の主客が入れ替わるのがミソとなる展開で、途中入場のお客さんなどアクシデントをさっと取り込むあたり(落語家なら当然のこととはいえ)も含めて、目から口に抜ける三幸さんらしい笑いの多い高座だった。
 あっ、今回も三幸さんの歌を聴きそびれた…。
 まあ、スピーカーも用意されていなかったしなあ。

 太遊さんの新作は、『幸せになるためのレッスン』シリーズの最終作となる『プロパガン男爵』。
 心ならずも、悪の組織ビックカオス団の四天王の一人プロパガン男爵にさせられてしまった舞台俳優(『祈るように食べる』の夫=父親)が救いを求めた相手は、船井(『放課後フナイトステイシー』等)から耳にした件(『ひとにうし』。予言を口にする、身体は牛で頭は人という存在)だった…。
 さらには、あべさん(『くぐつぐつ傀儡軒』)、サクリファイス・ヒューマノイドの谷口君(『幸せになるためのレッスン』)やドクトル・パンデミック(『ドクトル・パンデミック』)、イミテイ村の面々(『来て!観て!イミテイ村』)等々も登場し、ネオラクゴ・フロンティアの常連さんには一粒で何度も美味しい内容。
 笑いをしっかり仕掛けて伏線を回収しつつ、伝えたいことを巧みに盛り込んだ圧巻となっていた。

 最後は、三河さん(毎月最終金曜日は新作ネタおろしとなる「さんがワールド」は、大阪日本橋のライブハウスAinsNeusHallで19時開演)司会による大喜利。
 天使さんがラストで描いた絵が、強く記憶に残った。
 夢に見そう。

 今夜で一段落が着いたネオラクゴ・フロンティアのさらなる展開が本当に愉しみだ。
 そして、太陽の小町のお二人の活躍を心より祈りたい。
 ああ、面白かった!
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2015年02月17日

ネオラクゴ・フロンティアsection19(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection19

 ゲスト・センサールマン
(2015年2月16日20時開演/錦湯)


 今夜のネオラクゴ・フロンティアは、月亭太遊さんとNSC同期のセンサールマン(山崎仕事人さんと愛植男さんのお二人)が再登場。

 まずは三人がバレンタインを肴にしたおしゃべりで盛り上げて、センサールマンの漫才『浦島太郎』へ。
 前回の『桃太郎』と同じくおなじみの昔話をアレンジしたものだけれど、こちらはパターンの積み重ねというか、繰り返しを巧く利用したネタとなっていた。
 植男さんの劇的な感情表現も見ものだった。

 続く、太遊さんのネタおろしは『ナルシスの加賀美』。
 ビックカオス団の幹部四天王の一人ビッチ・ザ・バビロンが登場するから、『幸せになるためのレッスン』シリーズの一作ということになるか。
 ヤヌスの鏡ならぬ、ナルシスの鏡を前にして、登場人物の加賀美さんが激的な変化を遂げる辺りで笑わせて、自意識美意識についてもしっかり突いている。
 ただ、つきたてほやほやということもあって、ちょっとスリリングな展開になっていたことも確かだ。
 で、そうした場面に立ち合うことができるのもネオラクゴ・フロンティアの醍醐味の一つかもしれない。

 最後はR-1グランプリの話も飛び出したりして、笑いながら傾聴する。

 と、一粒で何度も美味しいネオラクゴ・フロンティアは、毎週月曜20時のスタートです!
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2015年02月10日

ネオラクゴ・フロンティアsection18(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection18

 ゲスト:笑福亭笑利さん、月亭天使さん
(2015年2月9日20時開演/錦湯)


 寒さ厳しい京都だが、今夜のネオラクゴ・フロンティアにも多くのお客さんが集まっていて何より。
 特に今夜はお子さんがよく来られていた。

 まずは月亭太遊さんと、昨年12月以来お久しぶりとなる天使さんのおしゃべりから。
 太遊さんは月亭方気さんと訪問していた南丹市日吉町のことを話題にすれば、天使さんは時間が遅れて行きの電車の中で着物の準備をしたこと(女性専用車を利用のよし)を語る。
 それにしても、太遊さんが話を振っていたが、確かに天使さんは若い。

 で、太遊さんのNSC時代の同期で、昨年9月に笑福亭鶴笑さんに入門したばかりの笑福亭笑利さんが新作に挑む。
 栴檀は双葉より芳しく蛇は寸にしてその気を表す。
 ではないけれど、攻めの気をひしひしと感じる笑利さんだ。
 本題は、ある学生がカレー屋に弟子入りを志願するも…、という内容で、毒っ気のある学生のはずれっぷりが面白かった。

