2016年05月05日

レイトショー寄席その一

☆レイトショー寄席その一

 出演:月亭太遊さん
 ゲスト:神野龍一さん
(2016年5月4日20時半開演/Variety Kyoto)


 三条京阪駅前のブックオフから東に進み、一筋目の道を北に少し、中華料理店が入った総合ビルの2階の一室に、この度期間限定で設けられたのが、その名もVariety Kyotoなるイベントスペース。
 かつて京都大学の学生劇団愉快犯の主犯として活躍した玉木青君が仕掛人という、このVariety Kyotoで4日、6日、12日のつごう三日間、おなじみ月亭太遊さん監修による『レイトショー寄席』(毎回20時半スタート)が開催されるというので、迷わず足を運んだ。
 ちなみにVariety Kyotoはデザイン事務所風というか、居住空間ではないものの、ほぼワンルームマンションの如きこじゃれた印象の部屋だった。

 などと、まるでただのお客さんのように記してきたが、皆さん、こういう客観性を装ったステマに騙されたらあきませんで。
 っていうのは、昨夜の話にもどこかで繋がる物言いかな。
 実は12日の回は、この文章を書いている当人、中瀬宏之がゲストとして出演することに決まっているのだ。
 ということで、関係者が感想を語っているということを重々ご承知の上、以下お読みいただければ。
(「ニュートラルとは現にかく在る状態ではなく、結果としてどちらかに偏らざるをえない人間が、自らの判断について深く考察しようとする強い意志をこそ呼ぶべきではないか」
という昔書いた文章をあえて引用しておきます。世の中、ニュートラルじゃない人が多いぜ)

 さて、レイトショー寄席の一回目となる昨日は、太遊さんがネオ落語・セントラルの常連さんでもある神野龍一さんとともに、京都に落語シーンは作れるか?(この場合のシーンは、情景ではなく状況)をテーマに語っていった。
 なお、神野さんは関西ラップ界のオノマトペ大臣と『カンサイソーカル』を刊行するなどライターとして活動される一方、自ら天満天神繁昌亭で実演を学んでもいるように落語に深く慣れ親しんでいる方でもある。
 当然寄席と名乗るだけあって、途中古典の『拾得』、最後に『ドナドナ』と太遊さんが2席落語を演じたが、これはいわゆるレクチャーコンサートの実演の部分と解釈していただければ。
 肝はやっぱり太遊さんと神野さんのおしゃべり。
 で、今人気の『昭和元禄落語心中』や立川吉笑さん(談笑さんのお弟子さん。もともと京都の出身で、ヨーロッパ企画とも関係が深い。今日も元・立誠小学校で落語を演じるはずだ)の『現在落語論』や、太遊さんの東京での実感などを交えながら、最近の落語ブームであるとか、東京と関西(上方)の落語界の違いに触れた上で、京都で落語シーンを作っていく意味へと話は進んでいった。
 と、こう書くとしんねりむっつり小難しい話とちゃうんかと訝る方もおられるかもしれないけれど、そこは無問題。
 昔の上岡龍太郎さんの『EXテレビ』を思い出すような、笑いの仕掛けもそこここにある、錦湯さんでの落語会とは一味もふた味も違った面白い展開となっていた。
 終盤、話が京都の落語シーンの実例としてネオラクゴ・フロンティア、並びにネオ落語・セントラルへ向かったところで、当方も登場。
 思わず、小学生時代の「入門」トラウマの話までしてしまった。

 6日は実践編、弟弟子の月亭遊真さんと落語会形式で。
 そして、12日は中瀬も出演して、錦湯さんでの1年半を振り返ってみるという趣向。
 中瀬の下手な物真似が聴けるかも(あっ、これはいらないか)。

 ネオ落語・セントラルに来られたことがある方も、そうでない方もぜひぜひお越しくださいませ!
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2016年05月03日

ネオ落語・セントラル 第29回

☆ネオ落語・セントラル 第29回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、宇多川ぱるるさん
(2016年5月2日20時開演/錦湯)


 昨日は連休中の方もあり、平日進行でお仕事の方もありという、ゴールデンウィークの狭間の一日。
 おまけに、日中は初夏を通り越して夏本番といった暑さだったが、そんな中も、錦湯さんでは毎週月曜好例のネオ落語・セントラルが開催された。
 29回目となる昨夜は、前回の少数精鋭主義とは打って変わって、あるは東京からあるは愛知からのご新規さん、今夜もやって来ましたよのリピーターさん、お久しぶりの常連さんで大入りとなり重畳重畳。

 まずは、桂三幸さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さんのトークからスタート。
 爪痕残さいでか、と言うよりも、あたるを幸い潰したろかといった笑利さんのクラッシャーぶりが炸裂。
 そんな笑利さんを太遊さんが抑える横で、三幸さんは自然流、三実さんは小技ちょい出しで応じつつ盛り上げた。

 で、半ば焼け跡の煙が立ち込めるような中を三実さんが高座へ。
 空気をさっと変えて、『寝床』をしっかり演じた。
 根はいい人なのに、いやだからこそか、事浄瑠璃となると気が違ってしまう旦那(だん)さん。
 しかもこの旦那さんの浄瑠璃が、下手の横好きどころではない代物で…。
 といった、おなじみの古典だが、三実さんは長屋の店子たちが旦那さんの浄瑠璃を如何にして断るかといった部分は簡潔にすませ、旦那さんの腹立ちや、番頭さんに説得されて浄瑠璃を語ることに決める旦那さんの心の動きに前半の頂点を置く。
 三実さんの柄もあって、その様子がどうにもにくめない。
 後半では主客逆転、視座ががらっと変化して、浄瑠璃を聞かされることになる「被害者たち」の姿が丁寧に演じられていく。
 折り目正しい中にも、三実さんの茶目っ気もうかがえて面白かった。
 三実さんの30代の『寝床』、40代の『寝床』、50代の『寝床』も愉しみだ。

 続いて三幸さんが登場、『初天神』をかける
 前回出演の際は、今住んでいるマンションの大概なエピソードがマクラで語られていたが、今回は引っ越す前に住んでいたマンションの大概なエピソードで笑いをとっていた。
 こうやって、マクラの「積み重ね」があるあたりも、ネオ落語・セントラル(錦湯さん)が三幸さんのホームグラウンドと呼ばれる所以の一つだろう。
 三幸さんの『初天神』は、強弱のメリハリがよく効いていて、テンポも快活。
 そして、ここぞというところでの声の張り具合も三幸さんらしい。
 子供の悪知恵ぶりもよくわかる。
 そうそう、セントラルでも三幸さんの美声が発揮される歌ネタをそろそろやってはもらえないものか。

 ここまで古典が二作。
 先日、ラ・フォル・ジュルネびわ湖で目の醒めるようなカンマーアカデミー・ポツダムの演奏を聴いたこともあって、古典は作品そのものがよく出来ている分、演じる人の個性特性が大きく物を言ってくるのではと改めて感じた。
 もちろん、基礎をしっかり押さえるのは当たり前のことだし、ただ単に目新しいことをやればいいということでもないけれど。
 ただ漫然と繰り返されているだけでは、たとえ名人上手であっても心は動かされない。
 まして中途半端に上手いだけではつまらない。
 三実さんの『寝床』、三幸さんの『初天神』には、やはり二人のパーソナルな部分(噺への向き合い方や人柄そのもの)がはっきりと窺えて、興味深く面白かった。

 と、笑いながら刺激を受けつつ、トリの太遊さんへ。
 刺激を受けるという意味でいえばこの1年半近く、太遊さんのネオラクゴからどれだけ刺激を受けてきただろうか。
 毎週の新作発表そのものもそうだし、作品の内容もそうだ。
 たぶん、こうやって毎週太遊さんに接していなければ、今ほど本気で小説を書く気にはなれなかっただろう。
 で、今夜はらぷご(ラップ落語)ではない、『韮井家内』がおろされた。
 休みで沖縄にやって来た高橋君を待っていたのは、自分に都合よくなんでも前向きに考えてしまうポリアンナならぬ堀杏奈。
 そんな堀杏奈に紹介された相手とは…。
 といった展開の、『堀杏奈』の続篇。
 言葉遊びが肝という点は、らぷごとも共通しているか。
 そして、こういう時節だからこその「堀杏奈」とも思えてならなかった。

 最後は、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、「あんぱんまんの新キャラクターあんかけまんの決め台詞とは?」といった作家の桜井さん(今回もお休み)考案のお題に、三幸さん、三実さん、笑利さん、大喜利出演の貯蓄アンドザシティさん、宇多川ぱるるさんが挑んだ。
 当然の如く、ここでも笑利さんがクラッシャー+機智guyぶりを発揮。
 前回に続いて東の横綱の貫録(癇戮)を見せつけた。
 が、初登場の宇多川ぱるるさん(長門勇をもっと丸こくしたような方。本当は遊劇体のキタモトマサヤさんを毒蝮三太夫カットにしたような方というたとえがぴったりなのだけれど、京都小劇場の関係者しかわからないだろうな…)も負けてはならじと機智guyな解答を連発。
 低音は魅力の声とともに、早速西の張出横綱に昇進か?
 むろん、コンスタントな解答の三幸さんや貯蓄さん、そしてフリップの不備の不利を承知で闘いに挑んだ三実さんも忘れてはなるまいが。

 などと、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 笑いたい人刺激を受けたい人は、ぜひ錦湯さんへ!
 ああ、面白かった!!
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2016年04月26日

ネオ落語・セントラル 第28回

☆ネオ落語・セントラル 第28回

 出演:桂三河さん、桂文五郎さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、かるあ君、棚卸し代行ハウスさん
(2016年4月25日20時開演/錦湯)


 28回目となるネオ落語・セントラルは、大阪は道頓堀ZAZAにおける「いつつぼし五流派落語会」出演のため月亭太遊さんが不在。
 ということもあってか、いつもに比べて若干お客さんの集まりは少なかったものの、そこはあえてこちらを選んだだけあって少数精鋭、愉しい会となった。

 まずは、桂三河さんと今回初登場となる桂文五郎さんのトークからスタート。
 一見、松竹新喜劇の二の線風、先ごろ三年間の見習い修行を終えたばかりという文五郎さんは、師匠桂文珍さんにとって25年ぶりの年季があけたお弟子さんとのこと。
 ご苦労が偲ばれる。

 で、盛り上がったところで、その文五郎さんが高座へ。
 おなじみ『阿弥陀池』を演じる。
 ありもしないホラ話でなぶられた町内の男が、今度は誰ぞにおんなじ話をして騙し返したろと勢い込んだはよいが…。
 落語中のホラ話ではないが、下に押さえ込まれた泥棒が懐に忍ばせた匕首で。
 って、これはそれこそ剣呑な喩えかな。
 キャラクターの描き分けがしっかりして、強弱のはっきりした、筋のわかりやすいオーソドックスな上方の落語家さんらしい語り口なのだけれど、時折芯の強さというか、後述大喜利で表されたような寸鉄人を刺す気の動きが窺えたのも興味深く、またそこに、師匠の文珍さんと相通ずるものを感じたりもした。

 しばし夢のような驚きの時間あり。
 今回のネオ落語・セントラルを外してしまった皆さんは、思わぬ金星を掴み損ねたってことです。

 トリは、三河さん。
 身近なエピソードを重ねたマクラで大きな笑いをとってから、本題の『お忘れ物承り所』へ。
 師匠桂文枝さん(三枝時代)による、細かいくすぐりの効いたよくできた作品で、ここぞというところできっちり笑いが起きていた。
 この夜の三河さんには、どこか大師匠然とした風格あり。

 最後は、定番の大喜利となる。
 三河さんの仕切りの下、作家の桜井さん(あいにくお休み)考案のお題に、文五郎さんと大喜利連の貯蓄アンドザシティさん、かるあ君、棚卸し代行ハウスさんが挑んだ。
 三河さんの仕切りは、獲物を横取りしない鵜飼いの鵜匠といった感じ。
 解答者の思うに任せつつ、適宜合の手を挟んで行く。
 文五郎さんは、三河さんとともに大喜利連にも気を配りつつ、自らブラックというだけあって、時にシュートな解答を飛ばしていた。
 一方、大喜利連は、三者三様の安定した解答ぶり。
 文五郎さんにのっかる形で、かるあ君など、けっこうきわどい答えを連発していた。

 と、一味もふた味も違ったネオ落語・セントラルでした。
 何が起こるかわからないネオ落語・セントラルへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年04月19日

ネオ落語・セントラル 第27回

☆ネオ落語・セントラル 第27回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利出演:合田団地君、広瀬信輔君、かど君(表記?)
(2016年4月18日20時開演/錦湯)


 どうやら毎週月曜の夜は寒くなるようで、昨夜も案の定気温が下がる。
 おまけに九州では地震の被害が続いているということもあって入りはどうかなと心配したが(お前は席亭か!)、27回目となるネオ落語・セントラルも20時前には徐々にお客さんが集まり始め、開演の三味の音が鳴る頃には結構な入りとなって重畳重畳。
 まずは、桂三幸さんと月亭太遊さんのトークから。
 大分と熊本の県境がご実家の太遊さんとしても、今回の地震は気が気でないところだろうけれど、そこはプロ。
 愛媛出身の三幸さんともども、しっかりと盛り上げつつ、募金の呼びかけも行っていた。

 で、トークは途中の挨拶のみで切り上げた桂あおばさんが高座へ。
 と、言うのも今回取り上げるネタ『東の旅』中の『七度狐』で準備に余念がなかったため。
 お伊勢さん参りに出かけた喜六清八の二人連れ。
 道中、知らぬ間にその地の狐に傷を負わせたのが悪かった。
 なんとこの狐、ひどい目に合わせるならば七度騙して返すという執念深い狐で…。
 というおなじみの噺だが、袴姿も凛々しいあおばさんは丁寧で細やかな掛け合いと、ここぞというところでの大きな動きでしっかり演じ上げていく。
 あとの大喜利で自らを「ざこば(師匠の)同好会」と口にするだけあって、お師匠さんへの愛情をくすぐりでも口跡でも感じさせつつ、あおばさん自身の陽性な人柄もよく表われていた。
 以前の『景清』もそうだったけれど、はめ物入り(いつもの香取光さんの三味線)の長尺の噺をこうやって聴くことができる、言葉を換えれば、あおばさんの研鑚にこうやって接することができるのも、ネオ落語・セントラルの大きな愉しみの一つだと実感した。

 続いては、三幸さん。
 自分のマンションで起こったちょっとかなわんなあという出来事を軽快にマクラでぼやいてみせてから、師匠文枝さん(三枝時代)の作品『合格祈願』を久しぶりに演じた。
 大学入試に失敗し浪人中の神社の息子。
 うちで祈願されては営業妨害とばかり、父親は息子を大阪の天満宮に参らせに行くが、この息子、どうにも出来が悪くって…。
 細かいくすぐりの中にも、ちょっとした知識が詰め込まれているあたりが文枝(三枝)さんらしい。
 三幸さんはそこに独自のアレンジを加えつつ、笑いの多い高座を生み出していた。
 「ホームグラウンド」に相応しい面白さ。

 トリは、先日頭を丸刈りにした太遊さんが登場する。
 和服姿で神妙玄妙な顔付きをしていると、歌舞伎の御曹司市川海老蔵ならぬ市川河豚蔵、怪談が得意な講釈師一龍齋貞水ならぬ一龍齋泥水、古典の得意な江戸の落語家春風亭一之輔ならぬ春風亭猪之輔といったおもむきすらある太遊さんだけれど、地震のことやSNSのことなどをマクラで語り、頭が軽くなったとヘヴィメタシャウトネタ『ドナドナ』を披露。
 続いて、新作ネタおろしの『明日へのバステト』へ。
 流浪のラッパー・アマリリクは慰問のために被災地熊本を訪れるが、地元のおばさんにそんなもんいらんとどやされて…。
 実は、この間ネタの中に度々熊本を組み込んできた太遊さんだけれど、今回登場するおばさんこそネオラクゴ・フロンティア初期におろされた『場末のバステト』のママ。
 ばってん荒川(皆さんご存じかな?)を彷彿とさせるママとアマリリクの掛け合いも面白いが、まずもってあの民謡『おてもやん』には笑うしかない。
 もちろん、らぷご(ラップ落語)の人太遊さんが無自覚に『おてもやん』を取り上げたわけではないことは言うまでもないだろう。
 「今」だからこそおろされるべき作品だった。

 定番の大喜利は、太遊さんの仕切りの下、三幸さん、あおばさんの落語家陣と、会場から挙手の合田団地君、広瀬信輔君、かど君(広島出身で、大学で笑い関係の同好会に所属と。その説明のところで、あおばさんの「ざこば同好会」の言葉が出た)が、作家の桜井さん、常連神龍さん作のお題に挑む。
 ちなみに桜井さんは久方ぶりにお手伝いで参加。
 あおばさん出演の回の大喜利では、あおばさんと太遊さんのコンビネーションと三幸さんの我が道を行く的な組み合わせがやはり見ものだ。
 昨夜も、そのやり取りが随所で光っていた。
 一方、大喜利飛び入り陣は、爪痕遺さでおくべきかの合田君、未来会議とは一味違ったキャラで勝負の広瀬君、天然自然流を狙うかど君と三者三様の構えだった。

 そして最後、21日に32歳の誕生日を迎える太遊さんの誕生日を祝って華々しく幕を〆た。

 と、今回も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 来週太遊さんはお休みですが、盟友三河さんが出演の予定。
 皆さん、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年04月12日

ネオ落語・セントラル 第26回

☆ネオ落語・セントラル 第26回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭遊真さん
 大喜利出演:おじーさん、廣瀬信輔君他
(2016年4月11日20時開演/錦湯)


 春爛漫の京このごろ。
 ぽやんぽやんと頭の中まで春爛漫。
 と思っていたら、なんじゃいな、昨夜の寒さは。
 もしや、これは何者かの陰謀では…。
 などとついつい口にしたくなるほどの、気温の下がりっぷりだった。
 まあ、こんな夜はお客さんも少ないだろう、と思っていたら、常連さんにリピーターさん、ご新規さん(大喜利界隈や落語好きの方etc)となかなかの入りで重畳重畳。

 まずは、桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭遊真さんのトークで盛り上げる。
 太遊さんからは、日曜日の努力クラブの公演に絡んだ話なども。

 あったまったところで、遊真さんが高座へ。
 師匠に初めてつけてもらったネタの『十徳』を演じる。
 錦湯さんでの『十徳』といえば太遊さん、そして先々週は三幸さんも演じたばかりだけれど、遊真さんは要所要所を丁寧に、かといって杓子定規な一本調子ではなく、緩急の間合いをきちんとはかりながら演じていく。
 その間合い、ここぞというくすぐりでしっかり笑いが起こっていた。
 はじめのトークで触れられた如く、この『十徳』で遊真さんの手持ちのネタ4つが全て錦湯さんで演じ切られたことになる。
 新ネタの披露が実に愉しみだ。
(って、急かしちゃあかんね)

 続いて、三幸さんが登場し『冬のゴルゴ』をかけた。
 ゴルゴ13も世知辛い「冬の時代」には勝てず…。
 錦湯さんでもすでに演じられたことのある三幸さん作の新作落語だが、ネタおろしの際は25分ほどの尺だったものを凝縮に凝縮を重ねて5〜10分程度のネタに仕上げただけに、全篇笑いに満ちていた。
 そして、伝説の殺し屋の情けなさにはなんとも身につまされる。
 なお、来週も三幸さんはご出演の予定で、一体どんな噺が飛び出すか。
 次回も待ち遠しい。

 トリは、太遊さん。
 桂あおばさん、月亭方気さん、笑福亭笑利さんとの丹後・宮津落語会道中でのエピソードをマクラで語りつつ本題の中身を準備してから、ネタおろし『えて!して!死に体ZONE(えてしてしにたいぞーん)』に入る。
 とある寂れたおもちゃ屋に、突然イミテイ村出身のDJ村八分が現われて、カテゴリー吉良なる人物の暗躍陰謀の様を説く。
 曰く、この男は善人の顔をしてやって来ては、地域地域を食い荒らしていくのだと。
 実は、カテゴリー吉良こそネオ落語の十八番と呼ぶべき『来て!観て!イミテイ村』でころりとやられるあの男だったのだ…。
 といった具合の筋書きで、太遊さんの伝えたいことが全面に押し出されたネオ落語なんだけれど、そこは笑いの仕掛けも豊富。
 大いにわいていた。
 で、クライマックスのDJ村八分とカテゴリー吉良のフリースタイルラップの対決は途中まで。
 完成を乞うご期待。

 最後は定番の大喜利だが、昨夜の仕切りは遊真さん。
 太遊さんは解答者に回って、三幸さん、大喜利ゲストのおじーさん、飛び入り参加の廣瀬君らとともに、おなじみ作家の桜井さん(あいにく昨夜はお休み)、常連でライターの神龍さんのお題に挑んだ。
 高座と同様、遊真さんは緩急のよくついた仕切りで、解答に対する受けも的確だし、時折混じる一言に引き出しの多さを感じたりもした。
 で、解答者に回った太遊さんはコンスタントに、そして速いテンポで答えを繰り出し、笑いを誘う。
 三幸さんも、大喜利の雰囲気に合わせて解答を重ねた。
 一方、大喜利参加は初めてなれど、すでにフリートークの会などに参加しているというおじーさんは、独特の感性で捻りの効いた答えを繰り出していた。
 中島らも似の風貌と相まって、おじーさんの今後の活躍が期待される。
 また、昨夜はお客さんからの解答も多く、そこがネオ落語・セントラルならではだなと思ったりもした。

 〆はなぜだか謎かけに。
 三幸さん、お疲れ様でした。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラル。
 月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年04月05日

ネオ落語・セントラル 第25回

☆ネオ落語・セントラル 第25回

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、月亭方気さん、センサールマン
 大喜利出演:すり身氏、kit氏、無農薬亭農薬君
(2016年4月4日20時開演/錦湯)


 春眠暁を覚えず。
 気温も上がってめっきり春らしくなって、おまけに花粉まで飛んで、眠気に襲われがちな京この頃。
 すっきりするには笑いが一番と、昨夜も錦湯さんに足を運んだ。

 25回目となる今回は、桂三河さん、月亭太遊さん、月亭方気さん、センサールマンの4組5人の出演。
 まずは、太遊さん、センサールマンの3人のトークからスタート。
 太遊さんが十手リンジンの西手さんとニューハーフshow house「ベティのマヨネーズ」に行って目にしたことなどで盛り上げる。

 で、はじめは三河さんが『初恋』を演じた。
 『初恋』は、先ごろ上方落語協会会長に再選された桂文枝師匠の三枝時代の作品。
 島崎藤村の詩『初恋』を巧みに引用した新作だが、細かくくすぐりが仕掛けられていて、よくできているなあと改めて思う。
 そして、登場人物の設定には、どうしても文枝さん自身の生い立ちが重なってしまう。
 もちろん、三河さんは一切ウェットにならず、きっちり笑いをとりながら演じていたが。
(そうそう、先日のABCラジオ『征平吉弥の土曜も全開!!』で、上方落語協会の会長選挙で桂恩狸さんに1票入っていたと触れられていたっけ。うむむ…)

 続けて、方気さんが登場。
 マクラで尿道結石に苦しんだ話をひとしきりして、痛風「同志」、おまけに腎臓結石という爆弾を抱えるこちらを笑わせつつ戦々恐々とさせたのち、本題の『河豚鍋』へ。
 未だ河豚は食べたし命は惜しし、という時代のお話。
 方気さんは丹念丁寧に演じつつ、時にデフォルメを効かせながら人の心の動きを笑いにしてみせた。
 それにしても、河豚鍋食べたくなったなあ。

 三番目は太遊さん。
 スタートのトークで触れた「ベティのマヨネーズ」の売れっ子さんのネタに重なると断りつつ、フリップ(画用紙帳に言葉やイラストを書いた)を用いた「替え歌シリーズ」を披露。
 とかとんとんと笑いをとる。
 さらに、10年前のR-1でのネタ「CDショップ」も披露。
 これはもう太遊さんの美声美喉が肝で命のネタで、ここぞとばかり歌い切った。
 太遊さんは歌も巧けりゃ画も巧い。

 トリは、センサールマンの漫才だ。
 愛植男さん(客側から見て左側)のお父さんが、山崎仕事人さん(同右側)の子供に本を読み聞かせるという、子守唄ならぬ子守読みシリーズを演じた。
 昨夜は、『浦島太郎』、『ウサギとカメ』、『笠地蔵』の三つが選ばれたのだけれど、植男さんの怪演怪演また怪演がどうしてもおかしい。
 対する仕事人さんもエネルギッシュに応じて、笑いの拍車をかける。
 センサールマンのお二人、脂が乗り切ってるなあ。
 本当に面白い。
 それに、ネタのチョイスも昨夜の錦湯さんにはばっちりだった。

 そして、最後は定番の大喜利。
 作家の桜井さん(あいにくお休み)や常連でライターの神龍さん提供のお題に、三河さん、方気さん、植男さん、仕事人さん、さらに大喜利ゲストの、すり身さん、kitさん、無農薬亭農薬君が挑んだ。
 「宇宙人が空港で怒っていた、なぜ?」、「花も咲いていない桜の木の下に座った男が持っていたボードにはなんと書かれていた?」といった一筋縄ではいかないお題に対して、プロ・チームでは植男さん、仕事人さんがコンスタントにヒット、ホームラン(正解)を重ねていた。
 その隙を狙って方気さんや三河さんも仕掛ける。
 一方、あの『ケータイ大喜利』のレジェンドであるすり身さん、kitさんも一捻りだけじゃなく、二捻りはある解答で無農薬亭農薬君とともに大喜利を盛り上げた。
 当然、昨夜も太遊さんの仕切りは好調。
 的確適切覿面に解答者たちをさばいていた。

 と、笑いに溢れたネオ落語・セントラル。
 眠る阿呆に笑う阿呆、同じ阿呆なら笑わにゃ損損。
 皆さんも、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年03月29日

ネオ落語・セントラル 第24回

☆ネオ落語・セントラル 第24回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭八織さん
 大喜利ゲスト:木曜屋さん、文さん、無農薬亭農薬君ほか多数
(2016年3月28日20時開演/錦湯)


 数回前の感想で、第4期に入ったなどと記したネオ落語・セントラルだが、立ち見のお客さんまで出た錦湯さんの光景を前に、こりゃ第5期、は言い過ぎとしても、第4・5期には移ったかなどと思ってしまった。
 24回目となる昨夜のネオ落語・セントラルは、大喜利愛好家のご新規さん軍団にリピーターさん、そして常連さんとバラエティに富んだお客さんが集まって盛況盛況大盛況だった。

 まずは、三幸さん、太遊さん、八織さんのトークからスタート。
 会場の様子をうかがいつつ、盛り上げた。

 で、太遊さんが短いネタを二つ。
 あの「夢の国」の楽曲を引用して、超ミニマムな貧しい世帯を描いたミュージカル・ネタ(世界と世帯だぜ!ワールドだろう)と、あの「ドナドナ」が激しい変貌を遂げるヘヴィメタ・ネタと二連発でバ、バンと決めた。

 続いて、セントラル2回目となる八織さんが高座に上がる。
 最近話題のあの人のことや、お師匠の八方さんとのこと、太遊さんとのこと(爆弾宣言不発。が、その不発が笑いになっていた)等々、ホラはいいけど嘘は…。
 と、マクラで伏線を張ってから本題の『鉄砲勇助』を演じる。
 あっと言う間もあらばこそ、熊に襲われ。
 とは、おなじみチェーホフは『三人姉妹』のチェブトゥイキンの台詞だけど、そのあっと言う間もあらばこそ流の「たったたたたたたたたたた」の速いテンポのやり取りはそのままに、八織さん独自のアレンジが加えられていたのは、前回登場時(第17回)の『寿限無』と同じ。
 女性落語家が古典を演じることの難しさを踏まえた、だけじゃなくて、自分のチャームポイント、プラスの部分、身の丈を心得た上での改作で、その意味でもとても興味深く、面白かった。
 余談を一つ。
 八織さんって物真似の得意ネタが二つ、三つありそうな気がするんだけど、どうだろう。

 三番目は、三幸さん。
 三幸マクラで軽くいなしてから、本題へ。
 会場の様子を見極めて、昨夜は古典の『十徳』を演じた。
 セントラルでは、太遊さんのさくっと流れるピリオド・スタイルの『十徳』がおなじみだが、三幸さんは速いテンポはとりつつも、やり取り自体はオーソドックスに重ねていく端正な語り口。
 それでいて、ここぞというところでフォルテッシモを強調していくあたり、まるでサイモン・ラトルが指揮したハイドンのシンフォニーのようだ。
(てな具合で、この感想、時々わざとクラシック音楽のことや、演劇のことや、映画のこと、小説のことを混ぜ込んでいきます。落語「だけ」、大喜利「だけ」のファンの方、平にご容赦)
 三幸さん、ネオはめ物だけじゃない。

 トリは、再登場の太遊さん。
 ツイッターではネオ落語『久御山ヘゲモニーランド』のネタおろしが予告されていたが、急遽ガンダムの世界を歌ったネオらぷご(ラップ落語)に転身。
 そして、〆はらぷごの十八番『グローバル・スカタンダード』でかまし終えた。

 最後は、定番の大喜利。
 愛好家の皆さんは手ぐすね引いて待ってましたって感じだろう。
 作家の桜井さん(残念ながら昨夜はお休みなり)考案のお題に、三幸さん、大喜利愛好家の面々が果敢に挑んだ。
 ちなみに昨夜のお題は、野球野球アメリカアメリカと来て、再び野球!
 いつもの如くコンスタントにヒットを飛ばす三幸さんに対して、大喜利軍団は多種多様。
 陰にこもって鐘の音が…、じゃないけど心の内の気泡がぼわっとはじけ出るような木曜屋さん、解答者では唯一の女性で、じわりとくる文(「がっこう」と読む)さん、おなじみ無農薬亭農薬君、さらには大喜利修業で来阪しさらに錦湯さんへとやって来た同郷長崎の青年博士の生い立ち君(解答数多し)、紳士然としつつファニーなひらたいさん(ネクタイでボードのマジックの字を消してたで!)、かるあ君、さらには会場の貯蓄アンドザシティさん、ひつじのあゆみさんが登場し大乱打戦を繰り広げた。
 八織さんはアシストに回って、これはという解答に頭をなでなで。
 的確ななでなでだった。
 で、なんと言ってもこの顔触れを当意即妙捌き切った太遊さんの仕切り!
 彼なくして笑いなしということも痛感した次第。

 と、昨夜も目いっぱいお腹いっぱいのネオ落語・セントラルでした。
 大喜利ファンもそうでない人も、月曜20時は錦湯さんにぜひ。
 ああ、面白かった!

 あのさあ、わたしたちってまだまだ終わっちゃいないんだよ。
 生きて行かなくちゃ。
 自衛隊のブラバンがぷうすかぱあすか愉しそうに鳴ってるけど。
 もちょっとしたら、なんで生きてんのかとか、なんでしんどいのかとか、ぜえんぶわかっちゃうような気がするんだ。
 それがわかっちゃえばさ、それがわかっちゃえば。
(チェーホフの『三人姉妹』からラストのオーリガの台詞より)
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2016年03月22日

ネオ落語・セントラル 第23回

☆ネオ落語・セントラル 第23回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利ゲスト:貯蓄アンドザシティ氏、ひつじのあゆみ氏、かるあ氏、広瀬信輔君
(2016年3月21日20時開演/錦湯)


 さあ春だ。
 目の周りのかゆみや咳込み、くしゃみの連発は厄介だが、ようやっとあったかくなってきたと思ったら、あれあれ、またぞろ寒の戻りだよ。
 こと月曜の夜は気温が下がってないか、と思いつつ錦湯さんへ向かったら、ほら案の定お客さんの入りも…。
 が、三連休の最終日なれど、開演が近づくにつれて徐々に客足は伸び、蓋を開けたら結局大入りのネオ落語・セントラルだった。

 23回目となる今回は、桂あおばさんと月亭太遊さんのトークからスパークする。

 で、近況報告や落語の世界の話題で盛り上げたところで、あおばさんが高座へ。
 黒紋付に袴姿が凛々しいあおばさんが演じたのは、『替り目』だ。
 酒を飲む、んじゃなくて飲まれがちな男が古女房への想いを切々と語ってしまうというのが肝となる古典だけれど、あおばさんは冒頭の俥屋や女房とのやり取りをテンポよく演じて、男の本音の部分をクライマックスにもってきていた。
 そこに、ふと師匠のざこばさんの姿が見えるとともに、例えば『ハンカチ』同様、あおばさんの人柄、愛らしさが垣間見えるのもいい。
 二十年後、三十年後、落語家として一人の人間として様々な経験を重ねたあおばさんがこの『替り目』をどう演じるのかも非常に愉しみだ。

 続いては、桂三幸さんが登場する。
 昨夜は、ここ錦湯さんではもうおなじみのi phoneとミニスピーカーの「ネオはめ物」を駆使したネタ二題。
 まず「ネオはめ物」のやり取りを前面に押し出したネタ(R-1用?)を短めに。
 なぜだか焼き肉が食べたくなる。
 さらに、間奏部分のおしゃべりを挟んで、今度はセントラルで発表した新作の再演。
 平成わらしべ長者とでも呼ぶべき内容の作品で、ルーティン(積み重ね)が笑いの仕掛けとなった作品である。
 昨夜は、ショートバージョンだったが、別の場所では「ネオはめ物」がさらに愉しめると思う。
 こうご期待。

 トリは、太遊さんのネタおろし『もくぎょがしら』。
 放浪のラッパー・アマリリクが登場してフリーのラップ対決を行うというスタイルではあるんだけれど、今回の作品はなんと言っても、もののけ「もくぎょがしら」の造形がグロおもしろい。
 エログロナンセンス、ならぬグログロハイセンスだ。
 そして、きっちり笑いをとりつつも、伝えようとすることがしっかり織り込まれてもいた。

 最後は、定番の大喜利。
 作家の桜井さん(あいにく昨夜はお休み)考案のお題に対し、三幸さん、あおばさんに加え、大喜利ゲストの貯蓄アンドザシティさん(何食わぬ顔して、おもろい答えを出す)、ひつじのあゆみさん(飄々舎でもおなじみ)、かるあさん(不敵な大学生)、広瀬信輔君(未来会議)の六人が挑んだ。
 先週の笑利さん、十手リンジン十田さん&西手さんの機智guyトリオの嵐と違って、どこか静かに進みがちなところを、太遊さんが巧みに仕切って笑いに変えていた。
 そこにぐっと絡んでいくあおばさん、それをすっとかわす三幸さんも、さすがのコンビネーションである。
 一方、大喜利愛好家の大喜利ストの面々は、一答必笑の構え。
 四人四様の答えを繰り出していた。
 大喜利は笑いの縮図であり、また人生の縮図なのだった!

 と、今回も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 皆さん、月曜20時は錦湯さんにぜひ!

 ああ、面白かった!!
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2016年03月15日

ネオ落語・セントラル 第22回

☆ネオ落語・セントラル 第22回

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、十手リンジン
 大喜利ゲスト:笑福亭笑利さん、広瀬信輔君
(2016年3月14日20時開演/錦湯)


 雨はやんだものの、またぞろ寒さが増した夜だったが、常連さん、リピーターさん、ご新規さんでネオ落語・セントラルは今回も大入り満員の盛況だった。
 重畳重畳。
 22回目となる今回は、桂三河さん、月亭太遊さん、十手リンジンが揃ったが、まずは太遊さんと大喜利ゲストの笑福亭笑利さんのトークから。
 近況報告をさぐりつつ仕掛けつつ語っていくのだけれど、笑利さんの暴発とそれを受ける太遊さんの攻防が大きな笑いを生んでいた。

 と、あったまったところで三河さんがやおら登場し、十八番の新作『ぼくだけのアイドル』を演じた。
 すでにおなじみの作品。
 なれど、お客さんが新しいところに、昨今のあれこれをくすぐりとして仕込んだこともあってひときわ笑いが生れていた。

 続いては、十手リンジンの漫才。
 奈良すみます芸人の十田卓さん(客席から見て左側)と西手隼人さん(右側)の二人組。
 大劇場向きの前へ前へ繰り出すパワフルでエネルギッシュな漫才のやり手たちだが、フロンティア・セントラルへの重ねての出演で錦湯の間尺を心得た上に、お客さんの側もお二人に馴染んできたこと、さらに若いお客さんが増えてきたこともあって、今夜もしっかりはまっている。
 得意の「陸上ネタ」に小刻みなアレンジを加えながら、速いテンポで熱快に駆け抜けた。

 トリは、太遊さんの新作『globe落語』。
 ストラヴィンスキーの『プルチネッラ』やレスピーギの『風変わりな店』を彷彿とさせる新古典派的な作品。
 …おますな、といった感じの上方落語の口調で、結成20周年を迎えたマーク・パンサーと小室のやり取りを演じてみせる。
 サゲも、タイトルならでは。
 そこに、太遊さんの考え方や歌/リリックが入ってくるのも、擬古典的である。
 そして、『グローバル・スカタンロード』をひとくさりして〆た。

 最後は定番の大喜利をたっぷりと。
 太遊さんの当意即妙な仕切りの下、三河さん、十手リンジンのお二人、笑利さん、大喜利ゲストの広瀬君が答えを競った。
 「全米が鼻で笑った映画とは?」、「卒業式でがっかりさせた校長のやったこと」など、お題はお手伝いで来られている作家の桜井さん。
 今回は、なんと言っても笑利さんを筆頭に(登場する際の、女性のお客さんへのフラワー贈呈からして「やってやる感」満載)、十田さん、西手さんの脱線てんぷく墜落トリオの機智guy三人が、ナパーム弾に細菌兵器、劣化ウラン弾、とどめは原子爆弾水素爆弾を投下炸裂させて、遂にはゴジラもメカゴジラもモスラもゴケミドロもマタンゴもつちのこも出現させようかというほどの笑いの渦を巻き起こしていた。
 むろん、それも仕切りの太遊さんあってこその機智guy競争だったことは言うまでもない。
 おまけに、広瀬君も軽く変だし。
 結局、慌てて答えざること山の如し、三河さんだけがまともだったという大喜利だった。

 といった具合で、何が飛び出すかわからないネオ落語・セントラル。
 「世界に一つだけの笑い」に固執しない方は、ぜひぜひお越しください!
 ああ、面白かった!!
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2016年03月08日

ネオ落語・セントラル 第21回

☆ネオ落語・セントラル 第21回

 出演:桂三幸さん、桂三四郎さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん
 大喜利ゲスト:無農薬亭農薬君、ゴハ氏(ホシノ企画)、かるあ氏
(2016年3月7日20時開演/錦湯)


 先週の降雪と激しい寒さが嘘のようにめっきりと暖かくなった今夜も、ネオ落語・セントラルは大入り満員の大盛況。
 常連さん、リピーターさん、ご新規さんとバランスのよい顔触れも重畳重畳である。

 21回目となる今回は、兄弟弟子の桂三幸さん、桂三四郎さんと、生ける進撃の巨人桂恩狸さん、そして月亭太遊さんの四人が出演で、三幸さん、太遊さん、恩狸さんの三人のトークからスタートした。

 で、近況報告その他で盛り上げたのち、2ヶ月近くぶりの登場となる恩狸さんの新作『アルコチュール』から。
 実は、今夜は四人とも「ネタおろし」という趣向だったのだけれど、『アルコチュール』は、先日恩狸さんが急性アルコール中毒で倒れてしまったという事実を落語に造り直したもの。
 あえて黒紋付で高座に上がったのも、そうした内容だから。
 と、急性アルコール中毒になった顛末がマクラの如く語られ始めて、そのまま本題になっていたという「私落語」とでも呼びたくなるような作品だった。
 あとの三幸さんや三四郎さんがちらと触れていたが、声の大きさ、前へ前へとぐいぐい進撃する恩狸さんらしさがよく出ていたと思う。

 続いては、三幸さんのネタおろし。
 さらっとレパートリー方式のマクラ(って、なんのことかわからないか。用意しておいたマクラってこと)をすませてから、本題へ。
 巌流島の決闘で、宮本武蔵だけではなく、佐々木小次郎も遅れて巌流島(舟島)に到着していたのだとしたら…。
 元ネタが元ネタだけにシリアスになりがちと思いきや、そこは三幸さん、細かいくすぐりをふんだんに盛り込んで、笑いの多いうける作品に仕上げていた。
 ちなみに、この新作ではネオはめ物の登場はなし。

 三人目は、今回で二回目の出演となる三四郎さん。
 最近長年苦しんでいた鼻の手術をしたという話を丁寧に、笑いどころもたっぷりにマクラで語ったのち、本題に入る。
 そろそろ大切な決断をしなければならぬ年頃の男女二人…。
 と、この新作はこのあたりまでしか記さないほうがいいんじゃないかな。
 ネタばれ禁止という言い方もおかしいが、「あっ、なるほど」と納得したり、「ああ、それを持って来るんや」と感心したり、いずれにしても笑ってしまう仕掛けがたっぷりな作品なので。
 今らしく、それでいて根本的な部分は古典にも通じる設定も巧い。
 あっ、あと三四郎さんとは全く異なる登場人物ではないんだけれど、もしかしたらどこか微かに実人生の反映でもあったりして、と感じたりもした。

 トリは、太遊さんのらぷご(ラップ落語)のネタおろし『白石のお返し』だ。
 バレンタインデーのお返しにリリック(ラップ)を用意したアマリリクだったが…。
 ネタの部分は、身につまされるような内容。
 もちろん、マクラも含めて太遊さんの真情心情信条身上が巧く笑いにつながっていた。
 そして、エンディングソングとして口演されたのは、先週おろされた『グローバル・スカタンロード』。
 「目覚めよ、と呼ぶ声あり」である。

 最後は、定番の大喜利。
 いつもながらにテンポがよくて、的確適切硬軟自在の太遊さんの仕切りの下、三幸さん、東京行きの最終新幹線を逃して戻って来た三四郎さん、恩狸さんに、このコーナーのゲスト、レギュラー無農薬亭農薬君、ホシノ企画なる独立大喜利組織のゴハさん、弱冠20歳の大学生かるあさんが加わって、名答快答珍答を続々と繰り出す。
(お題は、ネオ落語・セントラルのお手伝いもやっている作家の桜井さん。今回も、「中国のにせものドラえもんのぽんこつ具合は」や、「野球場で観客がくすくす笑っていた理由とは」、「宇宙船のいらないシステムは」とネオ落語・セントラルの大喜利に相応しいお題だった)
 三幸さん、三四郎さんがコンスタントにおかしい答えを出して、恩狸さんが微妙な解答で太遊さんや三四郎さんに説教されるというパターンを落語家陣は確立。
 一方、京都大喜利界の面々は、井上日召の血盟団もびっくり、一人一殺ならぬ一答一殺の覚悟かと思わせるオオギリストぶり(てのは、大げさやね)。
 斜に構えて反転したような無農薬亭農薬君、しれっとした顔をして毒を出すゴハさん、20歳てのは本当かねと疑いたくなるような良い意味で年齢不相応の解答のかるあ君と三者三様だった。

 と、今夜も盛りだくさん、お客さんもたくさんの錦湯さんでした。
 第4期に突入したネオ落語・セントラルに、皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年03月01日

ネオ落語・セントラル 第20回

☆ネオ落語・セントラル 第20回

 出演:月亭太遊さん、月亭遊真さん、ネイビーズアフロ
 大喜利ゲスト:合田団地君、無農薬亭農薬君、貯蓄アンドザシティさん
(2016年2月29日20時開演/錦湯)


 昨日はあんなに穏やかだったのに、一転雪まで降るような寒い夜となったが、今夜もネオ落語・セントラルは大入り満員の大盛況。
 常連さんにリピーターさん、ご新規さんと非常にバランスよくお客さんが集まった。

 20回目となる今回は、月亭太遊さんとその弟弟子の月亭遊真さん、そしてネオ落語・セントラル初見参となるネイビーズアフロの出演。
 まずは、4人でトークを繰り広げる。

 で、いっとう最初に太遊さんが『来て!観て!イミテイ村』をかける。
 今や十八番の一つとでも呼ぶべきネオラクゴだが、実はあとのネタオロシの伏線ともなっていた。

 遊真さんは、おなじみ『時うどん』を演じる。
 序盤はメリハリよく、かつ丹念に積み重ね、終盤にその積み重ねた分を笑いに還していくという構成筋運びになっていた。
 五年後十年後の遊真さんが本当に愉しみだ。

 続いて、ネイビーズアフロが登場。
 客席から見て左側皆川勇気さんと右側羽尻紘規さんのネイビーズアフロは、京都出身で堀川高校を卒業後、ともに神戸大学に進学、そこからNSCに転じたという、現在23歳の若手漫才コンビだ。
 青の上下できっちり決めた二人だけれど、今夜披露したネタは、端正な語り口で木目細かいくすぐりが豊富な笑いどころの多いものだった。
 iphoneのsiriを使ったネタで、タイミングよく錦湯さんの黒電話が鳴り出すなど、「持ってる」コンビでもある。
 3月25日には、祇園花月で単独ライブ「夢のまんましんでいけるin祇園花月」(19時〜、前売り1500円、当日2000円)も予定されていて、ご都合よろしい方はぜひ!!