 続けて、太遊さんがネタおろしとなるネオラクゴ『断絶の園』を演じた。
 どうにもずれていて、なんとも気持ちのよくない夫婦のやり取りを描いた、最近起こった出来事をふと思い起こしたりもする毒っ気の強い作品。
 展開、仕掛けともに面白かったのだが、今夜の初演は粗さが見えるというか、かたまりきっていない感じがしていたこともあり、できれば再演を愉しみにしたい。

 最後は、太遊さん、笑利さん、天使さんが、落語につきものの小話についてや笑利さんの入門にまつわるエピソード、NSC時代のことなどをおしゃべりしてお開きとなった。

 と、今夜もバラエティに富んだネオラクゴ・フロンティアだった。
 皆さんもよろしければぜひ!
(そうそう、次回は天使さんの落語をまた聴いてみたいなあ)
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2015年02月03日

ネオラクゴ・フロンティアsection17(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection17

 ゲスト:桂三幸さん
(2015年2月2日20時開演/錦湯)


 2月に入って一回目のネオラクゴ・フロンティア。
 ゲストは昨年末以来の桂三幸さんで、開口一番のおしゃべりはR-1ぐらんぷりの話題などで盛り上がる。

 続く三幸さんの新作は、大阪の土地勘をたっぷりと織り込んだ男女のすれ違いの物語。
 高座に小型のスピーカーが鎮座していて、おやと思っていたら、案の定「音」が効果的に使われていた。
 出来立てほやほやということもあって、とっちらかった箇所もあったのだけれど、三幸さんはそれも巧く笑いに転じてみせた。
 再演が愉しみな作品である。

 月亭太遊さんのネタおろしは、「I don’t know」。
 とあるBARを舞台に、笑いの仕掛けの反復などを活かして小刻みに笑いのヒットを重ねる小気味いい作品に仕上がっていた。

 で、最後は、「I don’t know」の大事なくすぐりを肴にひとしきり会話がはずんだ。

 おなじみのお客さんに初めてのお客さんと、今夜もなかなかの入りで本当に何より。
 まだ足を運んだことがないという方は、ぜひ一度!
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2015年01月30日

ネオラクゴ・カルティベイトU「澱・ソリュウション(よどみ・そりゅうしょん)」

☆ネオラクゴ・カルティベイトU
 「澱・ソリュウション」

 ゲスト:丸山交通公園
(2015年1月29日20時開演/壱坪シアタースワン)


 月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアでネタおろししたネオラクゴから4席を厳撰して再演する、ネオラクゴ・カルティベイトのU「澱・ソリュウション(よどみ・そりゅうしょん)」観聴きしたが、やはり壱坪シアタースワンという密閉された空間で接すると、作品の印象が大きく変わってくるなあと改めて思った。

 で、まずは、途中ブリッジの音楽(ピアノ曲を中心としたクラシック音楽で、前回同様選曲が見事だ)を挟みながら、『放課後フナイトステイシー』、『祈るように食べる』、『ドクトル・パンデミック』、『場末のバステト』の三席が演じられる。

 ネオラクゴ・フロンティアの第一回目のネタおろし作品『放課後フナイトステイシー』は、高校の発表会で時代劇風なお芝居に出演することとなった先輩と後輩のやり取りを描いた作品で、太遊さんの演技達者ぶりがよくわかる。
 だじゃれが放り込まれているあたりにも、この間のネオラクゴの変化を感じた。

 『祈るように食べる』では、若い夫婦と子供の食卓での会話を通してエコやロハスといった風潮に潜む偽善、嘘臭さが鋭く突かれている。
 直球勝負というべきか、初演時以上に太遊さんの畳みかけが効いていて、大いに笑った。

 三席目の『ドクトル・パンデミック』は、『幸せになるためのレッスン』にはじまる一連のシリーズの第二弾。
 悪の組織、ビッグ・カオス団の幹部四天王の一人ドクトル・パンデミック(『幸せになるためのレッスン』に登場)が、恐るべき作戦を成功させんがために洋菓子店に修業に入るも、思うに任せず、そのうちに…。
 といった展開で、太遊さんの目のつけどころ、設定に今回も感心する。
(余談だけど、ドクトル・パンデミックが目をつけたお菓子を、僕も『高森みずきの穏やかな一日』という映画のシナリオの女友達二人の会話の中で使ったことがある)
 今は亡き某声優さんを思い起こさせるようなドクトル・パンデミックのキャラクターも滑稽だし、太遊さんの真情が巧く織り込まれている点もいい。