 トリは、太遊さんの「らぷご(ラップ落語)」の新作ネタオロシ『グローバルスカタンダード』。
 満を持してクラブに登場したラップ遍歴中のアマリリクに、突然マイクジャックを志願した男性はあのイミテイ村の住人で…。
 地方が喰い潰されていく現状に対する憤りを笑いをまぶしてラプった内容で、太遊さんの言の如く、吉幾三の『俺ら東京さ行くだ』へのアンサーソング(リリック)ともなっていた。
 ちょうど桃月庵白酒さんの独演会を聴いたばかりということもあり、いろいろと考えさせられる。
 いずれにしても、らぷごの進撃はまだまだ続く!

 最後は、ネオ落語・セントラルの定番大喜利だ。
 ネイビーズアフロの二人が的確で面白い解答を重ねれば、遊真さんは他の面々の解答にきっちり反応しつつここぞというところで巧い解答を繰り出す。
 一方、合田君、無農薬亭農薬君、貯蓄アンドザシティさんの大喜利ゲスト軍団も負けじと次々に応える。
 初登場の貯蓄アンドザシティさん、まじめな口調がかえっておかしい。
 合田君も絶好調だった。
(お題は、いつもの如く作家の桜井さん。あの手この手で攻めてくる)


 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 どうやら新たなステップ(フロンティアから数えて第四期か?)に入ったと思しきネオ落語・セントラル。
 落語好きも落語嫌いも、ラップ好きもラップ嫌いも、人間好きも人間嫌いも、みんな錦湯さんに集まれ!!
posted by figarok492na at 03:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月28日

京都文博噺の会Vol.1 桃月庵白酒独演会

☆京都文博噺の会Vol.1 桃月庵白酒独演会

 出演:桃月庵白酒さん
 前座:桃月庵はまぐりさん
(2016年2月28日14時開演/京都文化博物館6階和室)


 あれは、『権助魚』だった。
 2005年のクリスマス、結婚しようと話をしながら、いろいろと重なって傷つけたり傷つけられたりと、ぐじぐじじぐじぐした間柄の相手と会いに東京を訪れ、ますますぐじぐじじぐじぐした気分になって新宿を歩いているときにふと入った末広亭で聴いた、桃月庵白酒さんの高座がめっぽう面白かった。
 今回の会のプロフィールを確認すると、2005年の9月に真打に昇進、三代桃月庵白酒を襲名とあるから、まだ出番が早いのも当然だけれど、この人からは目が離せないと思うとともに、ぐじぐじじぐじぐとまるで『浮雲』の森雅之か何かを気取るなんておこがましい、自分自身をもっと笑い飛ばさなくてはと目の前がすかっと晴れたものだ。
 その後も、CDその他でさらに笑いに磨きがかかっているなあと感じながら10年以上、大阪で会が開かれているのを知りつつも、ずっと生の高座に接することができないでいた。
 それが、京都文化博物館で新たに始まった落語会、京都文博噺の会のいっとう最初に白酒さんの独演会が開催されるというので、迷わず足を運んだ。
(正直、京都の文化博物館の一番目に東京の噺家さんが呼ばれるということ自体には、いろいろと想うところもある。が、ここではあえてくだくだとは記さない)

 前座はお弟子さんのはまぐりさん。
 お師匠の白酒さんと二人、70畳もの楽屋を用意されて…というマクラで笑いをとって、『真田小僧』の最初の部分を演じた。
 地の部分より、会話の部分がこなれているように感じる。

 で、白酒さんの一席目は『松曳き』。
 高座と客席(京都御所の清涼殿の復元原寸模型の上に高座を設えたために、客席が横にだだ広くなってしまう)にちゃちゃを入れつつ、お客さんの様子を窺うが、東京他の遠征組も含めて満員のお客さんはすでに笑うぞという準備は万端。
 それに応えて、白酒さんも昨今の話題を挟んで大きな笑いを起こし、本題へ。
 お庭の赤松を植え替えようとするお殿様と家臣三太夫の「バカオロカ」ぶりが肝の噺だけれど、二人の間抜けっぷりを白酒さんは良い間で畳みかけていく。
 会場、大いにわく。

 続くは、『替り目』。
 ぐでんぐでんに酔った亭主の古女房に対する愛情をしんみりたっぷり演じるやり方もあるが、白酒さんはそうした噺の性質を押さえつつも、亭主と彼に振り回される人々とのやり取りの滑稽さにも力点を置いて、しっかり笑いを生み出していた。
 なお、白酒さんは途中で切らずに『替り目』という題そのもののサゲまで演じる。

 仲入り後は、『幾代餅』。
 花魁幾代太夫の絵姿を目にして恋煩いにとりつかれた職人清蔵は…。
 というおなじみの噺だけれど、自分が古今亭一門であることを示したりもして、清蔵と幾代太夫や、親方と清蔵のやり取りなどをドライに処理し、新しいくすぐりも随所に盛り込んだ笑いどころの豊富な爆笑篇に白酒さんは仕上げていた。
 中でも、清蔵の人格の著しい変化と廃人ぶりなど笑うほかなかったし、マクラがきちんとそのことの伏線になっていたのにも感心する。

 と、仲入りを入れて2時間強。
 たっぷり笑い、たっぷり刺激を受けた独演会でした。
 ああ、面白かった!!
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第0回つくるクラブ vol.1

☆第0回 つくるクラブ vol.1

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さん
(2016年2月27日19時開演/ジョイ船場50内船場寄席)


 秘密結社といえば、ヨーロッパ出自のフリーメーソンに薔薇十字団が有名だが、ここ関西では「つくらせるクラブ」なる団体がどうやら暗躍を始めた。
 関西でこれはと思った新作落語に熱心な落語家桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さんの四人に、団体の首領と思しき人物(小学生?)が手紙を送り、その名も「第0回つくるクラブ」なる新たな落語会を開催させたのだ!!!

 とは、もちろん四人の趣向。
 こんなこと書くまでもないことだけど、結構信じる向きもあるらしいので、無粋を承知で記しておいた。
 なあんかつまんないの。

 ちなみに、会場の船場寄席は地下鉄堺筋本町駅、並びに本町駅に直結した商業集合ビル、船場センタービルの2号館地下2階の食事名店街ジョイ船場50の一角にあり、きちんと高座も設えてある。
 別の方角から来たせいで、金髪のウイッグをして赤いドレスを来た女性が歌を歌っているパーティか何かに間違えて紛れ込んでしまい、変な顔をされてしまった…。

 三河さん、太遊さん、三実さん、笑利さんのトークからクラブはスタート。
 つくるクラブ、つくらせるクラブとはなんぞやという点はもちろんのこと、最近関西落語界を賑わせている事どもに関しても当然触れられていた。
 まあ、この顔触れだものね。

 まずは三実さんが『味噌豆』を演じる。
 えっ、『味噌豆』って古典じゃないの、と難じる向きもあるかもしれないが、そこは三実さん。
 噺の肝、というところで、突然CMを挟み込む。
 今のテレビへのちくっとした批評(批判ではなく)という意味でもいいところを突いているんだけど、それより何より、古典の部分での端正な語り口とある種突拍子もないCMでの狂気の芽のようなもののコントラストが、僕には面白くて仕方なかった。
 『ふたりでできるもん』での「アイドルは総理大臣」もそうだし、先日のネオ落語・セントラルの大喜利での解答もそうだが、三実さんは良い意味で相当な曲者ではないか。
 三実さん、要注目である。

 続く笑利さんは、錦湯さんでオロシた「鯉つかみ」の新作。
 どこかの村に宿泊している二人組の片割れ(品川隆二演じる焼津の半次あたりをご想像いただければ)が、若い娘に誘われて夜な夜な大きな湖と向かったが、なんとこれが湖に棲む鯉の化け物の仕業で…。
 初演時は出来たてほやほやの作品をぶっつけ本番でかけたため、仕掛けの道具がしっちゃかめっちゃかになるなど、やたけた具合に笑いが起こっていた。
 で、今回は、かためるべきところはきっちりかため、仕掛けもシンプルなおかつ見栄えがしてしっかり笑いがとれるものに改め、それでいてやたけた具合は良い意味でパワーアップさせて、大きな笑いを巻き起こしていた。
 いやあ、これはぜひまた観たいな。

 三番目の三河さんは、ネオ落語の常連さんにもおなじみ『阿修羅』をかけた。
 人間世界に修羅場を起こさせる阿修羅たち。
 その大阪支部に、阿修羅オブ阿修羅の修羅長がやって来た。
 一日100万件の修羅場をつくれとの命令に、大阪支部の阿修羅たちは…。
 何度聴いても、大阪のあかんちん阿修羅が造り出すちまちまとした修羅場が面白い。
 そして、今夜はマクラや本題に、修羅場オブ修羅場の新しいくすぐりもしっかり盛り込まれていた。
 次回は、季節も春だろうということで、快(怪)作『春の一大事』を演じていただければ。

 そして、トリは太遊さんの「らぷご」(ラップ落語)『リク、踏みだせばいいんだ』。
 ラッパーを夢想するひきこもりの青年アマリリクに、両親が部屋を出ろ、家を出ろ、とフリースタイルラップの勝負を挑む。
 細かいくすぐりもそうだけど、この作品の肝は当然ラップの部分。
 今回はDJサンガ(姿は見えず)の協力を得て、「とらの巻」なしにラップを口演していた。
 太遊さんの本気度合いがわかる高座で、再演再再演、今後の進化が愉しみだ。

 最後はトークで盛り上げる…。
 などと、単なる予定調和で終わらないのも「第0回つくるクラブ」。
 笑利さんが、太遊さんの「らぷご」にジャブをかましていた。
 これはますます目が離せない。
 大阪の方はもちろん、京都の方も、兵庫の方も、奈良の方も、滋賀の方も、和歌山の方も、いやさ、世界中の皆さんも「第0回つくるクラブ」にぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2016年02月23日

ネオ落語・セントラル 第19回

☆ネオ落語・セントラル 第19回

 出演:月亭太遊さん、桂三実さん、十手リンジン
 大喜利ゲスト:合田団地君、無農薬亭農薬君
(2016年2月22日20時開演/錦湯)


 一歩前進二歩後退じゃないけれど、少し暖かくなったかと思ったらまた気温が下がるというような寒暖の行き来が激しい京この頃で、今夜も結構冷え込んだが、錦湯さんで開催されるネオ落語・セントラルは大入り大盛況で暖気熱気にあふれていた。
 しかも、これまでの常連さんに新たな常連さん、リピーターさん、ご新規さんと幅広いお客さんが顔を揃えたのも重畳である。
 19回目となる今回は、おなじみ桂三河さんが体調不良のため急遽出演を辞退するという残念なアクシデントもあったが、太遊さん、三実さん、十手リンジンのお二人、さらには大喜利ゲストの合田君、無農薬亭農薬君の六人が大活躍し、三河さんの大きな穴を埋め尽くした。

 まずは、太遊さん、三実さん、十手リンジンの四人のトークから。
 話題は例の…、桂恩狸さんと三実さんの新作落語会「ふたりでできるもん」のこと。
 ばかりじゃなくて、もちろん世情を賑わす様々な話題についても触れて盛り上げる。

 で、三実さんが演じたのは、その「ふたりでできるもん」でネタオロシされた『アイドルは総理大臣』。
 伏線となるマクラから、本題へ。
 すでに「ふたりでできるもん」の感想でも記したように、前半は総理大臣をおっかけるいっちゃったOLの話題で小刻みに笑いを積み上げる。
 そして後半、三実さんは話を大幅に改めて、笑いの仕掛けをしっかり増すとともに、多くのお客さんが受け入れやすい内容へと変更もしていた。
 正直、初演時のあの驚きも嫌いじゃないのだけれど、高座で繰り返すネタとしてはこの改作も十分十二分に納得がいく。
 三実さんの新作が、今後も愉しみ。

 続いては、十手リンジンの漫才。
 お客さん側から見て左側の十田さんと右側の西手さんのコンビで、すでに錦湯さんにも何度か出演している。
 奈良すみます芸人として、奈良を紹介する十田さんの繰り出すボケに対して西手さんがエネルギッシュにパワフルに突っ込むというスタイルは以前も接したことがあるが、今回は十田さんの表情や動きが活きる新たなネタとなっていて、大いにわいた。
 落語家さんもそうだけど、十手リンジンやセンサールマン、東京に移った太陽の小町と、面白い漫才コンビに出会えることも錦湯さんでのネオラクゴ、ネオ落語企画の大きな愉しみの一つだ。

 トリは、太遊さんのネオラクゴ、並びに「らぷご」(ラップ落語)の新作『かつてのディーヴァ』。
 かつてレゲエの歌姫とならした女性の復活ライヴに現われたアマリリクだったが、彼がフリースタイルのラップを競う相手となったのは、なんと歌姫の保育園児の息子で…。
 今回はレゲエ・スタイルにのせた「らぷご」で、保育園児にこんなことをラプらせるんかいというような内容が面白い。
 当然そこに、ラップらしくネオラクゴらしい言葉もたっぷり織り込んであるのだけれど。
 「らぷご」、さらに多くの方に体験して欲しい。

 最後は、ここのところのネオ落語・セントラルで定番となっている大喜利である。
 お題の考案はお手伝いに来られている作家の桜井さんで、今夜も「アルバイト情報誌に掲載された海賊団の募集内容とは」や「食べログで評価1.0のお店の評価の原因は」、「なんでも直してしまう薬の副作用とは」といったお題が用意されていた。
 で、そのお題に対し、太遊さんのテンポがよくて、ここぞというところできっちり拡げ留め、すくい刺し放り投げる仕切りの下、演劇界の合田君や無農薬亭農薬君がフリースタイルの大喜利は俺らのものと解答を繰り出せば、負けるものかと十田さんも逸脱辞さじで怒涛の長距離安打を重ねる。
 その合間にすかさず三実さんがおかしな解答を挟み込む。
 そして、西手さんの焼ソバババア。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 皆さんも、このめくるめくワンダーランドに一度ぜひ!!
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2016年02月16日

ネオ落語・セントラル 第18回

☆ネオ落語・セントラル 第18回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利ゲスト:無農薬亭農薬君
(2016年2月15日20時開演/錦湯)


 ここ数日の温気が嘘のような寒さだったが、18回目となる今夜のネオ落語・セントラルは、常連さんにご新規さんと大盛況。
 特に女性のお客さんが多かった分、いつも以上に華やいだ感じがしていた。

 冒頭、あおばさんと太遊さんが近況トークで盛り上げているときに、グッドタイミングで三幸さんが登場(諸般の事情で延着)、さらに盛り上がる。

 で、まずはあおばさんが古典の『強情灸』を演じる。
 見栄を切った男が馬鹿みたく灸を据えて苦しむあたりは、粘らずすきっとした仕上げ。
 テンポのよい男同志の掛け合いが印象に残った。
 ちなみに、今夜もあおばさんは袴姿だった。

 続く、三幸さんはおなじみの新作『遺産相続』をかける。
 兄弟二人に亡き父が遺した遺言書は、相当風変わりなもので…。
 先週は弟弟子の三四郎さんの風が吹き荒れたけれど、さすがは三幸さんの「ホーム」、マクラからして盤石の笑いが起きていたし、本題に加わった新しいくすぐりにもしっかり反応が起こっていた。
 最後に、ネオはめ物を使った来年のR-1をにらんだネタを披露。
 これまた、おかし。

 トリは、太遊さんのネオラクゴ・ラップ落語(らぷご)のネタオロシは、『ひふみ園の死闘〜いればいいのに〜』。
 ひきこもりをやめて家を出たアマリリクは、老人介護施設を訪ねてラップを歌わせてもらうことになるが、そこには思わぬ強敵がいて…。
 先週からスタートした「らぷご」シリーズだが、太遊さんのラップへの熱の入りようがよくわかる作品。
 韻を踏むのは当たり前、それがメッセージ性を持っているのも本来のラップに沿ったものだろう。
 もちろん、そのラップが笑いにしっかり繋がっているから「らぷご」であり、太遊さんの言語感覚に感心しつつ大いに笑った。
 「らぷご」、ますます愉しみだ。

 最後は、久方ぶりの無農薬亭農薬君を加えた大喜利。
 太遊さんの仕切りで、「メルヘンチックな泥棒が残したもの」であるとか、「お昼過ぎにわかる嘘」といった作家の桜井さん(今夜はお休み)考案のお題に三人が名答珍答を繰り出していた。
 無農薬亭農薬君の不気味さすら感じる一筋縄ではいかない解答や、三幸さんのかろみのある解答も面白かったが、太遊さんとのやり取りも含めてあおばさんが健闘奮闘していた。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 そして終了後はいつものように交流会が催されたが、バレンタインデーの翌日ということで常連さんよりチョコレートなどをたんまりいただいた。
 多謝多謝多謝。

 かくの如く、嬉しいことも盛りだくさんのネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!!!
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2016年02月13日

桂恩狸さんと桂三実さんの新作落語会 ふたりでできるもん vol.1

☆ふたりでできるもん!vol.1(〜恩狸・三実の新作落語会〜)

 出演:桂恩狸さん、桂三実さん
 ゲスト:月亭太遊さん、桂りょうばさん
(2016年2月12日19時開演/動楽亭)


 羊頭狗肉、というけれど、桂恩狸さんと桂三実さんがはじめた新作落語会『ふたりでできるもん!』は、ゲストに月亭太遊さん、桂りょうばさんを迎えた上に、三味線(香取光さん)、お手伝いさん、受付さんまでお願いして総勢7名で臨んだわけだから、出てきた肉は狗の肉に非ず、羊頭牛肉、羊頭鶏肉、羊頭猪肉とでも呼ぶべき内容となっていた。
 そこらあたり、お客さんも瞬時に感じ取ったのだろう、会のスタートに相応しく大盛況だったのは何よりである。

 で、恩狸さんと三実さんによる挨拶と会の説明を兼ねたおしゃべりののちは、開口一番、前座のりょうばさんが、おなじみ『東の旅』から「煮売屋」を演じた。
 りょうばさんの詳細に関しては、あえてここでは触れない。
 定石に沿いつつ丹念に話を進め、ここぞという部分でぱっと表現が大きくなるところは、やっぱり達者だなあと思う。
 これからどのような落語家さんになっていくのか、とても愉しみだ。

 続く三実さんの新作は『アイドルは総理大臣』。
 一年ごとに好みのアイドル(女性)が変わってきたけれど、最近は能年玲奈ちゃんに夢中とマクラでふっておいて、本題へ。
 半ばストーカーまがいの総理大臣ファンのOL(そうそう、登場人物のネーミングにも工夫がこらされている。上司のほうは、明菜じゃなくて明夫かも)の運命が、ひょんなことから変化して…。
 といった展開で、前半はくすぐりを小刻みに仕掛けてしっかりと笑いを重ねていく。
 が、この作品の肝は、中盤、話が急激に転調するところだ。
 正直、唐突の感は否めないし、場の空気が変わるような転調でもあるのだけれど、そこに三実さんの内面の何かが表われていたようにも感じられた。
 もしかしたら、三実さんの「破調」もまた、この「ふたりでできるもん!」の愉しみの一つになるかもしれない。

 太遊さんは、もちろんネオラクゴで勝負。
 『幻影百貨店(マーヤーデパート)』。
 その人にぴったりの衣装を勝手に選んでくれるというスーパー試着室を探しなさいよ、と友達に強いられた女性は、神戸にある、あるデパートに辿り着く。
 SF的趣向に、形而上的な思考、さらにはネオラクゴ・フロンティアやネオ落語・セントラルの常連さんにはおなじみの「映画」オチと、ネオらしさの効いた作品だが、要所急所で笑いが起こっていた。
 これからは、錦湯さん以外でもネオラクゴをどしどし聴いていきたい。

 トリは、恩狸さんの新作、喫茶「鉄」。
 鉄ちゃん対応の喫茶店が舞台で、鉄道好きでもない人でも笑えるような、そこそこマニアックではあるけれど、コアには過ぎないくすぐりをチョイスしていて、おかしい。
 また恩狸さんらしいぼやき、というか、突っ込みというか、「おいおい、お前なあ」という感情も巧く出ていたのではないか。
 生ならではのスリリングな部分はあったし、さらに話が面白くなる可能性も感じはしたが、この会ではあまり小さくまとまってしまう必要もないのではとも思った。
 恩狸さん特有のフラや、あえて破天荒を見せようとする「やってる」感をお客さんに理解してもらった上で、はじめのうちは何やかやと試す会になっていけば幸いだ。

 最後は、恩狸さん、三実さん、太遊さん、りょうばさん、四人揃ってのトーク。
 プラス、景品のためのじゃんけん大会(前売りのお客さんに手拭いをプレゼントしていたのに!)。
 と、盛りだくさんに〆た。
 ここでのぐだっとした感じも、実にらしくて面白かったのだが、仕切りの達者な太遊さんや、入門前から場馴れしているりょうばさん(リリパ!!)が巧くサポートしていたことも事実で、今後はゲストの顔触れに合わせて、より段取りを組んでおいたほうが無難かもしれない。

 年間7回で300回の開催を目指すという心意気やよし。
 「ふたりでできるもん!」のさらなる発展と大盛況を心より祈願したい。
 ああ、面白かった!
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2016年02月09日

ネオ落語・セントラル 第17回

☆ネオ落語・セントラル 第17回

 出演:桂三四郎さん、月亭太遊さん、月亭方気さん、月亭八織さん
(2016年2月8日20時開演/錦湯)

 2月も2週目。
 暦の上では立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒い日が続いているが、17回目となるネオ落語・セントラルはいつもの如く熱く、暖かくわいていた。
 今回は桂三四郎さんに月亭八織さんと、初出演の方がお二人もいたので、常連さんに加えてご新規さんも来場し、重畳重畳。

 まずは、月亭太遊さんと八織さんのトークから。
 初お目見えということで、さぐりさぐりの八織さんは袴姿がよく似合っている。

 で、一番目の月亭方気さんが演じたのは、おなじみ古典の『看板のピン』。
 もともと方気さんには親近感を抱いていたが、マクラで同じ痛風とわかり、ますます親近感を抱く。
 って、同病相哀れむじゃ困るけど、方気さんならそこは無問題。
 押さえるべきところはきっちり押さえつつ、独自のくすぐりもしっかり仕掛けてきて、改めて方気さんは達者だなあと感心した。
 もちろん、それより何よりおかしかったけど。

 続いて、八織さん。
 月亭八方さんのお弟子さんである八織さんが俳優出身であったことは、共演者の共演者を通じたりして以前から知っていたのだが、終了後の交流会でお話をうかがって、亡くなられた塩屋俊さんの下で研鑚、映像畑からスタートしたことがわかった。
 確か大阪芸大の映画に出演されていたのも、その繋がりからかな。
 八織さんは、これまたおなじみ古典の『寿限無』をかけた。
 ただし、女性が演じるということを踏まえた工夫も施されており、新たなくすぐりでも笑いをとっていた。
 登場人物の色分けもくっきりしていたのではないか。
 その口跡に「ぼたんたん」高橋牧子、演じ分けに「お梅どん」臼間香世と、『あかんたれ』コンビをふと思い起こす高座で、名人風に語り込むより、「見せたい(魅せたい)」落語家さんといった印象を強く受けた。

 三番目は、満を持して桂三四郎さんが登場する。
 桂文枝さんの13番目のお弟子さん三四郎さんといえば、もう5、6年になるかな、MBSラジオの『ヤンタン』日曜日レギュラーでの鶴瓶さんらとの掛け合いを時々愉しんでいるのだけれど、今夜はそれはそれこれはこれ、東京に拠点を移して活動する三四郎さんの落語家としての力量がよく表れた高座に仕上がっていた。
 一つ上の兄弟子で、ネオ落語セントラルではおなじみ桂三幸さんの話題などを盛り込んだマクラからして、場の空気を読み取り、お客さんの心を掴む。
 そして、演じた新作も、設定や話の展開自体はなじみ易くわかり易いものでありながら、そこに言語感覚の鋭さ、考える芽のようなものも含まれていて、良い意味で一筋縄ではいかない。
 まさしくネオ落語・セントラルに相応しい作品だった。
 才気煥発、それでいて独特のフラがあり、イケメンでもある三四郎さんの今後のさらなる活躍を愉しみにしたい。

 そして、トリは太遊さんのネオラクゴ新作『リク、踏み出せばいいんだ』。
 ネオ落語・セントラルの第14回で演じられた『スペクタクルボーイ』に登場した、ひきこもり青年「アマリリク(甘利じゃないよ)」が再登場する『リク、踏み出せばいいんだ』は、太遊さんがラップ落語(らぷご)と命名した通り、ラップが肝となる作品で、太遊さんのバーバル・センスの高さが十二分に発揮されている。
 錦湯での会の開始から一年半が過ぎ、遂にネオラクゴも新たな境地に達したといえば大げさだろうか。
 今夜は出来たてということで万全を期した高座だったが、これからはひと際即興性に富んだらぷごに接することができるのではないか。
 ますます太遊さんから目が離せない。

 そのまま、太遊さん仕切りによる大喜利のコーナーへ。
 お手伝いの作家さん桜井さんが考案した「自動車教習所のロマンチック過ぎる教官の指導とは」、「同じクラスの松本君が宇宙人だとわかった理由」、「それはなんやねんと思った星占いの内容」といったお題に、三四郎さん、方気さん、八織さんが解答を重ねていた。
 最後は、三四郎さんと太遊さんが交代したが、太遊さんの描く絵(マンロー・リーフとかaikoが描くようなユニークな絵)がまた愉しかった。

 と、新しい風が吹きまくったネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!
 次回はどんな風が吹くか?
 月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!!
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2016年02月02日

ネオ落語・セントラル 第16回

☆ネオ落語・セントラル 第16回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん、センサールマン
(2016年2月1日20時開演/錦湯)


 あっと言う間に2016年も1月が終わり、今日から2月へ突入。
 その2月いっとう最初の日に、16回目となるネオ落語・セントラルが開催された。
 冬そのものの底冷えのする夜だったが、常連さんなどなかなかの入りとなり、まずは何よりである。

 はじめは、出演者全員が顔を揃えてのトークから。
 あおばさん、太遊さんが出演した丹後での落語会のあらまし(Facebookなどで写真があがっていて、その写真と同じく太遊さんは怪しげなサングラスを着用して登場)や、センサールマン・山崎仕事人さんの「転職」、そして三幸さんのR-1・3回戦進出など、近況で盛り上がる。

 で、今回はじゃんけんに勝った人が決めた順ではなく、新作ネタおろしのあおばさんから始まる。
 息子とちょっとファニーなおかんとのやり取りが肝となる作品で、ある「物」が薬味のように効果的に使われる。
 正真正銘のネタおろしということで、中盤から終盤にかけてきわどい部分もあったのだけれど、それがまた笑いに繋がっていた。
 この作品は、練り上がったあとで、ぜひもう一度接してみたい。
 そうそう、今夜もあおばさんは袴姿。
 よく似合っている。

 続いては、センサールマンが登場する。
 今夜は、勧善懲悪の時代劇ドラマの主人公をやってみたいという山崎仕事人さんの願いに応える形で、愛植男さんが悪役の悪代官を演じてみせるという趣向。
 植男さんの芸達者ぶりが十二分に発揮されたネタで、繰り出す繰り出す。
 そして、斬るに斬れない仕事人さんの堪えぶり。
 いつもの如く大いに笑った。

 太遊さんのネオラクゴのネタおろし(降臨)は、『OBゾンビ』というタイトル。
 ある大学の落語研究会を舞台にした作品で、太遊さんの落語、落語界、素人と玄人、演じる側と観聴きする側等々への強い想いが炸裂した作品に仕上がっていた。
 もちろんそこはネオラクゴ、タイトル通り、ホラー映画の流儀を巧く盛り込んで、しっかり笑いを生み出していたが。
 そして僕は、落語についてのみならず、演劇や映画、小説のあれこれについても考えざるをえなかったのだ。

 トリは、三幸さん。
 はじめにかけた新作は、警察署が舞台。
 ある刑事が宝くじに当たったのではないかと疑う上司は…。
 「邪推」の積み重ねが笑いとなる新作で、そのネタ、くすぐりもおかしい。
 続いて、R-1・3回戦のネタを披露。
 以前、錦湯さんで演じたネオはめ物を濃縮した内容で、ぱっと会場をわかした。

 最後は、太遊さんの仕切りで、他の出演者の面々が大喜利に挑んだ。
 作家の桜井さん(今夜はお休み)が考えた「スキー場で流れてきた変なアナウンスとは?」、や「アントニオ猪木のアゴには何が隠されている?」といったお題に応えるというものだが、さっさっという太遊さんの仕切りに合わせて、さくさくと解答を重ねていた。
 しばらくは、大喜利がネオ落語・セントラルの〆になりそうな感じである。

 と、今夜も実に盛りだくさんな内容でした。
 月曜夜20時は、皆さんもぜひ錦湯さんへ。
 落語なんて観たことも聴いたこともないという方も(こそ)大歓迎です。

 ああ、面白かった!
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2016年01月26日

ネオ落語・セントラル 第15回

☆ネオ落語・セントラル 第15回

 出演:桂三河さん、桂あおばさん、桂三実さん、月亭太遊さん(大喜利のみ)
(2016年1月25日20時開演/錦湯)


 なんとか雪は降り積もらなかったものの、この冬一番、というより、史上稀なる大寒気が到来した京この頃だが、今夜も無事ネオ落語・セントラルは開催された。
 寒さ厳しく激しい中、常連さん、リピーターさんが集まって、まずは何より。

 15回目となる今回は、別件(エトワ寄席)のため月亭太遊さんが不在ということで、桂三河さんが仕切る形で三人のトークがスタート。
 ネオ落語・セントラルではこれまでそれほど語られてこなかった、上方の落語家さんたちの話なども飛び出して、盛り上げる。
 そして、今夜来ていただいたお客さんだけのために、との宣言も。

 で、じゃんけんに勝った人が決めた順でまずは三実さんから。
 まずは、ご主人と小僧さんの滑稽なやり取りを描いた古典の短めの噺『味噌豆』を折り目正しく丁寧に演じてから、スケッチ帳を使ったネタに。
 スケッチ帳に書かれた題名を読み上げたのち、オチの部分だけを演じてみせるというもの。
 三実さんの好みがよく出たラインナップで、さくさくてんてんと進んでいく感じもおかしかった。

 続いては、袴姿のあおばさんが登場。
 韓国旅行に連れて行ってもらった話などをマクラで語ったあと、お客さんのアンケートに応えて、短く即興的(ではないか)に語って高座を終える。
 登場人物の強い感情が現われるあたりに、あおばさんの特性がよく出ていたと思う。
 準備してきていたという『七度狐』もぜひ聴きたいし、あおばさんの大ネタを次回はじっくり聴きたい。

 トリは、三河さん。
 三河さんもお客さんにアンケートをとって、これまでネオ落語・セントラルでは演じたことのない『手水廻し』をかけた。
 久しぶりに演じるネタだそうだったが、要所要所をきちんと押さえてしっかり笑いを生んでいた。

 最後は太遊さんが戻って来て、大喜利に参加。
 三河さんの仕切りで「こんなやっさん(横山やすし)は嫌だ」というお題に、あおばさんの仕切りで「コンビニのメロディ(お客さんの出入りのときに鳴る)についた歌詞とは」というお題に、それぞれが挑戦していた。

 と、たまにはこうしたネオ落語・セントラルもよきかな。
 寒さに負けず、月曜の夜は皆さんも錦湯さんにぜひ。
 ああ、面白かった!
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2016年01月19日

ネオ落語・セントラル 第14回

☆ネオ落語・セントラル 第14回

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭天使さん、月亭太遊さん
(2016年1月18日20時開演/錦湯)


 急な寒さに開演前の雨と、あまりよいコンディションではなかったものの、14回目となるネオ落語・セントラルも、なかなかの入り。
 常連さん、リピーターさんに加え、今夜は演劇関係の昔馴染みも顔を出していた。

 まずは桂三河さん仕切りによるトークからスタート。
 今話題のあのグループの件なども盛り込みつつ、場を盛り上げる。
(ちなみに今回の三河さんは高座はなし、仕切りに徹していた)

 で、じゃんけん順で天使さんから。
 今夜は新作の揃い踏みで、天使さんの作品は『十枚目』。
 古典の『皿屋敷』を現在風にアレンジしたもので、お菊さんのところに十枚目の皿を持って行けば願いが適うという言葉を信じてやって来た女性とのやり取りが作品の肝となっている。
 もちろん、そこここに今様のくすぐりが仕掛けられていたが。

 続くは、三幸さんが新作をネタおろし。
 三幸さん自身の独演会のウォーミングアップというところか。
 夢破れてガソリンスタンドでアルバイトを始めた青年だったが…。
 と、現代版わらしべ長者風に話は展開していく。
 ルーティン(繰り返し)の畳みかけが面白く、おなじみスピーカーにi pad、マイクとシステムのほうもばっちりだった。

 そして、太遊さんのネオラクゴ・ネタおろし(降臨)は、『スペクタクルボーイ』だ。
 暇を持て余している人間のところに出現し、スペクタクルで愉しませてあげようというスペクタクルボーイだったが、彼の訪れるところ訪れるところ、結構シュートでシビアな場所で…。
 まずもって、スペクタクルボーイが出現する場所と相手がどうにもおかしい。
 今夜は、それでもきわきわのところで攻めていたが、これはもっとずっと「やばい」ネタを盛り込むことができるなあと思ってしまう。
 そうそう、マクラで太遊さんが語っていたことには全く同感。
 いつ何が起こってもおかしくないもんね。

 さらに、今夜は三河さんの仕切りで大喜利コーナーも。
 江戸時代の飛脚あるあるだとか、小学校5年生で微妙というあだ名を付けられた子の理由だとか、SMAP問題で多忙の井上公造が無視した芸能ニュースだとか、ネオ落語・セントラルのお手伝いをしている作家の桜井さん提供のお題に、三幸さん、天使さん、太遊さんが名解答、珍解答を披歴していた。
 解答そのものもそうだけど、太遊さんをはじめ、ボードに描かれた皆さんの絵も愉しい。
 あと、天使さんが突然他の二人の解答を評価するような立場の発言を繰り返していたのもおかしかった。

 と、22時過ぎまで。
 今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 そして、来週は太遊さんのお休み回。
 それでも、皆さん20時からは錦湯さんにぜひ!!
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2016年01月12日

ネオ落語・セントラル 第13回

☆ネオ落語・セントラル 第13回

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、センサールマン
(2016年1月11日20時開演/錦湯)


 三連休の最終日ということで、入りはどうかなと思っていたらこれが大盛況。
 13回目となるネオ落語・セントラルは、上述の如く総計7人が出演する豪華版に相応しい大勢のお客さんが集まっていた。

 太遊さんたちは、むらさき湯でのちゃいちゃい寄席からの移動ということで、まずは三幸さんと恩狸さんのトークでスタートする。
 で、すでにこのネオ落語・セントラルのトークで話題となったプライベートの出来事に関して恩狸さんが進展状況を語っているところで、太遊さんたちが戻って来る。
 恩狸さんが司会進行を務めるという体でトークが再開されるが、当然の如く(?)太遊さんらから恩狸さんの仕切りに関して突っ込みが入った。

 30分ほどトークで盛り上がってから、恩狸さんが新作『落語グランドチャンピオン』のネタおろしに挑む。
 落語グランドチャンピオンなる企画の決勝戦に突然参加することになった男性の話で、今夜は途中まで。
 落語好きが喜びそうなネタが盛り込んであるのだけれど、それより何より大暴投もあえて辞さずという恩狸さんらしさが強く印象に残った。
 やってる感全開。

 続いては、天使さんが古典の『田楽喰い』をかける。
 ただで酒の肴ばかりか、酒そのものまでご馳走にあずかろうという男たちだったが…。
 というおなじみの展開。
 恩狸さんの高座についてちらと言及したマクラもそうだけど、ここのところの歯切れの良さや間合いの良さを計った口演を聴きながら、落語家であること、落語を語ることについての天使さんの意識意志がうかがえるように感じた。
 そうそう、はじめの辺りで本題と全く関係ない(いざ金を払う段になって「財布を忘れた」などと平然と口にする)ところでついつい笑ってしまったのは迂闊だった。
 どこで笑おうが客の勝手という言い草もあるだろうが、これはいけない。
 まるで東京の魚市場で京都の鶏肉をさばくような所業だもの。

 三番目に登場したのは、センサールマンのお二人。
 山崎仕事人さん扮する子供に「お馬さんごっこがしたい」とせがまれた愛植男さん扮するお父さんだったが…。
 一歩間違えるとコースを大きく外れて逸走、あわや落馬、という危険もなくはないところを、そこは見事な手綱捌きできわきわの線を駆け抜け走り抜け、しっかり大きな笑いを生み出してゴールしていた。
 センサールマンはやっぱり面白い。

 三幸さんは、師匠文枝さん(三枝さん時代)の新作『お忘れ物承り所』を演じた。
 センサールマンのお馬さんネタで有馬記念での怒りを思い出し、そこから最近腹の立ったことをマクラで畳みかけたあと本題に入ったが、駅の遺失物係を題材にしたこちらのほうはしっかり丁寧に演じて小刻みに笑いをとっていた。
 作品自体よく出来ているなあ、とも感心した。

 一方、三河さんは自作の『渚のスイート』を再演した。
 2014年の11月というから、ネオラクゴ・フロンティアが始まってまだ最初の頃に一度演じられた作品で、とあるメイド喫茶が舞台。
 若いかわいいバイトの新人さんに、年長の先輩メイドが仕事のやり方を示してみせるという内容だけど、二人目のメイドさんのルーティン的な「失敗」がやはりおかしい。
 そして、女性間のじわりとした悪意もいい隠し味となっている。
(こうして、三河さんの落語を聴いただけでメイド喫茶に行った気になれるなあ。実際に行かなくっても平気だなあ。えっ、違う?)

 トリは、太遊さんのネオラクゴの語りおろし(降臨)『桃源郷(ザナドゥー)』。
 門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし。
 という一休禅師の作と伝えられる狂歌をついつい思い出してしまいたくなるような、ネオラクゴらしい展開。
 幼稚園の教育実習を行っている先生のたまご二人が、桃太郎の続篇を発表の題材に選んだまではよかったが…。
 後半のきれ具合、いききり具合が何重の意味でも「おかしい」。
 そして大いに笑いつつも、喪黒なんとかに指を突き付けられるように、日々打ち震えていることを改めて目の前に突き付けられた気分になったことも確かだ。
 新年にネタオロシされるべくしてネタオロシされた作品だった。

 最後は、再び恩狸さんの仕切りという体のトークで〆た。

 気がつけば22時過ぎ。
 おせちのお重に、カレーもケバブもビーフストロガノフもフカヒレスープもついてきたような盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 そして、来週も月曜20時は錦湯さんにぜひ!!
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2016年01月05日

今年最初のネオ落語・セントラル(第12回)

☆ネオ落語・セントラル 第12回

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭太遊さん
(2016年1月4日20時開演/錦湯)


 桂三幸さん、桂三河さん、月亭太遊さんと、おなじみの顔ぶれが揃った新春第一回目のネオ落語・セントラルは、通産12回目。
 お着物をお召しになった方など、今回も多くのお客さんが集まって盛況だった。

 スタートはいつもの如く、三人のおしゃべりから。
 ネオ落語・ニューイヤーなど、正月三が日の出来事を面白おかしく語って盛り上げる。

 で、じゃんけんで勝った順で、まずは三河さんが古典の『秘伝書』を演じた。
 三河さんの『秘伝書』は祇園花月の○○落語会で以前聴いたことがあるが、やはりこの噺の筋立てがよくできているということを再確認させる口演だった。
 とともに、この秘伝書を売り付けられた男のお人好しぶりもよくわかる。
 それにしても、「天皇陛下になる方法」って…。

 続くは、三幸さん。
 ネオ落語・セントラル(ネオラクゴ・フロンティア)の三幸さんといえば、「変幻自在」なマクラが愉しみだけれど、今夜は遂にここまで来たかという趣向つき。
 まさしくやりたい放題!
 本題は一転、おなじみ古典の『厩火事』だ。
 上方流儀だけに、麹町のさるお武家が、京都のさるご大家となっているところもミソである。
 三幸さんは丁寧に演じつつ、時折ちょっとしたくせ球も投げて笑いを生んでいた。

 トリは、太遊さんがネオラクゴ『ぽっちゃりタウレト』を再演した。
 嘘をつけない男が上司に連れられて行ったのは、ぽっちゃり専門のスナック「ぽっちゃりタウレト」という店で…。
 という、『場末のバステト』に続くシリーズ二作目。
 ぽっちゃり専門に相応しい笑いの仕掛けがいろいろと盛り込まれていたりして、ネオラクゴの中ではなじみやすい作品なのではないだろうか。
 そして、三作目はいつ聴けるのか!?

 さらに、今回は新年一回目ということもあって大喜利のおまけつき。
 三河さんの仕切りで、「こんな紅白はしょぼ残念だ」や「おぼっちゃまだらけの野外キャンプでもめた原因」といったお題に、三幸さんと太遊さんがあれやこれやと答えを繰り出していた。

 と、2016年も一発目から笑い一杯盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!
 皆さんも、毎週20時からは錦湯さんへぜひ!!
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2016年01月01日

ネオ落語・ニューイヤー

☆ネオ落語・ニューイヤー

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭天使さん、桂あおばさん、月亭太遊さん、桂恩狸さん
(2016年1月1日14時スタート/AinsNeusHall)


 2016年が今日からスタートした。
 一年の計は元旦にあり、というが、一年のネオ落語も元旦にあり。
 なんとネオ落語が、正月一日に大阪初上陸するというので、迷わず大阪は恵美須町のAinsNeusHallまで足を運んだ。
 よくよく考えたら、関西に住み始めてそろそろ30年近くにもなるが、1月1日から大阪に足を伸ばすのは今年が初めてだ。
 アイドルのライヴ会場として知られるAinsNeusHallといえば、さんがワールドの開催地、桂三河さんの牙城だが、今日はそういった大阪勢と、ネオ落語の本丸京都・錦湯勢がちょうどほどよい感じで来場し、大盛況となっていたのは重畳である。
(ほかに、東京からのお客さんもお越しになっていた)

 まずはネオ落語・セントラル風のスタートのおしゃべりで大いに盛り上がったところで、落語の方が始まる。
 今日は新春一発目ということもあって太遊さん、さらにはあおばさんが、お客さんから三つのお題をいただいてそのお題を盛り込んだ落語を即興で創るという、いわゆる三題噺に挑むことになり、いただいたお題の中から、あおばさんがサンゴリアス(三河さんがらみの造語)、ピアノ、ゴリラを、太遊さんが遅刻、バットマン、阪急電車、学校を選んだ。
 で、この二人を後半に置いて、残りはじゃんけん順の出番という、これまたネオ落語流儀。

 トップの天使さんは、おなじみ『時うどん』。
 ネオ落語・セントラル界隈で耳にする『時うどん』といえば、二人連れが大騒ぎしてからアホがやらかす上方流だが、こちらは男の巧いやり口をこそっと覗いていたアホが己も試してみようとする、『時そば』でよく聴くスタイルのもの。
 天使さんはテンポよく歯切れよく演じていた。
 そうそう、忘れちゃいけないのは、この『時うどん』が猫のくすぐりがちょっとずつ絡んでくる猫バージョンであるということ。
 猫好きの天使さんらしいチョイスで、べたべたごてんと本題に絡んでこないのも猫っぽい。

 続いて、あれあれ、あおばさんが登場。
 三題噺というと、お師匠のざこばさんの奮闘奮戦ぶりがおかしく懐かしい『らくごのご』をすぐに思い出すのだけれど、あおばさんの三題噺はそんなざこばさんのやたけたぶりやチャーミングさを受け継いで、お客さんの懐にすっと入り込んでくるかのような話に仕上がっていた。
 AinsNeusHallという地の利を活かして、三河さんをまさしく「正面」からネタにしたことも勝利の源だろう。

 三番目の恩狸さんも、急遽三題噺に参戦!
 お題は、学校にピアノ、遅刻。
 が、これは種を明かすと、昨年ネオ落語・セントラルでネタおろしの『ヒローワーク』の中にお題を上手に盛り込んでいったもの。
 それとともに、初演のときに比べて、恩狸さんがこの新作を練り上げていっていることもよくわかる。
 恩狸さんのフラや、本来の無茶さの良さを残しつつ、そこにさらに笑いの仕掛けが加わっていけば、いい持ちネタになるのではないか。
 今後の再演が愉しみだ。
(2月12日の、桂三実さんとの「ふたりでできるもん」のチケットを購入したんだった。動楽亭で19時から。ゲストは月亭太遊さんで、前売りは800円。ご都合よろしい方はぜひ!)