 続けて、ゲストの丸山交通公園君が登場し、古典の『胴斬り』に挑む。
 今夜が初めての高座ということで、勝手のつかみ辛さがところどころ表われてはいたものの、自分自身の今に引き付けた改作は、笑いという意味でも自らを表現するという意味でも十分に成功していたのではないか。
 丸山君には、これからもぜひ落語に取り組んでいって欲しい。

 そして最後は、太遊さんの『場末のバステト』。
 心ならずも捨て猫の面倒を見ざるをえなくなったおばさんの悲哀、おかかなしさ(by色川武大)に満ちた作品だけれど、終盤の「飛躍」の妙も忘れてはなるまい。
 おばさんが口にする九州弁も非常に効果的だ。

 残念ながら壱坪シアタースワンは閉館となってしまうが、新たな会場での今後のネオラクゴ・カルティベイトを愉しみにしていきたい。
 そして、毎週月曜20時からのネオラクゴ・フロンティアもお忘れなく!
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2015年01月27日

ネオラクゴ・フロンティアsection16(月亭太遊さんのネタおろし・ネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection16

 ゲスト:センサールマン
(2015年1月26日20時開演/錦湯)


 16回目となる月亭太遊さんのネタおろし・ネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアだが、強い雨の中多くのお客さんが集まって、まずは重畳重畳。

 で、今回は太遊さんとNSC同期のセンサールマンのお二人(立ち位置、客席から観て右側の山崎仕事人さんと左側の愛植男さん)がゲストということで、開口一番のおしゃべりでも昔話が飛び出す。
 そして、センサールマンの漫才と続いたのだけれど、いやあこれは面白かった。
 ネタがきっちり造り込まれているし(このネタはツボにはまったなあ)、やり取りのバランスもよく考えられている。
 今はフリーで活動されているそうだが、フロンティアはもちろんのこと、他の場所でももっと観聴きしたいと思った。

 太遊さんのネタおろしは、『マニー・マ少年合唱団』。
 『幸せになるためのレッスン』、『ドクトル・パンデミック』に続く、一連のシリーズの第三章。
 よくまあこんな設定を持ってくるなと感心感嘆するとともに、言いたいこと伝えたいことを巧みに織り込みつつしっかりたっぷりと笑いを生み出していて、これまた面白かった。

 で、最後は、またもや昔の話(太遊さんの伝説!)、今の話、さらには愛さんの得意芸などで盛り上がった。
 雨でも足を運んで大正解の一夜でした。

 そして、今週木曜日(29日)の20時からは、壱坪シアタースワンでネオラクゴ・カルティベイトが開催される。
 こちらのほうも、皆さんぜひぜひ!!
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2015年01月20日

ネオラクゴ・フロンティアsection15(月亭太遊さんのネタおろし・ネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection15

 ゲスト:桂三河さん
(2015年1月19日20時開演/錦湯)


 ゲストに盟友桂三河さんを迎えた今年三回目の月亭太遊さんのネタおろし・ネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection15は大盛況。

 開口一番となる太遊さんと三河さんの掛け合いののちは、三河さんが新作落語『新世界の神様』を演じた。
 三河さんにとって身近な大阪は新世界のとある場所を舞台にした作品で、とても飛躍した内容であるにも関わらず、いやいや新世界ならあってもおかしないんとちゃうかと思わせるリアリティーとおかしさを持った面白い展開となっていた。
 新世界との適切な距離のとり方もいい。

 続くは、太遊さんのネタおろし『にんべんにうし』。
 「にんべんにうし」と書いて…、という目の付けどころにまずもっておおと唸るし、その中に太遊さんの伝えようとするところもしっかりと織り込まれている。
 もちろん、笑いの仕掛けが豊富なことは、言うまでもない。
 ああ、面白かった!

 で、終了後には具だくさんで美味しい豚汁の販売もあり、いつにも増して愉しい会となった。
 月曜20時はネオラクゴ・フロンティア。
 皆さん、お忘れなくです!
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2015年01月12日

ネオラクゴ・フロンティアsection14(月亭太遊さんのネタおろし・ネオラクゴ会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection14


 ゲスト:十手リンジン
(2015年1月12日20時開演/錦湯)


 初登場の十手リンジンをゲストに迎えた、今年二回目のネオラクゴ・フロンティア。

 開口一番のおしゃべりに十手リンジンの「つなぎ」のあとは、太遊さんが『幸せになるためのレッスン』を演じた。
 この作品に接するのも今夜で三回目だったが、細かいくすぐりを確認できるのも重ねて聴くことの愉しみの一つだ。

 続いては、十手リンジンの漫才。
 学生時代陸上部だった十田さんと高校時代野球をやっていた西手さん(十と手で十手。そして、十手リンジンはジッタリンジンからきてるんだろうな)と、体育会系の二人組だけれど、そんな二人にぴったりの、「疾走するおかしみ」とでも言いたくなるようなエネルギッシュでパワフルな展開だった。
 今度は、大きな小屋で観聴きしてみたい。

 そして、太遊さんのネタおろしネオラクゴは、『ドクトル・パンデミック』。
 実は、『幸せになるためのレッスン』に登場する「ドクトル・パンデミック」なる人物を主人公に配したスピンオフ作品で、キャラクター設定はもちろんのこと、目のつけどころのよさ、細やかさも愉しかった。
 そして、太遊さんの想いや伝えたいことが織り込まれているあたりも、ネオラクゴの効きどころのひとつだと思った。
 ああ、面白かった!

 ネオラクゴ・フロンティアは、2015年も外せない。
 皆さんもぜひ!
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2015年01月05日

ネオラクゴ・フロンティアsection13(月亭太遊さんのネタおろし企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection13

 ゲスト:桂三河さん
(2015年1月5日20時開演/錦湯)


 盟友桂三河さんをゲストに迎えた今年最初のネオラクゴ・フロンティア(月亭太遊さんのネタおろし企画)だが、今夜もなかなかの入りでまずは何より。

 で、太遊さんと三河さんのおしゃべりののち、三河さんの『サプナ』が始まる。
 老舗を舞台にした話というので、もしかして人情譚? と思っていたら、これが大間違い。
 予想を巧くかわしたドライで滑稽な展開が面白かった。

 続く、太遊さんのネタおろしネオラクゴは『おしかけロンリネス』。
 無自覚の悪意、偽善、嘘臭いことやものへの、太遊さんの鋭いセンサー、アンテナがよく示された作品で、ぜひまた観聴きしたいと思った。

 と、やっぱり2015年もネオラクゴ・フロンティアは観逃せないし聴き逃せないな。
 皆さんも、ぜひ一度ネオラクゴの新作の誕生の瞬間に接してみませんか?
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2014年12月31日

ネオラクゴ・カルティベイトT「歪・エンゲイジ(いびつ・えんげいじ)」

☆ネオラクゴ・カルティベイトT「歪・エンゲイジ(いびつ・えんげいじ)」

 ゲスト:横山清正君
(2014年12月30日20時開演/壱坪シアタースワン)


 毎週月曜20時から錦湯で開催されているネオラクゴ・フロンティアでネタおろしされた新作ネオラクゴから、厳撰された作品を月亭太遊さんが再び演じるという企画、ネオラクゴ・カルティベイトが壱坪シアタースワンでスタートした。

 満席大盛況となった初回「歪・エンゲイジ」で演じられたのは、『くぐつぐつ傀儡軒』、『再教育テレビ』、『幸せになるためのレッスン』、『蝶よ 花よ』の四作。
 ネタ割りは当然避けるけれど、話の設定展開やキャラクターづくりが見事な上に、太遊さんの様々な想い、含意がしっかりと伝わってきて、二度目だというのに、いや二度目だからこそ、大いに笑い強く心を動かされた。
 また、シアタースワンという密閉された空間を活かすことで、作品の持つスリリングさやドラマティックさも際立たされていたと思う。
 それと忘れちゃならないのが、出囃子などの選曲の妙。
 それぞれの作品とともに、ネオラクゴ・カルティベイトのコンセプトにもぴったりな音楽だったのではないか。

 なお、ゲストは月面クロワッサンの横山清正君。
 古典の『だくだく』に果敢に挑戦していた。

 次回、U「澱・ソリュウション(よどみ・そりゅうしょん)」は来年1月29日の開催。
 ネオラクゴ・フロンティアともども大いにお薦めです。
 ああ、面白かった!
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2014年12月23日

ネオラクゴ・フロンティアsection12(月亭太遊さんのネタおろし会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection12(月亭太遊さんのネタおろし会)