 ここで中入り。

 後半は三河さんから。
 自らのアイドル・オタぶりをマクラできちんと明らかにしたのち、新作の『僕だけのアイドル』をかける。
 アイドル・オタの職場の先輩に誘われて、ABK48なるアイドル・グループに入ってしまった男だったが…。
 と、まさしく三河さんのアイドル、並びにアイドル・オタへの想いが吐露された作品である。
 AinsNeusHallという場所がよく効いていた。
 あっ、あと宮崎と小林という登場人物の名前が…。

 三幸さんは、ネオ落語・セントラルのように、ちぎっては投げちぎっては投げ、ではない、思い付いては口にし思い付いては口にするというマクラを披露。
 AKB総選挙に足を運んだことや、年末の出来事、手足口病にかかったこと等々を軽みをおびた口調で語っていった。
 本題は、『四人ぐせ』。
 鼻の下を擦る男、目を擦る男、袖口を引っ張って着物を合わせる男、手を打つ男という妙な癖を持った四人の男が集まって…。
 という古典の噺で、三幸さんはこちらも軽妙に演じ切った。
 目を擦るところでは、つい手足口病のことを思い出してしまったんだった。

 トリの太遊さんは、ネオラクゴのネタおろし(降臨の降ろし)と三題噺おろしを兼ねた『バビロンの大妊婦』。
 お客さんからいただいた四つ、ばかりか七つのお題を取り込み、さらには他の面々のエピソードやくすぐりを盛り込んだ力技だった。
 そして、びっくりしたなあもう! ではちょと遠い、あっと驚くタメゴロー! おお、だいぶん近付いてきた、と懐かしのギャグを口にしたくなるような驚愕のサゲ!!

 最後は、告知も含んだ全員のトークで〆た。

 休憩を挟んでの3時間弱、初春から盛りだくさんで存分に愉しめました。
 ああ、面白かった!

 で、来週月曜、4日の20時からは、今年第1回目となるネオ落語・セントラルが錦湯で開催されます。
 京都の方はもちろん、大阪兵庫奈良エトセトラ、全国の方もご都合よろしければぜひ!!
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2015年12月29日

今年最後のネオ落語・セントラル 11回目

☆ネオ落語・セントラル 11回目

 出演:桂あおばさん、月亭太遊さん
(2015年12月28日20時開演/錦湯)


 テレビでは立川談春さん原作の『赤めだか』のドラマが放映されていたが、こちら錦湯さんは、今年最後のネオ落語・セントラルで大いにわいていた。

 今回は、あおばさんと太遊さんの二人会。
 で、開口一番のトークで盛り上げたのち、あおばさんがおなじみ『動物園』を演じる。
 訳あって短めに刈り込んだバージョンだったけど、あおばさんの振り幅の大きい動き、強弱のはっきりした話の運び具合が笑いを生んでいた。

 太遊さんのネオラクゴ再演パート1は、「ポリアンナ(パレアナ)」ならぬ『堀杏奈』。
 なんでも前向き、楽天的に考えてしまう女性が主人公の作品で、彼女のはずれっぷりがおかしくてついつい笑ってしまうけれど、これって他人事かいなとふと思ってしまったことも事実。
 ネオラクゴは自分を映す鏡だなあと改めて感じた。

 続いて、再びあおばさんが登場し、2丁拳銃小堀裕之さん作の『ハンカチ』をかけた。
 なかなか本心を口にできない夫と妻の関係を巧みに描いた作品で、あおばさんはすでにネオラクゴ・フロンティア時代に上演したことがある。
 こちらは、笑いの仕掛けに加え、夫婦の間のしっとりとしたやり取りも強く印象に残った。

 太遊さんのネオラクゴ再演パート2、そして今年のネオ落語・セントラルの演じおさめは、ふつうユニットの未来会議withネオラクゴで誕生した『お庭の奥のマムー』。
 人間の心を持った人工知能がとてつもない大きさのヨーロッパバイソンに転移され…、というSF的な結構は未来会議での初演ということも大きいだろう。
 その内容自体もそうだけれど、宇宙観というか人間観というか、非常に突き抜けた展開は今年の演じおさめに相応しいネオ度の高さだった。

 あおばさんのお父さんの話題も飛び出すなど、最後のトークも笑いいっぱい。
 そして最後は、今年亡くなった桂米朝さんが考案した米朝じめ(でいいのかな?)で〆た。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!
 来年は1月1日に大阪でネオラクゴ・ニューイヤー(地下鉄恵美須町・AinsNeusHall、14時から)が、さらには4日からネオ落語・セントラルが開催される予定です。
 一年の計は元旦にあり!
 皆さん、新年からネオラクゴ、ネオ落語の世界にぜひ!!
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2015年12月22日

ネオ落語・セントラル 10回目

☆ネオ落語・セントラル 10回目

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、桂三実さん
(2015年12月21日20時開演/錦湯)


 世は年末進行。
 そんな中、毎週月曜20時から錦湯さんで開催される落語会、ネオ落語・セントラルは遂に10回目を迎えた。
 今回は桂三河さんと月亭太遊さん、そして来年2月12日に大阪は動楽亭で1回目の新作落語会『ふたりでできるもん』(19時から、前売り800円)を開催する桂恩狸さん、桂三実さんの四人が出演した。

 まずは、四人のトークから。
 二週連続で出演となる恩狸さんは、前回に続いて出演間隔をネタにされていた。

 で、じゃんけんに勝った順で、太遊さんが強化月間である『たまげほう』を速いテンポで演じる。
 太遊さん自身もマクラで冗談交じりに口にしていたが、ちょっとずつ準古典の作品に向かいつつある。
 まさしく十八番だ。

 続いては、恩狸さん。
 文福師匠との年賀状にまつわるエピソードをマクラで語ってから、本題の『池田の牛ほめ』へ。
 家と牛の誉め方を教わった阿呆な男が喜び勇んで池田に向かったが…、というおなじみの古典で、恩狸の『池田の牛ほめ』を聴くのはこれが二回目。
 前に押し出す語りっぷりに変わりはないけれど、出演の回を重ねるごとに錦湯さんでの間合いをしっかり掴んでいるようにも感じた。

 三実さんは、自作の新作落語を披露した。
 学校の勉強なんて役に立たないとうそぶいていた青年だけれど…。
 三実さんの柄がよく出た折り目正しい結構に語り口の噺であるとともに、題材や向日性の展開には文枝さんのお弟子さんらしいなあとも強く感じた。

 四番手の三河さんは、自作の『コココココ』を再演する。
 ひょんなことから、アプリのヒヨコ育成ゲームをダウンロードしてしまったヒロユキ(って、どうも他人のようには思えない…)だったが…。
 まずもって三河さんの身ぶりがおかしいのだけれど、こういったゲームのあざとさ、怪しさを巧くからかった内容にもなっている。
 そうそう、この『コココココ』はyoutubeに動画がアップされてるんだった。
 ご興味おありの方は、ぜひ「コココココ」でご検索を!

 と、ここで太遊さんが急遽再登場し、ネオラクゴの『さよならシガー&ラミー』を再演した。
 突然目の前に現われたのは、ヒッピー然とした男女のアベックの地縛霊だった!
 が、そこは太遊さんのネオラクゴだけあって一筋縄ではいかない。
 笑いの仕掛けが、即痛烈なメッセージに繋がった作品で、自分もまた、地縛ならぬ自縛を解いていかなきゃならないな、と思わされた。

 最後は、再び四人のトークで〆た。
 『朝が来た』の番宣のためにネット番組の出演をOKした波留さんの話題を恩狸さんが口にすれば、三実さんは能年ちゃんへの想いを語り、三河さんはアイドル道を説く。
 まさしく記念すべき10回目に相応しいラストになった…(?)。

 などと、今回も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 来週は今年最後のネオ落語・セントラルで、歳納めを兼ねて皆さんもぜひ!!
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2015年12月15日

ネオ落語・セントラル 9回目

☆ネオ落語・セントラル 9回目

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん
(2015年12月14日20時開演/錦湯)


 9回目となるネオ落語・セントラルは、桂三河さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さんに加え、急遽桂三幸さんが出演ということで、五人の落語家さんが顔を揃えた。
 で、常連さんにリピーターさん、そしてご新規さんと、お客さんも結構な入り。

 まずは、五人のトークで盛り上がる。
 特に、恩狸さんの二週間ぶりの出演が何度もからかわれていたのがおかしかった。

 じゃんけんで勝った順のトップバッターは三河さん。
 町内の相撲取りと若い衆のやり取りを描いた古典の『大安売』を演じていたが、ルーティンの部分でしっかり笑いをとっていた。
 そうそう、錦湯では初お目見えとなる緑のお着物も強く印象に残った。

 続く二番手恩狸さんは、ついに新作に挑戦。
 大学卒業後くすぶっている元応援団員が、同じ元応援団員が起業した「応援する」会社に入ったものの…。
 といった内容の『ヒローワーク』。
 『ドカベン』岩鬼の大暴投というか牛刀でもってヒヨコを裂くというか、恩狸さんのフラが全面に押し出された作品で、その大胆な構成に激しく笑ってしまった。
 終了後楽屋で諸先輩の徹底的な直しが加えられたというのも、むべなるかなではあるけれど。

 三人目は三幸さん。
 手際よくマクラで笑いを生んでかけたのは、喫茶店で見初めたウエイトレスに、おじさんのアドヴァイスを受けた堅物青年がアプローチを試みるも…、という三枝時代の師匠文枝さんが作った新作の『How to プレイボーイ』。
 しっかり造り込まれた話を三幸さんが丁寧に演じていて、安心して笑うことができた。

 太遊さんは、ネオラクゴの『再教育テレビ』を再演する。
 真夜中に突如としてスタートしたのは、奇妙な出演者とキャラクターが奇妙なやり取りを繰り返す、どうにも奇妙な番組だった…。
 その展開の「変」さが、まずもっておかしい。
 そして、メッセージも実に明解だ。
 ぜひとも繰り返し演じて欲しいネオラクゴの一つである。
 ちなみに、太遊のまつり2が終わったばかりということで、出囃子(生の三味線)は「村の鎮守の神様の…」の『村祭』。
 太遊のまつり2(や、ちゃいちゃい寄席)での「第九」など、捻ったお囃子が聴けるのも一連の企画の愉しみの一つだ。

 トリは、天使さんが『三枚起請』をかける。
 まずもって感じたのは、この廓噺の大ネタに対する天使さんの強い意欲だ。
 加えて、「くろと」の女に振り回される男たちを女性の落語家さんが演じるというあたりも、非常に興味深かった。
 「くろと」の女の感情というか真情というか、そういった点を含めて、天使さんがこの噺をさらにどのように練り上げていくのか、改めてネオ落語・セントラルの場でうかがえればと思う。

 最後は、五人全員のトークで〆る。
 ここでも、恩狸さん大活躍だった。

 と、今夜も盛りだくさんなネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!
 そして、皆さんも月曜20時は錦湯さんへぜひ!!
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2015年12月13日

太遊のまつり2〜ネオラクゴ・アドヴェントin椿坂〜

☆太遊のまつり2〜ネオラクゴ・アドヴェントin椿坂〜

 ゲスト:桂三河さん
(2015年12月12日19時開演/井手町まちづくりセンター椿坂)


 12月12日は、福沢諭吉、小津安二郎、フランク・シナトラ、中村梅雀、西村雅彦、貫地谷しほり他の誕生日。
 そして、月亭太遊さんの落語家入門5周年を記念した「太遊のまつり2〜ネオラクゴ・アドヴェントin椿坂」が開催される日。
 と、いうことで、太遊さんの新たな拠点である京都府井手町は、まちづくりセンター椿坂まで迷わず足を運ぶことにする。
 で、錦湯さん(ネオ落語・セントラル)の常連さんのご厚意で車に同乗させてもらい、他の常連さんとともに井手町へ。
 ナビゲーションシステム・グーグル君ならぬ、ちゃんぽん君やうどん君の駄弁も災いしてか、途中遠回りもあったが、無事開演よりしばし前に、まちづくりセンター椿坂へ到着。

 暖かいコーヒーやお茶、美味しいおぜんざいのおもてなしをいただき大いに感激したのち、福知山でのイベントから同行している盟友桂三河さんとのこの5年間を振り返るトークで盛り上がる。
 そして、よい具合に会場があたたまったところで、「太遊のまつり2」がスタートする。

 まずは、ネオラクゴの十八番と呼ぶべき『たまげほう』と、初期の傑作『くぐつぐつ傀儡軒』が演じられたが、前者の「たまげほう」ぶり、後者の「大逆転」がどうにもおかしい。
 そして、笑いとメッセージの配分のよさを改めて強く感じた。

 ここで、三河さんを交えて小休止。

 後半は、鳩おじさんと自転車暴走族らの人知れぬ活躍を描いた、「ノブレス・オブリージュ」がテーマの『カルデラの大翼竜チアゴ』、パチンコ狂いの青年が城陽市の公園で悔悛するに到るまでのプロセスを大がかりに描いた『メシとパチンコ』と、ネオ度が増した作品が取り上げられる。
 まずもって大いに笑ったのだけれど、こうやってネオラクゴがまとめて再演されることで、太遊さんが一週間に一本ずつ新しい作品を作り、実際に演じていることの重みや意味合いを痛感した。
(そしてそれが、自分自身の創作意欲に深く繋がっていることも痛感した)

 最後は、再び三河さんを交えたトークで〆る。

 今夜は井手町をはじめ、京都市内や奈良、さらには東京からと幅広い方々がまちづくりセンター椿坂につどっていたが、そのことも含めて太遊さんの入門5周年を記念するに相応しい会だったと思う。
 ああ、面白かった!

 そうそう、星を観るのが好きな人間にとっては終演後に観た美しい星空も本当に眼福だった。
 また井手町にうかがいたいな。
 皆さんもぜひ如何ですか?

 もちろん、毎週月曜20時からのネオ落語・セントラルもお忘れなくです!
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2015年12月08日

ネオ落語・セントラル 8回目

☆ネオ落語・セントラル 8回目

 出演:柳家かゑるさん、月亭太遊さん
(2015年12月7日20時開演/錦湯)


 ついに2015年も12月。
 師走真っ盛り、ってのは変な日本語だけど、気ぜわしくっておまけに寒さも増したこんな時期こそ、大いに笑って過ごしたいもの。
 と、そんな気分の方も多いのか、8回目となるネオ落語・セントラルは、常連さん、リピーターさん、ご新規さんでぎっちり満員の大盛況だった。
 今夜は、東京からの柳家かゑるさんがフロンティア以来のゲスト出演。
 秀吉と光秀は山崎の合戦、秀吉と勝家は賤ヶ岳の合戦、そして東西両軍にわかれるは天下分け目の関ヶ原の合戦、の如く東西両落語家が相まみえる、などと言ったら、ちょっと違うかな。
 それでも、こなたネオラクゴの伝道者月亭太遊、あなたその太遊さんに私淑する毒蛙柳家かゑるの二人がしのぎを削る熱くて面白い一夜であったことに違いはない。

 まず、かゑるさんと太遊さんのトークのあと嬉しいオマケ(って、ちょっとガキっぽい言葉の使い方だなあ)で大いにわいてから、じゃんけん順に従って太遊さんがネオラクゴの『カフェ・ド・ニュートラル』を再演する。
 同じネオラクゴの『絶対安全ハイキング』につながる作品で、カフェに現われた三人の人物のやりとりと、それへの突っ込みで笑いを重ねたのち、終盤どどんと話は「形而上学」の世界へと突き抜けてゆく。
 まさにネオラクゴらしい展開で、やっぱり面白い。
 そして、中瀬という姓のように、もっと真ん中を歩みたいと改めて思ったりもする。
 いや、本人は結構真ん中を歩んでるつもりなんですけどね…。

 そして、トリはかゑるさんの『マザコン調べ』。
 おなじみ古典の『大工調べ』を春風亭百栄さんが改作したもの。
 で、マクラで、その『大工調べ』の不条理さを説明してから本題へ(そうそう、時期的にふと思い出したけど、赤穂四十七士の討ち入りってのも、考えたら不条理な話のような気がするなあ)。
 スーパーのレジ打ちの女性のもとに押し掛けてきたのは、社長の馬鹿息子とそのマザコンの母親だった…。
 はじめ、ゆっくりじわじわと会話を重ねたところで、マザコン社長夫人の啖呵が爆発する。
 その一気呵成の面白さ。
 続く馬鹿息子の馬鹿らしさ。
 まさしく『大工調べ』と同じ流れのおかしさではあるのだけれど、そこに、啖呵そのものの不条理さや無茶苦茶さへの皮肉が効いていて、それがまたたまらない。
 そして、かゑるさんは熱い想いの持ち主なんだということもよく伝わってきた。

 最後は、お手伝いで来られていた笑福亭笑利さんも加わったトークで〆た。

 いやあ、大満足。
 ああ、面白かった!

 何が飛び出すかわからない。
 そんな、笑いが盛りだくさんのネオ落語・セントラルに、皆さんもぜひ!
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2015年12月01日

ネオ落語・セントラル 7回目

☆ネオ落語・セントラル 7回目

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、センサールマン
 コーナー出演:廣瀬信輔君
(2015年11月30日20時開演/錦湯)


 なにせ11月も末日。
 めっきり寒さが厳しくなって、ついにストーブが登場したネオ落語・セントラル(7回目)は、今夜もなかなかの入り。
 先週がイケメン会だったとすれば、今回は個性が魅力の顔ぶれがそろった。

 まずは、三河さんとセンサールマンの山崎仕事人さんが鳥取出身ということもあり、郷里を代表する水木しげる大先生に黙祷が捧げられたのち、オープニングのトークで盛り上がる。

 で、じゃんけんの勝った順で恩狸さんから。
 本来、文福一門で初めに教わるネタなのだけれど…、といった具合に自分と噺の関係などをマクラで触れて、本題の『十徳』へ。
 恩狸さんのフラとぴったりのアホな男が面白いのはもちろんだけど、受ける側のちょっとした仕種も印象に残った。

 続く三河さんが演じたのは、『看板のピン』。
 博打好きの連中が昔鳴らした男に勝負に加われとけしかける。
 ならば一回こっきり、それも胴をとらせろいう男。
 流石は昔鳴らした男だと、連中胴をとらせると、おやおやなんとサイコロが…。
 というおなじみの古典落語だが、三河さんは丁寧なやり取りで、しっかり笑いを生み出していた。

 太遊さんは、三番目。
 ネオラクゴの『おしかけロンリネス』の再演で、一人暮らしの老人に対する大学生や教授たちの偽善的な態度が徹底的にあげつらわれていて、やっぱり面白い。
 そして、初めて聴いたとき以上に、自分自身についても考えたりもした。
 もちろん、大学生たちではなく、あの老人の側の人間として。

 最後は、センサールマン。
 漫才のお二人がトリをとるというのも、ネオ落語ならではだ。
 そして演じたネタも、八百万の神が降臨するというもの!
 愛植男さんが次から次へと違った神で降臨すれば(だって八百万だもんね。たぶん、即興で降臨したりもしていたのでは)、山崎仕事人さんもそれに積極的に応えるという、丁々発止のやり取りに笑った笑った。
 センサールマン、やっぱり面白いなあ。

 トークコーナーは、ふつうユニットの廣瀬信輔君が登場し、出演者の皆さんと出張未来会議を行う。
 「服が透けて見えるメガネ」から、「本音と建前の可視化」、さらには「タイムマシンの実用化」といった皆さんからの幅広いお題に、廣瀬君が理系的知識を駆使してテンポよく解答しており、通常の未来会議とはまた異なる趣き。
 やっぱり、プロの人たちは違うなと笑いつつ感心もした。

 と、今夜も盛りだくさん笑いだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 いよいよ2015年も残すところ、あとひと月。
 皆様ご多忙かとは思いますが、月曜20時は錦湯さんへぜひ!
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2015年11月24日

ネオ落語・セントラル 6回目

☆ネオ落語・セントラル 6回目

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん、笑福亭笑利さん
(2015年11月23日20時開演/錦湯)


 世は三連休の最終日。
 にもかかわらず、6回目となるネオ落語・セントラルは、常連さん、リピーターさん、ご新規さんで満員の大盛況だった。

 まずは、出演者4人が落語界の話題、あおばさん、笑利さん、三河さんが皮切りとなる大阪・玉出によしもとさんがオープンさせた若手落語家のための落語会場のこと、各々の近況報告のトークで盛り上げる。

 で、じゃんけん順に笑利さんから。
 最近技をめきめき上達させている紙切り(ペンギンと『スター・ウォーズ』のR2-D2)で満場の喝采を浴びたのちは、古典の『つる』をかける。
 「つる」という鳥の名前の由来に関するごまかしの説明を鵜呑みにした男が、今度は自分もといい気になって…。
 といった、おなじみの噺だが、笑利さんは歯切れのよいやり取りでしっかり笑いを掴んでいた。

 続くは、あおばさん。
 聴く度ごとにその高座の変化に感心感嘆しているのだけれど、今夜の『時うどん』もまさしくそう。
 もはや筋の説明もいらないくらいの「ザ・落語」とでも呼ぶべきお話だが、あおばさんは自分なりの構成仕掛けとメリハリがよく効いてテンポのよい語り口で、大きな笑いを生み出していた。
 あおばさん、ますます目と耳が離せない。
 それと、マクラで披歴されたあるフレーズがどうしても頭を離れない!

 三幸さんは、必需品、ネオはめ物のスピーカーを駆使した新作の『芸人騒動』。
 始めの部分はすでにフロンティア時代に演じられていたが、今夜は大幅に話を延ばしての高座となった。
 ネオはめ物を効果的に使って小刻みに笑いをとっていたが、やはり肝は後半の若手芸人の真情がぶわっと語られる部分だろう。
 ネオ落語・セントラルに相応しい作品だったと思う。

 トリの太遊さんは、ネオラクゴ『酋長の教え』を再演した。
 ここ数日の落語会でのエピソードをマクラで語ってから、本題が始まる。
 アフリカのとある部族を訪ねた男が、ひょんなことから酋長にさせられて…。
 といった展開の作品で、ザ・ドリフターズへの熱烈なオマージュであるとともに、今現在の状況に相応しい内容ともなっている。
 終盤、物語が改変されていて、その分さらにネオ度が増していた。
 まさしく再演の妙だ。

 最後は、4人のトークで愉しく〆た。

 と、連休最終日の夜にぴったりのにぎやかなネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!
 そして、皆さんもぜひ一度ネオ落語・セントラルへ!!
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2015年11月17日

ネオ落語・セントラル 5回目

☆ネオ落語・セントラル 5回目

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん
 「YSマンガ夜話」出演:山崎仕事人さん、高田理光さん(プレミアムバザー)
(2015年11月16日20時開演/錦湯)


 5回目となるネオ落語・セントラルは、おなじみ常連さんやリピーターさん、ご新規さん(落語通で知られる旧知の松田裕一郎さんも来場)と、幅広いお客さんが集まった。
 さらに今夜は、作道君、橋ヶ谷君のゲツクロ・チームが企画のための撮影を行うということで、一味も二味も違う雰囲気の中でスタートした。

 まずは、三河さんと太遊さんが昨日の井手町→玉造→井手町の「落語会ツアー」の模様や、三河さんのお祖母さんが住まわれている京都竹田界隈での今日の出来事を30分ほど語り尽くす。

 で、ここから三河さんと太遊さんの新作落語、並びにネオラクゴの4本立てがスタート。
 一席目は、三河さんの新作『春の一大寺』だ。
 すでにネオラクゴ・フロンティアで演じられたことのある作品で、煩悩多き住職が仏像の仏さんの言葉に従って、お寺の境内でアイドルを売り出すが…。
 といった具合に、アイドル大好き人間三河さんらしい内容となっている。
 終盤、仏さんとアイドルのセンターの女の子のやり取りが「たまらない」のだけれど、今夜はお子さんもおられるということもあってか、ソフトタッチな語り口だった。

 続いて、太遊さんのネオラクゴは、初期の連作シリーズから『ドクトル・パンデミック』。
 世界征服を目論むビッグカオス団の四天王の一人ドクトル・パンデミックは、精力減退作戦の成功のため、なぜだかマカロンづくりの修行に洋菓子店に入り込むが…。
 といった展開。
 洋菓子店の店長とドクトル・パンデミックの会話で笑いをとりつつ、それが「心の動き」という作品のテーマと繋がっているあたりも、ネオラクゴらしい。

 再び三河さんが登場し、新作『阿修羅』をかける。
 これまたネオラクゴ・フロンティアの初めの頃に演じられた作品だ。
 舞台は人間世界の遥か高みにある阿修羅界。
 修羅長によって修羅場を発生させろと無理難題を押し付けられた大阪支部の阿修羅たちは…。
 後半の修羅場のルーティン(積み重ね)が肝となる作品だった。
 ちなみに、途中三味線のはめ物が入った。

 トリは、太遊さんの『マニー・マ少年合唱団』。
 『ドクトル・パンデミック』同様、ビッグカオス団シリーズの作品で、現在はびこる拝金主義を徹底的に叩きのめした内容である。
 特に、少年合唱団が歌う歌がおかしい。

 そして、今夜はネオ落語・セントラルの3回目(10月26日)で好評を博した「YS(山崎仕事人)マンガ夜話」が再登場。
 センサールマンの山崎仕事人さん、プレミアムバザーの高田理光さんを中心に、太遊さん、三河さんの四人が、会場から集めたお題を元に、漫画についてこゆく語っていくという企画である。
 相当コアなお題もあったりして、今夜もあちらこちらと幅広い漫画の話になっていた。

 と、今夜も盛りだくさんなネオ落語・セントラルでした。
 毎週月曜20時からは、錦湯さんへぜひ!!
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2015年11月10日

ネオ落語・セントラル 4回目

☆ネオ落語・セントラル 4回目

 出演:桂三河さん、桂恩狸さん、桂三実さん、月亭遊真さん
(2015年11月9日20時開演/錦湯)

 あいにくの雨。
 気圧と湿度のWパンチで頭も身体も重たいときこそ、笑いが必要。
 ということで、毎週月曜20時からのネオ落語・セントラルを愉しむべく、迷わず錦湯さんへと足を運んだ。
 セントラルに変わって4回目となる今夜は、月亭太遊さんが別の仕事でお休み(終了後の交流会で出演の皆さんとお話していたことでもあるが、この一年間、50数回ずっと出演していた太遊さんはやっぱり凄いなと思う)ということもあったのだけれど、それでも、常連さんにご新規さんとなかなかの入りだったのは何より。
 そして、今夜は時事通信社の光永貴子さんが取材にやって来られていた。
 光永さん、お疲れ様です。

 今回は桂三河さんが差配ということで、「攻めの姿勢」を示すべく、桂恩狸さんと錦湯初登場となる桂三実のトークからスタート。
 非常にスリリングではありつつも、そこがそこはかとなくおかしくもあるトークだった。

 で、まずは太遊さんの弟弟子にあたる月亭遊真さんの『犬の目』から。
 『犬の目』といえば、太遊さんもよくかける古典(準古典)の作品だが、あちら太遊さんがピリオド楽器オーケストラ風のスピーディーでとんとんとんと流れる口演なら、遊真さんは緩急の間合いをじっくりと計るオーソドックスな巨匠風な口演。
(って、クラシック音楽が好きなもので申し訳ありません)
 前回の『子ほめ』を聴いても思ったけれど、遊真さん、これから要注目だと思う。

 続いて、三実さんが登場し、『松山鏡』をかける。
 三実さんは桂文枝さんのお弟子さん、ということは三河さんにとっては弟弟子ということになる。
 淡路島洲本市の「洲本のいいとこ発信大使」での経験がうかがえるマクラから入った『松山鏡』は、越後松山村の親孝行の男が、その褒美に何が欲しいと問われ、父親と会いたいと答えたことから始まるおなじみの古典落語。
 細やかな雰囲気の三実さんによく沿った丁寧な高座で、とても好感が持てた。

 三人目は、恩狸さん。
 よしもとの若手芸人による陸上競技大会(MBS)の予選に参加したが…。
 という、前へ前へと進んでいく恩狸さんらしいエピソードをマクラで披露したのち、『みかん屋』へ。
 恩狸さんの『みかん屋』は、梅湯さんでのちゃいちゃい寄席で一度聴いたことがあるが、やっぱり面白いなあ。
 アホな男と恩狸さんのフラがぴったり合っていて、おかしいおかしい。

 そして、トリをとったのは三河さん。
 アイドル大好きな三河さんにとって大感動大興奮の話題をマクラで語っているので、おや、それじゃあどの作品をかけるのかな、と固唾をのんで待っていて始まったのが、『僕だけのアイドル』だ。
 すでにネオラクゴ・フロンティアでも演じられたことのある、三河さんのアイドル愛、アイドル熱が、ストレートに表された作品である。
 特に、最終盤の言葉は、三河さんだからこそのものだろう。
 それをするっとすかす、客観性もいい。
 そうそう、この作品は登場人物の名前が実に気になるのであった。

 最後は、全員でのトークできっちり締まった。

 太遊さんのいないネオ落語・セントラルだったけれど、今夜も実に愉しめました。
 ああ、面白かった!

 と、頭と身体の重たさも飛んでゆく、ネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!!
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2015年11月03日

第15回月亭太遊のちゃいちゃい寄席(in鴨川湯)

☆第15回月亭太遊のちゃいちゃい寄席

 出演:桂三幸さん、月亭天使さん、桂あおばさん、月亭太遊さん、月亭方気さん
(2015年11月2日19時開始/鴨川湯)


 毎週月曜夜20時からの錦湯さんでの落語会、ネオ落語・セントラルは諸々あって今夜はお休み。
 その代わり、会を重ねて15回目となる月亭太遊のちゃいちゃい寄席が開催されるというので、左京区の下鴨上川原の鴨川湯さんまで足を運んだ。
 ちなみに、落語de銭湯数珠つなぎの惹句のとおり、ちゃいちゃい寄席は京都市内の銭湯を落語会で順繰りに回って行くという企画である。
 鴨川湯さんは、北大路バスターミナル・地下鉄北大路駅から東に向かって真っすぐ、北大路橋を渡った東南側、市バスでいうと植物園前バス停の近くにある地域によく馴染んだ銭湯さんだ。
 今夜のちゃいちゃい寄席は、そんな鴨川湯さんらしく老若男女織り交ぜた常連さんがぎっしり詰まって大盛況だった。

 で、天使さん、太遊さん、方気さんのちょっとしたおしゃべりののち、あおばさんが高座に上がったが、マクラから大きな笑いが起こる。
 特に、小さな子供さんの反応が抜群で、ここぞというところで「ギイイーウィー」といった感じの笑いを発する。
 本題の『動物園』も大受けで、ところどころ会場の雰囲気を盛り込みながらさらに笑いを生んでいた。
 いつもながらあおばさんの研鑚がうかがえる高座でもあり、話の運び具合や登場人物間のやり取りなど、実にテンポがよかった。

 続いては、天使さん。
 メリハリの効いたマクラから、十八番の『初天神』へ。
 いつもの如く子供のかわいらしさ、知恵の周り具合に加え、他の登場人物の造形も印象に残った。
 そういえば、最後のおしゃべりで触れられていた通り、艶っぽい部分もきっちり語っていたのだが、それにあるお子さんが笑いで反応していたのもおかしかったなあ。

 方気さんが演じたのは、『天災』。
 実の母親を蹴り倒すような短気でいらち、なおかつ乱暴者の男が紅羅坊名丸という心学者の話を耳にして感じ入ったまでは良かったが…。
 というおなじみの噺。
 方気さんは、前半部分できっちりと伏線を張り続けておいて、終盤のやり取りで大きな笑いの渦を巻き起こしていた。
 それにしても、方気さんは巧い。

 と、ここまででだいぶん時間が過ぎた。
 そこで太遊さんがかけたのは、これまたおなじみ『寿限無』。
 寿限無寿限無…という長い名前を繰り返すのが肝の噺だけれど、太遊さんの『寿限無』はそこにある仕掛けが加わっている。
 で、その仕掛けが時間をまく効果にもつながっているあたり、寄席っぽい仕業だなと思った。

 トリは、三幸さん。
 笑いが止まらないマクラをなんとか短く切り上げて演じたのは、新作の『遺産相続』だ。
 父親の遺言状が生み出す奇喜こもごもを描いた作品で、以前ネオラクゴ・フロンティアで出来たてほやほやを聴いたことがある。
 今夜は小道具(資料)もばっちり揃って、仕掛けごとにしっかり笑いが決まっていた。
 そうそう、ここでもお子さんがここぞというところで笑い声を上げていたんだ。
 後生畏るべし。

 最後は、全員が揃ってのおしゃべり。
 おしまいまで笑いの絶えぬ夜で、めっきり冷え込んだ外とは異なり、暖かい、どころか熱い会になっていた。
 ああ、面白かった!
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2015年10月27日

ネオ落語・セントラル 3回目

☆ネオ落語・セントラル 3回目

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭太遊さん
 トーク「YSマンガ夜話」出演:山崎仕事人さん、プレミアムバザー・高田理光さん
(2015年10月26日20時開演/錦湯)


 ふみ読む窓もわが窓。
 とは、『埴生の宿』の二番の歌詞の一節目だが、それにあやかれば、落語やる湯屋は錦湯、ということになるだろうか。
 三回目となるネオ落語・セントラルを観聴きしに行って、錦湯さんという空間の親密さ暖かさに改めて感じ入った。
 日曜あたりからぐっと気温が下がって、外はめっきり寒くなってきたけれど、今夜のネオ落語・セントラルは沸きに沸いて、錦湯さんは笑いの渦と笑いの熱に包まれていた。

 三河さんと太遊さんのおしゃべりのあと、三河さんが演じたのは師匠文枝さんの三枝時代の新作『初恋』。
 「まだあげ初めし前髪の」で始まる島崎藤村の『初恋』を効果的に引用した作品で、フロンティアの頃、三幸さんがかけたこともある。
 丁寧な高座で、要所要所のツボごとにしっかり笑いが起こっていた。
 また、二回目ということもあってか、文枝さんの文学性とともに、登場人物のちょっとした背景から、文枝さん自身の人生を思い起こしたりもした。

 続いて太遊さんは、24日の神戸の会でおろした『オドロキモノノキ』と密接な関係にある『幻影百貨店(マーヤーデパート)』を再演する。
 その人にぴたりとあった服をたちどころに選んでくれるという試着室を探し求めることとなった女性が、とあるデパートを発見して…。
 24日の会も加えると、前々回の未来会議から三回目。
 演じ重ねることで、より線が明確になったり、笑いの仕掛けが強くなったりしているように感じられた。
 突拍子もない世界観に、登場人物の造形と、ネオラクゴらしさ全開の作品だ。
 面白し面白し。

 トリは、三幸さん。
 のりにのったマクラのあとは、出来たての新作『宇宙への道』だ。
 年に一度しか帰国することのできない父親が目にしたものは、小学生の息子の…。
 あえて詳細には触れないが、三幸さんらしい「試み」と「仕掛け」に富んだ作品で、実におかしかったし、そこに存分なペーソスも加わっていた。
 加えて偶然だが、太遊さんの『幻影百貨店(マーヤーデパート)』に通じる世界観、というか宇宙観が語られていたのも興味深かった。

 で、今夜はさらに、おなじみセンサールマンの山崎仕事人さんとプレミアムバザーの高田理光さんを迎えてのトークコーナー、BSマンガ夜話、ならぬ「YS(山崎仕事人)マンガ夜話」が設けられた。
 仕事人さんや高田さんなど、芸人さんたちが行っている漫画トークライブ『漫画浴』(次回は10月30日19時から、大阪難波OCAT4階市民学習センター第4会議室で開催)の出張版というところか。
 開演前にお客さんから漫画に関するお題を集めておき、仕事人さん、高田さんを中心に、太遊さん、三幸さん、三河さんで漫画について語っていくというもの。
 小学校3年生以降、ほとんど漫画を読んでこなかった人間だが(演劇関係の友人の影響で、彼女推薦の作品はたくさん読んだ)、漫画に対する愛情に満ち満ちたトークで、大いに愉しむ。

 という具合に、今夜も大いに満足がいった。
 ああ、面白かった!

 そして、日付変わって今日の20時からはRabbit Robotでは最終回となる、ふつうユニットの未来会議withネオラクゴが開催される予定です。
 皆さん、こちらもぜひ!
(なお、11月からは毎週木曜20時から、左京区の喫茶フィガロでの開催となります)

 そうそう、来週のネオ落語・セントラルはお休みとなりますので、皆さん、お間違いなきように。
(その代わり、市バス植物園前バス停近くの銭湯・鴨川湯さんで、19時よりちゃいちゃい寄席が開催される予定です)
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2015年10月21日

ふつうユニットの未来会議withネオラクゴ(in Rabbit Robot)

☆ふつうユニットの未来会議withネオラクゴ

 出演:月亭太遊さん
(2015年10月20日20時スタート/Rabbit Robot)


 月亭太遊さんを迎えた、廣瀬信輔君主宰のふつうユニットによる未来会議withネオラクゴの今回のテーマは、「エンタメ」。
 未来のエンタメの姿について妄想しようという魂胆だ。

 で、廣瀬君の概要説明に続いて、太遊さんがネオラクゴ新作の『その、資格』を演じる。
 ネオラクゴ・フロンティアsection27(2015年4月13日)で初演された『アート意固地(いっこじ)センター』の後日譚で、お題のエンタメも絡めつつ、アートとはなんぞや、芸能とは、藝とはなんぞやという問いかけを秘めた意欲的な内容。
 だけではなく、観る側の想像力を試すという意味でもネオ度の高い作品に仕上がっていた。
 ネオラクゴ初となるネオはめ物も効果的だった。

 少し間を置いて、未来会議に突入。
 まずは、「47都道府県全部にAKBグループを」というお客さんのアイデアからスタートする。
 ほぼ毎週AKB48のオールナイトニッポンを聴いたり、親しくしている人からちょこちょこと聴いたりしている割に、AKBグループ自体あんまり知らないできたが、なるほどそういう形態になっているんだ、とそこらあたりに詳しい常連さんのお話に感心した。
 ほかに、地下アイドルの話などから、ではどうすればそれが実現するかという風に会議は進んで、全国全県に(新たに)大学を設立しようというアイデアなども出される。

 続くお題は、1億総活躍ではなく、60億総エンターテイナー化作戦。
 これには、1人につき1ジャンルのエンタメ(芸)という、ジャンルの細分化がアイデアとして出された。
 実際にどうなるかは別として、ジャンルの細分化ということに関しては、さらに掘って話しを進めても面白いのではと思ったりする。

 最後は、触覚芸術、触覚アトラクションについて。
 触れてもいないのに、機械的操作によってあたかも触れたかのように感じられる状況が生み出されたらといった内容のお話で、義手や義足の技術開発の応用などがそのアイデアとして語られた。

 と、今回も興味津津の議題が盛りだくさんで面白かった。
 というか、2時間でも時間不足の感を覚えたりもした。

 Rabbit Robotでの開催は、次週で最終回。
 「仕事」という直球勝負のお題ということもあり、ご興味ご関心がおありの方はぜひ!!
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2015年10月20日

ネオ落語・セントラル 2回目

☆ネオ落語・セントラル 2回目

 出演:桂あおばさん、月亭太遊さん、笑福亭笑利さん
(2015年10月19日20時開演/錦湯)


 会の性格も変わって、感想の書き方もたまには変えてみようかと想う秋の夕暮れ。

 2回目となる今夜のネオ落語・セントラルのキーワードは、「わーわー言うております」ということになるのではないか。
 ナインティナインのオールナイトニッポンのヘヴィリスナーだった人なら、番組終わりの矢部さんの〆の言葉としてご記憶のことだろう。
 上方落語で、筋の途中で高座を切り上げる際の決まり文句といえば、皆さんにもご理解いただけるはずだ。
 笑利さんの兵庫県竹野町訪問のお話などで盛り上がったあとは、じゃんけんの結果に従って太遊さんが登場。
 古典の『鉄砲勇助』を軽いテンポでさっと流すような形でかける。
 で、マクラで説明があったように、うそつき村までやってしまうとあまり面白くないということもあり、北海道でのホラ話の辺りで「わーわー言うております」と高座を下りる。
 続いて、笑利さんは竹野での出来事をマクラで話して笑いをとってから本題の新作へ。
 3ヶ月前につくった作品の再演だそうで、ストリートミュージシャンと通りすがりの人々のやり取りを通して、芸能芸術の評価とはなんぞやとおかし鋭く切り込む内容だったのだが…。
 おしまいまではやりきらず、最後は「わーわー言うております」の言葉で高座を下りる。
 と、このままではセントラルの面目が潰れてしまう、というのは大げさだけど、トリのあおばさんが小噺でわかせてから古典を一本しっかりと演じ切り、まさしく筋を通した。
 フロンティアで接するたびに、あおばさんの研鑚の積み重ねについて記してきたが、それに加えて、イケメンであるとともに柄の大きいあおばさんは、それこそトリ向きの大きな噺家さんに育っていくのではないかと改めて思った。
 これからがますます愉しみである。

 終了後の交流会では、笑利さんのお土産のかまぼこ=ねりもの(美味!)をいただいたりしつつ、あおばさん、太遊さん、笑利さんや常連さん、新しいお客さんとゆっくりおしゃべりも愉しめた。
 本当に一粒で何度も美味しいネオ落語・セントラル。
 毎週月曜20時からのスタートで投げ銭制、皆さんもお気軽にぜひ!

 ああ、面白かった!!
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2015年10月14日

ふつうユニットの未来会議withネオラクゴ(in Rabbit Robot)

☆ふつうユニットの未来会議withネオラクゴ

 出演:月亭太遊さん
(2015年10月13日20時スタート/Rabbit Robot)


 ふつうユニットといえば、廣瀬信輔君主宰の演劇ユニットだが、一方で「未来会議」というイベントを定期的に開催している。
 その一端はネオラクゴ・フロンティアでも知らされていたけれど、無責任に未来を妄想して提案し、その「未来」と「今・ここ」を繋ぐアイデアを出来るだけ沢山みんなで出し合うという形のおしゃべりの場で、今週から来週、再来週と三週に渡って月亭太遊さんが出演し、新作ネオラクゴを披露するということもあり、会場のRabbit Robotまで足を運んだ。
 ちなみに、Rabbit Robotは、同志社大学寒梅館のすぐ北隣。
 クレープとカレーを売りにしたお店で、その3階がちょっとしたイベントスペースになっている。

 まず廣瀬君が未来会議の趣旨説明をしたり、集まったみんなのお題を集めたりしたところで、太遊さんのネオラクゴとなる。
 今夜の新作は、会議のお題「建物」にちなんだ『幻影百貨店(マーヤーデパート)』。
 ある女性がデパートに入ったはいいが、ここがどうにもおかしなデパートで…。
 といった展開のお話だ。
 その突拍子のなさに驚き笑っていると、実はそのデパートが、かつてのネオラクゴ作品『断絶の園』(ネオラクゴ・フロンティアsection18、2015年2月9日/絶望的なまでの夫婦の心のすれ違いを「毒」
毒」しく描いた作品)と繋がっていたというところが大きなミソである。
 錦湯の常連さんも多く集まっていたとはいえ、太遊さんは会の違いを意識したり、会場の違いをうかがったりしながら、しっかり話を進めていた。

 で、少し間を置いてから、未来会議へ突入。
 建物というお題に対し、穴、空中、水上といった未来の居住空間が語られる中、ヌーディストビルディングなる奇怪なお題を出してしまったなと思っていたところ、それを廣瀬君がうまく拾って実り多い話に転じてくれたのは、本当にありがたかった。

 なお、こちらはオーソックスなチキンカレーの辛さ4(辛さがちょっと強い)をオーダーし、ちょっと甘さがあってもちっとした食感のナンも美味しく、食べ放題で3枚も食べてしまった。
 ナンだこの野郎!
 ほかに、クレープや飲み物も美味しそうで、ネオラクゴ、未来会議ともども愉しむことができると思う。

 肩肘張らない緩やかな会議ですので、皆さんもお気軽にどうぞ。
 来週再来週ともに、火曜20時からのスタートです!
(ワンオーダー+カンパ制)
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2015年10月13日

ネオ落語・セントラル 栄えある第1回目

☆ネオ落語・セントラル

 出演:桂三河さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、月亭遊真さん
(2015年10月12日20時開演/錦湯)


 先週予告されていたように、京都錦小路近くの銭湯、錦湯さんで繰り広げられてきた毎週月曜20時からの月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、今夜から装いも新たにネオ落語・セントラルとして再スタートを切った。
 これまでのフロンティアは、毎週一本のネオラクゴ新作の語りおろしという太遊さん中心の会であったが、ネオ落語・セントラルは京都、ばかりでなく上方(関西)の若手落語家たちの発展の中心にしていきたいという新たな目標が立てられた。
 そうした会の第一回目に相応しく、常連さんに加え、リピーターさん、ご新規さんとひときわ幅の広いお客さんが集まっていたし、朝日新聞の記者さんの取材もネオ落語・セントラルの開幕に大きな華を添えていた。

 で、三河さん、天使さん、太遊さんがネオ落語・セントラルのあらましや近況のトークで盛り上げたところで、月亭遊方師匠の新しいお弟子さん、ということは太遊さんの弟弟子にあたる遊真さんが登場する。
 演じるは、『子ほめ』。
 そそっかしい男が、ただ酒飲もうとべんちゃらの言い方を教わって町中に繰り出したはいいが…。
 というおなじみの古典だけれど、入門半年にもかかわらず、要所要所をしっかりと押さえた語りぶりで、きちんきちんと笑いをとっていた。
 口跡もはっきりしている上に、長身の好男子というルックスも加わって、この遊真さん、これからの活躍が実に愉しみである。

 続くは、じゃんけんで勝った順に、三河さんから。
 以前フロンティアでも演じたことのある『粗忽長屋』を再びかける。
 衒学的な筋運びもできる噺ではあるが、そこは三河さんらしく、人好きのするあほさぶりがおかしい。
 そして、世話役の困惑ぶり!