 ゲスト:桂三幸さん
(2014年12月22日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネタおろし会・ネオラクゴ・フロンティアも、年内は今夜が最後。

 で、ゲストの桂三幸さんと太遊さんのトークに続いて、三幸さんの落語が始まる。
 毎度おなじみ目から口に抜けるかの如き、細かいくすぐりがふんだんのマクラののちに本題へ。
 「嘘」が重要な鍵となるお話で、ほんわかとした気分で聴き終えることができた。

 一方、太遊さんのネタおろしは、『アララとアララト』。
 これぞネオラクゴの真骨頂というか、ネオラクゴという概念に相応しい作品となっていたのではないか。
 話のスケールはもちろんのこと、太遊さんの伝えたいことがよく表された展開になっていたと思う。

 大喜利でしめたあとは、太遊さん、三幸さんやお客さんとの打ち上げが開かれて、お二人のお話をゆっくりうかがうこともできた。

 そして、年末30日の20時からは、壱坪シアタースワンで2014年のネオラクゴの総決算、ネオラクゴ・カルティベイトTが開催される予定だ。
 こちらのほうも、ぜひぜひお見逃しお聴き逃しないように!
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2014年12月16日

ネオラクゴ・フロンティアsection11(月亭太遊さんのネタおろし会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection11(月亭太遊さんのネタおろし会)

 ゲスト:太陽の小町
(2014年12月15日20時開演/錦湯)


 今夜のネオラクゴ・フロンティアは雑誌の取材も入るなどとても盛況で、まずは重畳重畳。

 で、こちらは所用があって、ちょうど太遊さんの『時うどん』が始まる直前に錦湯に到着した。
 『時うどん』といえば、言わずと知れた古典作品だが、そこはネオラクゴ・フロンティア。
 太遊さんらしい仕掛けが施されていた。

 続くは、おなじみ太陽の小町のお二人による漫才。
 ヤスダ君、つるちゃんのキャラクター設定とともに、そこからにじみ出てくる特性人柄も魅力だ。
 どうにも応援したくなるコンビである。

 そして、太遊さんのネタおろしは、『蝶よ 花よ』。
 登場人物の心の動きと感情表現の振幅が肝となる見応え聴き応えのある意欲作で、これはぜひ再演再再演…と愉しみにしていきたい。

 締めは、ヤスダ君が司会を務めた大喜利で、太遊さんはもちろんのこと、つるちゃんも快答を重ねていた。

 何が飛び出すかわからない、ネオラクゴ・フロンティア。
 とってもとってもお薦めです!
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2014年12月09日

ネオラクゴ・フロンティアsection10(月亭太遊さんのネタおろし落語会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection10(月亭太遊さんのネタおろし落語会)

 ゲスト:桂三幸さん、月亭天使さん
(2014年12月8日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんの「ネオラクゴ」のネタおろし会、ネオラクゴ・フロンティアもついにsection10を迎えたが、今夜はそんな10回目に相応しい密度の濃い(濃過ぎる?)会となっていた。

 で、太遊さんとゲストの三幸さん、天使さんのトークで場があたたまったところで、天使さんの落語が始まる。
 気のながあーい男と気の短い男の掛け合いを描いた古典の『長短』を現代の女性どうしの会話に置き換えた作品で、まずは、演者さんの「実感」を大切にしたアイデアが興味深い。
 そして、「長」の側のもちゃもちゃあっとした話ぶりには、対する「短」の側のいーっとする感じも伝わってきたりもして面白かった。
 古典をきっちり語り込む天使さんもいいけど、こういう仕立て直しも愉しみだ。
 あっ、あと増村保造のファンとしては、京橋の落語会でやった大映ドラマ風の新作も聴いてみたい。

 続いては、三幸さん。
 前回、「目から口に抜けるよう」と記したけど、軽口の速射砲というか、次から次へと繰り出される言葉にまずもって笑ってしまう。
 そして、留学生を主人公とする本題でも、そうした三幸さんの特性魅力がよく発揮されていた。
 脱線も「らしい」。
 残念だったのは、三幸さんの歌が聴けなかったこと。
 次回(別の場所で)は、ぜひ。

 そして、最後は太遊さんのネタおろし『くぐつぐつ傀儡軒』で、これはもう留めの一発という感じ。
 とあるラーメン屋を舞台とした話だが、設定自体巧みだし、伏線もきちんと張ってあるし、それより何より、やり取りの畳みかけが面白く、笑いの地雷を踏まされた踏まされた。

 と、全篇笑い過ぎて喉が痛くなってしまったほどだ。
 ああ、面白かった!

 やっぱりネオラクゴ・フロンティアは観逃せません。
 皆さん、ぜひ!!
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2014年12月05日

月亭太遊の○○落語研究会G

☆月亭太遊の○○落語研究会G

(2014年12月5日19時開演/祇園花月)


 毎週月曜夜のネオラクゴ・フロンティア(錦湯)でもおなじみ月亭太遊さんが、さらに新たな企画を立ち上げた。
 祇園花月を舞台に若手漫才師たちが落語にチャレンジするという企画がそれで、その名も『月亭太遊の○○落語会』。
 タナからイケダの田邊猛徳と池田周平、ゆりやんレトリィバァ(ぴんの女性芸人)、アインシュタインの種田直樹、祇園の木崎太郎、コーンスターチの岡下雅典、ファミリーレストランの原田良也、プリマ旦那の野村尚平といった面々が、○○の部分にそれぞれの言葉(例えば、「稲田」落語であるとか、「器用」落語とか)を当てはめて、その言葉に相応しい落語を披露していたのだけれど、いやあこれはとても興味深く面白い企画だった。
 いわゆる「落語」という枠組みを党是ならぬ笑是とする向きには、いろいろと言いたいこともあるのかもしれないが、自分の特性魅力、得意なネタをしっかり心得て、彼彼女ならではの落語、笑いをしっかり生み出していたことも確かだ。
 さすがは、日々板の上で鍛えられているだけはあるなあと感心し、それより何より笑った笑った。
 それと、各々のファンと思しき若い女性が集っていたことも忘れてはならないと思う。
(そうそう、「くろと」らしい女性とお客さんらしい男性がちらほら見受けられたのも、祇園花月という場所柄らしいなと感じた)
 太遊さんの「ネオ」ラクゴや盟友桂三河さんの「普通」落語はもちろんのこと、途中大喜利もあるなど盛りだくさんの内容で、大いに愉しめた。

 ああ、面白かった!
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2014年12月02日

ネオラクゴ・フロンティアsection9(月亭太遊さんのネタおろし落語会) tuki

☆ネオラクゴ・フロンティアsection9

 ゲスト:太陽の小町
(2014年12月1日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ・フロンティアも回を重ねてsection9、2つの作品にゲストの太陽の小町の漫才を挟み、大喜利でしめるというラインナップだった。

 まずは、太遊さんのネタおろし『幸せになるためのレッスン』から。
 はじめに趣向を明かしておいて…、が、しかし、という展開の作品。
 予想を巧く裏切られるというか、話の流れの変化も面白かった。

 続いて、太陽の小町の漫才。
 オフビートな漫才というと、それっぽい言葉過ぎて嫌なんだけど、不器用さの器用さというのか、訥弁の能弁というのか、二人の関係性がふと垣間見えてそこら辺りもおかしい。

 そして、11月26日の京橋の落語会でかけられた『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』。
 登場人物の設定というか、話の大切な仕掛けがとてもツボにはまっておかしくておかしくて仕方がなかった。
 ネタが割れないのが悔しいのだけれど、これは大好きな作品だ。

 と、今回も約90分、とても愉しませていただきました。
 毎週月曜20時からのネオラクゴ・フロンティアに皆さんもぜひ!
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2014年11月25日

ネオラクゴ・フロンティアsection7+8

☆ネオラクゴ・フロンティアsection7+8

 ゲスト:桂三河さん
(2014年11月24日20時開演/錦湯)


 ちゃいちゃい寄席のため先週お休みだった月亭太遊さんのネタ降ろし落語会、ネオラクゴ・フロンティアは、おなじみ桂三河さんをゲストに迎えて、section7+8として開催された。

 で、まずは太遊さんのネタ降ろし『茶の間』から。
 まずは細かな掛け合いがおかしい。
 そして小さな世界を描きつつ、それがなんだか広い世界にぐんとつながっているような感じがしたのも面白かった。

 続いては、三河さん。
 メイド喫茶を題材にした新作だが、前回の『阿修羅』同様、話の重ね方、畳みかけが面白い。
 そうそう、三河さんも来年1月から毎月最終金曜日にネタ下ろしを始められるとのこと。
 こちらも目(耳)が離せない。