 天使さんは、『鬼の面』。
 御店に子守り奉公に出された娘おせつが、母親の顔そっくりのお多福のお面をもらい、毎夜お面に語りかける。
 と、そのやり取りを耳にして不審に思った御店の主人がお面に気付き、いたずら心でこれを般若のお面に換えてしまうが…。
 という展開のお話だが、正直きちんと耳にしたのはこれが初めて。
 名前をあとで調べて、ようやくわかった。
 『初天神』などと同じく、天使さんはやはり子供のけなげさ、かわいらしさの表現が柄にぴったりだ。

 そして、奇しくもトリを務めるのは太遊さん。
 ネオラクゴの再演で、今回はフロンティアのsection38(2015年7月6日)で発表した『友は自らを家畜と知らずに』。
 養豚所で飼われている豚が、これまで神様と信じて疑わなかった人間に殺され食べられるということに気付いて目覚め…。
 という、ネオ度の高い作品。
 初演では、ディスコミュニケーションの問題などにも頭が行ったが、二度目となる今夜は、「飼い馴らされるな」という寓意がより鮮明に印象に残った。
 もちろん笑いの仕掛けも豊富で、大いに愉しんだことは言うまでもない。

 最後は、全員のおしゃべりで〆た。
 ああ、面白かった!

 ということで、見事に幕を開けたネオ落語・セントラルに、皆さんもぜひ!!

 なお、明日(13日)の夜は、20時から同志社大学寒梅館近くのRabbit Robotで開催される、ふつうユニットの未来会議に太遊さんが登場し、こちらで新作を発表する予定となっている。
(加えて20日、27日の同じ時刻に開催される未来会議でも、太遊さんの新作が発表される予定)
 こちらも、よろしければぜひ!!
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2015年10月06日

ネオラクゴ・フロンティアsection50(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection50

*ゲスト
 桂三幸さん、センサールマン、回転ハッスル石村さん、桂三河さん、月亭天使さん、桂あおばさん、桂恩狸さん、月亭方気さん、笑福亭笑利さん、太陽の小町、「努力家でもあり、ボンクラでもある。」
(2015年10月5日19時開演/錦湯)


 遂に迎えた月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection50は、奇しくも一周年となるアニバーサリー回。
 台風で中止となった一回と、体調不良(プラス様子見)でお休みした一回を除いた残り全ての回を拝見してきた人間としては、やりもやったり、続きも続いたりの感慨ひとしおである。
 そして、そんな記念すべき回に相応しく、ゲストも総勢11組14人にのぼる超豪華版。
 ご新規さんにリピーターさん、常連さんの大盛況、しかも読売テレビの取材撮影まで加わって19時スタートで22時過ぎに終わる、3時間超えの笑いの長丁場となった。

 まずは、ゲストの面々が自己紹介で盛り上げる。
 しかも、初期フロンティアで活躍した太陽の小町のお二人が花束を持って現われるというサプライズまであり、異様な熱気に包まれる。

 で、じゃんけんで出演順を決めたところで、やおら恩狸さんが登場。
 今日(10月5日)、27歳の誕生日を迎えましたとの報告でささっと〆て前座の役割をきれいに果たす。
 お誕生日おめでとうございます!

 見事M−1グランプリの一次を突破した「努力家でもあり、ボンクラでもある。」は、努力クラブの合田団地君とB級演劇王国ボンク☆ランドの西マサト国王による出来たてほやほやの漫才コンビ。
 前回出場の際に場つなぎで演じた「アメリカン・チンポ」のネタをぶつけるとは、フロンティアならでは(?)の狂気の沙汰も笑い次第か。
 西国王の妄想暴走と合田君の醒めのコントラストも買いだ。

 続くは、月亭一門の天使さん。
 アメリカン×××のあとではさぞやりにくかろうと思ったが、『十徳』を非常にテンポよく演じて、しっかり笑いをとっていた。
 シンプル・イズ・ベスト。
 加えて、あえて太遊さん流を演じたところに、天使さんの想いも感じたりした。

 三組目は、フロンティアの中期以降を彩ってきたセンサールマンのお二人。
 フロンティアのゲスト出演一回目で披露した「『桃太郎』の読み聞かせ」を再演していたのだけれど、「プロとはかくなるもの」の意気を強く感じるかっちりと造り込まれたネタと安定した芸で、畳みかける愛植男さんも見事なら、受ける山崎仕事人さんも見事と、大いに笑いつつ感嘆した。
 それにしても、このネタ何度見ても面白いなあ。
 大好きだ。

 回転ハッスルの石村一也さんは、フロンティアのsection41のトークコーナーで繰り広げたビックリマンチョコのネタの中から、本物とバッタモンのあまりの違いを示していとおかし。
 が、石村さんのビックリマンチョコ・サーガはまだまだ奥が深いはず。
 錦湯さんへのさらなる登場を期待したい。

 『フェイク・ショウ』で七色亭桜餅を演じたあおばさんは、フロンティアで接するたびにその研鑚の成果がうかがえてきた。
 こうした点もまた、フロンティアの大きな愉しみであり、あおばさんの高座に接する愉しみだったと思う。
 今夜は小噺で攻めていたが、その攻め具合の加減から、あおばさんの柄、フラが垣間見えてくるのも面白い。
 次回以降、『景清』のような大ネタでの攻めも愉しみだ。
 あっ、バレ噺も。

 フロンティアといえば、太遊さん。
 だけではなく、フロンティアといえば、やはり三幸さんも忘れてはなるまい。
 お客さんとの対話も辞さないマクラや、回を重ねるごとに過激化する「実験性」と、第二のホームグラウンドとでも呼ぶべき真価を、三幸さんはフロンティアで発揮してきた。
 記念すべき今回も、本来ワイヤレスだけれどワイヤレスにはしないスピーカーを駆使したネオはめ物を演じる。
 おなじみスマホに入った留守電のネタだが、マクラも短めで直球勝負。
 それもまた面白し。
 もちろん、いつもの三幸節も待ち遠しいが。

 と、ここで中入り代わりに太遊さんを囲んでのネオラクゴ・トーク。
 フロンティアで演じた新作を振り返るというもので、この間の太遊さんの成果(と苦心惨憺ぶり)に改めて感じ入った。
 週一の新作発表って、本当に並大抵なことではないと思うなあ。

 さて、後半戦は太遊さんの盟友三河さんから。
 落語家としての出演のほか、大喜利の司会と、準レギュラーとしてフロンティアを支えてきたのが三河さんだ。
 さらには、独自の企画の開催は当然のこと、こうやってフロンティアに出演することによっても、三河さんならではの新作落語が進化してきたように僕には感じられる。
 今回、老舗の蕎麦屋を畳んでインド料理の店を開こうとする親父の姿を描いた『サプア』を三河さんは再度演じていたが、その心意気と滑稽さはネオラクゴ・フロンティアにぴったりではなかったか。

 太遊さんとNSCの同期で、落語家としては後輩にあたる笑利さんは、歌舞伎の鯉つかみを取り入れた新作に挑む。
 ツケ(しゃもじでパタンパタンと歌舞伎風の音を入れる)に天使さんを配するなど、仕掛けはばっちり。
 が、今回初めて高座にかけるネタということで、次々とトラブルが発生し、そちらのほうで大きな笑いが起こってしまったし、実際おかしくて仕方なかった。
 ただ、手製の人形や被り物は、師匠の鶴笑さん譲りでもあるわけで、笑利さんがこれからどういった落語を仕掛けてくるか、僕はとても愉しみだ。
 あと、同じ時代劇好きとしては、そこらあたりのネタもリクエストしたいところである。
 そうそう、太遊さんも交えて、笑利さんと大衆演劇みたいな出し物をやってみたい。

 太陽の小町は、つるちゃんの不可思議な言動に、常人(と見えて、実はどこかおかしく怪しい)ヤスダ君が振り回されるというネタが持ち味の男女コンビ。
 今回もそうした展開のネタを演じていたが、東京に活躍の場を移してより洗練されたというか、二人のやり取りが一層充実してきたように感じられた。
 人柄も含めて親近感を覚えるコンビで、東京での幅広い活躍を心から祈りたい。

 元漫才コンビのアルトバイエルンで鳴らした月亭一門の方気さん。
 マクラで「火の用心」の大きな声が入るも、それをしっかり笑いに換える。
 で、本題は『初天神』。
 相当刈り込んだものだったけれど、本筋を押さえつつ方気さんならではの笑いを盛り込んだ高座に仕上げていた。
 方気さんの古典をじっくり聴きたい。

 とどめの太遊さんは、『俺のネタを総て君にやる』。
 これまでネオラクゴ・フロンティアで発表してきた数々の作品の中から、ネオラクゴの真髄を随所に盛り込んだ(『プロポリスマン』同様、石村さんの助演あり)、まさしくアニバーサリーだからこその新作。
 笑いながらこの一年のあれこれを思い出すとともに、これからの太遊さんの新たな挑戦について考えたりもした。

 最後は、全員が再登場。
 太遊さんから、ネオラクゴ・フロンティアが今回で終わり、毎週月曜日の会は「ネオ落語・セントラル」となることが発表される。
(京都府内の井手町に太遊さんの新たな拠点が出来たこともあって、フロンティアはリスタートされることとなる)
 それとともに、若手落語家さんの研鑚の場所としての性格が一層強まってくるはずで、新たなお客さん方との出会いも含め、来週からのネオ落語・セントラルが非常に楽しみである。

 と、とっても盛りだくさんで笑いと刺激に富んだ一夜でした。
 ああ、面白かった!

 そして皆さん、ネオ落語・セントラルにぜひぜひお越しくださいませ!!
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2015年10月01日

ネオラクゴ・カルティベイトZ『楔・エクストラクト』(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・カルティベイトZ『楔・エクストラクト』

 ゲスト:ハッピーピープル
(2015年9月30日20時半開演/ライト商會2F)


 月亭太遊さんがネオラクゴ・フロンティアで発表し続けている新作から数本を選び出し、ブラッシュアップのために再演するという企画、ネオラクゴ・カルティベイトは約3ヶ月ぶりの開催。
 まずは、カルティベイト前に撮影してきた自動車がらみの動画のエピソードを語って場の空気を暖めたのち、カルティベイトの定期的な開催が今回で一区切りつくことや、京都府井手町に新たな拠点ができたこと、それに伴い錦湯さんでの企画の形態が変わり、フロンティアも次のステップへと進むことが宣言される。

 で、一本目の『きいろいおやま 〜バカでも達者が溶岩す〜』(フロンティアsection39)へ。
 阿蘇山の噴火をまるで予知したかのような展開の作品だが、上述動画の撮影からのギアの切り換えが徐々に進んでいったという感じ。
 若干スリリングな運転だったけれど、それも笑いに変わるのがネオラクゴのネオラクゴたる所以だ。

 ここでいったん太遊さんが退き、今回のゲスト、ハッピーピープルのお二人が登場する。
 ボーカルのはらださんとギターのひさのさんの二人組パンクバンドだが、もともとは太遊さんのNSCの一期後輩とのことで、上半身裸とジャージのズボン姿がまずもって目をひく。
 一曲目に歌うは、『神輿革命』。
 シャウト!シャウト!シャウト!
 けれどそこは太遊さんを慕い、太遊さんにゲストに呼ばれるハッピーピープルだけに笑いとともに、ネオラクゴと通じる鋭い想いや激しい感情が息づいている。
 そして僕は、
>昔の叡山ファッショのミリシアは神輿をかついで暴れ廻った。
 昭和の山法師よ。お前たちは神輿をかついだら暴れるな。
 お前たちのかつぐ神輿は棺桶だ!<
という、長谷川如是閑の『「枢」「密」「院」』の一節をふと思い起こした。
 途中太遊さんのネオラクゴを挟んで、ハッピーピープルは『ミスチルにはいりたい』、『おそろしオーケストラ』、『眼球にさわりたい』(順不同)を披露したが、バーバル・センスにも音楽的センスにも富んだナンバーで、存分に愉しむことができた。

 さて、太遊さんの二本目の新作は『道化』(フロンティアsection44)。
 『情熱大陸』の形を借りて、現代の「道化」、喜劇役者の姿を描いた作品だが、ここで太遊さんのエンジンが全開、特に後半の道化の言葉に笑いと想いが炸裂しておかしいのおかしくなくの、いやおかしいの。
 いやあ、笑った笑った。

 さらに、ハッピーピープルのナンバーを挟んだ三本目は『憑依 to the World』(フロンティアsection46)。
 憑依体質の高校生若林若葉が活躍するシリーズの一作目(その前に、発端となるべき『煙草部屋の手記』がある)で、太遊さんが口にしていたように、神道が作中にもろ取り込まれている点が肝となる作品である。
 初演からの変更もカルティベイトならではだ。

 最後は、ハッピーピープルが再再登場して『リカちゃん人形を庭に埋めた』(当方と同じ46歳の男の話。おかかなしさの極み)を歌い、さらには太遊さんを巻き込む『世界で二番目に強いしょうもないおっさん』で明るく決めた。

 と、今回も盛りだくさんのカルティベイトでした。
 ああ、面白かった!

 そして、来週月曜10月5日は、ネオラクゴ・フロンティアの一周年記念のsection50。
 皆さま、何とぞご来場のほど!!
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2015年09月29日

ネオラクゴ・フロンティアsection49(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection49

 ゲスト:努力家でもあり、ボンクラでもある。
(2015年9月28日20時開演/錦湯)


 一周年記念のsection50を来週に控えた、月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection49は、ご新規さんにリピーターさん、常連さんと幅広いお客さんが集まっての盛況で、重畳重畳。
 しかも、今夜は取材で読売新聞の方まで来られていた。

 まずは太遊さんの開口一番のおしゃべりに、ちょっと以上の驚きのサプライズがあってから、「努力家でもあり、ボンクラでもある。」の漫才に。
 いったいそいつら誰やねん!
 と突っ込みの一つや二つ入れたくなるところだが、なんとこれ、努力クラブの合田団地君とB級演劇王国ボンク☆ランドの西マサト国王による新コンビ。
 なるほど、だから「努力家でもあり、ボンクラでもある。」か。
 で、日頃親しく接している二人だからこそ、ここは厳しく接さなきゃと思ったのだけれど、これは大いにツボにはまったなあ。
 ネタバレは避けるが、西国王の妄想が次から次へと炸裂。
 かつて漫才経験のある合田君が、それを巧みにいじり、巧みにいなす。
 いやあ、笑った笑った。

 そして、太遊さんの新作は『薔薇の餞(はなむけ)』。
 が、開始早々トラブルが発生し、急遽「努力家でもあり、ボンクラでもある。」の二人が場つなぎとして再登場する。
 努力クラブのコント集で披歴した、西国王の「アメリカンチンポ」のネタ。
 全くもって品行方正とはほど遠いネタなれど、そこにそこはかとないおかかなしさが漂うのも西国王の人徳のゆえか?
 さて、『薔薇の餞』は、『百合の造花』(section33)の続篇で、軽音部の部室で卒業生が巻き込まれる奇怪な出来事を中心に、ジェンダーの問題(や演じることの問題について)などが笑いとともに巧く盛り込まれている。
 まさしくネオラクゴならではの内容に仕上がっていた。

 最後は、太遊さん、合田君、西国王の三人のおしゃべりで〆たが、今夜も本当に盛りだくさんだった。
 ああ、面白かった!

 そして、来週は遂に一周年記念のsection50。
 19時からのスタートですので、ゆめゆめお間違いなきように。
 そうそう、30日(水曜)の20時半からは寺町のライト商會2Fでネオラクゴ・カルティベイトが開催される予定です。
 こちらもお忘れなく!!
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2015年09月22日

ネオラクゴ・フロンティアsection48(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection48

 ゲスト:桂三河さん、かおりーんさん
(2015年9月21日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection48は、連休中にも関わらず、否、連休中だからこそ、常連さんやリピーターさんにご新規さん、さらには観光中の通りがかりの方々と、非常にバランスのとれたお客さんが集まった。

 まずは、宮津の敬老落語会から戻って来たばかりの太遊さんとおなじみ桂三河さんが、その敬老落語会のことなどをネタに盛り上げる。

 で、三河さんが古典落語の『花色木綿』へ。
 留守中の長屋に忍び込んだ泥棒だったが、そこは柳行李一つしかない貧相な部屋だった。
 と、そこへ住人のやもめの男が帰って来る。
 慌てて縁の下へ逃げ込む泥棒。
 一方、泥棒が入ったことに気付いたやもめは、これ幸いとあれが盗まれたこれが盗まれたと嘘を重ねるが…。
 といった具合に進むおなじみの噺で、題名の花色木綿がルーティンの仕掛けとなっている。
 三河さんの古典落語は久しぶりに聴いたが、噺の肝となるやもめの男と家主のやり取りが、やはり面白かった。

 続いては、初の出演となる、かおりーんさん。
 実は、ネオラクゴ・フロンティアが始まった頃、勉強(見学?)の形で一度お会いしたことがあった。
 もともとは、サキソフォンを吹きながらネタをやるという女性のピン芸人さんだが、今回はマトリョミンを駆使した芸を初披露されていた。
(マトリョミンというのは、テルミンという電子楽器をマトリョーシカの中に組み込んだ日本初の楽器のこと。ちなみにテルミンは、アンテナに直接触れることなく、手を近付けたり離したりすることで音を出す=音階を確立する旧ソ連で発明された楽器だ)
 『赤とんぼ』や『象さん』といった童謡を鳴らしつつ、お客さんに歌を促したり、お客さんにマトリョミンに親しんでもらったり、最後にはしっかりとマトリョミンで大きな曲を披露したりと、笑いとともにインティメートな雰囲気を生み出していた。
 今度は、ぜひサキソフォンのネタにも接してみたい。

 そして、太遊さんの新作は、『キャンター・マチジミアガール』。
 岩倉は美少女の砂川キャメルに恋心を抱き、思わず契約書にサインをしてしまうが、それはなんと「ケムの会」への入会を強制しようとする邪悪な罠だった。
 という展開の、憑依体質の若林が活躍する新シリーズの三作目。
 上述した敬老落語会帰りというタイトなスケジュールもあってスリリングさは感じたが、細かい駄洒落のジャブと大きな仕掛けが施された密度の濃い作品だったとも思う。
 次回は、若林に何が憑依するのか?
 乞うご期待!

 最後は、太遊さん、三河さん、かおりーんさんのトークで〆たが、太遊さんからちょうど一周年記念ともなるsection50以降の、リニューアルに関するちょっとした報告があった。
 今からそれが待ち遠しい。

 と、ますます目の離せないネオラクゴ・フロンティアに皆さんもぜひ!!
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2015年09月15日

ネオラクゴ・フロンティアsection47(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection47

 ゲスト:桂三幸さん、ちゃびーさん、廣瀬信輔君
(2015年9月14日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection47は、常連さんにリピーターさん、ご新規さんで大盛況。
 錦湯さんがぎっしりと埋まって重畳重畳。

 で、まずは太遊さんとちゃびーさんが開口一番のおしゃべり。
 実は、フロンティアの情報ツイートに、
 桂三幸
 ちゃびー(漫談)
 となっていて、錦湯さんに着くまで、ずっと三幸さんが「ちゃびー」という漫談に挑むのだと思い込んでいた。
 ちゃびーさんの身体が動く動く。

 と、盛り上げたところで三幸さんが登場し、ネオはめ物の『空みなよ』(東京版?)をかける。
 前回苦戦した新しいスピーカーの「調整」も万全、異なるバージョンを選んだことと、三幸さんの矜持がうかがえた高座だった。
 今後のスピーカーの活躍も愉しみだ。

 続けて、ちゃびーさんが漫談を演じる。
 ちゃびーさんはもともと漫才をやっていたが、その後紆余曲折あって、今はよしもと企画の演劇公演などに多く出演している女性のピン芸人さんである。
 上述の通り、言葉とともに、両手両脚がよく動く。
 今回はご挨拶代わりか、自己紹介を兼ねた「お母さん」ネタを披露していたのだけれど、これぞ大阪の女性ピン芸人という雰囲気にあふれていた。
(ちょっとだけ、往年の山田スミ子さんを思い出す)

 そして、太遊さんの新作は『カリソメくん』。
 しっかり笑いをとりながらマクラで作品のガイドラインを説明してから、本篇へ。
 カリソメくんとトコシエくんなる、どうやら神的存在の会話(対話)という設定からしてネオ度が高い。
 組織集団、社会に対する想いが明確に表されていて、ネオラクゴ(フロンティア)に関する「マニフェスト」的な作品となっていたのではないか。
 大いに笑いつつも、いろいろなことを考えた。

 最後は、ふつうユニットの廣瀬信輔君を迎えてのSFトーク「出張未来会議」〜お金のはなし〜。
 お金のはなしというから、どうやったら金を儲けられるか、どころか金そのものを生み出せるかといったネオ錬金術を期待した向きは大間違い。
 未来を妄想するというコンセプトを踏まえ、ネット上では貨幣経済的な価値基準から新たな価値基準への変化が始まっているのではないか、といった話を廣瀬君が展開する。
 太遊さんをはじめ、三幸さん、ちゃびーさんが各々らしい切り返し、質問で笑いを生みながらトークが進んだ。

 以上、今回もバラエティと笑いに富んだネオラクゴ・フロンティアだった。
 ああ、面白かった!