 そして再び太遊さんが登場し、お客さんのリクエストに応えてsection5でネタ降ろしした『来て!観て!イミテイ村』などを演じたが、ネオラクゴの真髄といえば大げさかな、ネオラクゴが徐々に肉付けされていくプロセスを実感できて非常に興味深かった。

 と、盛り沢山の企画ですので、月曜夜は皆さんも錦湯にぜひ!
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2014年11月11日

ネオラクゴ・フロンティアsection6(月亭太遊さんの新作ネタ降ろし落語会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection6

 ゲスト:桂三河さん、桂あおばさん
(2014年11月10日20時開演/錦湯)


 回を重ねて、月亭太遊さんの新作ネタ降ろし落語会、ネオラクゴ・フロンティアも6回目。
 今回は、おなじみ桂三河さんと、桂ざこばさんのお弟子さんの桂あおばさんをゲストに迎え、新作落語三本と大喜利の一夜となった。

 で、まずは、あおばさんの『日和医者』から。
 笑福亭鶴瓶が昔々つくった新作落語で、感情の極端な変化が肝となるお話。
 こうやって生で聴くことができて嬉しかった。

 続いては、三河さんが十八番の『阿修羅』を演じた。
 人間の修羅場を造り出すという阿修羅たちの右往左往を描いた噺だが、特に終盤の畳みかけがとても面白かった。

 そして、太遊さんのネタ降ろしは、『祈るように食べる』。
 世の中の「あやしさ」「おかしさ」に鋭く目をつけた作品。
 尺が短いこともあって、毒っ気が前面にどんと出た感もなくはないが、そこはネタ降ろし。
 これからの話の膨らみ具合が実に愉しみだ。

 最後の大喜利は、三河さんの司会で、太遊さんとあおばさんが三つのお題に挑んだが、「ネオラクゴ」に関する掛け合いも面白かった。

 と、今回もバラエティに富んだ内容で、約90分があっという間。
 毎週月曜の20時から開催ということなので、仕事帰りや学校帰りにでも、ぜひ気軽に立ち寄っていただければと思う。
(ただし、次回は「ちゃいちゃい寄席」開催のため、錦湯でのネオラクゴ・フロンティアはお休み)
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2014年11月04日

ネオラクゴ・フロンティアsection5(月亭太遊さんの落語会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection5

 ゲスト:桂三幸さん、月亭天使さん、太陽の小町のお二人
(2014年11月3日20時開演/錦湯)


 毎週月曜の夜恒例の月亭太遊さんの新ネタおろし落語会、ネオラクゴ・フロンティア。
 今回は、17時から開催されたジャズライヴの雰囲気を切り換えるべく、太遊さんの開口一番的な短い噺から。
 太遊さん、声がいい!!

 で、お次は漫才の太陽の小町。
 ヤスダ君は白で、つるちゃんは黒づくめと、衣裳のコントラストも際立つ男女のコンビだが、あなた見るからに「変な」キャラクターのつるちゃんに、こなた「常人」、じゃなくてこちらも何か不穏さを秘めたヤスダ君の関係性におかしさを感じる。
 アウェイというか、もっと「冷たい」お客さんの中で接したほうが、かえってそのオフビートさがよりはっきりわかるのではと思ったりもした。

 続くは、桂文枝一門の桂三幸さん。
 勘違いを活かした新作(って、下ネタ!!)をかけていたが、マクラからして目から鼻に抜ける、とともに目から口に抜けるかのような言語感覚、言葉の繰り出し具合が面白かった。

 前回に続いて出演の月亭天使さんは、会の時間もあってか、マクラをさっと切り上げて『転宅』へ。
 東京では以前接した記憶があるが、実は関西でこの噺を生で聴くのは初めてで、まずもってそのことがありがたい。
 そうそう、高橋はんぺんを演じる天使さんを観聴きしていて、その艶っぽい感じに、ふと大昔に接した玉川スミさんのことを思い起こしたんだった。
(お二人が似てるってことじゃないんだけどね)

 そして、太遊さんの新作『来て!観て!イミテイ村』。
 メタ的構造、なんて小難しい言葉はいらないな。
 太遊さんの発想の豊かさ、おもろさがよく発揮された話となっていた。
 さらにどんどん肉付けされていけば、大ネタに化けるのではないか。
 それと、太遊さんは登場人物の演じ分けが巧いなと改めて思った。

 と、盛り沢山な内容で、今夜も大いに愉しんだ。
 ああ、面白かった!
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2014年10月27日

ネオラクゴ・フロンティアsection4(月亭太遊さんの落語会)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection4(月亭太遊さんの落語会)

 ゲスト:月亭天使さん
(2014年10月27日20時開演/錦湯)


 矢野誠一の『昭和の演藝二〇講』<岩波書店>を読んでいると、最後の二〇講の中で、十八番の『らくだ』を注文しているのにやってくれないのは何故かとなじる学生風の若い男に、八代目の三笑亭可楽が、
「あァた、そんなに『らくだ』が聴きたけりゃ、雨の日にいらっしゃい、雨の日に」
と言い捨てる場に矢野さん自ら立ち合ったというエピソードが記されている。
 つまり、雨のなかわざわざ出かけてくるのは本当に藝の好きな人、客のほうにも、いい藝にふれたければ天気の悪い日を選ぶ習慣があったと、矢野さんはいうのである。

 前回のネオラクゴ・フロンティアを、雨の日の気圧と湿度のWパンチでパスしてしまった人間には、どうにも耳の痛い言葉ではあるけれど、なんのなんの、晴れようが雨だろうが曇ろうが月亭太遊さんの挑戦ぶりは変わらない、今夜のネオラクゴ・フロンティアも大きな笑いに包まれて、それこそ月亭の名にぴったりの月夜の下、心の憂いがおちてすっと澄み渡るような会となっていた。

 今回のゲストは、月亭一門のお姉(姐?)さん、月亭天使さん。
 で、まずはその天使さんの『初天神』から。
 マクラを終えて話に入ったあとの切り替わり、テンポの変化と、父親息子ら登場人物の描き分け描き込みが強く印象に残った。
 経歴等一切知らないのだが、もしかしたら天使さんは演劇を経験してるんじゃないかと思ったりもした。

 そして、太遊さんの新作は『場末のバステト』。
 九州出身者としては、「ばってん荒川」を思い起こすようなおばさんが主人公。
 まくし立てる九州弁の使い方が効果的だし、おっと驚く展開だし、おまけに笑いと笑いの合間にほんの少しさみしさ、おかかなしさが感じられるあたりもいい。
 ちなみに、タイトルに関しては、聴いてのお愉しみということで。

 最後に、お客さんから集めた次回の新作用のお題をもとに、太遊さんと天使さんがおしゃべりをして会を〆た。
 ここでは、お客さんの割り込みに対する太遊さんらの返しや交しもおかしかったなあ。

 いずれにしても、愉しい90分。
 ああ、面白かった!
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2014年10月07日

ネオラクゴ・フロンティアsection1

☆ビバ・ラ・レボリューション「ネオラクゴ・フロンティアsection1」

 出演:月亭太遊、桂三河、無農薬亭農薬
(錦湯/20時開演)


 吉本興業が進める「あなたの街に住みますプロジェクト」の目玉といえば、全国各47都道府県に芸人さんたちが実際に移住して、積極的に地域活性化町興しに取り組む「住みます芸人」だが、我らが京都の住みます芸人で、京都小劇場の若手陣がとてもお世話になっている月亭太遊さんが、根城の錦湯(2階に居住中)を高座にして新たな落語会を立ち上げるというので迷わず足を運んだ。
 その名も、ネオラクゴ・フロンティア(言わずもがな、風呂とかかってます)。
 で、毎週、自作のネタ下ろしに挑むというのだから、その意気や凄しである。

 第1回目の今回は、落語界の先輩で太遊さんととても親しい桂三河さんの新作落語『悲しい誕生日』から。
 もともと大喜利の司会進行だけの予定が一席披露することになったということだけど、捻りはきちんとありつつも、悪意の少ない安心して笑える内容の噺で、三河さんの人柄によく合っているように感じられた。

 続いて、太遊さんの『放課後フナイトステイシー』。
 フナイトステイシー、てなんやねん!?
 それは聴いてのお愉しみ。
 細かいくすぐりに、太遊さんの芝居調子と笑いの仕掛けも豊富で、大いに笑った笑った。

 そして、最後に無農薬亭農薬君を迎えての大喜利で、太遊さんに伍して無農薬亭農薬君も健闘していたが、そうした答えを巧く受ける三河さんに、やっぱりプロだなあと感心したりもした。

 いずれにしても、立ち見のお客さんも出る盛況は何よりだった。

 毎週月曜日は定休日ということでお風呂のほうには入れないものの、投げ銭制で1時間半弱。
 気楽にのぞいてみてはいかがかと思う。

 ああ、面白かった!
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