 かくの如きネオラクゴ・フロンティアに、皆さんもぜひ!!
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2015年09月08日

ネオラクゴ・フロンティアsection46(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection46

 ゲスト:桂三幸さん、桂三河さん、センサールマン、桂あおばさん
(2015年9月7日20時開演/錦湯)


 どんよりとした感じの強いお天気だったが、月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection46は、海外からの方や旅行中の方、リピーターさんに常連さんと、いつも如く幅広いお客さんが集まった。
 しかも、今回は総勢6人がゲストの超豪華版だった。

 まずは、太遊さんと桂あおばさんが開口一番のおしゃべりを繰り広げる。
 漫才初挑戦となるあおばさんの緊張などもネタにしつつ、盛り上げた。

 で、続くはその太遊さんとあおばさんの漫才「サゲ」。
 現在youtubeで公開中の連続ドラマ『フェイク・ショウ episode0』から派生した漫才コンビで、復活なったM−1グランプリへ果敢に挑むとのことだ。
 太遊さんといえば、もともと漫才コンビ「はだか電球」で鳴らしたあと落語家に転じたわけだけれど、そうした漫才での経験はもちろんのこと、落語やネオラクゴの経験が加味されたような内容だったのではないか。
 サゲの健闘を祈る。

 おなじみ桂三河さんは、先日無事終了した見切り発車落語会を皮切りに、間近に迫るご自身の誕生日についてマクラで語ってから、本題の『悲しき誕生日』へ。
 すでにネオラクゴ・フロンティアでもかけたことのある、三河さんの新作落語だ。
 誰からも祝ってもらえない人たちが集まる、その名も「悲しき誕生日」が舞台。
 くすぐり、笑いの仕掛けがきちんきちんと設けられた作品である。
 もちろん、三河さんご自身の誕生日は、必ずや愉しきものとなることに違いない!

 三番目は、約2ヶ月ぶりの登場となる桂三幸さん。
 今回は、例のミニジェット噴射機型のスピーカーがお役御免となって、シンプルなワイヤレススピーカーのお披露目となった。
 が、テンポよくマクラを終えて、スマホを駆使したネオはめ物の『そら見なよ』に入ったところでトラブルが発生。
 そこがまたネオラクゴ・フロンティアでの三幸さんらしく、大きな笑いが起こっていたのだけれど、これは三幸さんにとっては無念だったろうなあ。
 すぐさま機械の調子が戻り、三幸さんもしっかり語り切ったことは言うまでもないが。
 もちろん、失敗は成功の母、三幸さんの次回の『空みなよ』が、必ずやスムーズな本番となることに違いない!

 センサールマンのお二人は、仏教の時間の概念を漫才で演じてみせるという、ネオラクゴ・フロンティアに相応しいネタで勝負してきた。
 仏教では、兵庫県ぐらいの大きさでそそり立った岩を、三年に一度天女が舞い降りて羽衣で撫でさすることを続け、その岩がようやく消え去るまでの長い長い時間を羽衣劫というそうで、センサールマンはそのプロセスを見事に笑いに変えた。
 天女を演じる愛植男さんの演技の達者さ、鍛えられた怪しさ、目つき表情身体の動きの細やかさは言わずもがな、山崎仕事人さんの岩の即妙な受けもあって大いに愉しんだ。

 そして、太遊さんの新作は『憑依 to the World』。
 仏教のあとは神道だ!
 神道に深くなじみ、何者かを憑依させてしまう特異体質の持ち主の高校生が活躍する、『煙草部屋の手記』の続篇である。
 神道をヒーローアニメの世界に移し変えればという趣向なのだけれど、その盛り込み方が突拍子なくて、どうにもおかしい。
 常連さんには、おお、そうきたかと納得の仕掛けも嬉しいし、ネオラクゴらしい寓意にも欠けていない。
 新たなシリーズの展開が待ち遠しい。

 最後は、6人でのトークでしめた。
 いやあ、お腹いっぱい。

 と、今回も盛りだくさんのネオラクゴ・フロンティアでした。
 毎週月曜20時はネオラクゴ・フロンティア。
 仕事帰りにでも、ふらっとぜひ!!
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2015年09月01日

ネオラクゴ・フロンティアsection45(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection45

 ゲスト:作道雄君
(2015年8月31日20時開演/錦湯)


 ちょうどいい具合に雨もやんだ8月末日の夜の月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは回を重ねてsection45。
 常連さんやご新規さん、さらには『マザー・レイク』に出演したお子さんも来られるなど、蓋を開ければなかなか以上の盛況だった。
 まずは重畳重畳。

 で、今回はゲストが作道雄君のみということもあり、いつもとは違って太遊さんが高座に上がって開口一番のおしゃべりをする。
 話題はもちのろんで、『マザー・レイク』や『フェイク・ショウ』について。
 そして、横浜にぎわい座での経験をマクラで語りつつ、『くぐつぐつ傀儡軒』に入る。
 ラーメン好きの男が、全部ロボットがラーメンを作るというその名も「傀儡軒」を訪れるが、これがまあ想像していたラーメン屋とは大違いで…。
 といった具合に話が進むネオラクゴの旧作だが、笑いの仕掛けが明快な上に、隠されたテーマも最近一層アクチュアリティ(なんて、言葉を使ってみる。おっ、てめえ、さしずめインテリだな)が増していて、やはり面白い作品だ。

 続いて、作道君が登場し、単なる場つなぎどころではないトークを披歴する。
 話題は『マザー・レイク』の現場にメイキング担当として入った事どもで、脚本家がメイキングも兼ねるなんてやっぱり珍しいし、そりゃいじられるだろうなと思う。
 けっこう緊張してるなとも思ったが、それでもべしゃりが巧いなと改めて感心した。

 そして、太遊さんの新作は『堀杏奈』。
 あれは学生時代か、アニメの『愛少女ポリアンナ物語』の決めゼリフ「よかった(って思うの)」という言葉を、友人知己がちょっとした不幸(大きなそれではないところがミソ)に陥ったとき目をうるうるとさせながら口にして激怒されたことが何度もあったっけ…。
 舞台はカラオケボックス。
 どうやらカラオケの会(という名のコンパ)をハミゴにされてしまった高橋君と堀杏奈だったが…。
 上述のポリアンナのように、どんなことでも悪い意味で前向きに考えて乗り切ろう、現実を直視することを避けようとする人のことを「ポリアンナ症候群」と呼ぶそうだが、堀杏奈はまさしくそんな女性だ。
 その前向きずれ加減がどうにもおかかなしい。
 あとで作道君も指摘していた通り、非常に秀逸な地口も登場したりして、これまた大いに愉しめた。

 最後は、太遊さんと作道君とで、ついに全話が公開されたyoutube連続ドラマ『フェイク・ショウ episode0』に関するトークが繰り広げられた。
 ただし、フェイク・ショウそのものだけではなく、創作活動そのものや映像表現そのものについても多く語られていて、それがまた面白かった。

 と、今夜もまた盛りだくさんだったネオラクゴ・フロンティア。
 『フェイク・ショウ』をご覧になった方も、まだな方も、ぜひ一度お越しくださいませ!
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2015年08月25日

ネオラクゴ・フロンティアsection44(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection44

 ゲスト:桂三河さん、桂恩狸さん、作道雄君
(2015年8月24日20時開演/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection44は、常連さんにリピーターさんの総結集というか、ネオラクゴ経験者で大盛況だった。

 まずは開口一番のおしゃべりを、太遊さんとおなじみ桂三河さんで。
 スパ・ワールドでのローリュー(サウナの中で、おしゃべりをしたのち大きな団扇で熱波を扇ぐというお仕事)や、和歌山県海南市での愉しい企画など、三河さんがこの夏のエピソードを語ったり、太遊さんが『フェイク・ショウ』について語ったりして、盛り上げる。

 で、急遽錦湯を訪れた桂恩狸さんが、きちんと高座に座って私服でのおしゃべりを繰り広げる。
 この一日で、師匠桂文福さんのもとでの落語家の修行(年季)が明けた恩狸さん。
 言い換えれば、修行期間の卒業を果たした恩狸さんが、その卒業に関してたっぷり語って大爆笑を巻き起こしていた。
 恩狸パワー、畏るべし!

 続いて、三河さんが新作の『余命7日』をかける。
 アイドル好きな三河さんらしく、マクラは、ばってん少女隊のイベントに参加した詳しい報告。
 ちなみに、ばってん少女隊は、ももクロの妹分のさらに妹分にあたる福岡のアイドル・ユニットとのこと。
 アイドル道は奥が深い。
 一転、本題は蝉の地上での生活を擬人化した、実におかかなしい話。
 ミンミンゼミ、ではなく、メメントモリ、自分自身の死についても考えてしまった。
 もちろんそこは三河さん、べとつかずきちんと笑いを盛り込んでいたけれど。

 そして、太遊さんの新作は『道化』。
 その名の通り、現代の道化、喜劇役者の姿と言葉を追った、まさしくドキュメンタリータッチのネオラクゴとなっていた。
 当然笑いの仕掛けも豊富だけれど、『フェイク・ショウ』をはじめとしたこの間の太遊さんの経験がストレートに反映された、笑い考、道化考、喜劇考、演技考、フェイク・ドキュメント考であることも実に興味深かった。
 ああ、面白かった!

 最後は、作道雄君が加わって、「3話公開まで待てない!フェイク・ショウ マル秘トーク!…とか銘打ってみる」が繰り広げられた。
 『フェイク・ショウ』の第一話第二話についてはすでに感想等を記してきたので、あえてここでは繰り返さないが、第三話以降では、ネオラクゴ・フロンティアなどでの太遊さんの言葉とも深い繋がりがあるような「笑いとは?」といった考察も行われているようで、その点も愉しみである。
 ただ、ここでも恩狸パワー全開で、良い意味でゲームを大きくかき乱していたことを付け加えておきたい。

 と、今夜も盛りだくさんのネオラクゴ・フロンティアでした。
 もちろん、ネオラクゴは常連さんやリピーターさんだけのためにあらず。
 皆さんも、ぜひぜひお越しくださいね!
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2015年08月18日

ネオラクゴ・フロンティアsection43(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection43

 ゲスト:柳家かゑるさん、桂あおばさん
(2015年8月17日20時開演の回/錦湯)


 月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、2週間ぶりのsection43。
 初めての東京からのお客様柳家かゑるさんと、おなじみ桂あおばさんをゲストに迎え、いつもの如くバラエティに富んだ一夜となった。
 加えて、常連さんとともに、落語を聴くことを極めたいと話す末頼もしい中学生男子が来場するなど、お客さんもバラエティに富んでいた。

 まずは開口一番のおしゃべり。
 太遊さんとあおばさんが、この間の出来事などで大いに盛り上げる。

 で、あおばさんが『動物園』を演じた。
 移動動物園の虎が死んで皮だけ残した、ついてはその皮を被って虎のふりをしたら日当1万円をやる、と言われて動物園に向かった男だったが…。
 という、関西ではなじみ深い準古典の作品。
 こうしてネオラクゴ・フロンティアで接していて思うのは、あおばさんの語り口が、高座の度にますますどんどん板についているということ。
 この『動物園』では、滑稽なやりとり仕草もそうだけれど、地の語りの部分も強く印象に残った。

 続くは、かゑるさん。
 埼玉県の出身で柳家獅堂さんに入門し、柳家いっぽんの名前から大師匠である鈴々舎馬風さんの前名かゑるを継いだという、若手の落語家さんだ。
 そのかゑるさんが何ゆえネオラクゴ・フロンティアに登場したかというと、たまさか発見した太遊さんの『たまげほう』に感動し、太遊さんの許可を得てはるか東京でネタにしているからだそう。
 太遊さんとの邂逅(直接会ったのは今回が初めて)や『たまげほう』への深い愛をしっかりと語ってから、本題の『湯屋番』に入った。
 まさしく銭湯(錦湯)ならではのチョイスである。
 歯切れのよいやりとりは確かに江戸の落語。
 だけれど、やはりこの噺の肝は、居候の若旦那が番台にのぼってからだ。
 せっかく番台にのぼった若旦那だったが、お目当ての女湯にはお客さんがいない。
 仕方ないから、妄想の世界に入る。
 その奇妙さとかゑるさんの風貌、柄とのバランス、アンバランス?
 さらには、ネオラクゴ・フロンティアの高座のしつらえにぴったりのサゲだった。

 そして、太遊さんの新作は『エキスの虎』。
 冒頭、無機的な身体の動きからして、これはもうネオラクゴだ。
 しかもそれがすぐに、映画俳優を目指した男性がどうしてそれを断念し、小説家志望に転じざるをえなかったかという話の内容と結びついていく。
 と、太遊さんが参加している映画『マザー・レイク』の撮影がヒントとなったと思しき作品。
 臆面もない男(こういう輩がぎょうさんいるんですわ、ほんま)たちとのやりとりや、ラストの秀逸な仕掛けに大いに笑いつつ、表現者を志す者にはぐぐっと痛いところを突かれる展開ともなっている。
 その苦さもネオラクゴならではだと思った。
 ああ、面白かった!

 最後は三人のおしゃべり。
 だけではなくて、当夜も作道雄君がやって来て、youtubeドラマ『フェイク・ショウ』の説明を一くさり。
 何とぞご協力のほど。

 そして、皆さん、ネオラクゴ・フロンティアにぜひ一度お越しくださいませ!
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2015年08月04日

ネオラクゴ・フロンティアsection42(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection42

 ゲスト:作道雄君
(2015年8月3日20時開演/錦湯)

 section42となる月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアは、前回エキストラとして来られた方や留学生のご新規さん、さらにはおなじみ常連さんといつもの如く幅広いお客さんを集めて開催された。

 で、まずは作道雄君を迎えて、撮影が終わったyoutubeドラマ『フェイク・ショウ』の撮影秘話(桂あおばさんの様子等々)をはじめ、昨日の滋賀県は伊吹山での太遊さんのお仕事の話で盛り上がる。
 ホームグラウンドに戻って話がはずむ太遊さんに対し、作道君も水を得た魚の如くジャブを繰り出す繰り出す。
 おまけに、A-Studioでの鶴瓶さんの一人しゃべり風の場つなぎを作道君が務めていた。

 そして、太遊さんのネオラクゴの新作は『ノブレスオブリージュ 〜カルデラの大翼龍チアゴ〜』。
 ノブレスオブリージュとは、本来「高貴なる者の責任」とでも訳すべきだろうが、ここではより幅を広くとって「人知れぬ栄誉」としたほうが内容によく沿っているように思う。
 てか、もっと簡単にいえば「偉ぶらんで」、「偉ぶるなや」とでもなるか。
 鳩に餌をやっている鳩おじさんがここにも一人、ところがこの鳩おじさんが実は只者でなくて…。
 といった具合に話は進んでいく。
 一見何の変哲もない、どころか一見愚かに見える人たちが、その実世のため人のために尽くしていたという筋立ては、設定も登場人物も異なるとはいえ、前回の『プロポリスマン』の返歌反歌とでも評することができるのではないか。
 もちろんそこはネオラクゴ、駄洒落をあえて多めに盛り込んで、笑いの仕掛けを心掛けていたが。
 どうやらネオラクゴに新しいシリーズが加わったようだ。
 今後の展開が愉しみである。

 別件の所用があると挨拶のみで作道君が退座し、『フェイク・ショウ』や別の作道君との共同作業に関する説明を行ったのちは、マニフェストというか、太遊さんがネオラクゴとフロンティアに対する想いを大いに語った。
 これからさらに活動の幅を広げていくだろう太遊さんだけれど、全てはネオラクゴがあってこそのものという太遊さんの強い意志が伝わってくる話だった。
 太遊さんの一層の活躍を心から期待するとともに、ネオラクゴ・フロンティアをますます愉しみにしていきたいと思った。
 ああ、面白かった!

 なお、来週のネオラクゴ・フロンティアはお休みですのでお間違いなく。
 そして、再来週のネオラクゴ・フロンティアに皆さんもぜひ!
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2015年07月28日

ネオラクゴ・フロンティアsection41(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection41

 ゲスト:桂あおばさん、石村一也さん(回転ハッスル)
(2015年7月27日20時開演/錦湯)


 おなじみ桂あおばさんに加え、回転ハッスルの石村一也さんを初ゲストに迎えた今夜のネオラクゴ・フロンティア(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)は、終了後のyoutubeドラマ『フェイク・ショウ』の撮影にエキストラとして参加する方たちがお客さんの約8割を占めるというちょっと特異な雰囲気でスタートした。

 で、まずはそんなご新規さん多数の雰囲気に応じて、太遊さん、あおばさん、石村さんがフロンティアについてやら、『フェイク・ショウ』についてやらのトークで40分以上盛り上げた。

 が、もちろんこれだけで終わってはネオラクゴ・フロンティアではない。
 あおばさんが2丁拳銃の小堀裕之さん作による新作『ハンカチ』を披露する。
 『ハンカチ』といえば、すでにsection27(今年の4月13日)にあおばさんがかけたネタだが、話自体がよくできている上に、あおばさんの研鑚も目ざましく、お客さんの笑いがツボごとにきちんと起こっていた。

 そして、太遊さんの新作は『プロポリスマン』。
 なんや駄洒落やないかと思うなかれ。
 実は相当含みのあるタイトルであり、内容の作品だ。
 かつて『北の国』からで菅原文太が演じる男は「誠意って何かね」と問うたが、その伝でいくと「正義って何かね」と問うのが、この『プロポリスマン』ではなかろうか。
 そして、とってもおかしくて、とってもずるい仕掛けつき。
 大きな笑いを生み出していた。

 最後は、「神話としてのビックリマン」のタイトルで、石村さんがビックリマンチョコ・シールの世界について熱く語った。
 当年46歳になる当方にとってビックリマンチョコといえば、折り畳んだ千円札(それも伊藤博文の)とかコンセントとかスイッチといった「どっきりシール」をまず思い起こしてしまうのだけれど、今夜のビックリマンはその後爆発的ヒットとなった「キャラクター」シリーズに関して。
 圧倒的とすら呼べるシールのコレクションに、石村さんの達者なべしゃりが加わって、これまた実に愉しかった。
 それにしても、ビックリマンってそんな広大な世界観が造り出されていたんだ。
 それこそビックリ!
 時間の関係で少し駆け足気味に終わったため、ぜひまた石村さんにはビックリマンの奥の深さを存分に語っていただきたい。

 と、変則的なネオラクゴ・フロンティアもまたよきかな。
 ああ、面白かった!
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2015年07月21日

ネオラクゴ・フロンティアsection40(月亭太遊さんのネオラクゴ企画)

☆ネオラクゴ・フロンティアsection40

 ゲスト:桂三幸さん、月亭天使さん
(2015年7月20日20時開演/錦湯)


 回を重ねて40回目となる、月亭太遊さんのネオラクゴ企画、ネオラクゴ・フロンティアsection40。
 続けも続けたり、ネオラクゴの新作をつくりもつくったり太遊さんだ。
 その記念すべき今夜のゲストは、約4ヶ月ぶりの月亭天使さん(告知通り)と、おなじみ桂三幸さんのお二人。

 まずは、太遊さんと三人で開口一番のおしゃべりを繰り広げる。

 で、トップは天使さんの『皿屋敷』。
 姫路にある通称皿屋敷では、かつて代官の青山鉄山の奸計によって殺害されたお菊の霊が夜な夜な表われ、一枚、二枚、三枚と失くした皿の枚数を数えている。
 そして、最後の九枚の声を聴いた人間は呪い殺されてしまう。
 そんな皿屋敷を、男たちが面白半分に訪れて…。
 といった展開のおなじみの古典の噺だが、エアコンの不調もあったりして、マクラから本題に入るところでは、天使さんもちょっとやりにくそう。
 が、男たちが皿屋敷に乗り込むあたりから俄然乗ってきて、流れがぐっとよくなる。
 お菊さんの艶っぽさはもちろんだけれど、気弱な男なども天使さんの性質によく合っていると思った。

 続くは、三幸さんの出来上がったばかり(…?)の新作。
 いつものスピーカーはなくて、ipadが今夜のネオはめ物の主役。
 いきなりそのipadのピアノモードを弾き始める三幸さん、さらには歌い始める三幸さん!?!?
 と、話は始まり、印刷会社を経営する父親にはないしょでミュージシャンとしての活動を続ける息子だったが、自分のライヴに父親が来ていることを発見し思わず母親に尋ねたところ、なんと父親が昔バンドをやっていたことが発覚する…、と、話は進んでいく。
 人情味あふれる作品になりそうなのだけれど、フロンティアでの三幸さんは太遊さんもたぶんびっくりのやりたい放題。
 ついに行き着くところまで行き着いた。
 いつまで続くか三幸さん!
 どこまでやるのか三幸さん!

 そして、太遊さんの新作は『酋長の教え』だ。
 とある部族の村で、偶然の出来事をきっかけに酋長になれと強制される日本人の青年だったが…。
 かつてテレビ界に君臨した、ザ・ドリフターズに対してたっぷりとオマージュを捧げつつ、様々な問題にぐっと切り込んだ意欲作である。
 遠い異国の地が舞台だけれど、もちろん他人事なんかじゃないというのは言わずもがなのことだろう。
 大作シリーズとなる予感全開!

 最後は、三人のお話ののち、まやもや作道雄君が登場して月亭太遊さんが主役を務めるyoutubeドラマ『フェイク・ショウ』の詳しい説明(クラウド・ファンディング等々)で〆た。

 なお、今夜はご新規さんに常連さんと、けっこうなお客さんで40回目に相応しい入りだった。

 そうそう、次回は終了後に、『フェイク・ショウ』の撮影もあるとのことで、初めての方もそうでない方も、ぜひぜひお越しくださいませ。
posted by figarok492na at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする