2017年02月21日

錦湯劇場 第20回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第20回

 出演:月亭太遊さん、月亭遊真さん、BAVAAALさん
 大喜利出演者:貯蓄アンドザシティさん、ゴハさん、たまいさん、こみやさん
(2017年2月20日20時開演/錦湯)


 日中は少し気温が上昇したかに思えたが、夕方以降は徐々に冷え込み始め、夜更けには雪もちらつく寒さとなった京都である。
 そんな中、昨夜も「毎週月曜 錦湯劇場」には、ご新規さん、リピーターさん、常連さんと多くのお客さんが集まって重畳重畳。
 20回目となる今回は、支配人の月亭太遊さんと弟弟子の月亭遊真さんのトークからスタートした。
 東京でのライヴを終えたばかりの太遊さん、当然その話にもちらと触れたが、昨夜のトークは久しぶりの登場となる遊真さんをクローズアップする形に。
 すらっとして男前の遊真さんだが、そのちょっと滑稽さな人柄にも触れつつ、近況を兼ねた落語のネタの話となる。

 で、十分会場が暖まったところで、遊真さんが高座へ。
 さらっとマクラをすませたのち、本題の『道具屋』に入る。
 アホな男が露店の古道具屋を始めたはよいが、なかなか商売にはならず…。
 といった具合のおなじみの古典だけれど、遊真さんは基本的には楷書の芸、というかほどよいテンポで掛け合いを重ねていきつつ、ここぞという要所でくすぐりを効かせ、しっかり笑いを生んでいた。
 次はどんなネタを聴くことができるのか、本当に愉しみだ。

 トリは、太遊さん。
 東京でのエピソードを笑いを交えて語ってから、ネオラクゴの『しあわせになるためのレッスン』を久方ぶりに演じた。
 汝隣人を愛せよ。
 まさしく「人でなし」の谷口君だったが、人の優しさに触れて…。
 とこう記すと、なんだかとてつもない人情噺のように思えてくるけれど、そこは太遊さん、一筋縄ではいかない。
 ネオラクゴ初期のビッグカオス団シリーズの序章であり、実は「道具」繋がりでもある作品だった。
 たっぷり笑わされる。

 続いては、大喜利。
 作家の桜井さん考案のお題に解答者たちが挑むという恒例の趣向だが、今回は遊真さんが仕切りに回り、太遊さんは大喜利連に対する。
 で、ネオラクゴに通じる捻りの豊富な答えの太遊さんに負けじと、猛者の貯蓄アンドザシティさん、ゴハさん(お久しぶり)も捻りと機転の利いた解答を重ねたし、常連さんであるこみやさんや、初登場となるたまいさんも健闘していた。

 そして、最後は場所をお風呂場に移しての三週連続出演となるBAVAAALさんのバカレスク。
 髭をたくわえた麗人がバルーンアートを披露して、と思っていると、一転可憐な女性に変わる…。
 などと記してしまうと、よく出来たおしゃれなカバレットの出し物と思う向きもあろうが、そこはBAVAAALさん。
 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。
 じゃないけれど、抱腹絶倒笑激のバカレスク「ジェンダーイリュージョン」を仕上げていた。
 しかも、前回の紙芝居同様、そのタイトル通りの「ジェンダー」的な視点もしっかり加わっているあたりは、ネオラクゴの拠点錦湯さんに相応しい。
 大いに盛り上がった。

 と、昨夜も大いに盛り上がった錦湯劇場でした。
 毎週月曜20時は、何が飛び出すかわからない錦湯さんへ。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月14日

錦湯劇場 第19回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第19回

 出演:月亭天使さん、月亭太遊さん、BAVAAALさん、ターザンさん
 大喜利出演:諸行亭夢常さん、伊達努さん、かおりーんさん
(2017年2月12日20時開演/錦湯)


 いやあ、寒い。
 京都の冬は本当に寒い。
 そんな寒さの中で開催された「毎週月曜 錦湯劇場」だが、昨夜も常連さんにリピーターさん、ご新規さんとけっこうな入りでまずは重畳重畳。
 19回目となる今回は、支配人の月亭太遊さんのほか、おなじみ月亭天使さんにターザンさん、二週連続となるBAVAAALさんが顔を揃えた。

 各々の紹介を兼ねたトークで場を温めたのち、まずはターザンさんのネタから。
 「占い芸人」の肩書があって、しかもこの占いが滅法あたるという評判のターザンさんだが、ここ錦湯さんではもう一つの顔、というと大袈裟だけれど、仏教への興味関心の強さを活かした説法漫談とでも呼ぶべきスタイルのネタをかけている。
 昨夜もその説法漫談を披露したが、お寺の若いお坊さんといった風貌と訥々とした語り口はいつもの如くなれど、回を重ねるごとに堂に入ってきていることがわかる。
 この調子で、ターザンさんの活動の場が今後いろいろと拡がっていくのではと思わされた。
(って、中瀬の予想もそこそこ当たるんですよ)

 続いては、天使さんが高座へ。
 お久しぶりということで、まずはその挨拶から。
 で、ここではあえて古典を演じると断ってからおなじみの『鷺とり』へ。
 『鷺とり』といえば今は亡き枝雀さん、そして自分の師匠の文都さんもかけている、と語りつつ、遂にはサゲの部分まで口にした天使さん!
 だけれど、そこは御安心。
 調子がよくて一本抜けた男が鷺をとりに出かけたまではよいが…。
 という奇想天外な話を、テンポよく軽快に明るく演じ切った。
 もちろんサゲもハッピーエンドで。

 三番目は、BAVAAALさん。
 前回はバーレスクならぬバカレスクで錦湯さんに笑激を与えたが、今回は自ら描いた紙芝居を口演する。
 長めの桃太郎に短めの金太郎。
 ははあ、センサールマンさんみたく昔話を今風に改めたものね、と思ったあなたはだいぶん正解。
 でも、センサールマンさんというより、筒井康隆の『晋金太郎』により近いかな。
 てか、姿勢はさらにはっきりくっきり。
 BL(BAVAAALさんだけにババール・リバティの略じゃないよ)という指向・嗜好を加えつつ、毒の強い作品に仕上がっていた。
 まさしくゲリラ戦の笑い。

 そんなBAVAAALさんを受けて、トリの太遊さんが選んだネタは『にんべんにうし(件・くだん)』。
 顔は人身体は牛なる存在で生まれてすぐに悪事凶事を預言して死んでしまうという、件・くだんを主人公にしたネオラクゴ。
 むろんそこは怪談ならぬ快談(戒壇)だけに、預言をしても死なない、死ねないところが話のミソとなっている。
 細かいくすぐりもぴしぴしっと決まっていて大いに笑ってしまった。
 ただ、太遊さんの預言というか予想は相当当たるので、そこらあたりはちょっと怖いかも。

 さらに、昨夜は大喜利を決行する。
 太遊さん仕切りの下、作家の桜井さんが考案したお題に出演者が挑むというスタイルである。
 今回は、天使さん、ターザンさん、BAVAAALさんの他、太遊さんとイベントを行ったDJの諸行亭無常さんに伊達努さん、そして客席にいたかおりーんさん(以前、マトリョミンを披露)が登場したが、BAVAAALさんの紙芝居の影響か、けっこう毒っ気のある答えが飛び出したりもする。
 で、最後は、太遊さんの愛ある指導に応えて「逃げず」に堪え切ったかおりんさんで〆た。
 そうそう、イラスト作家の伊達さんやBAVAAALさんの絵の巧さと天使さんの粗々しい絵の対比も面白かったのだった。

 と、長丁場、盛りだくさんの会でした。
 厳しい寒さに負けないためにも、毎週月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月07日

錦湯劇場 第18回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第18回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、BAVAAALさん(バカレスク)
(2017年2月6日20時開演/錦湯)


 立春は過ぎて、実はここからが極寒の本番となる京この頃。
 しょしょっしょしょっと雨がそぼ降るあいにくの天候だったが、昨夜の錦湯さんは常連さんにリピーターさん、そしてご新規さんで満員となった。
 一つには錦湯さん初登場となるBAVAAALさんのファンが顔を見せたということもあるのだけれど、ネットで調べていてここにぶつかったというご新規さんもいて、毎週続ける強みを改めて痛感する。

 冒頭はおなじみ桂三幸さんと月亭太遊さんのトークから。
 3回戦を見事通過した太遊さん、惜しくもそれを逃した三幸さんによるR-1グランプリに関するよもやま話などで盛り上げる。

 で、よいタイミングとなったところで、三幸さんが高座へ。
 軽快なマクラののちは、前回出演時に続いて自らの話芸を試す三幸さん。
 今回は大掛かりなネオはめ物を利用した内容で、途中のスリリングな場面も笑いに変えていた。

 続いては、太遊さんが登場。
 ネオラクゴの『ロシアのかいだん』(表記、これでよかったかな?)を演じる。
 話せ話せと急かされて男が話し出した怪談は、印度人もびっくり稲川淳二も畏れるとんでもない内容で…。
 細かいくすぐりももちろんだけど、設定そのものがもうおかしい。
 笑った笑った。

 そして、最後はなんと風呂場に舞台を移してのBAVAAALさんのライヴ。
 バーレスク・ダンスを何捻りもして笑いに変えたその名も「バカレスク」がBAVAAALさんの売り。
 今回は風呂場を最大限に活かした、まさしく笑激的なアフォーマンスを披露した。
 三方を目の前のお客さんに囲まれた風呂場のやりにくさは、当方も玉の湯さんでのコント・ライヴで実感ずみだけど、そこはBAVAAALさん、最後まで走り切っていた。

 で、9時半を過ぎたあたりで昨夜の錦湯劇場はおしまい。
 新しいお客さんも多かったということで、出演のお三人を囲んだ交流会が始まり、さらに盛り上がった。

 と、何やら新しい展開が予感される錦湯劇場でした。
 皆さんも毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月31日

錦湯劇場 第17回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第17回

 出演:月亭八斗さん、月亭八織さん、ターザンさん
(2017年1月30日20時開演/錦湯)


 よんどころない事情で支配人の月亭太遊さんがお休みとなった、17回目の「毎週月曜 錦湯劇場」。
 あいにくのお天気に強まる寒さと厳しい状況だったが、ネットで調べてやって来たというご新規さんや久しぶりの常連さんとなかなかの入りとなって何より。

 まずは、月亭八方さんのお弟子さんである月亭八斗さんの仕切りの下、同じく八方さんのお弟子さんである月亭八織さんと占い芸人のターザンさんが自己紹介を兼ねたトークを繰り広げた。
 その手探り感も面白い。

 で、頃合いを見計らって、八織さんが高座へ。
 いつもの袴とは違う着物姿の八織さんが演じたのは、柳家喬太郎さんにつけてもらったという『母恋いくらげ』。
 海の世界にデビューしたくらげの子供くらのすけだったが、突然の天候の変化で海沿いの道路に出来た潮だまりに一人取り残されてしまう…。
 といった、人情味も強いお話。
 一方で、道路を走るバスの車内(小学生一行が乗車)での古いヒット曲の連続パンチなどくすぐりも豊富だ。
 八織さんは今は亡き横山ノックもびっくりな表情を繰り出したりもしながら、キャラクターをしっかり演じ分けていた。

 続いて、ターザンさんが登場。
 はじめにフリップ(画用紙帳)を使った占いネタでお客さんとの距離を詰めていく。
 今夜は稀なる手相の持ち主の方が複数来られていた。
 一転、後半は仏教を主題にしたネタへと変わる。
 訥々淡々としたターザンさんの語り口には、思わぬ説得力があるなあ。
 そうそう、一度ターザンさんに占ってもらわないと。

 トリは、八斗さん。
 マクラでは、ターザンさんとの繋がりもあって占いについてや今年初めの運試し(おみくじ)などについて語る。
 で、初めて落語に接するお客さんもいるということで選んだネタは『ちりとてちん』。
 腐った豆腐を長崎名産「ちりとてちん」と偽って、なんでもかでも知ったかぶりして文句を口にする男に食べさせてやろう…。
 といった具合のおなじみの古典落語で、そのたくらみが始まる前の部分、前半の会食のやり取りから八斗さんは丁寧に演じ上げる。
 銘酒白菊に鯛のお造り、茶碗蒸しと実に美味しそうだ。
 が、後半になって急に話が脱臼を始める。
 終演後の八斗さん曰く、錦湯という「ネオラクゴ」の聖地ゆえ何かが降りてきたということだったが、加えてそこに僕は八斗さんの桂三河さん愛(深い友情)も感じ取った。
 いずれにしても、錦湯劇場ならではの『ちりとてちん』を聴くことができた。
(なお、かつてネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルのレギュラー陣であり、今は住みます芸人として秋田にある三河さんが、4月8日に大阪・福島は八聖亭で「第1回桂三河全力落語会in大阪」を開催する。スタートは15時で、前売1500円。皆さん、こちらもぜひ!)

 最後は、再び三人のトーク。
 ターザンさんの占いに関してや、月亭一門などの話題で盛り上げた。

 と、4月以降のポスト太遊体制を窺わせる今夜の錦湯劇場も盛りだくさんでした。
 毎週月曜20時は、ぜひぜひ錦湯さんへ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 02:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月29日

京都文博噺の会Vo.4 桃月庵白酒独演会第二回

☆京都文博噺の会Vol.4 桃月庵白酒独演会第二回

 出演:桃月庵白酒さん、桃月庵ひしもちさん
(2017年1月29日14時開演/京都文化博物館6階和室)


 クラシック音楽から落語と幅広く手掛けているotonowaが昨年より仕掛けた落語会、京都文博噺の会だが、4回目のVol.4は初回以来となる桃月庵白酒さんが登場した。
(なお、白酒さんが冒頭マクラで触れていたが、初回と異なり文化財の上での口演は取りやめとなっていて、前回楽屋だった部屋に高座が組まれていた。演じ手お客さん双方にとって今回の高座のほうが断然やり易く見易いのでは)
 前座のひしもちさんによる『子ほめ』(昭和の顔付きをしたフラのあるお弟子さんで、丁寧に演じて後半笑いをとっていた)のあと、『粗忽長屋』、『笠碁』、仲入りを挟んで『明烏』と白酒さんは三席を演じたが、毒の効いたマクラに、それぞれ趣向が異なりつつもくすぐりが豊富で笑いどころの多い高座で、約2時間存分に愉しむことができた。
 正直、落語に限らず演劇その他にしてもそうだが、文化庁の京都移転を睨んだかのような総体としての「東京」側の攻勢に関してはいろいろと考えることは多いのだが、こうして大好きな白酒さんの芸に接することができるのはやはりありがたいかぎりである。
 ちなみに、『粗忽長屋』と『明烏』については、角川書店から刊行された『桃月庵白酒と落語十三夜』で白酒さん自身が杉江松恋さん相手にあれこれと語っているので、ご興味ご関心がおありの方はご一読のほど。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 18:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月28日

月亭太遊ほろよい落語会

☆月亭太遊ほろよい落語会

 出演:月亭太遊さん
(2017年1月27日19時半開演/浮島ガーデン京都2階フリースペース)


 六角富小路の浮島ガーデン京都2階フリースペースで開催さてた月亭太遊さんの独演会、ほろよい落語会に足を運んだ。
 浮島ガーデン京都のフリースペースといえば、三遊亭はらしょうのドキュメンタリー落語の会が開催されたばかりだが、あちらははらしょう独自の企画で、てんこもり堂の藤本隆志さんや金乃梨子さんのサポートやお客さんの顔触れも含めてアットホーム感の強いものだった。
 一方、今夜のほろよい落語会はその名の通り、太遊さんの落語とともに厳選されたドリンクやおつまみ(有機無農薬野菜などを使った本格的なヴィーガン料理。美味なり)を愉しんでもらおうという浮島ガーデン京都さんが主催した会である。
 で、錦湯劇場の常連さんも何人か顔を揃えていたが、生やCDを含めて今回初めて落語を聴くお客さんが少なくないということで、太遊さんもそうしたお客さんに巧みに対応して会を進めて行った。
 まずは、地方での活動のエピソードを交えつつ、オールドな小噺(短いものから少しだけ長いもの)を重ねて場を温める。
 ちょうどよい頃合いになったところで、せっかくこうやって集まっていただいたということもあり、皆でうどんを食べる真似をしてから古典中の古典である『時うどん』を演じる。
 太遊さんの『時うどん』を聴くのは久しぶりだけれど、「本寸法」(本来の意味とはちょっと違うけどそこは勘弁のほど)というか丁寧な口演で実におかしい。
 途中、飲み物や食べ物のオーダーを見越してのトークを挟みつつ、お客さんの様子を窺いながら太遊さんは徐々に「ネオ」の方向へと舵を切る。
 二席目は、ネオラクゴの古典とでも呼ぶべき『たまげほう』。
 笑いどころが豊富で構成もしっかりとしたよく出来た作品だと改めて感心した。
 そのメッセージも明解である。
 R-1グランプリ用のメタル落語の「シャウト」とラテン落語(CDショップ)の「歌いぶり」で会場を大いに盛り上げたのち、最後はネオラクゴの『来て!観て!イミテイ村』(通常バージョン)をかけた。
 ネオラクゴ・フロンティア初期の傑作でありもはや太遊さんの十八番の一つであり、すでに細部までわかっているにも関わらず、要所要所でついつい笑ってしまう。
 もちろんそこは太遊さんのことだから、単にトレースするのではなく、「今ここに」の即興感も十分発揮されていたのだけれど。
 と、盛りだくさんの会で存分に愉しめた。
 ああ、面白かった!!

 お世辞抜きでお料理も美味しいので、皆さんぜひ一度浮島ガーデン京都さんへ。
 そして、次回の落語会を心待ちにしたい。
posted by figarok492na at 01:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月24日

錦湯劇場 第16回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第16回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん
(2017年1月23日20時開演/錦湯)


 寒い。
 とにかく寒い。
 京都生活もそろそろ30年になるが、それでもこの底冷えの寒さには慣れがこない。
 そんな寒さの中でも、ご新規さん、常連さんと錦湯さんには結構なお客さんが集まった。

 16回目となる昨夜の「毎週月曜 錦湯劇場」は、支配人の月亭太遊さんと桂三幸さんというおなじみの二人が登場。
 R-1グランプリの話題など長めのトークで盛り上がったところで、三幸さんがそのR-1グランプリ用のネタを披露する。
 すでに錦湯さんで試したことのあるネタだが、磨きがかかった上にネオはめ物のほうも絶好調でしっかりきっちり笑いを生んでいた。
(終演後、お師匠の文枝さんの前で披露した顛末について三幸さんは語っていたのだけれど、これもおかしかった)

 続いて、太遊さんが登場。
 こちらもR-1グランプリ用のネタから。
 マニー・マ少年合唱団と他のネタを融合させたもので、インパクトは抜群だ。
 さらに、ネオラクゴの『ドクトル・パンデミック』を演じた。
 世界征服をたくらむビッグカウス団の四天王の一人、ドクトル・パンデミックは自らの作戦を成功させんがために洋菓子店に修業に入るが…。
 といった展開の作品で、ドクトル・パンデミックのキャラクターはじめ笑いどころ満載の作品である。
 とともに、太遊さんがそこにこめたものについて改めて思ったりもした。

 その後、三幸さんが再び高座に上がってたっぷり語ったあと、二人のトークで再び盛り上げ、昨夜の錦湯劇場はお開きとなった。

 ちなみに、昨夜のツイキャスの配信は安定していたようで、それも何より。
 ただし、ツイキャスもいいけど、ライヴはなおいいので、毎週月曜20時は錦湯さんにあなたもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月17日

錦湯劇場 第15回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第15回

 出演:月亭太遊さん、桂文五郎さん
(2017年1月16日20時開演/錦湯)


 この冬一番の寒波が到来し、みぞれ交じりの雪が降って厳しい寒さというあいにくのコンディションにも関わらず、「毎週恒例 錦湯劇場」にリピーターさん常連さんとけっこうなお客さんが集まったのは、それこそその名の通り毎週開催しているからのことだろう。
 15回目となる今回は、予告されていたツイキャスの配信とともに、錦湯さんそのものの取材に訪れていたNHKの海外向けテレビ放送のクルーも入るというメディアと繋がりの深い一夜となった。
 出演は、支配人の月亭太遊さんにちょっとお久しぶりとなる桂文五郎さんのお二人。
 ツイキャスやテレビの取材を意識しただけではなく、あんまり意識しないようにお客さんを促しつつ冒頭のトークで笑いを生み出していく。

 で、早速ツイキャスの配信を始めたところ、ワイファイの調子が今一つのため、太遊さんは安定した場所確保のため錦湯さん中をさながら盗聴器探しの探偵よろしくぐるぐると動き回りながらトークを引き出すという状態に。
 もしかしたら、4月以降のポスト太遊体制を意識したわけではないだろうけど、結果文五郎さんが話の中心へと躍り出た。
 そこは、10年間の社会人生活を経て桂文珍さんという本寸法も本寸法のお師匠さんの下で修業を積み、年季があけた現在は各所で前座として研鑚活躍する文五郎さんだからこその自らの体験経験に基づいた落語・落語界への信条心情真情をたっぷり聴かせてもらうことができた。
 むろん、太遊さんもそれでは終わらせない。
 途中高座に上がり、月亭方気さんの郷里石川県は七尾市の方言の話題をマクラでふってから初期のネオラクゴ『場末のバステト』を演じた。
 舞台は九州の田舎町。
 そこには、誰かれかまわず猫を捨てていくバステトなるお店があって…。
 熊本弁を駆使したくすぐり豊富な内容で、昨夜は作品のエッセンス、肝の部分に絞った口演だったが、その分、ツイストとなるワイプの部分(話の跳躍)も一層活きていた。
 終盤、ツイキャスが安定してからは、太遊さんと文五郎さんの掛け合いも増し、錦湯劇場だからこその話となったのではないだろうか。
 こうした配信は今後も予定されているようで、次回以降どのような展開となるか愉しみだ。

 と、今回も刺激に満ちた会となりました。
 ああ、面白かった!!

 ちなみに、終了後クルーの方の取材を受けたのだけれど、使ってもらえるかな?
posted by figarok492na at 10:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月10日

錦湯劇場 第14回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第14回

 出演:月亭太遊さん、ターザンさん他
(2017年1月9日 20時開演/錦湯)


 今年二回目の「毎週月曜 錦湯劇場」は、支配人月亭太遊さんに二週続けての占い芸人ターザンさんらの出演。
 久しぶりの常連さんにリピーターさんと、おなじみのお客さんが集まってアットホームな雰囲気を醸し出す。

 スタートのトークは、立川笑二さんや北山亭めんそーれさんとの沖縄公演をすませたばかりの太遊さんがこれぞ沖縄といった雰囲気と言葉遣いで登場し、早速大きな笑いを生み出す。
 その後も、沖縄での仕事の経験があるターザンさんがとっておきのエピソードを披露するなど琉球トークが続いた。

 で、盛り上がったところで、錦湯劇場ならではの特別な時間。
 と、言っても今回はいつもの特別な時間(なんじゃそりゃ)ではなく、新しい特別な時間。
 錦湯劇場ではなかなか接することのできない時間を過ごすことができた。
 詳細をお知りになりたい方は、一度錦湯劇場へお越しくださいませ。

 続いては、ターザンさんが舞台へ。
 いつもならばフリップを使った占いネタをかけるところだけれど、昨夜は新ネタに挑戦した。
 米原観音寺での限定住みます芸人の経験に加えこれまでの人生の体験も加味された、ネオ説話とでも呼ぶべき仏教を題材に扱ったネタで、短髪に刈りこんだ頭に作務衣姿のターザンさんが訥々と語りを続けると、笑いとともにちょっとばかり有り難さを感じてしまったのもおかしかった。

 トリは、太遊さん。
 沖縄で取り上げたネオラクゴの十八番『来て!観て!イミテイ村』を錦湯さんでも演じたが、そこは太遊さん、今までの東北風の語り口を即興で改変。
 題して南国ver.の誕生である。
 「かたしりほい」の部分や、南国ver.ならではのくすぐりなど大いに笑ったが、沖縄(らしき村)を舞台にすることで、一層この噺の持つメッセージが色濃く表れていたようにも思った。
 この調子だと、日本各地にイミテイ村が出現することも夢ではない?

 最後は、大喜利ではなくトーク。
 再び沖縄の話題や、ターザンさんの真冬の夜の話に今年の占いなど、じっくりおしゃべりを愉しんだ。

 と、今回も何が飛び出すかわからない錦湯劇場でした。
 毎週月曜20時は錦湯さんへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月03日

錦湯劇場 第13回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第13回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、林家染八さん、ターザンさん
 大喜利出演:あふろだんぺーさん、かるあ君、貯蓄アンドザシティ君
(2017年1月2日20時開演/錦湯)


 正月二日目。
 新春を寿ぐ「毎週月曜 錦湯劇場」は、ご新規さんに久しぶりのお客さん、そして常連さんが顔を揃えて大盛況。
 新年に相応しい賑やかさだった。

 13回目となる今回は、支配人の月亭太遊さん、準レギュラーならぬほぼレギュラーの桂三幸さん、先週に続いての林家染八さん、しばらくぶりのターザンさんの出演で、スタートのトークから年末年始の近況などで盛り上がる。


 で、30分を過ぎたあたりで、染八さんが高座へ。
 これで三度目の登場となる染八さんは、一席入魂の構えで錦湯劇場のお客さんに向い合う。
 まずは先週少しだけ披歴した小ネタ・どうでもいいニュースを、フリップ(画用紙帳)を利用して繰り出していく。
 中身ももちろんだけれど、その繰り出し具合に染八さんの人柄が窺えておかしい。
 お客さんへのアンケートののちに演じた本題は、『河豚鍋』。
 河豚は食べたし命は惜しし。
 といった時代を舞台にしたおなじみの噺だけれど、染八さんはこれぞ古典という具合に要所急所を押さえた語り口で演じていくが、ここでも登場人物の随所に染八さんのフラ(おかしみ)が出ていたように感じた。
 そして、最後に踊りの「せつほん」を踊る。
 おまけの部分は錦湯劇場の高座の造りもあって完璧に決まらなかったのは残念だが、終演後の交流会の場ではばちっと決めて何よりだった。

 続いては、ターザンさんが登場。
 石田三成を応援せんがため米原観音寺限定の住みます芸人として九州から滋賀へとやって来た占い芸人のターザンさんは、この度無事任期を終えて今後も関西を拠点に活動するとのこと。
 自己紹介を兼ねたトークでは、そうした住みます芸人にまつわるエピソードを語った。
 メインは、フリップ(画用紙帳)を使った手相占いのネタ。
 お客さんの手相を拝見したりして、金運感情運など手相の基本を説明しつつ笑いをとっていた。
 ちなみに、手相によると当方は金運はあまりなさそうな…。

 三番目は、三幸さん。
 安定のマクラののち、R1グランプリ対応のネタを披露する。
 小型スピーカー(ネオはめ物)を活用したネタで、人と機械の噛み合わなさがしっかりと笑いを生んでいた。
 終わったあとのちょっとしたトラブル、三幸さんと機械の噛み合わなさもネタに繋がっていておかしい。
 加えて、三幸さんはお師匠の桂文枝さん作の新作『にぎやか寿司』も演じた。
 お腹が空いた麻雀帰りのサラリーマンが入ったのは、にぎやか寿司なる寿司屋だったが、この寿司屋というのが相当な代物で…。
 といった具合のくすぐりの効いた作品で、ここでもしっかりと笑いを造った。
 登場人物の掛け合いなど三幸さんらしい口演の中に、文枝師匠の「教え」が垣間見えていたのも興味深く面白かった。

 トリは太遊さんのネオラクゴ『祈るように食べる』。
 朝の食卓での夫と妻、小さな娘のやり取り。
 と記すと、それこそホームドラマ風の佳品。
 かと思いきや、そこは太遊さんのネオラクゴ、そんなものではおさまらない。
 胡散臭いロハス・ブーム、スピリチュアリズムへの批判とともに、農・自然への想いといった太遊さんの世界観が全面に押し出されるとともに、仕掛けくすぐりも豊富で大いに笑った。
 いやあ、ネオラクゴは尖ってるなあ。

 定番の大喜利ももちろん決行である。
 太遊さんの仕切りの下、作家の桜井さんのお題に三幸さん、染八さん、ターザンさん、大喜利出演者たちが挑むという構成だが、ここでも染八さんの積極姿勢が印象的。
 三幸さん、ターザンさんもコンスタントに解答を重ねて、あふろだんぺーさん、かるあ君、貯蓄君という大喜利巧者も着実にヒットを積み上げていた。
 比較的短めではあったけれど、その分太遊さんの仕切りも含め流れのよい大喜利だった。

 と、新年早々盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 今年も毎週月曜20時は錦湯さんへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

錦湯劇場 第12回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第12回

 出演:月亭太遊さん、林家染八さん、月亭八織さん
 大喜利出演:くりりん君
 特別出演:湯毛さん
(2016年12月26日20時開演/錦湯)


 あっという間に2016年も終わろうとする京この頃。
 クリスマスも過ぎて気ぜわしさが増しているが、こういうときこそ笑ってほっこりするのが肝心。
 というわけでもないだろうけれど、今年最後の「毎週月曜 錦湯劇場」にもご新規さんにリピーターさん、常連さんと結構なお客さんが集まった。
 12回目となる今回は、支配人の月亭太遊さんに二回目となる林家染八さん、おなじみの月亭八織さんの三人が顔を揃えた。

 で、スタートのトークでは、本日夜のスペシャルなテレビ番組についてや各々の近況報告で大いに盛り上がる。
 さらに今夜は銭湯を盛り立てていこうという銭湯熟女・湯毛さん(まさしく銭湯のお客さんといったもこもこした服装に湯気で曇った眼鏡という、らしい雰囲気。声がちっちゃい! そして、艶っぽい写真集が1000円で発売されている!)が下足番を兼ねて登場し、さらに笑いを生んだ。

 結局、30分以上トークを続けたところで、染八さんが高座へ。
 様々な落語会で鍛えているなということがわかるマクラののちに、本題の『尻餅』に入る。
 手元不如意の長屋住まいの夫婦、賃搗(ちんつき)屋を雇って餅を搗くこともできない。
 他の長屋の住人の手前、餅を搗く音ぐらいさせたいと願う女房の言葉に亭主は応じるが…。
 というおなじみの古典。
 餅を搗く代わりに、女房の尻を叩くというちょっとエロティックな内容でもあるのだけれど、染八さんはそこをねっとりやるのではなく、亭主が賃搗屋の真似に「こだわる」あたりを丁寧に演じ重ねるなど、滑稽さに力点を置いていた。
 まさしく年末に相応しい噺だった。

 続いて、登場したのは八織さん。
 今回は、せっかくの錦湯劇場ということで、月亭太遊さんのネオラクゴの中から『三生出ゆーな』を演じた。
 男二人が足を運んだのは、地下アイドルよりもさらに稀少なアイドル、三生出ゆーなのライブだったが、この三生出ゆーなというのがその名の通りひと癖もふた癖もあるアイドルで…。
 錦湯さんでは、すでに桂三河さん(お元気ですか?秋田は寒くないですか?)が演じた作品だけれど、やはり演じ手が変わると印象もがらっと変わってくる。
 大のアイドル好きである三河さんが演じる場合は、お客さんの側の視点がよい具合に強く出ていたが、八織さんの場合は当然ゆーなのたがの外れ具合が肝になる。
 コール・アンド・レスポンスでお客さんも巻き込んで、憎むに憎めないキュートで活き活きとしたアイドル像を生み出していた。
 八織さんには、ぜひ今後もこのネタを演じ続けて欲しい。

 トリの太遊さんは、ネオラクゴの旧作から『めしとパチンコ』を演じた。
 パチンコ狂いの男、今日も今日とてお金をすった。
 そんな男が見知らぬ男から声をかけられる。
 パチンコへの依存状態から脱するためにある人に会わせたいと…。
 前回演じた『山城ヨチムーランド』の続篇というか姉妹篇とでも呼ぶべき作品だが、設定の突拍子のなさ、隠されたメッセージ性、そして細かいくすぐりと大いに笑った。
 最近、太遊さんはネオラクゴ4本立ての企画も積極的に行っているのだけれど、こうしてかつての作品に触れると、錦湯さんを中心にネタ下ろし(降臨)された一連のネオラクゴはやはり面白いし、太遊さんにとって大きな財産だと痛感した。

 後半は、定番の大喜利。
 作家の桜井さん考案のお題に、太遊さんの仕切りで染八さん、八織さん、さらにはくりりん君が答えていくというもので、前回登場時に続いて染八さんの積極的な姿勢(お題によっては、スタートのトークが伏線にもなっていた)が印象的。
 八織さん、くりりん君もコンスタントにヒットを重ねたし、途中お客さんも手を上げて解答を披歴していた。

 最後のトークには、再び湯毛さんも登場し愉しく〆た。

 と、今夜も盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 次回は1月2日。
 新年も錦湯劇場さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 01:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月20日

錦湯劇場 第11回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第11回

 出演:月亭太遊さん、親指ぎゅー太郎さん他
 大喜利出演:シェンロンさん、お子さん4人他
(2016年12月19日20時開演/錦湯)


 冬本番、寒い毎日が続く京この頃だけど、今夜は少しだけ過ごしやすかったか。
 錦湯さんにも、常連さんやリピーターさん、そしてご新規さんが集まった。
 開演前に少しお話をうかがったが、ご新規さんのお一人は錦湯さんの常連さんで前々から一度太遊さんの会に来てみたかったとのこと。
 また、以前娘さんを連れてやって来たお父さんが今度はお母さんに姉妹弟4人を引き連れていらっしゃったりもしていた。

 11回目となる今回は、支配人の月亭太遊さんと初登場となる親指ぎゅー太郎さん他の出演。
 スタートのトークでは、早速太遊さんがぎゅー太郎さんの人となりを引き出していく。
 親指の被り物をしたぎゅー太郎さんもそれに応えてハイテンション。
 「ぎゅーと声をかけられると、ぎゅーとポーズをとってしまうんです」とのネタふりに太遊さんがお客さんに指示を出すと、あちこちからぎゅーの声。
 加えて、本格的に整体を学び実際仕事にもしているということで、なんと当方が舞台前方に出て、いじりを交えながらぎゅー太郎さんから身体を診てもらうという一幕も。
(左の肩甲骨辺りが張っているというのは、前々からの症状で全くその通り!)

 と、盛り上がったところで、二人は退場。
 錦湯さんでの会ならではの特別な時間が設けられる。
 はじめよかちょろ、じゃない、はじめちょろちょろなかぱっぱとは、お米の炊き方の基本だけれど、筋を如何に運ぶかとか、くすぐりをどこに置くかとか、仕掛けた伏線をどう回収するかとか、当然落語にも基本となるべき規矩、定理、法制(と、ここまで記すと大げさかな)があって、なおかつそこに各々の落語家さんがどうアレンジを加えていくか、笑いを拡げていくかが落語の骨法であり一つの醍醐味となっている。
 あえて詳細は省くが、今夜はそうした醍醐味を存分に味わうことができた。
 いったいなんのことかお知りになりたい貴方は、一度錦湯劇場へぜひ!

 続いて、親指ぎゅー太郎さんが登場。
 先述した整体師としての知識経験を活かしたフリップ(ネタを書いた画用紙を使った)芸を披露する。
 整体のイロハを知ることができるのもいいし、良い意味でわかりやすいネタで、お子さんはじめしっかり笑いを生んでいた。
 あと、若井はやと師匠のご子息(サラブレッド!)ということで、はやと師匠と自分たち家族のネタを仕込んでいたのも嬉しかったなあ。

 トリは、太遊さん。
 はじめに、お子さんたちにうどんの食べ方を教えながら大きなわらいをとり、R1に磨きをかけている『マニー・マ少年合唱団』の二パターンを演じ分けてさらに笑いをとる。
 続いて、今夜はネオラクゴ・アーカイヴから『山城ヨチムーランド』を演じた。
 友人に夢の国のテーマパークに行こうと誘われた男は、てっきり千葉にあるあの夢の国とばかり思っていたら、これが大間違い。
 山城ヨチムーランドなる怪しげなテーマパークで…。
 といった、ネオラクゴの中では上級編となる作品。
 奇妙奇天烈摩訶不思議、けれど何やらメッセージがあるらしい気持ちの悪い夢が肝となるお話で、その気持ちの悪さが今夜も極まっていた。
 やっぱり太遊さんのネオラクゴは面白い。

 さらに、大喜利を決行。
 猛者連が来てなかったこともあり、ぎゅー太郎さんと常連のシェンロンさん、そして会場の4人のお子さんが太遊さんの仕切りの下、解答を競った。
 今夜のお題は、こんな夢は嫌だ、とかこんなアンパンマンは嫌だといったいたってシンプルなものだったけれど、実はこういうシンプルなお題が一番おかしいんだなあ。
 ぎゅー太郎さんがプロとしての矜持を見せれば、シェンロンさんも負けじと答える。
 お子さん方も次々に答えを出して、遂には他のお客さんもポーズつきで答えに回ると活発な大喜利となった。

 最後は、万歳が身体をほぐすのに有効だというぎゅー太郎さんの言葉を受けて、太遊さんが万歳三唱で〆た。

 と、今夜も盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 毎週月曜20時に、皆さんも一度錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

笑福亭笑利落語会『独利-HITORI-』

☆笑福亭笑利落語会『独利-HITORI-』

 出演:笑福亭笑利さん
(2016年12月13日19時開演/恵文社一乗寺店COTTAGE)


 京都での笑福亭笑利さんのワンマンライヴである『独利-HITORI-』の二回目が開催されるというので迷わず足を運んだが、強い雨にもかかわらず恵文社一乗寺店COTTAGEのインティメートな空間にたくさんのお客さんが集まる大盛況で、笑利さんの人気の根強さを改めて実感した。
 また、笑利さんもそうしたお客さんに存分に応える熱の入った口演を繰り広げ、とても充実した会を生みだしていた。

 まずは『独利-HITORI-』の説明なども交えた前口上代わりのトークからスタートする。
 で、12月13日がことはじめであるということや、開演前に配られた記念の写真(余興先での衝撃的な出来事)について、さらには年越しにまつわる悲惨な体験を語って大いに盛り上げたところで、本題の『粗忽長屋』に入る。
 生き倒れがいるというので確認してみた男、すぐさまこれは俺の友人だと宣言するが、この生き倒れの遺体を死んだ本人に引き取らせると妙なことを口にし始めて…。
 といったシュールな展開のおなじみの古典だけれど、笑利さんは基本はオーソドックスに演じつつも、要所急所で登場人物の造形にデフォルメを加えて一層笑いを引き出す。
 そして、傍から(客観的に)みればどう考えたっておかしな話が、落語の世界ではなんだかおかしくなくなってしまう奇妙さ変さを強調していた点も強く印象に残った。

 いったん高座を下りて小休止ののち、再び笑利さんが高座へ。
 ところ変われば言葉も変わるというエピソードをマクラで話してから演じたのは、これまたおなじみ古典の『手水廻し』。
 実は笑利さんの『手水廻し』といえば、笑利さんと出会ったはじめの頃、出町柳の落語会で聴いたことがあるのだけれど、今夜の口演はこの間の笑利さんの研鑚、経験をしっかり感じさせる内容となっていた。
 登場人物間のやり取りを巧みにワイプさせつつテンポよく筋を運び、ここぞというところで個々のキャラクターが脱臼跳躍していくおかしさ。
 そして、なんと言っても今夜のピークは長い頭の市兵衛が手水ではなう自分の長頭(ちょうず)を回しに回すところ。
 大坂行きのくだりをカットして大きな笑いのうちに高座を下りたのも、場の空気によく沿っていた。

 休憩後は、お客さんへの改めての感謝の言葉を挟んで笑利さん自作の新作落語が演じられた。
 ときは江戸中期、ところは備前岡山藩、主人公は浮田幸吉。
 ちなみに浮田幸吉は実在の人物で、表具師(屏風や掛け軸、ふすま、巻物等々を仕立てる職人)の技術を応用して作成した翼によって空を飛んだとも伝えられており、彼を題材にした『空飛ぶ表具屋』というスラプスティックな短篇小説を筒井康隆が書いていたはずだ。
 時代劇好き、歴史好きな笑利さんらしい作品だが、そこは落語ゆえ様々にフィクショナルな仕掛けが施されている。
 途中登場する侍の台詞遣いにはまさしく時代劇ののりがあって、こういった面での笑利さんの活躍にも期待するところなのだけれど、それより何より、この作品の肝は、周囲からなんと嘲られようとも、理解されずとも、空を飛ぶ(翔ぶ)ことが大切であり、事実未来にはそうなるであろうことが見えているのであれば、一歩を踏み出さなければならないという浮田幸吉の姿であろう。
 当然そこには笑利さんの意志や志向が強くこめられているはずで、終盤の幸吉の言葉にはぐっと心を動かされた。
 と、こう書くとしんねりむっつりした説教話と勘違いする向きもあるかもしれないがさにあらず、くすぐりの豊富な、シリアスに傾き過ぎない笑いに富んだ作品ともなっていたと付け加えておきたい。
 次はどのような題材に笑利さんが取り組むのか、非常に興味深い。

 と、掛け値なしに盛りだくさんの内容で大いに笑い、大いに心を動かされた会だった。
 ああ、面白かった!!
 そして、次回の『独利-HITORI-』が本当に待ち遠しい。
posted by figarok492na at 01:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月13日

錦湯劇場 第10回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第10回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん
(2016年12月12日20時開演/錦湯)


 気温がぐっと下がり、底冷えの厳しい京の夜。
 それでも、錦湯さんにはご新規さんに常連さんと様々なお客さんが顔を揃えた。
 10回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、支配人の月亭太遊さんが月亭遊方師匠に入門してちょうど6年目を迎えるアニバーサリーデー。
 と、言うことで(もないか)、今回はおなじみ桂三幸さんと太遊さんが落語2席を演じ分ける二人会となった。

 定刻の20時頃、ジャジーな音楽とともに三幸さんと太遊さんが登場し、早速トークをスタートさせる。
 話題は、三幸さんのお師匠さんである桂文枝師匠に新弟子が入門したことなど上方落語界についてや、世情について。

 で、盛り上がったところで、三幸さんが高座へ。
 修業時代の話等をマクラで語ってから、本題の『半分雪』に入る。
 巡業から戻った関取が家で休んでいるところへ町内の人間がやって来ておかみさんに巡業の様子を尋ねると、このおかみさんというのがどうやら話を盛るのが得意な人のようで…。
 関取に窘められて、おかみさんのつくホラがころころと変わる辺りが肝の話。
 三幸さんはそのおかみさんを茶目っ気たっぷりに演じて笑いを生んでいた。

 続いては、太遊さん。
 最近話題のあの出来事をマクラで語ってから、ネオラクゴのクラシックとでも呼ぶべき『くぐつぐつ傀儡軒』を演じた。
 ラーメン好きな男がやって来たのは、人間の代わりにロボットがラーメンをつくるというその名も傀儡軒で…。
 ツイスト(捻り)の効いた作品で、くすぐりも豊富。
 口演を重ねることで細部にも磨きがかかっており、何度聴いてもやっぱりおかしい。
 そして、メッセージも実にストレートだ。
(今夜のTBSの2時間サスペンス『税務調査官窓際太郎の事件簿』は下関が舞台で不正選挙の話題と攻めに攻めた内容だが、ある意味、この『くぐつぐつ傀儡軒』はさらに上を行っている)

 三席目は、再び三幸さん。
 出来たてほやほやの新作で、あっと題名を訊き忘れた。
 舞台は学校の一室、登場人物は保護者のお母さんと先生といういたってシンプルなもの。
 いわゆるモンスターペアレントというやつで、くすぐりの積み重ねに笑っていたものの、よくよく考えたらけっこう「やばい」内容だった。
 冒頭一席、じゃない一石を投じると三幸さんが語っていたのもだてじゃないと改めて思った次第。
 三幸さんも攻めている!

 トリは太遊さんで、ここのところ試しを重ねている『マニー・マ少年合唱団』のオペラver(バージョン)。
 マニー・マ少年合唱団の団員が合唱団の主宰者マニー・マに対する怒りを高じさせて歌を歌ってしまうのだけれど、その歌がオペラの有名なアリアという仕掛け。
 太遊さんの歌が巧く、声質も良いというところがミソだ。
 浅草オペラや今は亡き斎藤晴彦さんのノリもあって、オペラ好きでなくとも大いに愉しめるネタになっていた。

 最後は、再び三幸さんと太遊さんのトークで〆たが、ここで太遊さんから重大なお知らせがある。
 詳しくはパブリックな発表を待つことにするが、太遊さんにとって大きな変化の契機となるとともに錦湯劇場にとっても大きな変化に繋がる内容で、これから来年初めにかけて新たな情報がどしどし加わってくるはずだ。
 ここでもおいおい伝えていければと考えている。

 と、今夜も盛りだくさんな錦湯劇場でした。
 あなたも変化の目撃者になれる、毎週月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

錦湯劇場 第9回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第9回

 出演:月亭太遊さん、石村一也さん、十手リンジン、おたまじゃくし
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん
(2016年12月5日20時開演/錦湯)


 漫才がぐっと注目を浴びた日曜の夜だったが、9回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」にもおなじみ十手リンジンに初登場のおたまじゃくしと二組のコンビが出演し、漫才の層の厚さ、裾野の広さを感じさせた。
 そして、おたまじゃくしのお二人と共に新たなお客さんが集まっていたのも何よりだった。

 スタートのトークでは、そのおたまじゃくしの話題から。
 ネタのために衣装や小道具を募集しているということで、こちらもタンスにしまったままのタートルネック(とっくりセーターと言ったら笑われた)などを供出、また常連さんのアイテムなどを借りて即席のネタを披露し、大いに盛り上がった。
 続いて、最近脱出ゲームのお仕事に深く関わっているという石村一也さん(ビックリマンチョコのトークでも印象深い)が、頭脳ゲームを出題。
 お客さんも参加して3つの問題に挑戦し、さらに盛り上がった。

 で、45分ほどわいたところで、十手リンジンの漫才へ。
 十手リンジンは、十田卓さん(お客さんから見て左)と西手隼人さん(同右)の二人組。
 おなじみ奈良と大阪の違いをネタにしたもので、奈良出身の十田さんだからこその自虐性が笑いを誘う。
 特に、後半の十田さんのコミカルな動きがおかしい。
 今回もスピーディーに演じ切って爽快だった。

 続いては、おたまじゃくしのお二人だ。
 小道具類を手にして現われたほりおさん(堀尾晋之介。同左)の口上ののち、中西さん(中西亮太。同右)が登場し、なりきったキャラクターを演じてみせる。
 実はこれ、中西さんがtwitter上でブレイクするきっかけとなった「今日の一変化」のライヴ版。
 トークによると、どうやらほりおさんが仕掛け人のようで、好漢中西さんの良い意味での癖の少なさを巧みに利用したネタだと思う。
 来年1月29日には通天閣朝日劇場で単独ライヴ(19時開演)を予定しているとのこと。
 ネタについて知りたい方は、twitterで「おたまじゃくし中西」さんを検索のほど!

 トリは、月亭太遊さんが高座に上がって、『マニー・マ少年合唱団』を演じた。
 もともとビッグカオス団シリーズ中の一作だが、独立したネタとして新たに仕立て直したものの口演である。
 言葉のくすぐりももちろん面白いけれど、やはり肝は歌。
 くっそお、やりやがったな、という感じで笑ってしまった。

 ネタの時間が比較的短かったこともあってか、今回の大喜利はロングバージョン。
 で、お題の準備がしてなかったということで、急遽石村さんが仕切りに回り、「阪急からオリックスにチームが変わったことに、恐妻家のブーマー選手が激怒した、その理由は?」といったプロ野球に関したクイズを出題し、それを解答者が答えていくというスタイルがとられる。
 もちろん、素直に答えを探すはずがない。
 まずは解答者に徹した太遊さんが水を得た魚とばかり、あれやこれやとぼけ倒す。
 仕切りのパワーは言うまでもないが、ぼけのあの手この手にも感心した。
 一方、ほりおさん、中西さん(若干エロ親父の気あり)、大喜利出演の貯蓄君もコンスタントにヒットを重ねた。
 またそれを、石村さんが巧く拾っていく。
 そして、なんと言っても西手画伯!
 今回は第1問でかました「ブーマー」ネタを何度も繰り出していて、このブーマーが本当におかしい。
 腹がよじれたなあ。

 と、盛りだくさんで気がつけば22時を過ぎていた。
 月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

三遊亭はらしょう独演会 京都

☆「第三の落語家☆三遊亭はらしょう独演会」
 ドキュメンタリー落語 全国制覇2016年12月4日

 出演:三遊亭はらしょう
(2016年12月3日19時開演/浮島ガーデン京都2階サロンスペース)


 かつてハラダリャンの名で一人芝居の怪優として京都小劇場を席巻し、その後東京に進出、三遊亭圓丈に入門するも紆余曲折有為転変を経、現在では圓丈師匠の色物弟子として、古典でも新作でもない自らの身辺多事を落語に仕立て直したドキュメンタリー落語の語り部であるドキュメンタリー落語家、第三の落語家を名乗る三遊亭はらしょうが東京、名古屋、津と続いた全国ツアーの最後に京都で公演を行うというので迷わず足を運んだ。
 会場は、富小路六角を北に少し上がったところにあるシックなレストラン浮島ガーデン京都2階のサロンスペース。
 20から30名ほど入場可能だろうか、フラットでインティメートな空間で、落語会などイベントスペースとしても最適だと感じた。
(たまたま店員さんとお話すると、月亭太遊さんとも親しくされているそうで、今後も落語会など開催できればということだった)

 19時を少し過ぎた頃、テープの出囃子とともにはらしょうが登場する。
 まずは今回の全国ツアーのについてやドキュメンタリー落語について説明していったが、その語り口から落語家としての修業、そしてドキュメンタリー落語家としての積み重ねを強く感じることができた。
 練馬ココネリという会場で、伊達に年間60本ドキュメンタリー落語を下ろし続けてきたのではないということだ。
 で、本来ならば早速そのドキュメンタリー落語ということになるのだけれど、やはりそもそもの出自、この間の経験を理解してもらおうということで、前座時代によくかけていた古典落語の『やかん』を演じる。
 くすぐりも含めて基本はオーソドックスな口演だが、ところどころ怪優の片鱗が窺えたりもした。
 さて、ドキュメンタリー落語の一本目は、ココネリ以前の作品『モゴモゴ』。
 としまえんのトランポリンコーナーのアルバイトをした際にはらしょうが出会った、「ほりかわさん」という上司の老人が話の主人公。
 このほりかわさんが一体全体何を言っているのだかわからない人物で…。
 デフォルメも加わったろうほりかわさんの描写がもちろん面白く笑ってしまうのだけれど、交わるようで交わらない交わらないようで交わるほりかわさんとはらしょうの関係もおかかなしかった。
 ここで小休止。
 再び高座に上がったはらしょうが演じたのは、ドキュメンタリー落語の二本目『キンタマころころ』。
 タイトルからして、笑福亭鶴光師匠もびっくりのエロ話艶噺かと思ったらこれが大間違い。
 認知症になってしまったはらしょうのお祖父さんが目にする「幻視」をドキュメンタリー落語化したもので、タイトル通りのエピソードは本当に抱腹絶倒物だった。
 よかったら皆さんもぜひ一度生で聴いていただければ。
 と、通常ならばここでおしまいとなるところ、かつてのホームグラウンド京都ゆえの特別バージョン。
 ドキュメンタリー落語家の朗読というおまけがついていた。
 お手伝いに加わっていたハラダリャン時代からの盟友藤本隆志さんのチョイスか、雑多な書籍の中からはらしょうがまず選んだのは、週刊現代。
 ただし、最前列にお子さん方が並んでつぶらな瞳ではらしょうを見つめていたこともあってだろう、過激な内容は避けて適度なところで切り上げ、日本国憲法を少しいらって、古典落語集から『寿限無』を朗読することでオチをつけた。
 中でも、後半の寿限無をまくし立てる必死のぱっちぶりに笑いが起こった。

 最後の交流会も含めて、今現在の三遊亭はらしょうを知るという意味で非常に最適な独演会だったのではなかろうか。
 そして、次回の京都での公演が待ち遠しいかぎりだ。
 ああ、面白かった!
posted by figarok492na at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月29日

錦湯劇場 第8回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第8回

 出演:月亭太遊さん、桂三実さん、月亭遊真さん、センサールマン
(2016年11月28日21時開演/錦湯)


 8回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、音楽ライヴ『旅する音楽』(戸の外から聴き耳を立てていたが、アフリカの民俗楽器などによるパフォーマンスで、非常に興味深く刺激的な内容だった)が開催されていたため、21時という変則的なスタート。
 それでも、ライヴからのお客さんに常連さんも加わって盛況となっていた。

 21時を少し過ぎたあたり、ライヴの余韻を十分に残しつつ、出演者全員のトークが始まった。
 で、初めてのお客さんもいらっしゃるということを踏まえた上で、錦湯劇場のあらましなども語りつつ10分程度盛り上げる。

 まずは月亭遊真さんが高座へ。
 場の雰囲気も考慮してか、おなじみ古典の『時うどん』をかける。
 遊真さんの『時うどん』は確かこれが二回目になるはずだけれど、間合いの取り方に細かいくすぐりと、きっちり練れてきている感じがする。
 中でも、あほな男がいちびってうどん屋を騙しに行ったとき、前の日の相方の男の言動を繰り返ししているうちに感情が高ぶるあたり印象に残った。
 これからの遊真さんがますます愉しみだ。

 続いては、桂三実さん。
 マクラ代わりに、「名言」を利用したネタを一つ。
 独特の捻りというか、目の付けどころがいい。
 本題も、言葉が重要となってくる自作新作の『早口言葉が邪魔をする』。
 新車の到着を待ち続ける男だったが、行く先々で…。
 まさしくタイトルが全てを表した作品。
 三実さんの滑舌のよさが十二分に発揮されてもいて、面白い話に仕上がっていた。

 三番目は、センサールマンが登場して漫才を披歴する。
 今年のM1グランプリで準々決勝まで選ばれたセンサールマンの二人だが、はじめは日常の出来事を話題にしたフリートークから。
 で、ネタは、愛植男さん(お客さんから見て左側)がお父さんに扮して山崎仕事人さん(同右側)扮する子供に童話を読み聞かせるというおなじみ読み聞かせシリーズだけれど、昨夜は初めて接する『三匹の子豚』。
 植男さんの芸達者ぶりが今回も炸裂、狼の設定がまずもってユニークだし(見てのお愉しみ)、その後のある種ディストピアもつぼにはまって本当におかしかった。
 一方、仕事人さんも要所急所をしっかりと押さえた受けで、植男さんによく伍していた。
 やっぱりセンサールマンは面白いなあ。

 トリは、太遊さん。
 着物姿で高座に上がったが、あえて短い『CDショップ』(太遊さんのエッセンスがよく詰まっている上に、『旅する音楽』にも繋がるものがある)を演じるに留めた。
 これは、錦湯劇場での立ち位置を改めて示した高座だったのではないか。
 例えば、今夜開催予定の『ネオラクゴ・ソリチュード 日』(19時半〜 噺カフェ)など、ネオラクゴやらぷごは別の形でお客さんにしっかり観てもらい、ここでは仕切り、差配に徹するといった。
 いずれにしても、錦湯劇場に加えて、それ以外の場所での太遊さんにも、ぜひ接していただければ。

 で、最後は全員のトークで〆た。

 変則的な錦湯劇場もまたよきかな。
 さて来週は何が飛び出すか?
 初めての方も月曜20時はぜひ錦湯さんへ!
 ああ、面白かった!!


 そうそう、昨夜は放送作家でフリーライターのあの吉村智樹さんが取材で来場されていた。
 以前、ネオ落語・セントラルの頃に一度お客さんとしてお見かけしたことがあるが、1980年代から90年代にかけて関西で青春時代を送った人間としては、本当に嬉しい出来事だった。
posted by figarok492na at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月22日

錦湯劇場 第7回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第7回

 出演:月亭太遊さん、笑福亭笑利さん、十手リンジン
 大喜利出演:ぷるーとさん
(2016年11月21日20時開演/錦湯)


 7回目となる「毎週恒例 錦湯劇場」は、支配人の月亭太遊さんに笑福亭笑利さん、十手リンジンと気心の知れた顔触れが集まった。

 で、8時を少し過ぎたあたりで太遊さんと笑利さんが登場し、スタートのトークが始まる。
 まずは笑利さんが落語界、落語家に関する鋭い持論を披歴し、太遊さんがそれに巧みに応じていくといった展開。
 さらに十手リンジンのお二人についてトークは移り、笑利さんの「十田って名前って」という言葉を口火に一層盛り上がる。

 と、さんざんアピールされたところで、十手リンジンのお二人が現われる。
 錦湯さんへは久しぶりの登場となる十手リンジンは、十田卓さん(客側から見て左側)と西手隼人さん(同右側)の漫才コンビ。
 奈良の住みます芸人として県内で活動するとともに、太遊さんとも独自の企画を開催してきた。
 お二人ともにスポーツマンという十手リンジンの持ち味は、やはりエネルギッシュな表現と抜群の運動神経だが、昨夜も「教科書に載るような存在になりたいという西手さんの要望に、ならばそういう具合に授業をやってみましょうと十田さんが応じてみせる」お得意のネタを、隙を感じさせないやり取りでもってスピーディーに演じ上げた。
 いやあ、おかしかった。

 続いては、笑利さんが高座へ。
 実は12月13日に恵文社一乗寺店cottageで開催予定の『独利-HITORI-』(2回目)の告知が本来の目的だったのだけれど、もちろんそれだけでは終わらない。
 笑利さん流儀の話を、間合いの良さと演じ分けの巧みさで語ってしっかり笑いを生んでいた。
 『独利-HITORI-』では、そうした笑利さんの魅力がさらに発揮されるはずで、こちらのほうも皆さんぜひ!

 トリは、太遊さん。
 最近の太遊さんの意志、志向に沿ってだろう、あえてネタを演じることはなく、前回お休みだった際のあらましなどをコンパクトにまとめて語って笑いを誘っていた。
 そして、そうした太遊さんの姿勢に、錦湯劇場の常連として、またジャンルは違えど同じく表現する者として、いろいろと刺激を受けたり考えさせられたりもした。

 ちょっとしたトークコーナーを挟んで、最後は太遊さんの仕切りの下、作家の桜井さん考案のお題に挑んでいくという大喜利が行われる。
 笑利さん、十手リンジンの大喜利といえば、今年3月14日のネオ落語・セントラル第22回の機智guy合戦が強く印象に残っているが、昨夜も十田さんがコンスタントに解答してヒットを重ねる一方、笑利さんが機智guyぶりを如何なく発揮し、西手さんが独特の世界で〆るという壊れかけの大喜利、ならぬ壊れ切った大喜利を再現していた。
 特に、こういうファンタジー世界(テーマパーク)は…というお題での、笑利さんの「そーゆーおじさん」連発には大笑いしたし、西手さんの奇妙奇天烈な人物造形(イラスト)にはときに笑いを通り越してある種の恐怖すら覚えたほどだった。
 一方、大喜利連のぷるーとさんも、そうしたきれきれの面々に伍して善戦していたと思う。
 もちろん、こうしたフリーダムな人々を差配して筋道をつけた太遊さんの仕切りも忘れてはなるまい。

 と、刺激に満ち満ちた回でした。
 毎週盛りだくさんの錦湯劇場に皆さんもぜひ!
 未体験の方は特にお薦めです。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月15日

錦湯劇場 第6回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第6回

 出演:桂三幸さん、月亭方気さん、月亭八織さん
(2016年11月14日20時開演/錦湯)


 6回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、よんどころない事情で支配人の月亭太遊さんはお休み。
 しかも、あいにくの雨、それも強い雨ということだったが、桂三幸さん、月亭方気さん、月亭八織さんというおなじみ顔触れの出演でご新規さんのお客さんもあったりして、重畳重畳。
 そういえば、昨夜は女性のお客さんの率が非常に高かった。

 で、8時を少し過ぎたあたりでテープの出囃子とともに方気さんが登場。
 マクラで地方のお仕事の際のエピソードを語って盛り上げたのち、本題へ。
 田舎のお話という方気さんの前振りに、ほんの一瞬だけ『手水廻し』かなと思ったが、話は「ぼっかぶり(大阪の方言でゴキブリのことだそう)」を巡る騒動へと進んで行って…。
 こんな古典があったんだとネットで調べてみたら、実はこれ、その名も『ぼっかぶり』という2013年の上方落語台本大賞の入選作だそう。
 クラシック音楽でいうところの「新古典派」てな感じかな、登場人物のやり取りや筋の運び方もよく古典の骨法が押さえられている。
 それを方気さんが丹念に演じており、こうした具合に噺が残っていくのだなと改めて感心させられた。
 そうそう、前回登場時、食あたり三連発の影響で相当スリムになっていて、同業者ならぬ同病者としては、ふと柳家喜多八さんのことを思い起こしたりもして心配したのだけれど、今回はすっかり快調の様子で何よりだった。
 師匠の八方さんを通り越して大師匠の可朝さんにも通じる無頼派の趣きのある方気さん(太遊さんには隠れ破滅派の傾きあり…)だが、40代、50代の方気さんが演じる『らくだ』をぜひ聴いてみたい。
 それこそ、笑いと軽さの中に虚無をためた凄味のある『らくだ』になりそうなので。
 元気で長生きも藝のうち。
 こちらも養生します。

 続いては、今宵も袴姿が見目麗しい八織さん。
 八織さんの描いたイラスト(八聖亭で開催される「月亭八方の午前落語」のチラシをご参照のほど)に触発されて最近絵を学び始めたという八方師匠の話題から、動物の話題を経て本題の『狸の賽』を演じる。
 恩返しにやって来た子狸に男が頼んだのは、博打のための賽ころに化けること。
 巧く化けおおせたぞと大喜びの男だったが…。
 というおなじみの噺。
 要所急所を押さえたテンポのよい口演で、子狸のかわいらしさが強く印象に残る。
 また声の通りの良さも八織さんならではだ。
 なお12月1日は、JR二条駅近くのフリッツKで二回目の落語会が予定されているとのことで、ご都合よろしい方はこちらのほうもぜひ!
 ちなみに、12月10日には八聖亭で方気さんの勉強会「ヤタケタ」も予定されているとのことで、こちらのほうもぜひ!
(先日、八織さんは月亭八斗さんとペアで日本センチュリー交響楽団とお仕事をされていたが、八織さんと男性の落語家さんでプロコフィエフの『ピーターと狼』なんかやったら面白そうだなあ)


 トリは、桂三幸さん。
 準備万端の三幸マクラを次々と披歴して、しっかりと笑いを取る。
 まずはこうこなくっちゃ。
 で、ほどよいところで新作の『遺産相続』に入る。
 亡き父の遺言書が兄弟のもとに届けられたのだけれど、これがなんとも一筋縄ではいかない代物で…。
 すでに、錦湯さんでは何度かかかった作品だが、兄弟ごとの遺言の中身が笑えるし、遺言書にまつわるちょっとした知識も巧みに盛り込まれていてありがたい。
 加えて、臨機応変のくすぐりも面白かった。
(あいにく京都は雨でスーパームーンを観ることはできなかったけれど)
 それと、遺言書の入った封筒のくたびれ具合が妙にリアルでおかしかったんだった。
 できればこれはしばらくそのままでいて欲しい。

 それから私服に着替えた方気さんと八織さんが再登場し、八方師匠や一門の話題についておしゃべりしているところへ、仰々しい音楽に乗ってサングラスをかけた苦み走ったいい男が登場=三幸さんという出オチ。
 で、しばらくおしゃべりを続けてたのち、大喜利が始まる。
 作家の桜井さん考案のお題に出演者の面々が挑むというもので、はじめ仕切りに専念していた三幸さんも解答をはじめ、途中からはお客の鬼瓦さん(って誰やそれ? わしじゃわしのことじゃ!)にもフリップが回るという錦湯劇場ならではの展開となった。

 と、今回も盛りだくさんで盛り上がった錦湯さんでした。
 毎回変化に富んだ「毎週月曜 錦湯劇場」へ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月08日

錦湯劇場 第5回 ラショウさんを迎えて

☆毎週月曜 錦湯劇場 第5回

 出演:月亭太遊さん、ラショウさん
(2016年11月7日20時開演/錦湯)


 見台の上にはマッキントッシュのノートパソコン、さらにはそれを取り囲むように高座の上には独特の表情と雰囲気をためた手造りの人形が居並ぶ。
 錦湯さんの硝子戸を開けると、いつもと違った光景がそこにはあった。
 と、言うのも5回目となる「毎週月曜 錦湯劇場」は、ゲストにパフォーマーでアーティストのラショウさんを迎えたからだ。
 ラショウさんといえば、ネオラクゴ・フロンティア時代からの長いお客さんであれば、あああの人かと思い出す向きもあるかもしれない。
 ライト商會2階のギャラリーで開催されたネオラクゴ・カルティベイトB「絆・インタラプト」(2015年3月28日)で、濃密な仮面舞踏を披露した方である。
 実は、ラショウさんは1983年に発表したボコスカウォーズで一躍脚光を浴び、その後設立したソフトハウス「イタチョコハウス」も未だに後続の人々に多大な影響を与え続けているゲーム界では知る人ぞ知る存在でもあるのだけれど、今回そのボコスカウォーズUが33年ぶりに発売されることを記念して再び月亭太遊さんとの共演が適ったのだという。
 スタートのトークでは、ラショウさんのコアなファンも加えたお客さんに向けて、太遊さんがまだ幼少の頃、ゲーム雑誌でラショウさんが企画したゲーム(結局発売はされなかった)に強く心を魅かれたことなど、今回の会に到るまでの経緯が熱く語られた。

 で、良い頃合いで、ラショウさんが登場しイタチョコ浄瑠璃(「墓古巣華魚〜洲」 イタ本=ギネス=ラショ卯と当初のツイートでは外題などが発表される)を演じる。
 先述したノートパソコンや3体の人形、そして高座代わりのテーブルの下に仕込んだオーディオシステムを駆使したモダン浄瑠璃とでも評することができるか。
 おなじみ「耳なし芳一」のお話を下敷きに、一人語りあり、歌ありと盛りだくさんの趣向。
 途中アドリブ的なくすぐりもふんだんに放り込んで笑いを生み出しつつ、ボコスカウォーズU、ばかりでなく、これまでのゲーム創りその他への様々な考え、意識、自問自答が折り込まれる、まさしくラショウさんのパーソナルな部分がしっかりと示されたパフォーマンスとなっていた。
 話が進むに連れて、人形の表情が徐々に変化しているように感じられたことも強く印象に残った。

 続いて太遊さんが登場し、一人芝居「独り世間 ハロウィン編」を披歴する。
 ときはハロウィン、舞台は学校、やおらジャージ姿の教員が口にしたのは…。
 ルーティンを含めたくすぐりが豊富でおまけにツイストも効いている、というのはネオラクゴとも共通した造りだけれど、高座に縛られない分、太遊さんはダイナミックな動きも見せており、それがまた笑いに繋がっていた。
 どうやらこの「独り世間」、これからシリーズ化しそうで今後の展開も愉しみである。

 三番目のプログラムは、太遊さんとラショウさんでボコスカ連獅子に挑む。
 連獅子といってもそこはこの二人、太遊さんは仮面のほかにタイツを転用した獅子の毛の部分を頭に被るという一種珍妙ないでたちで、ボコスカウォーズのテーマ音楽を流しながら踊りやラップに興じるという即興芸となっていた。
 最後は、お客さんともどもテーマ音楽を歌って大いに盛り上がった。

 最後は、ラショウさんと太遊さんのトーク。
 一転、ここではお客さんからの質問などにも応えながら、二人の表現、創作の核となる部分がたっぷり語られた。
 あえて詳細は省くけれど、ジャンルは違えど日々創作に勤しんでいる人間にとっては、非常に刺激的な内容だったとだけ記しておきたい。

 と、非常に密度の濃い回でした。
 これまでのような落語、ネオラクゴ、らぷご、漫才とともに多ジャンルのゲストを迎えていくという錦湯劇場に、皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月01日

錦湯劇場 第4回

☆毎週恒例 錦湯劇場 第4回

 出演:桂ぽんぽ娘さん、月亭太遊さん、桂文五郎さん
(2016年10月31日20時開演/錦湯)


 昨夜は10月末日。
 街はハロウィーンで盛り上がる人もちらほら。
 一方、錦湯さんといえば、そんな巷の風情はどこ吹く風、おなじみの常連さん方がいつもながらの装いで集まった。

 で、もしやそんなこともあろうかと、月亭太遊さんのMCで始まった冒頭のトークでは切り札の桂文五郎さんがかつての「工場長」時代の制服姿で登場し、仮装の気分を寸の間味わうことができた。
 トークのほうは、笑いを交えながらも落語家や落語会、落語について語った長丁場。
 太遊さんのここのところの考え方感じ方も垣間見えたのでは。

 もちろん、途中トリックオアトリートとお菓子を強請る子供も、王道をやれよと古典落語を強請るお客さんが現われることもなく、30分以上盛り上がったところで、桂ぽんぽ娘さんが高座へ上がる。
 ぽんぽ娘さんが演じたのは、ピンク落語の『イコカ娘』(表記はこれでよいのかな)。
 ありていにいえば、女性二人とある男性を巡る身も蓋もないお話だ。
 筋運びにくすぐり、さらにはサゲと遠慮会釈ない直球がこれでもかと繰り出される。
 ぽんぽ娘さんのプロテストというのか、まさしく攻めの姿勢がよく現われた作品に仕上がっていた。

 続いては、太遊さんが再登場。
 本来ならば、自作の「らぷご」4席を口演するはずだったのが魔が差した、もしくは間が刺した。
 ではなく、常連さんばかりというお客さんの状況など、その場の空気を敏感に感じ取ったのだろう(一つには、冒頭のトークでのあれこれが伏線になっていたのかもしれない)、「らぷご」ばかりでなく他のネオラクゴもあえて演じることなく、落語とは落語家とは落語会とは落語界とは、さらには錦湯さんでのこれまでの取り組みとはといったことどもをお客さんにも考えさせるような言葉を太遊さんは続けた。

 途中からは、ぽんぽ娘さんや文五郎さんも加わって、さらに核心に触れるトークになったのではないか。
 正直、ただただ笑っていることなどとうていできない内容だったけれど、ハロウィーンなんか比べ物にならない特別な時間になったこともやはり確かだ。
 いずれにしても、錦湯さんの会だからこその一夜となった。

 しかも来週は、ネオラクゴ・カルティベイトにも登場されたことのある仮面舞踏のらしょうさんが出演の予定で、これまた密度の濃い内容となる予感。
 予定調和なんてどうも、と思っている方にこそぜひともお越しいただければ!!
posted by figarok492na at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

錦湯劇場 第3回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第3回

 出演:月亭太遊さん、桂恩狸さん
(2016年10月24日20時開演/錦湯)


 スタートから3回目となる錦湯劇場は一転、これまで支配人(MCと仕切り)に徹してきた月亭太遊さんの4作品再演をメインに据えたネオラクゴnight。
 加えて、桂恩狸さんが自作と古典の二席を演じてOnly meぶりを発揮してもいた。

 定刻8時を少し過ぎて、ご新規さん、リピーターさん、常連さんで大盛況となったところで、太遊さんが登場。
 にっぽんばし道楽で先週土曜日の夜に開催された3をはじめ、過去3回の太遊のまつりについて振り返りつつ、今夜の趣向などを語って盛り上げる。

 で、ほどよいところで恩狸さんが高座へ上がり、桂三実さんとの二人でできるもんの第1回でネタおろしを果たした「喫茶鉄」を演じる。
 昼食をとろうと会社の先輩後輩が向かった先は、今話題の喫茶鉄なる店で…。
 といった展開で、いわゆる鉄ちゃん、鉄道ネタの作品だ。
 当然それにちなんだくすぐりもいろいろと盛り込まれているが、それより何よりおかしいのは恩狸さんの筋の運び方というか語り口。
 笑いの世界では牛刀をもって鶏を割くことになんの問題があるものか、と改めて強く感じた。

 続いて、着物に着換えた太遊さんが再登場。
 まず恩狸さんの「喫茶鉄」に触れてから、自らのネオラクゴについて説明を行い、本題の『くぐつぐつ傀儡軒』に入る。
 男が向かった先は、ロボットがラーメンをつくるという傀儡軒なるラーメン店で…。
 前回の錦湯劇場で、桂ちきんさんと笑福亭智丸さんが絶賛していた映画の『スティング』じゃないけど、ツイストツイストツイスト(捻り捻り捻り)が何度も効いた作品であり、すでに何度も接していながらそのツイストに大笑いしてしまった。
 なお、演じ終えたあとに裏読み可能性な作品であることの説明が太遊さんからあった。

 小休止ののち、太遊さんが演じたのは、『再教育テレビ』。
 深夜も深夜、ど深夜にテレビのザッピングを続けていた男が目にしたものは、「再教育テレビ」なる常軌を逸した番組で…。
 ぶっとんだキャラクターと展開が持ち味の、太遊さんならずとも「危険」だと思ってしまう作品である。
 が、その「危険」さがまたネオラクゴの妙味心髄。
 眠れる獅子は「再教育テレビ」を見よう。
 ネオラクゴを聴こう。

 太遊さんに代わって、再び恩狸さんが高座へ。
 所変れば品変わる、海に備えた閑所(便所)板を使って用を足す海辺の村の住人たちが大阪の宿に泊まったはよいが…。
 という、なんとも尾籠な古典の『閑所板』。
 ここにきてこれをかけるというのが、やはり恩狸さんのOnly meたる所以ではなかろうか。
 それにしても、中間の茶漬けを食うあたりは「えげつない」なあ(もちろん、誉め言葉でもある)。

 で、三度太遊さんが登場。
 ぜひ畏まったほかの落語会でも恩狸さんに『閑所板』をやって欲しいと笑わせる。
 さて、ネオラクゴ3作目は、『シガー&ラミー』。
 男の目の前に現われたのは、自称地縛霊のシガー&ラミー。
 てっきり自由を謳歌し尽くした二人だと思って、男は話に耳を傾けるが…。
 自由自由というけれど、あんたの自由はほんまもんの自由なんかいな?
 笑いながらも、そう自問せざるをえない作品である。
 さらば、シガー&ラミー。

 小休止を挟んだ最後は、『蝶よ、花よ』。
 舞台はとある島、蝶よ、花よと育てられた少女はアイドルを目指すが、実はこの少女、誰がどう見たって…。
 これもまたツイストツイストツイストが効いた作品。
 そして、こうやって4作品が並べばネオラクゴに脈々と流れるメッセージもわかろうというもの。
 大いに笑い、大いに身につまされた。

 ラストは太遊さんと恩狸さんのトークで幕となった。
 基本的には支配人に徹するという太遊さんだけれど、できれば今後もこういった機会を設けて欲しい。
 いずれにしても、ますますバラエティに富む錦湯劇場に皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月23日

喜っ先の間合いでの笑負 太遊のまつり3

☆にっぽんばし道楽 落語ライブvol.5『太遊のまつり3』

 出演:月亭太遊さん、桂恩狸さん、月亭遊真さん、B・プルートさん、NGさん
(2016年10月22日19時開演/にっぽんばし道楽)

 皮を斬らせて肉を斬れ、肉を斬らせて骨を斬れ、骨を斬らせて髄を斬れ、という柳生流の極意に適い、切先と肉体との間の距離、いわゆる宮本武蔵のいう太刀先の見切りを心得た文章の達人と誉めそやしつつ、そんな小林秀雄に対してあえて肉を斬らせて皮を斬り、骨を斬らせて肉を斬り、髄を斬らせて骨を斬る覚悟で我流の勝負に挑んだのは花田清輝だが…。
 なんて、いったいなんのこっちゃらと訝るむきはご容赦のほど。
 昨日、大阪まで足を運ぶ直前まで二十年近くの親友と久しぶりに小林秀雄のことなぞ語っていたため、勢い余って筆が滑ってしまった。
 わけじゃない。
 一つには、大阪日本橋はにっぽんばし道楽(中古DVD&CD店1階奥のライブスペース。実にインティメートな趣きの会場だ)で開催された『太遊のまつり3』の月亭太遊さんには、それこそ髄を斬らせて骨を斬る、八方破れ無手勝流もあえて辞さない巌流島に降り立った宮本武蔵もかくやと思わせる緊張感が窺えたからだ。
 むろんそこは必勝ならぬ必笑、寄らば斬るではなく寄らば笑わすの喜っ先の間合いでの笑負ゆえ、お客さんともども和やかな雰囲気を醸し出してもいたが、それでも1回目、2回目の錦湯劇場ではあえて「支配人」に徹した太遊さんの落語家芸人表現者としての本来の意志意欲が強く表されていたことも事実だろう。
(冒頭の部分は、『花田清輝評論集』<岩波文庫>所収の「太刀先の見切り」より。そういえば、太遊さんが敬愛する岡本太郎と花田清輝は親しい関係にあったんだった)

 開演時刻の19時を少し押したあたり、ムード満点の音楽とともにやおら太遊さんが登場。
 今回の会の趣旨を詳しく説いたスタートのトークと、マニフェストとでもいうべき影マイクのラップに続いては、ジャズを流しながらの『寿限無』を語る。
 が、ジャジーな掛け合いが続くかと思いきや、これは冒頭のみで高座を下りた。
 で、仕切り直しののち、稲川淳二風のマクラからネオラクゴの『幻影百貨店(マーヤーデパート』へ。
 細かいくすぐりもそうだけど、やはり全宇宙規模、形而上的な世界へも果敢に突き進む振り幅の広さがこの作品の魅力だと改めて思った。
 と、ここでトイレへどうぞと促す中入りへの影マイクラップあり。
 そう促されちゃしょうがないとおっとり刀でトイレへ向かった。
 さて中入り後は一転、古風な出囃子から太遊さんが高座に上がり、古典の『くっしゃみ講釈』を…。
 漫然とやるわけがない。
 突然、会場の後方からB・プルートさん&NGさんが乱入し、慌てて遊真さんも参戦、さらには司会の桂恩狸さんまで現われラップバトルが勃発するという韻土人じゃない印度人もトランプもびっくりの展開。
 即興感と八百長感丸出しだけれど、そこがまた面白い。
 太遊さんのラッパーぶりはもちろんのこと、太遊さんの無茶なふりに応えたB・プルートさん&NGさん(まさしく「飛び道具」)、遊真さん(ラップに挑戦!)、恩狸さん(××師匠の物真似に挑戦!どんなんかんなあ)の奮闘ぶりも強く印象に残った。
 そして最後は、再びネオラクゴの『ムーンパレス』。
 くすぐりのおかしさは言わずもがな、結構展開の妙も冴えていて大いに笑った。

 ラストのトークで反省の弁も出るなど、全てが意到りて口随うという具合にはいかなかったかもしれないが、ネオラクゴの真髄、太遊さんの心髄が十二分に発揮された会だったことも確かだ。
 ああ、面白かった!!

 ところで、こうやって太遊さんと向き合うお客さんはいる(今後、さらに増えていくはずだ)、恩狸さんや遊真さん、B・プルートさん&NGさんといった介添人もいる。
 あとは、ブレーン。
 ではないな、太遊さん本人が「ブレーン」と呼びたくなるような人なので。
 そうそう、今太遊さんに必要なのは宮本武蔵を巌流島まで運んだ船頭のような存在なのではないか。
 史実はひとまず置くとして、「もちょっとゆっくりいきましょうや」と佐々木小次郎との勝負を決する助言を何気なくしたのも、もしかしたらこの船頭さんだったのかもしれないから。
posted by figarok492na at 08:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月18日

錦湯劇場 第2回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第2回

 出演:桂ちきんさん、月亭方気さん、笑福亭智丸さん
 MC:月亭太遊さん
(2016年10月17日20時開演/錦湯)


 2回目となる昨夜の「毎週月曜 錦湯劇場」は、映画の日ならぬ映画の回。
 常連さんやリピーターさん、ご新規さんと揃ったお客さんも、もしかしたら早速お好みの映画を観てみたくなってしまったのでは。

 まずは、前回より支配人に徹するMCの月亭太遊さんのトークから。
 大江能楽堂で短篇喜劇映画の活動弁士に挑戦し見事ラップ弁士でクリアした顛末や、森達也監督の『A』、『A2』の鑑賞等、京都国際映画祭での出来事を語って盛り上げる。

 で、ほどよいところで笑福亭智丸さんが登場。
 太遊さんを受けて映画に関する話をマクラでしたのち、『色事根問』を演じる。
 ぼわんと遊んで暮らしている男、親しい男から一見え、二男、三金、四芸…と女性にもてる男性のありようを教えてもらうも、身形、顔、財力、芸力等々、どれ一つとっても当てはまるものはなく…。
 という、古典の噺だけれど、智丸さんは上方落語流儀の渋い語り口でテンポよく演じ上げた。
 それにしても、いつもながらこの噺は身につまされるなあ。

 続いては、桂ちきんさんが高座へ。
 錦湯さん初登場となるちきんさんは、山高帽にツケちょび髭といういでたちで、まさしくチャップリン風。
 西本願寺での京都国際映画祭の上映会の司会を務めたちきんさんだが、軽いご当地京都ネタのあと、自らの映画愛をたっぷりとマクラで語る。
 年間300本の鑑賞。
 その知識ももちろんだけど、何しろ映画に対する愛情が半端ない。
 しかも、それを面白馴染みやすく口にできるのだから、淀長さんこと淀川長治や朝のラジオのあの人の後継者もまんざら夢じゃないのでは。
 よしもとさん、ぜひお忘れなく。
 本題は、そんなちきんさんがどうしてお師匠の桂きん枝さんに入門したかに触れた私落語。
 チャップリンの短篇映画の如く、よい間尺の作品だった。

 トリは、お久しぶりの月亭方気さん。
 ちきんさんの映画好きぶりをわざとくさして、自分は『釣りバカ日誌』が好きだと宣言。
 近況報告(同病者としては気になるところ)を経て、金縛りにあったエピソードを披歴してから本題の『皿屋敷』に入る。
 もはやあらすじ不要のおなじみの古典で、方気さん話を巧みに刈り込みつつ、登場人物のやり取りの中に独自のアクセントを加えていく。
 「人気者」になったあとのお菊さんの変りっぷりも興味深くおかしかったが、方気さんの真骨頂はもしかしたら、代官の青山鉄山がお菊さんを嬲りいじり殺すあたりではないかと感じたりもした。

 せっかくちきんさんが来られているということもあり、後半は大喜利をお休みにして、太遊さんの仕切りによる映画にまつわるトーク。
 太遊さんから「智丸さんにぴったりの映画は?」と問われたちきんさん(お客さんから見て左端に陣取る)は、「忍者ハットリくんの犬(獅子丸)にそっくりやなあ!」と智丸さんをいじって笑いをとりつつも、質問に対しては真摯にフェデリコ・フェリーニの『道』を選択。
 さらに、『スティング』や、方気さん向けの『東京オリンピック』(市川崑監督)と、だてに年間300本ではない話が続く。
 と、ここでご新規のお客さんが来場、さらにちきんさんのトークに火がつく。
 木下惠介監督の『二十四の瞳』が自分の邦画ナンバーワンだが、ちきんさんのナンバーワンは?
 と訊かれて、(好きな映画があり過ぎて)ナンバーワンなんてなかなか絞れないけれど、『無責任』シリーズが大好き、でも、黒澤明監督の『生きる』も素晴らしいと口にし、『生きる』の要所急所を説明していく。
 志村喬演じる課長が「生き返る」シーンや、ラストの日守新一についてきちんと触れるなど、同じく『生きる』が大好きな人間としては、そうそうそこそこと嬉しくって仕方なかった。
 そして、いろいろ評価や評判はあるけど、まずはそんなものを気にせず、自分で映画を観て感じた点を大事にして欲しいという言葉には打たれたなあ。
 ちきんさん、ぜひまた映画の話もたっぷり聴かせてください。

 と、錦湯劇場という名前にふさわしい一夜でした。
 落語好きや映画好きはもちろん、そうでない方も毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月11日

錦湯劇場 第1回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第1回

 出演:桂三幸さん、林家染八さん、桂三実さん
 MC:月亭太遊さん
 大喜利出演:宇多川どどどさん、ふじいりさん
(2016年10月10日20時開演/錦湯)


 通算100回目を迎えた錦湯さんでの企画は、今回から「錦湯劇場」と名前も変わって新たなスタートを切った。
 昨夜は三連休最終日ということもあってか、ご新規さんやリピーターさんも多数集まって栄えある第1回に相応しい大盛況となった。

 まずは、新シーズンよりMCと大喜利の仕切り、加えて劇場の差配に徹する旨を表明した「支配人」月亭太遊さんが登場。
 新生錦湯劇場や、この間の近況、出演者の面々の紹介などで盛り上げる。

 で、客席がほどよく暖まったところで桂三実が高座へ。
 毎回何かが飛び出す三実さんだけれど、昨夜は突然ギネス(世界的記録)に挑戦しますと宣言し、30秒間アルシンドなっちゃうよと一心不乱に唱え続ける。
 その言葉のチョイスも含めて、やはりおかしい。
 さらに、ミュージックステーション風に今夜のネタを紹介してから演じたのは新作の『もしも』。
 もしもクレオパトラの鼻があと少し低かったら世界の歴史は変わっていただろう。
 なんて言葉があるけれど、こちらは仲の良い高校生二人組。
 「もしもなになにだったら」とあれこれ仮想することであら不思議、それこそ「面白くなき世を面白くするものは心なりけり」とばかり、つまらぬ授業もおもろ愉しくなっていく…。
 端正な語り口から繰り出される変化球的なくすぐりが三実さんらしい。
 サゲも含めて、笑いながらもじわじわっとあとを引く作品だった。

 続いて、林家染八さんが登場する。
 当代の林家小染さんのお弟子さんで、実は息子さんでもある染八さんだが、林家アルシンドですと三実さんを受けてから自己紹介にかかる。
 今回が錦湯さんへの初登場ということで、お客さんの雰囲気を十分に窺ってから入った本題は、『狼講釈』という珍しい噺。
 文無しで空腹となった旅の男、ようやと見つけた村は寺方と芸人ならば親切にするということで、ここは嘘も方便、講釈師であると自分の身分を偽るが…。
 噺の肝は、逃げ出した旅の男が狼に囲まれて講釈を口にする部分。
 難波戦記ではじまったものがそこは素人のあさましさ、次から次へと違う演目にずれていってしまう様が面白く、ちょっと筒井康隆風ですらある。
(てか、筒井康隆が講談や落語によく親しんでいたってことか。そういえば、鳶の巣文殊山をもじった鳶の巣文殊菩薩なんてフレーズもあったっけ)

 トリを務めたのは、おなじみ桂三幸さん。
 100回目は残念ながらお休みだった三幸さんだけれど、こうやって第1回の登場で第二のホームグラウンドへの借りは返した(?)。
 桂アルシンドですと前の二人を受けたり、入門前の染八さんとのいきさつをマクラで語ったりしたあと、本題へ。
 毎日五升の酒を呑み続ける滞在客にそろそろ宿賃を払ってはもらえまいかと切り出す宿の主人だったが、あいにくこの客は一文無し。
 ところがこの客ときたら、裏の竹藪の竹を使って細工物をこしらえるのでそれを売ればよいなどと言い出す始末…。
 といった展開の、『竹の水仙』だ。
 いわゆる左甚五郎モノで、基本は丹念に語りつつもやり取りの合間、ここぞというところでの感情表現というか、アクセントの付け方に笑わされる。

 最後は、恒例の大喜利。
 太遊さん仕切りの下、作家の桜井さんが考案したお題に出演者の面々が挑むというスタイルも健在だ。
 昨夜は三幸さん、染八さん、三実さんと大喜利猛者の宇多川どどどさんでスタートし、途中いてもたってもいられなくなったのだろう、客席からふじいりさんが参入した。
 三幸さん、三実さん、どどどさんのコンスタントな解答に触発されてか、染八さんも俄然闘志を燃やし始めたのも錦湯さんでの大喜利ならでは。
 そして、子を持って知る親の恩、ならぬ仕切りして知るプロの労(ネオキャクノセントラル)。
 太遊さんの仕切りの妙に改めて感じ入った次第。

 と、新装開店に相応しい落語三席に大喜利とバラエティに富んだ内容でした。
 今後さらなるパワーアップが予想される錦湯劇場へ、皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月04日

ネオ落語・セントラル 第50回(通算100回記念)

☆ネオ落語・セントラル 第50回(通算100回記念)

 出演(出演順):リトルサンパウロ、桂あおばさん、柳家花飛さん、月亭天使さん、林家けい木さん、センサールマン、桂ぽんぽ娘さん、桂文五郎さん、柳家かゑるさん、月亭太遊さん
(2016年10月3日20時開演/錦湯)


 前回のネオキャクノセントラルを演芸の極北と呼ぶならば、ネオ落語・セントラルの第50回目、フロンティア以来通算100回目、並びに錦湯さんでのネオラクゴ企画2周年を寿ぐ昨夜は上述の如き多彩な顔触れが結集し、まさしく演芸の王道中の王道、否、演芸の異端中の王道とでも呼ぶべきとても充実した内容となっていた。
 もちろん、老若男女お子さんから人生の先達の皆さん、ご新規さんにリピーターさん、常連さんが多数お越しになって補助席階段席に立ち見まで出る大盛況。
 記念すべき回に相応しい大入りのお客さんだった。

 まずは、この2年間、錦湯さんでの企画を牽引し続けてきた月亭太遊さんの前口上からスタート。

 で、一組目は東京からやって来た漫才のリトルサンパウロのお二人。
 客席から向かって右の湊(研雄)さんはどことなくミュージシャンというか役者さんといった顔立ちで、実は太遊さんも度々出演しているENGEIゆでたまごの開催地、埼玉県は川口市の喜楽湯のご主人でもある。
(お兄さんは、京都梅湯で有名な湊三次郎さん)
 一方、向かって左のカールさんは、ぽっちゃりした容姿に短く刈った頭というとっちゃん坊や風なタイプだ。
 ちなみに、二人は小学校以来の繋がりとのこと。
 一見好人物穏和そうなカールさんの狂気と生きにくそうさが炸裂するネタがおかしかった。

 二人目は、ちょっとお久しぶりのおなじみ桂あおばさん。
 ここ数ヶ月の近況を面白くまとめたマクラや軽めのネタで笑いを生んでいた。

 ここで再び太遊さんが登場して出演者の簡単な説明を行ったのち、これまた東京(ENGEIゆでたまご)勢の柳家花飛さんが高座へ。
 花に飛ぶと書いて「かっとび」と呼ぶ花飛さんは、柳家花緑さんのお弟子さん。
 師匠をしくじったマクラからして、独特のフラが面白い。
 落し物の大金を拾った男性の前に天使と悪魔が登場して、さらにその後…、という展開の本題『走れ正直者』でも、そのフラは全開。
 どこか不器用そうな語り口と絶妙な間合いで、大いに受けを取っていた。
 そうそう、花飛さんはtwitterがまた面白いそうで、皆さんもぜひフォローされてみては。

 続いては、おなじみ月亭天使さん。
 今回はあえて落語はパスして、ネオ落語サンガサルで披露した愛器の笛を用いた歌ネタ王用のネタ、コント『厳しい時代を生きぬく為の笛』をお客さんにぶつける。
 モーツァルトの『魔笛』じゃないけれど、絶体絶命の危機に陥った女性が笛を吹くとああら不思議、たちどころに救いの主が現われて…。
 といったいたってシンプルな筋運び、その実、相当ぶっ飛んだネタに仕上がっていた。
 天使さんの特性滑稽さがよく出ていて、いやあ笑った。

 五人目は、先々週登場したばかりの林家けい木さんが再登場。
 前回の関西訪問時のエピソードをマクラで語り、さらに古典か新作かどちらがよろしいですかというお客さんへのアンケートの結果、『新粗忽長屋』を口演した。
 オレオレ詐欺のグループがとある家へと電話をかけたところ、ここの父親がまんまとひっかかってくれた、しめしめ。
 と、思っていたら、なんだか雲行きが怪しくなってきて…。
 『新粗忽長屋』という題名が万事を示した作品で、けい木さんは筋運び、登場人物の描き分けともにきっちりと決めて笑いどころをしっかり押さえていた。
 次回はぜひまた古典のほうを拝聴できれば。

 中入り代わりの、太遊さん、サンパウロのお二人(湊さんは明日の喜楽湯の営業のため、これから夜行バスで戻る由)、花飛さんのトークを挟んで、センサールマンのお二人が登場。
 テレビの30秒のネタ見せに持って行ったネタ二連発のあと、漫才のネタに入る。
 十八番の読み聞かせシリーズのうち、今回は金太郎。
 格闘技の実況中継風の金太郎で、客席から向かって左手の愛植男さんの美声芸達者ぶりが見もの聴きもの。
 向かって右側の山崎仕事人も見事な受けに、細かいくすぐりで負けじと愛さんに対していた。
 いやあ、面白い。

 桂ぽんぽ娘さんは、たとい一番前の列にアンダー15と思しき男の子たちが座ろうと、ピンク落語の『ブスの品格』を演じ切った。
 セックスに関するストレートな言葉もどんどん飛び出す直球勝負の作品だが、これを単純な下ネタ猥談だと侮ってもらっちゃあ困る。
 いや、当然ストレートな言葉、直球勝負が大きな笑いに繋がっているのだけれど、それでいて、というかだからこそ至極真っ当な内容ともなっているのだ。
 まさしく、題名の「品格」もだてじゃない。
 ぽんぽ娘さんのピンク落語、大いに買いである。

 そんなぽんぽ娘さんの疾風怒濤が吹き荒れたあとに登場したのは、桂文五郎さん。
 あほな男が教えてもらった誉め言葉を書いた紙を手にして普請を誉めに行ったはよいが…。
 という古典の『普請ほめ』を丹念に語って、しかと空気を変える。
 途中のアクシデントも見事に笑いに持って行くあたり、流石は桂文珍さんのお弟子さん、日々の研鑚を観る想いがした。
 なお、サゲは牛をほめない形。

 太遊さんと東京の懸け橋でもある柳家かゑるさんは、もう錦湯さんでもおなじみ。
 記念すべき今回は、太遊さんとの出会いともなった太遊さんのネオラクゴ『たまげほう(東)』を満を持して演じた。
 こうやってかゑるさんが演じることでもともとのくすぐりの豊富さと確かさ、作品の肝が改めて確認されるとともに、肝の部分への熱のこめようや「たまげほう」の演じよう等々から、かゑるさんの特性魅力も浮き彫りとなっていて、実に新鮮だった。
 かゑるさんには、またぜひ別のネオラクゴにも挑戦していってもらいたい。

 トリは、太遊さんのネオラクゴのネタおろし(降臨)『ヘゲモニーランド』。
 さびれるばかりのあの場所に、なんとテーマパークのテーマランドが開設される、やれ嬉しあな嬉し。
 と、思いきや…。
 ネオラクゴの集大成、総決算と評しても過言ではない、含みの多い作品。
 これまでのネオラクゴに通底する「テーマ」が如実に示されており、笑いつついろいろと考えさせられた。
 だじゃれのサゲかと思わせておいて…。
 というラストも、記念の回らしかった。

 最後は、告知なども含むトークで〆た。
 約2時間半の長丁場、ひと際盛りだくさんな回でした。
 ああ、面白かった!!

 そして、三年目となる来週からは名前も「毎週月曜 錦湯劇場」と改めて、錦湯さんでの会の装いが新たになります。
 太遊さんは「支配人」としてMC等、積極的にプロデューサー的な役割を務めるとのことで、落語のほか、様々なジャンルに枠を拡げていく予定だそうです。
 月曜20時は、錦湯さんにぜひ!!
posted by figarok492na at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月27日

ネオ落語・セントラル 第49回(ネオキャクノセントラル)

☆ネオ落語・セントラル 第49回(ネオキャクノセントラル)

 出演:バッテンなかちゃんさん、道楽亭くりりん君
 大喜利出演:宇多川どどどさん、棚卸し代行ハウスさん
(2016年9月27日20時開演/錦湯)


 2014年10月のネオラクゴ・フロンティアのスタートから通算99回目(てことは、次回は栄えある100回目!)を迎えたネオ落語・フロンティアは、演芸の極北というか、これまでの総決算集大成というか、遂に来るところまで来た内容。
 と、言うのも、月亭太遊さんは埼玉県川口市は喜楽湯さんで開催されるENGEIゆでたまご出演のため二週続けてのお休み。
 に、加えて、芸人さんも一切いない。
 つまりは、プロの方が一切存在しないという緊急事態。
 結果、太遊さんの呼びかけに応じてネオ落語・セントラルの常連さんが総合司会を務め、落語を演じ、はては大喜利を仕切って解答する、題して「ネオキャクノセントラル」なる無謀っちゃ無謀、ある意味ネオの中のネオとでも呼ぶべき稀有な回となった。
(正直、今回は感想が書きにくいんだよね。なんだか落語の『刀屋』みたいになって。以下、私小説ならぬ「私感想」とでも思し召せ)

 すでに「ネオキャクノセントラル」(芸人さんがいない)とツイートされていたにもかかわらず、コアな常連さんが集ったということもあり、20時を少しおしたあたりで会が始まる。
 まずは、バッテンなかちゃん(九州弁の「ばってん」と「×点」がかかっているらしい)なる九州出身の物真似素人芸人が登場。
 どうやらこの人物は錦湯さんでの会の進行をよく心得ているようで、お客さん相手に太遊さん不在の理由などを説明していく。
 素人ゆえ拙いべしゃりではあるが、そこはご勘弁のほど。
 そうそう、ある常連さんに指摘されたけど、あの首が開いたピロピロのTシャツ(ピロT)だけはいただけない。
 あれじゃあ、「着れるゴミ」(by常連さん)だよ。
(当人が言うに、物真似もやるつもりだったが、若いお客さんの前で中村伸郎や花沢徳衛、田中明夫、高木均、三谷昇がネタではきょとんするだろうからとパスしたそう)

 で、そこそこ時間を稼いだところで、道楽亭くりりん君が高座に上がる。
 道楽亭くりりん君は、くりりんの名でこれまで大喜利に出演してきたけれど、実は京都大学落研のベテランさん。
 マクラで今回高座に上がるに到った理由なども話してから本題の『たがや』へ。
 さすがはベテランだけあって、所作が様になっている。
 そして、楷書の語り口と通る声質でおなじみの古典(新しくネタにしたものだそう)を演じ切った。

 と、今度は何をとち狂ったのか、三憂(!)亭凡馬なる人物が高座へ。
 曰く、自分は昭和の大名人の破門弟子を称した老人に数年間落語を習った人物である(ここら辺はあとでややこしくなりそうなので、カット)、まあ25年近く高座に上がっていないので、上下等所作の見苦しさはお許しをとマクラで言い訳をしたのち、本題へ。
 錦湯さんでは、月亭遊真さんが巧みに口演したことのある古典の『子ほめ』。
 細かい今様のくすぐりはありつつも、どちらかというと古い東京のスタイル(文楽系統?)の筋運びだなと思っていると、赤ん坊を誉める(言葉を間違える)段になって大脱線。
 この凡馬さん、なんと『遠山の金さん』の裁きの場をまるまる挿入してしまったのである。
 これじゃあ、トウシロウのキンシロウだ。
 しかも、「このお子さんお幾つになられた」「七日の宮参りが終わったばっかりだ」「えっ、初七日が終わったばっかり、どうりで生まれたようには見えなかった」とサゲも不謹慎極まる。
 ネオっちゃネオだけどの一場。

 さらに会は続く。
 セントラルでは欠かせない大喜利のコーナーも迷わず決行。
 作家の桜井さん考案のお題に対して、再登場のバッテンなかちゃん仕切りの下、大喜利出演の宇多川どどどさん、棚卸し代行ハウスさん、くりりん君が解答していった。
 くりりん君も含めて、流石は大喜利猛者たちだけあって、場繋ぎなども含めてコンスタントに解答を重ねていく。
 昨夜は、バッテンさんが誘い水を向けたせいもあってか、どどどさんが下ネタなどもかまして攻めに攻める。
 一方、棚卸し代行ハウスさんは論理性にも富んだくせ球を放って来る。
 また、くりりん君は中継ぎでホールドを稼いだ。
 そんな三人に対してバッテンさんはいささか独裁傾向さえある仕切りで、ネオ落語でおなじみの「正解」に加え、勝手なポイントまで付加。
 それでも大喜利界隈の情報を聴き出したりした点は、これまでにあまりない収穫だったのでは。
 結局、どどどさんがポイント3点(+MVP、並びに大喜利界隈の長門勇称号授与)、棚卸し代行ハウスさんが2・5点(+大喜利の哲人称号授与)、くりりん君が2点(+ホールド賞)、お客さんで解答した北川景子改め京塚昌子改め豊洲には引っ越ししたくない人さんが1・5点(+来週は美味しいものを持ってきて賞)、シェンロンさんがマイナス50点(+今度は落語をやりま賞)を獲得した。

 最後は、バッテンさんが大喜利出演の面々やくりりん君、そして何よりお客さんへの心からのお礼と太遊さんに代わっての心からのお詫びの言葉で〆て、狂乱の一夜は幕となった。

 と、本当に本当に何が飛び出すかわからないネオ落語・セントラル。
 次回は100回目ということで、必ずやプロの面々が大集合することでしょう。
 毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんにぜひ。
 ああ、疲れた!!
posted by figarok492na at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月20日

ネオ落語・セントラル 第48回

☆ネオ落語・セントラル 第48回(月亭天使のネオ落語・セントラル)

 出演:桂三幸さん、林家けい木さん、月亭天使さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、あふろだんぺ〜さん、虎猫さん、ぷるーとさん
(2016年9月19日20時開演/錦湯)


 三連休最後の夜、しかもあいにくのお天気にもかかわらず、昨夜もご新規さん、リピーターさん、常連さんと錦湯さんがなかなかの入りで、まずは重畳重畳。
 48回目となるネオ落語・セントラルは月亭太遊さんはお休みで、「月亭天使のネオ落語・セントラル」のサブタイトルの下(って、これいいんですよね?)、三週連続となる桂三幸さん、東京からの林家けい木さん、そして天使さんの三人が顔を揃えた。
 前々回の轍は踏むまいぞ(?)、スタートのトークからオン・モード。
 初登場のけい木さんの紹介も兼ねた東西楽屋エピソードなどで盛り上げる。

 で、ほどよいところで三幸さんが高座へ。
(ちなみに今回はじゃんけんに負けた順で高座に上がるという趣向)
 師匠文枝(三枝)さんの新作『読書の時間』をかける。
 愛読書の『竜馬がゆく』がない!
 と慌てる夫に向かって、それなら息子が学校の読書の時間に持って行ったんじゃないのかと妻が応える。
 ますます慌てふためく夫。
 と、言うのも実はその本は…。
 すれ違いのおかしさに細かいくすぐり、さらには文藝趣味と文枝さんらしい作品だが、三幸さんはメリハリの効いた表現で大きな笑いを生んでいた。

 続いて、天使さんが登場。
 先日開催されたNHK新人落語大賞予選で挑んだ『初天神』を演じた。
 天使さんの『初天神』ならばすでに何度か接したことがあって、子供のにくかわいらしさの表現が強く印象に残っているのだけれど、今回は予選用に笑いのエッセンスをぎゅぎゅっと凝縮したバージョン。
 テンポのよい筋運びに、天使さん流のアレンジも加わっておかしかった。

 トリは、けい木さんが務める。
 錦湯さんではおなじみとなった柳家かゑるさんらとの埼玉県川口市は喜楽湯でのENGEIゆでたまごを皮切りに、渋谷のHMVの落語会などでの太遊さんとの縁でネオ落語・セントラル出演となったけい木さんは、林家木久扇(前の木久蔵)師匠のお弟子さん。
 2010年の入門(ということは、天使さんや太遊さんと同期)で、昨年二ツ目となった東京の若手落語家の注目株の一人だ。
 まずは、じゃんけんで三人のお客さんに持参の手拭(木久扇師匠の絵柄)をプレゼントするという大盤振る舞いだったが、なんといの一番で勝ってしまった。
 もちろん常連中の常連ということでのいんちきなど全くなし。
 けい木さん、ありがとうございます!
 で、マクラで大阪でのエピソード(後学のために飛田新地をのぞいた話など)を語ってから、本題の『磯の鮑』に入る。
 遊んで儲けるほうはないかと尋ねる与太郎、ならば女郎買いの師匠のところに行けと隣町の梅村老人を紹介されるが…。
 確か、けい木さんにとっては大師匠にあたる先代の正蔵(彦六)もかけていたはずだ。
 関西で演じられる機会が少ないということで選ばれたいわゆる廓噺だが、艶っぽさよりも与太郎のとんちんかんぶりが際立つ展開となっている。
 マクラから本題の初っ端辺りでは客席の様子をうかがっていたけい木さんだけれど、話が転がるところで俄然エンジンがかかって与太郎が暴走し始める。
 今風今様のアレンジも効果的で、大いに愉しめた。
 今のところなかなか京都に来る機会はないだろうけれど、ぜひまたけい木さんの高座に接したいものだ。
(『笑点』では馬鹿を演じている木久扇師匠だが、実はとびきりの才人の一人。手拭の絵柄もそうだけど、けい木さんの高座にもそのことの一端を感じたりした)

 最後は、定番の大喜利を決行。
 天使さん仕切りの下、三幸さん、けい木さん、貯蓄アンドザシティさん、あふろだんぺ〜さん、虎猫さん、ぷるーとさんが作家の桜井さん考案のお題に答えていく。
 三幸さんのコンスタントな解答ぶりはすでに承知しているところだが、けい木さんもがちの即興大喜利に真っ向勝負。
 随所で「江戸前の風」(by天使さん。もとは談志家元の表現)を吹かせた。
 一方、ゲスト連も一人一殺ならぬ一答必笑の構えで、さすがは大喜利猛者連よと感心する。
 あと、天使さんの仕切りには独特のフラがあってなんとも言えずおかしかった。

 と、またまた盛りだくさんの回でした。
 ときに江戸前の風も吹くネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月13日

ネオ落語・セントラル 第47回

☆ネオ落語・セントラル 第47回

 出演:桂三幸さん、桂三四郎さん、月亭八斗さん、月亭太遊さんほか
(2016年9月12日20時開演/錦湯)


 9月半ば近くとはいえ、なかなか涼しくなりきらない京この頃。
 昨日など、湿度が高い分蒸し暑さが増して、寝苦しかった方も少なくなかったのではないだろうか。
 そんな中、錦湯さんでは笑いにつぐ笑いが巻き起こって、ご新規さん、リピーターさん、常連さんと満遍なく集ったお客さんたちも爽快な夜を過ごしていた。
 47回目となるネオ落語・セントラルは、二週続けての桂三幸さんにお久しぶりの桂三四郎さん、月亭八斗さん、そして月亭太遊さんらが出演する豪華なラインナップ。
 って、実はまもなく開催される今年のNHK新人落語大賞の調整という意味合いもあることは始まりのトークで触れられていたけれど、そうした「試金石」足り得ているのもまた、もうすぐ100回目を迎える錦湯さんでの会の積み重ねの大きさの証明であるように思ったりもした。

 で、三幸さん、三四郎さん、太遊さんの軽快なトークでさっと盛り上がって会はスタート。
(そうそう、途中三四郎さんより突然の「おいしい」ジャブあり。6月で卒業されたMBSのヤンタンでのやり取りじゃないけれど、内心しめしめと思う)

 まずは、特別な趣向があって冒頭からたっぷりとわく。
 喩えていえば、しっかり縫製された上で、仕立てのちょっとしたところや柄の中にモダンなアクセントが加わっている粋な着物に触れたような得難い時間だった。

 続いて、八斗さんが登場。
 秋田で大活躍中の桂三河さんの不在を埋めて、ここのところ存在感がいや増しに増している八斗さんだが、お客さんにネタの選択のアンケートをとってから本題の『転宅』へ。
 妾宅に入り込んだ泥棒、お膳に並んだ料理や酒を飲み食いしているところで愛人と鉢合わせ、すごんでみせたはよかったが…。
 と、泥棒の間抜けな姿を描いた古典だけれど、前回登場の際の『紙入れ』同様、まずもって女性の演じ具合が印象に残る。
 一昨日のNHK・FMの『トーキング ウィズ 松尾堂』で日本舞踊の山村友五郎さんが「(舞台上の)女性っていうのは、そのままやっても女性には見えない」「一つ一つの仕草を強調してやらないと」といった趣旨の言葉を口にしていたが、目の前の八斗さんに、ああ、なるほどと思わず首肯した。
 もちろん、泥棒とのやり取り、話の運び具合も丹念でしっかり笑いを生んでいた。
(ちなみに、以下必ずしもNHKのコンクールでかけるネタとは限らないので、その点ご留意のほど)

 三四郎さんは、以前錦湯さんで演じた『全くの逆』を披露。
 くすぐり、展開ともにバージョンアップしていて、フィーバーフィーバー大フィーバー。
 言葉遊び、というよりも、もはや言葉実験、思考実験とでも呼びたくなるような目のつけどころの妙は言うまでもないが、登場人物の口調の変化も「ルーティン」となっており実におかしく面白い。
 東京での三四郎さんの研鑚の様が目に浮かぶようだった。

 さすがは第二のホームグラウンド、三幸さんはそんな嵐のあとも泰然自若。
 三四郎さんに突っ込まれていたゴルフの話をマクラで語り、お客さんを自分の世界に引き込む。
 これまた錦湯さんでかけたことのある『宇宙への道』を口演した。
 タイでの仕事で年に一度しか帰国することのできないお父さん、一年ごとに息子が将来の夢を書いた作文に目を通すが…。
 まさしく「ルーティン」が物を言う作品で、その積み重ねが笑いに繋がっていく。
 それとともに、サゲのあたりで、やはり三幸さんは文枝(三枝)さんのお弟子さんなんだと改めて感じさせられた。

 トリは、太遊さんの『幻影百貨店(マーヤーデパート)』。
 俺の胃袋は宇宙だ、と叫んだ人がいたけれど。
 太遊さんのネオラクゴは宇宙だ?
 二週連続で耳にしたが、ブルーエゴナクの『ラッパーRapper』を観たあとだけに、太遊さんの攻めどころのあり様、拡がりを再確認することができた。

 最後は、作家の桜井さん考案のお題に皆が挑む大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、三幸さん、三四郎さん、八斗さんがコンスタントに解答を出し続け、軽快に〆た。

 と、今夜はたっぷり落語を愉しんだ回でした。
 毎週盛りだくさんのネオ落語・セントラルへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月06日

ネオ落語・セントラル 第46回

☆ネオ落語・セントラル 第46回

 出演:桂三幸さん、月亭天使さん、月亭太遊さん
(2016年9月5日20時開演/錦湯)


 まだまだ暑さは残るものの、夜になればあちらこちらから虫の音が。
 そんな秋の気配をひしひしと感じる今日この頃。
 昨夜は降るか降らぬか微妙なお天気だったが、それでも錦湯さんには常連さんやリピーターさんが集まった。
 46回目となる今回のネオ落語・セントラルは、月亭太遊さんがブルーエゴナク『ラッパー』(9月9日〜11日、アトリエ劇研/前売2500円、同24歳以下2000円)の稽古のため途中参加ということで、約二ヶ月ぶりの登場となる桂三幸さん、二週続けての登場となる月亭天使さんのトークから。
 いずれも勝手知ったる他人のわが家、ならぬ第二のホームグラウンド。
 暴れはっちゃくしゃかりきコロンブスと大はしゃぎして無駄に空回りするようなことは一切なく、あれこれくすぐりを交えながらゆったりまったりとおしゃべりを続ける。
 途中、冷房が入らないなどで一騒動もあったりしつつ、あらおかしとなごんでいるところで太遊さんが参上。
 なんやこの状態は!
 と一気にオンモードに。
 稽古の具合や、先日無事終了した彦八まつりなどについて語り、結局1時間のロングトークとなった。

 で、天使さんが高座へ。
 マクラで身近な人の知ったかぶり具合にふれてから、『平の陰』(手紙無筆、無筆の手紙)に入る。
 文字の読めない男、知り合いのところへと足を運び、届いた手紙を読んでもらおうとしたのだが、実はこの知り合いも…。
 立場の逆転というか、会話を重ねていく中で知り合いのほうがどんどんどんどん追い込まれていく滑稽な様が肝のお話。
 天使さんはテンポよく筋を運んでいって、要所要所で笑いを生んでいた。

 続いては、三幸さん。
 時間もあってか、マクラはこの間の近況を語るなど比較的短めで。
 本題は、師匠の文枝さん(三枝さん)作の『宿題』。
(ちなみに、三幸さんが出したアイデアも一部取り入れられているとのこと)
 会社帰りのお父さん、息子が塾の算数の宿題を教えて欲しいと言ってきたのだけれど、この問題というのがなんともややこしいもので…。
 確かに算数の文章題って、そんなんありえへんやんと突っ込みを入れたくなるような設定が多々あるのだが、ここでは「つるかめ算」などの問題を巧く取り入れて、くすぐりの豊富な作品に仕上げている。
 強弱のメリハリが効いた三幸さんの口演もあり、笑いどころがはっきりとわかって大いに愉しめた。

 トリの太遊さんは、ネオラクゴの旧作『幻影百貨店(マーヤーデパート)』を演じた。
 『オドロキモノノキ』の題でネタおろしした神戸・オルビスホールでの「オルビスの悲劇」をマクラで語ったのち、本題に。
 その人にあった衣服を選んでくれるという特別な試着室を見つけ出してきて、と無理やり友だちに頼まれた女性は、神戸のとあるデパートに足を踏み入れたのだが…。
 次から次へと繰り出す突拍子もない人物や状況がどうにもおかしい作品。
 中でも、言葉のチョイスというか、形而上的(?)な設定が太遊さんらしい。
 それにしても、こうやってネオラクゴを改めて聴くというのもやはり面白い。
 かつてのカルティベイトではないけれど、ネオラクゴの旧作をまとめて聴く機会があればと思った。

 最後は、ちょこっと大喜利。
 天使さんが仕切りで、作家の桜井さん考案のお題に三幸さん、太遊さんが解答していくというもの。
 先週の「大喜利ワークショップ」での太遊さんの解説にも触れながら、天使さんはお題を読んでいく。
 コンスタントに応える三幸さんと、熟考する太遊さんの対比もおかしかった。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 まもなく通算100回目。
 月曜20時は、毎週何が飛び出すかわからない錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月30日

ネオ落語・セントラル 第45回

☆ネオ落語・セントラル 第45回

 出演:月亭天使さん、月亭太遊さん
(2016年8月29日20時開演/錦湯)


 台風10号の影響で強い雨が降り続けた京都だったが、そんなお天気のせいか、45回目となる昨夜のネオ落語・セントラルは、久方ぶりに常連さんだけが集まる会となった。
 出演は、これまたフロンティアの頃からおなじみの月亭天使さんと月亭太遊さん。
 ということで、スタートのトークも月亭一門の話題(天使さんよりお土産のお菓子、炭酸煎餅のご下賜あり)やお互いの近況などをどこかラジオ番組風に掛け合う、約30分の長丁場。
 これもまたよきかな。

 で、ほどよいところで太遊さんが前口上風に仕切り直し、天使さんが高座へ。
 まずはマクラ代わりに、天使さんが熱心に取り組んでいる宝塚落語の様子を、メンバーである落語家さんの素の写真を交えつつ紹介する。
 いずれも本気の本息で舞台に上がっていることは言うまでもないのだが、そこはいずれもプロの噺家芸人さんたち、ひと癖もふた癖も、ならぬひとフラもふたフラもあっておかしい。
 と、ひとしきり語ったあとの本題は『七段目』。
 芝居噺ということできちんと繋がっている。
 今日も今日とて芝居ぐるいの若だんさん。
 だんさんに叱られて二階へ上がったまではよかったが、上がれば上がったで芝居の真似ごとに血道を上げる。
 ついには丁稚の定吉も加わって、忠臣蔵の七段目を真似だした…。
 といった具合のおなじみのお話である。
 天使さんは、古典の骨法にしっかりと則った楷書の語り口で、筋の運びがよくわかる。
 また、若だんさんと丁稚のやり取りには、天使さんのお芝居の心得が活かされていたように感じた。
 中でも、女性の天使さんが男の子の定吉を演じ、その定吉がまた女形のお軽を真似るというあたりなど、それこそマクラ代わりの宝塚の話にも通じていて興味深くおかしかった。
 なお、ハメ物の三味線はいつもの香取光さんだったが、ツケ(噺の山場で音を立てる)はお客さんの神龍・シェンロンさんが小拍子と見台で見事にやりおおせた。
 これまたネオ落語・セントラルならではの一幕だった。

 続いて、太遊さんが登場する。
 出演のブルーエゴナクの『ラッパー』(穴迫信一君作・演出/9月8日〜11日、アトリエ劇研。前売2500円、24歳以下は2000円)の本番が迫っているということで、そちらに専念するためあえてネオラクゴの新作はパスし、笑いを交えながら「らぷご」(ラップ落語)の流れについて改めて説明を行った。
 そうそう、この一連のシリーズって『スペクタクルボーイ』の中にアマリリクが登場したことから始まったんだよなあ。
 あれからもう七ヶ月が経ったのか!

 最後は、定番の大喜利。
 が、今夜はお客さんが常連さんだけということで、なんと太遊さんによるほぼ全員参加のワークショップ・スタイルとなる。
(なので、今回だけ禁を破ってこちらも作家の桜井さん考案のお題に挑んでみた次第)
 太遊さんは「何をどう答えれば、どう面白くなるか」という大喜利の方程式の解説をきちっと行いつつ、巧みな仕切りを披歴した。
 と、ここで、穴迫君をはじめとした先述のブルーエゴナク勢が稽古を終えて来襲。
 早速穴迫君も参加して、その舞台同様な面白い解答を繰り返した。

 終了後の交流会では、錦湯サイファー、フリースタイルの火花が散る。
 太遊さんや出演者の楳山蓮君(うめっち)、鈴木晴海さんなどなど、思い思いに想いのたけをぶつけてますます盛り上がった。
 ちなみに、穴迫君はもともとラップをやっていて、それから芝居を始めたとのこと。
 穴迫君がラップに正面から向き合ってみた『ラッパー』、実に愉しみだ。

 と、月曜20時は、雨が降ろうが槍が降ろうが面白いことに変わりのないネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月24日

笑福亭笑利独演会「独利-HITORI-」

☆笑福亭笑利独演会「独利-HITORI-」

 出演:笑福亭笑利さん
(2016年8月23日19時開演/恵文社一乗寺店COTTAGE)


 京都大阪で開催される笑福亭笑利さんの独演会「独利-HITORI-」のうち、京都の会のほうに足を運んだ。
 会場は、叡電一乗寺駅近くにある書店兼雑貨店の恵文社一乗寺店内のアートスペースCOTTAGEで、狭すぎず広すぎずのほどよい空間に高座が組まれていた。
 お客さんも40人ほどで満員の大盛況。
 笑利さんが日頃から親しくされているらしい若い世代の人たちに、ネオ落語・セントラルでもお見かけする人たち、そしてご年配の人たちと幅広い層のお客さんが集まっていたのだけれど、いずれの方々からも笑利さんを応援しようとする暖かい空気を感じることができた。
 と、言っても身びいき内輪受けの嘘臭い笑いとは全く無縁。
 笑利さんの笑いの仕掛けに敏感に反応するノリのよいお客さんたちで、実に心地がよい。
 また、例えばネオ落語・セントラルでの笑利さんといえば、笑いのために前へ前へ攻めていく姿勢が印象深いが、今夜は、笑いへのあくなき貪欲さはそのままに、前口上代わりのトークやマクラを含めた自作三席を通して自らの笑いや落語への想いがしっかりと語られており、まさしく「ひとり(一人、独り)」に相応しい内容となっていた。

 まず、今回の独演会のことや落語家としての自分自身について語って沸かせたところで、一席目の『鯉つかみ』へ。
 旅の途中、ある村へ滞在することになった侍と遊び人らしき男の二人連れ。
 と、遊び人らしき男のほうがひょんなことから女に誘われて、夜な夜な大魚湖(おおうおこ)なる村の大きな湖へと遊びに出かける。
 ところが、この大魚湖には…。
 という展開の、もはや笑利さんにとっては十八番といってもいい作品だ。
 肝はもちろん、市川染五郎の歌舞伎に影響されてつくったという鯉と侍の決闘の場。
 ここでは、お師匠の鶴笑さんへの敬意の念もよく示されている。
 錦湯さんでのネタおろしを皮切りに、笑利さんの『鯉つかみ』を観るのはこれで三度目だが、回を重ねるごとに、練りが必要な場所はきちんと練り上がり、逆に即興性が必要な箇所ではさらに即興性に富むといった具合に、面白さがどんどん増してきた。
 これからも笑利さんの『鯉つかみ』を愉しみにしていきたい。

 続いて、お師匠さん、そして笑福亭一門に入門したからこそ、自分自身の落語があるといったことをマクラで述べたのち、『千鳥の香炉』に入る。
 舞台は安土桃山時代末、太閤秀吉が朝鮮征伐に血道を上げ始めた頃。
 大泥棒の石川五右衛門は、ある人物の依頼を受けて伏見のお城まで千鳥の香炉を盗みに行くが…。
 と、時代劇好きの笑利さんらしいストーリー展開だが、史実に囚われることなく巧い具合に今様の崩しが入っているし、それより何より、登場人物のぎりぎりすれすれなキャラクターがとってもおかしい。
 いやあ、笑った。

 休憩を挟んだ三席目、世阿弥の言葉を引いたりしつつ今夜のお客さんへの深い感謝の気持ち(「ひとりはひとりにして成らず」)を表してから、河童と少年のひと夏の想い出を描いた新作を演じる。
 夏休み、田舎の祖父母のもとへ遊びに来た少年は本物の河童と出会う。
 祖母の言葉と違って河童はとても親切だったが…。
 夏の終わりに相応しい筋立ての作品で、大きな笑いを交えながら少年と河童の心の通い合いが語られていく。
 もちろんそこは笑利さんだけに、ちょっとした苦味があるというか、ただただ「いいお話」では終わっていないけれど。
 加えて少年と河童の姿に、笑利さんなりの線の引き方、筋の通し方を観(識)る思いもした。

 と、笑福亭笑利というひとりの落語家の今を存分に愉しむことのできた会だった。
 次回が心から待ち遠しい。
 ああ、面白かった!!

 なお、大阪での会は、8月31日に福島の八聖亭で開催される予定です(18時半開場、19時開演。前売1200円、当日1500円)。
 ご都合よろしい方は、ぜひ!!
posted by figarok492na at 00:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月23日

ネオ落語・セントラル 第44回

☆ネオ落語・セントラル 第44回

 出演:月亭八斗さん、月亭太遊さん、笑福亭智丸さん、占い芸人ターザンさん
(2016年8月22日20時開演/錦湯)


 台風9号の接近で激しい雨に見舞われた東日本とは違って、こちら京都は若干どんよりとはしつつも青空の見えた昨日。
 44回目となるネオ落語・セントラルもつつがなく開催されて、ご新規さんに東京や岩手からのリピーターさん、常連さんと幅広いお客さんが集まった。
 今回は月亭八斗さんに笑福亭智丸さん、占い芸人のターザンさんに加え、悪天候のため埼玉県川口市でのENGEIゆでたまご出演をやむなく断念した月亭太遊さんが登場した。
 スタートのトークでは、太遊さん以外はまだ錦湯さんでの出演回数が少ないということもあり、おのおのの自己紹介を兼ねながら盛り上げる。

 で、最近ビリートップで「ちまちま」なる愛称が決まったという智丸さんが高座に上がる。
 だじゃれのオチのついたエピソード小噺を三つほどマクラで試してから、本題へ。
 面倒見のよい人物から新しい商売の種を教えてもらって、早速有馬温泉へと向かった男。
 実はその商売とは、節に穴を開けた長い竹の竿を使って湯治客に二階から小便をさせるというもの。
 これなら、わざわざ一階の便所まで行かずとも楽…。
 といった、『有馬小便』という珍しい噺。
 男が商売の種を教えてもらう際に戦後の復興云々というくだりがあって、ああ今は八月だなあなんてことをちらと思ったりもしたが、噺の肝は全く別。
 お客さんと男との下もかかった滑稽なやり取りが見せ場聴かせ場で、智丸さんの低音の声質と語り口、むっつりっぽい風貌が噺の肝によくあっていておかしい。
 トークで、「智丸には要注意」といったツイートがあったと太遊さんが触れていたが、こういう噺をかけてくるあたり、確かに智丸さんは要注意要注目である。

 続いては、八斗さん。
 八方さんのお弟子さんである八斗さんは二回目の登場だが、前回は桂三河さん(秋田で着々と活躍中のご様子)送別の特別興行ということで、本格的な出演は今回が初めてということになる。
 開演前にターザンさんに占ってもらった結果を引きつつ、自分の人なり(イメージチェンジをはかっているが、今まではとがった格好でやってきた)について語り、最近女性を演じることにはまっていると続けて、本題の『紙入れ』に入る。
 今夜は亭主の帰りが遅くなる、という言葉に従ってこっそりおかみさんを訪ねた若い男だったが、遅くなるはずの亭主がなぜだか早く帰って来て…。
 おなじみの古典だが、八斗さんはマクラでの予告通り(?)、おかみさんの女性らしさを巧くデフォルメして、若い男ともども芝居風の口調で語り始める。
 一転、亭主が帰って来てからは、流れのよい展開。
 それでいて、強弱のメリハリが効いているので、筋の運び、話のおかしさが掴み易い。
 ここぞというところでしっかり笑いが起こる。
 次回は何を聴かせてもらうことができるのか、とても愉しみだ。

 三番目は、前回に続いて登場のターザンさん。
 今回は米原「住みます芸人」としての日々の生活を語ってみせた。
 福岡から米原の山奥に一人移り住むことになったターザンさんの困惑ぶりが目に浮かぶようで、なんともおかかなしい。
 最後の野球場の風景を切り取った物真似では、ターザンさんの観察眼の鋭さが発揮されていた。

 トリは、太遊さん。
 川口遠征を断念した悔しさをにじませつつ(?)、これからは自分のスタンスを変えていく「皆さん、お世話になりました」とやおら宣言。
 その宣言をルーティンにして笑いをとってから、急遽のネタおろしに。
 題して、『シン・ジュゲム』。
 これまたおなじみ古典の『寿限無』を、今話題のあの映画に倣って大幅に造り換えたもの。
 特に、留学生とのやり取りが太遊さんらしくて面白い。
 そして、古典とどう向き合うかというマニフェストとなっている点は言わずもがな。
 『シン・ジュゲム』というタイトルに相応しい作品だった。

 最後は、ターザンさんが出演者の面々を占っていくというトーク企画。
 生年月日をもとに、智丸さん、八斗さん、太遊さんを占っていったが、性格や人間関係その他、ターザンさんの言葉は急所を突いていたようだ。
 〆は、まもなく100回目を迎える錦湯さんでの企画について。
 101回目以降に関するタロット占いで、興味深く有意義な助言が現われて一同なるほどと感心したところで、幕となった。

 と、ますます盛りだくさんのネオ落語・セントラル。
 毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月16日

ネオ落語・セントラル 第43回

☆ネオ落語・セントラル 第43回

 出演:柳家かゑるさん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、占い芸人ターザンさん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、宇多川どどど(名乗り)さん、はしもとさん、合田団地君
(2016年8月15日20時開演/錦湯)


 暑さ寒さも彼岸まで。
 とはいえ、まだまだ暑さが厳しい京この頃。
 それでも、昨夜も錦湯さんにはご新規さんにリピーターさん、常連さんと大勢のお客さんが集まった。
 重畳重畳。
 43回目となる今回のネオ落語・セントラルは、暑さならぬ熱さをためた江戸落語の男柳家かゑるさんが三度目の登場を果たせば、米原の住みます芸人で占い芸人のターザンさんが初出演、ほかにおなじみ桂恩狸さん、そして月亭太遊さんと、実にバラエティに富んだ面々が顔を揃えた。
 そんな面々だけに、スタートのトークからスパークする。
 ベートーヴェンの熱情ソナタの第1楽章の如く、アレグロ・アッサイの勢いでかゑるさんが恩狸さんの行状を畳みかけると、恩狸さんは神妙げな様子で応対、その隙をついてターザンさんもおのが身の上を説明し、それを受けて太遊さんが話を拡げていくといった具合に盛り上がった。

 で、長めのトークののちに恩狸さんが高座へ上がる。
 かゑるさん、太遊さん同様、恩狸さんをかわいがってきた秋田住みます芸人の桂三河さんの近況と自らの秋田行きをマクラで報告してから、ライフワークの源氏物語の説明噺に入ると見せかけて、今回で二度目の口演となる新作の『居酒屋ジョッキー』へ。
 男が足を運んだのは、競馬好きなら大喜びしそうな仕掛けが売り物のその名も「居酒屋ジョッキー」。
 すると、何やらお客さんの会話が聴こえてきて…。
 当然、居酒屋ジョッキーにまつわるくすぐりもおかしいのだけれど、お客さんの会話、というか、そこへの飛躍跳躍というのかワイプというのか切り変わりの部分、それを恩狸さんの独特の語り口でやられるとおかしくって仕方がない。
 8年がかりになる予定という源氏物語もそうだけど、こうした恩狸さんの新作もやはり気になるところだ。

 続いては、かゑるさんが登場。
 7月にバイクの事故で負傷したことから、後輩の柳家花飛(かっとび)さんとのこと、さらにはその花飛さんとの地方回りのエピソードをたっぷりマクラで語ってから、本題の『東北の宿』を演じる。
 本格的なホテルが建設されたためにお客さんが激減してしまった温泉旅館を経営する老夫妻は、それならいっそホテルのスタイルを取り入れようと試みるが…。
 といった展開の、桂きん治さんによる新作落語。
 ひょんなことからこの温泉旅館に泊まることになった男と老夫妻のやり取りが肝で、加減によると毒っ気ばかりが前に出てきかねないのだけれど、噺の間合にかゑるさんの人柄もあって、結果すっきりとした笑いが生れていた。
 中でも男の気性のあり様、困惑しながらもさっと割り切る感じにかゑるさんの特性がよく出ているように感じた。
 次の登場の際は、いったいどんな噺を聴くことができるのか。
 四度目の出演が待ち遠しい。

 三番目は、ターザンさんが登場。
 ホームグラウンドの福岡を離れて米原に移り住んだ経緯や、米原での活動(石田三成のエピソード等々)を語ったのち、最後はビートたけしの物真似で〆た。
 が、実はターザンさんの本領はのちのち発揮されることに。

 トリは、太遊さんのネオラクゴのネタおろし『ろしあのかいだん』。
 季節に相応しく、バイト仲間から「怖い話」を話すようせがまれた男が語り出したのは、突拍子もない内容で…。
 ある意味、怪談よりも怖い(?)言葉などコアなくすぐりも含めて、笑いの仕掛けが豊富。
 語感の面白さという意味でも、見事なチョイスが続いた。
 暑さを嗤い飛ばす、真夏の夜にぴったりな作品で大いに愉しむ。

 テンポのよい太遊さん仕切りの下、作家の桜井さん(今夜はお休み)考案のお題に挑むという大喜利には、かゑるさん、恩狸さん、ターザンさんに加え、上記の面々が登場。
 かゑるさんがコンスタントにヒットを放つ一方、恩狸さんは苦境に立たされるという構図。
 そこに、ターザンさんや大喜利連も解答を重ねていく。
 安定した貯蓄さん、独特の声質と風貌にマッチした変化球勝負の宇多川さん、いつもながらの合田君とともに、初登場のはしもとさんも健闘していた。

 最後は、ターザンさんがソフト(?)な怪談を披露。
 こういった話もぜひまたたっぷり聴かせて欲しい。

 と、今回も笑いに満ちたネオ落語・セントラルでした。
 次回は何が飛び出すか。
 月曜20時は、皆さんも錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!

 ちなみに、ターザンさんの「占い」は、全てが終了したあとに十二分に発揮されました。
 占ってもらったお客さんの話を耳にするに、これは「マスト」かも。
 ターザンさんの次回登場をこうご期待。
posted by figarok492na at 09:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月09日

ネオ落語・セントラル 第42回

☆ネオ落語・セントラル 第42回

 出演:月亭太遊さん、桂三実さん、月亭遊真さん、センサールマン
 大喜利出演:ヒロムさん
(2016年8月8日20時開演/錦湯)


 秋田に旅立つ桂三河さんを見送ってはや一週間。
 42回目となる昨夜のネオ落語・セントラルのスタートのトークでは、秋田住みます芸人に関する三河さんの記者会見の様子が早速話題となっていた。
 が、そこは芸人仲間だけあって全く容赦がない。
 おまけに、弟弟子の桂三実「探偵」の粘り強い追及もあったりして、三河さんの門出に暗雲が立ち込めた?
 三河さん、負けるな!
(ちなみに、前回のネオ落語サンガサルは特別版ということで通常の回にはカウントせず、今回を第42回とすることになった。以上、月亭太遊さんに確認ずみ)

 で、ひとしきり盛り上がったところで、月亭遊真さんが高座へ。
 まもなく開催される彦八まつりでのお師匠さん月亭遊方さんらの出店についてマクラで語ってから、ネタおろしとなる『道具屋』を演じた。
 職にもつかず毎日遊んでばかりいる、どうにもたよりのない男、おじさんの勧めで夜店の屋台の古道具屋を始めたはよいが、この古道具というのががらくたばっかりで…。
 といった具合の、おなじみの古典だけれど、遊真さんは基本は楷書の芸、噺の要所急所を押さえながら口演を進めて行く。
 もちろん楷書の芸と言っても、遊真さんの場合は語り口や掛け合いの間合いなどもあって、堅苦しさよりも上方流儀の滑稽さをより強く感じるが。
 中でも、客とのやり取りで失敗を重ねていく男の様がおかしかった。
 こうやってネタをおろした噺が、今後さらにどう変わっていくか非常に愉しみだ。

 続いては、三実さんが登場。
 マクラの代わりに、ちょっとしたネタを披露するのが最近の三実さんの(錦湯さんでの)スタイルで、昨夜は歌ネタ。
 まずは、SMAPの歌に違う歌が入っていても違和感がないんですよとおなじみヒットナンバーを歌い出す。
 間を置かず、今度は恋愛ソングの歌詞が現実になったらと恋人どうしのやり取りを再現する。
 ここネオ落語・セントラルや桂恩狸さんとの『ふたりでできるもん』で如実に示されてきた、三実さんの一筋縄ではいかない「おかしさ」が今回も発揮されていた。
 本題は、『六文銭(真田小僧)』の最初の部分。
 小遣いをなんとかして手に入れようとする男の子、気になる言葉で父親の気を弾くが…。
 といった展開の、これまたおなじみの古典。
 そこはお師匠さんである当代桂文枝さん仕込み、しっかりとした噺運びの高座な上に、畳みかけるようなテンポやキャラクター設定の明快さ(男の子が悪かわいらしく、三実さんの柄に合っている)もあって、大きな笑いを生んでいた。
 やっぱり三実さんの古典は面白い。
 でも、途中で何が飛び出すかわからない三実さんの新作も好きなんだよね。

 三番目はセンサールマンのお二人の漫才。
 と、いつもと違ってささっとネタには入らず、落語家さんのマクラ風のトークから。
 リオ五輪やポケモンGOについて、山崎仕事人さん(お客さんから見て右側)と愛植男さん(同左側)が会話を重ねていくのが、とても新鮮だった。
 仕事人さん、スポーツにはあんまり興味がないらしい。
 で、ネタはM1グランプリの一回戦(2分)に対応した読み聞かせシリーズ。
 センサールマンの笑いのエッセンスがぎゅぎゅっと凝縮された内容で、ネタの上での仕事人さんではないけれど、植男さんの熱演に唖然としながら笑っている間にゴールに着いていた。
 M1グランプリでのセンサールマンのお二人の健闘を心より祈ります!

 トリは、太遊さん。
 ラップにまつわる最近の経験を語ってから、ネタおろしの『ハタシアイ』に入る。
 京都は太秦映画村のアルバイトに応募した流浪のラッパー・アマリリクだったが、聞くと見るとでは大違い、バイトの元締め然とした男性に厳しく絞られて…。
 という、久方ぶりの「らぷご」(ラップ落語)の新作だ。
 ラップ以外の部分は即興というここのところの太遊さんの試みが、型を重んじる時代劇との対比となっていてまず面白い。
 しかも、後半それがくるっと回転するというのか、別の一面を見せてくるのがまた面白い。
 笑いどころもそうだけど、実は考えどころも少なくない作品となっていた。

 最後は、定番の大喜利。
 出演者の面々が、お手伝いに来られた作家の桜井さん考案のお題に挑んでいくというもので、昨夜は太遊さんは解答者に回り、遊真さんが仕切りを務めた。
 太遊さん、仕事人さん、植男さんがコンスタントに解答を重ねる合間を縫って、三実さんが「らしい」答えを披露するという試合の流れ。
 で、大喜利出演者のヒロムさんも負けじと解答を披露した。
 豪快な笑いの裏に、大喜利愛好家連の一人らしい一答一殺の構えがうかがえたが、その真実や如何に?

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 まもなく2年、フロンティアと併せて100回目を迎えるセントラルに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月02日

桂三河さん送別特別企画 ネオ落語サンガサル

☆ネオ落語サンガサル

 出演:桂三河さん/桂ぽんぽ娘さん、月亭八斗さん、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、桂三実さん、桂文五郎さん、月亭方気さん、月亭八織さん、笑福亭笑利さん、月亭遊真さん
(2016年8月1日19時半開演/錦湯)


 当代桂文枝さんのお弟子さん桂三河さんといえば、月亭太遊さんの盟友的存在。
 栄えあるsection1(2014年10月7日)からまもなく二年間、ネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルと錦湯さんでの会にほぼコンスタント、準レギュラーとでも呼ぶべき頻度で出演を重ねてきた。
 特にセントラル改称後の第4回(2015年11月9日)、第28回(2016年4月25日)、第41回(先週。7月25日)では、不在の太遊さんに代わって会の重石を果たすなど、なくてはならない存在である。
 その三河さんが、今月5日、住みます芸人として秋田に旅立つ。
 すでにそのことは、先週のセントラルで三河さん自身の口から語られてはいたが、やはり実際三河さんの旅立ちが近づくにつれて、惜別の情はいや増しに増す。
 昨夜の錦湯さんには総勢11人の落語家が集合、その名もネオ落語サンガサルと題して三河さんを送る記念すべき会となった。
(三河さんの不在は、3シーズン目となる錦湯さんの会にも少なからぬ影響を与えるのではないか)

 もちろんそこはプロ同志、今は亡き桂小金治師匠のように「よかったあるねえ」と中国の残留孤児の方に語りかけて涙を誘うような真似はしない。
 チラシか広告か何かの裏にささっと書いた題字(サンガではなくサソガに見えたりもする)や似顔絵、ティッシュで造った花と飾り付けからしてやってる感満載だ。
 で、冒頭だけは「三河さん送別」っぽい感じで始まったトークもすぐさま脱線、カオス状態に突入したのは、ネオ落語らしい。

 ひとしきり盛り上がったところで、番組がスタート。
(なにせ11人の出演。ということで、前半部分、番組が前後している方もあるかもしれません。その点、ひらに御容赦)

 まずは、さっぱりした髪型と浴衣姿で歌舞伎の御曹司然とした月亭遊真さんから。
 三河さんとの想い出をマクラで語り始めたが、一番のエピソードといえば先週のセントラルの帰りにずっとポケモンGOをされていて…。
 といった遊真さんの言葉に、三河さんも思わず口を挟む。
 実は、11人の番組が終わるまでお客さんから見て左端の椅子に三河さんが鎮座し続けるというのが昨夜の趣向の一つだったのだ。
(これは面白い、ではなくやりにくい?)
 そんなやり取りののち、遊真さんは本題の『子ほめ』をじっくりと語り終えた。

 続いては、桂文珍さんのお弟子さんである桂文五郎さんが登場。
 送別の辞でささっと切り上げる。
 弔辞になっているところが、ブラックを自認する文五郎さんらしい。

 三番目と四番目はテレコになっているかもしれない。
 常々かわいがってもらっているという桂恩狸さんは、食事をごちそうになったエピソードから、急性アルコール中毒になったとき三河さんに助けてもらったエピソードを語ろうとしたところで、このままだと長くなり過ぎるということか、スポットライトが消え、三河さんからも「チェンジ!」の声がかかる。
 それでも、事の成り行きを最後に手短かに説明したのは、三河さんのまさしく恩情、恩狸さんへの情けだろう。

 1990年代の東北のガイドと沖縄県の地図を贈呈した弟弟子の三実さんは、スマホから流れる音楽にのせて、三河さんのwikipediaの記事を音読してみせた。
 むろん、記事そのまんまということではなく、ここぞというところで三実さんの仕掛けが加わっている。
 三実さん、どこか一筋縄ではいかない。

 桂ぽんぽ娘さんは、ピンク落語で攻める。
 いつものマクラから、「三河と×××の違い」と三河さんを思い切りネタに使っていた。
 たじたじとたじろいで見せる三河さん。
 それでも、ぽんぽ娘さんは最後まで手を緩めなかった。

 遅れて参加ということになった月亭八織さんは、まずそのことを一言詫びたのち、送別の言葉入りのプレートのついたケーキをプレゼント。
(あとでご相伴に預かったが、さっぱりとした味わいのケーキで実に美味でした)
 それから、ちゃいちゃい寄席で三河さんがマクラの部分で「落語をしろ!」と酔漢に絡まれた話や、奈良での若手の落語会での出来事を披露した。

 禁酒で8キロやせた月亭方気さんは、三河さんもやっているらしき出会い系のアプリ「タップル」のネタ。
 笑いにまぶしつつ、赤裸々な自らの私事を語る辺りは「全身落語家」、大師匠の月亭可朝さんにも通じる鬼気迫る業のようなものをちらと感じた。
 長生きも芸のうち。
 方気さん、まだまだたのんまっせ。

 月亭一門、月亭天使さんは、悲しみに頬が紅潮し。
 じゃなく、よい具合に聞し召しておられる。
 自ら笛を吹いて、三河さんと『カントリーロード』を歌うという趣向なんだけど、これが笛吹けど踊らずの正反対、ネオ落語サンガサルという番組に相応しいたがの外れようでおかしくって仕方なかった。
 天使さんのおちょけた部分が十分十二分に発揮されて腹がよじれる。
 三河さんの困惑ぶりが笑いに拍車をかけた。

 23日には京都、31日には大阪での単独落語会「独利」が控えている笑福亭笑利さんは、冒頭笑福亭鶴笑師匠への入門が適った際、側にいた三河さんから「めしいこけー!」と誘われた、それ以来「めしいこけー!」と誘ってもらっている、と「めしいこけー!」を連発。
 だが、もちろんこれは嘘。
 本題として、youtubeで観て覚えたという三河さんの新作『コココココ』を演じたが、粗いなりに原作に沿った前半から一転、後半はアプリから個人情報が漏れるなど笑いのクラッシャー笑利さんらしい独自の展開となっていた。
 早速予約をすませた「独利」が愉しみだ。

 ネオ落語は初登場となる月亭八斗さんは派手な柄の衣装で高座へ。
 三河さんとほぼ同期(繁昌亭の落語家名鑑で確認すると、八斗さんが2008年8月の入門、三河さんが同年10月の入門とのこと)、普通の友達として接してきた二人だけに、マクラではそうしたエピソードを聴かせてくれた。
 で、本題はこれまた三河さんの新作『阿修羅』。
 ただし、八斗さんはくすぐりの細かいアレンジはありつつも、基本的には原作に忠実な口演だった。
 それでも、登場人物のキャラクターづくりなどで三河さんとの違いがはっきりしていて、そこも面白かった。

 11人目となる太遊さんは、盟友らしくシュートなことも語る。
 そこに、この間三河さんと太遊さんが積み重ねてきたものがしっかりと表われていた。
 そして、あえてネオラクゴではなくラップで三河さんを送る。
 当然の如く、捻った内容のラップであったことは言うまでもない。

 トリは、三河さん。
 悟りを開いていたはずの仏像の仏様が、お寺で結成されたアイドル・グループの女の子に興奮してしまい…。
 という、三河さんのアイドル好きの真情が全開となった自作の快(怪)作『春の一大寺』で〆た。

 最後は全員のトーク。
 太遊さんが桂あおばさんのメッセージを代読したのちは、またもや天使さんが笛を持ち出して、腹がよじれる。
 ラストは、出演者の皆さんやお客さん(三河さんの送別の会ということもあって、立ち見も出る大盛況)のつくったアーチをくぐって三河さんが錦湯さんをあとにする、という体で華々しく終わった。

 と、本当に盛りだくさん笑いだくさんの会でした。
 ああ、面白かった!!

 そして三河さん、ぜひぜひ秋田に三河ワールドを築き上げていってください!!
 秋田の皆さんも、何とぞよろしくお願い申し上げます!!
posted by figarok492na at 09:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月29日

フリッツK落語会 第一回

☆フリッツK落語会 第一回

 出演:月亭太遊さん、月亭八織さん
(2016年7月28日19時半開演/揚げピッツァ専門店フリッツK)


 JR二条駅から千本通を北に向かって5分ほど歩いたところ、スーパーのライフやスギ薬局を超えた辺りにある揚げピッツァ専門店フリッツK(Fritz K)さんで落語会が開催されるというので、迷わず足を運んだ。
 出演は、月亭太遊さんと月亭八織さんのお二人。
 もともとお店のオーナーと八織さんが昔の知り合い(落語はもちろん、お芝居を始める前とのこと)で、その縁で始まった落語会という。
 少し小ぶりな店内とはいえ、ぎっしりたくさんのお客さんが集まっての大盛況で、まずは何よりだった。

 最初は、開口一番、前座代わりのトークから。
 錦湯さんでの一連の落語会をはじめ、太遊さんの出演する落語会ではおなじみのスタイルだけれど、ここでお客さんの様子をうかがいつつ(生の落語は初めてという方も少なくなかった)盛り上げる。

 で、頃合いを見計らって、八織さんが高座へ。
 今夜も見目麗しく凛々しい袴姿の八織さんだったが、マクラもそのことから。
 続いて、お師匠の八方さんとのこと、から八方さんのお孫さん(八光さんのお子さん)の名前ときて、本題の『寿限無』に入る。
 末長く幸せに育って欲しいと、自分の子供に「寿限無寿限無…」とありがたい言葉を連ねた長い長い名前をつけたまではよかったが…。
 『寿限無』といえば、落語オブ落語、王道中の王道のネタで、初めて生の落語を聴くという一つ後ろの列に座ったお子さんも学校の授業で習ったみたいで、八織さんにあわせて小さく「寿限無寿限無…」と繰り返していたほど。
 ただし、八織さんの場合は自分のよさがどうすれば引き立つか、言い換えれば、女性の落語家である自分がどう演じればお客さんにより噺の面白さが伝わるかを工夫した八織さんバージョンとなっていて、特に登場人物の掛け合い、演じ分けが見どころ聴きどころの一つだ。
 八織さんの『寿限無』を聴くのはこれが二回目なのだけれど、語り口の流暢さにこの間の積み重ねを感じた。
 それと、向日性というか陽性な八織さんの高座はお客さんに好まれるだろうなと改めて思った。
(終演後、八織さんに芝居噺のことをちらとうかがったこともあり、帰りがけシェイクスピア・イヤーだからシェイクスピアの戯曲を落語の世界に置き換えたらなんてことを思ったりした。そういえば、もう25年近く前になるか、落語好きでお芝居好きの女の子に頼まれて、『ヴェニスの商人』を下敷きにした『堺の商人』というネタをつくったことがあったんだ。筋もくすぐりもほとんど忘れてしまったが、ちょうど大河ドラマの『信長 KING OF ZIPANGU』が放映されていた頃なので、ポルトガルの宣教師ルイス・フロイスを語り手にして、「わーわーいうております」の代わりに「アテブレーベ・オブリガート」で終わらせたような気がする)

 トリは、太遊さん。
 マクラでは、京都住みます芸人としての各地域でのエピソードを交えつつ、かつお客さんの雰囲気を確認しつつ、笑いを誘う。
 二重の意味で、錦湯さん以外での太遊さんの高座ぶりがわかって、その点も面白い。
 「古典か新作、どちらがいいですか」、というアンケートをとったところ、新作派が多かったので、結果『来て!観て!イミテイ村』を太遊さんは演じた。
 しきりと村の風習を誉める滞在中の民俗学の研究者だったが、その風習というのは実は全て…。
 といった、すでにネオラクゴ(太遊さん作の新作落語の総称)の十八番と評しても間違いでない作品。
 もう何度も接したことがあるのだけれど、口演を重ねるごとに語り口が練れているし、なおかつ笑いどころもしっかりしているので、ついつい笑ってしまう。
 もちろん、臨機応変というか、ルーティンに陥ることのない高座であることも忘れてはなるまい。
 太遊さんの落語(ネオラクゴ)を、錦湯さん以外で観聴きするのもやはりいいな。

 1時間と少し、愉しい時間を過ごすことができました。
 ああ、面白かった!

 そうそう、会場のフリッツKさんのことを忘れちゃいけないんだ。
 1500円の入場料の中には、揚げピッツァ(パンツェロッティ)一つとドリンクが含まれていたんだけれど、この揚げピッツァが美味だった。
 ナポリ伝統のピッツァの一つだそうで、こちらがいただいたのは「ラクレット」。
 揚げたてでかりかりもちもちとしたパイ生地の中に、とろっと溶けたラクレットチーズと厚切りのベーコンが入っていて、これは癖になりそう。
 他に、メキシカンやカルボナーラ、さらには甘いもの系統のものとメニューもバラエティに富んでいる。
 また、夜はバールとして営業されており、メニューのうち生ハムをちょっとだけご相伴にあずかったのだが、これぞ生ハムというか、たっぷりとハムの風味がしてお酒のあてにはぴったりだと思う。
(細かく切った揚げたてのピッツァの生地の上にのせても美味しそう)
 千本通沿いのお店なので、移動中にでもお気軽にぜひ。

 いずれにしても、次回の落語会の開催が愉しみだ。
posted by figarok492na at 08:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月26日

ネオ落語・セントラル 第41回

☆ネオ落語・セントラル 第41回

 出演:桂三河さん、月亭遊真さん
 大喜利出演:すり身さん、広瀬信輔君
(2016年7月25日20時開演/錦湯)


 41回目となるネオ落語・セントラルは、埼玉県川口市の喜楽湯で開催されたENGEIゆでたまごに出演のため月亭太遊さんはお休み。
 その代わり、盟友桂三河さんと弟弟子の月亭遊真さんが登場、いつもよりかは若干少な目ではあるものの常連さん、リピーターさんも集い、webサイトの落語特集の取材の方もいらっしゃるなど、無事セントラルの灯は護られた。

 まず、世情を賑わしているポケモンGOの話題等で盛り上がったところで、遊真さんが高座へ。
 頭を短く丸めた遊真さん。
 すっきりとして一層男前ぶりが際立った感じだが、それが「しくじったんとちゃうか」と誤解されるもとになっていると周囲の反応をマクラで語ってから、本題に入る。
 今回のネタは、古典の『犬の目』。
 ひどい症状の男の両目をくり抜いた目医者、これを溶液につけて干しておいたところがさあ大変、この両目を犬に喰われてしまって…。
 というおなじみの展開なのだけれど、遊真さんは緩急の間合いのとり方がしっかりしていて、要所急所、くすぐりが巧く活きてくる。
 加えて、ここぞというところでの滑稽な口ぶりもおかしい。
 これから遊真さんのどんな新しいネタを聴いていくことができるのか、とても愉しみだ。

 トリは、三河さん。
 マクラでは、師匠文枝さんの話をにおわせつつ、今年の上半期の話題を振り返って笑いを生む。
 で、本題はこれまた古典の『粗忽長屋』。
 法善寺境内で行き倒れの死人の顔を目にした男、これは自分の友達だ、本人にしたいを引き取らせると騒ぎだし…。
 すでに錦湯さんでも一度演じたネタだが、三河さんの人柄、語り口もあって、単なるアホがアホをやっているというよりも、根は善良なのだけれど、生まれ育ちの環境のせいもあっていつの間にか相当ずれてしまった人間になっている、そんな人間の粗忽さ、おかかなしさがよく表われてくる。
 それと、三河さんの『粗忽長屋』では、常識ある人がそうでない人たちに追い込まれていく様がまた面白かった。
 ところで、マクラでは、三河さんが住みます芸人として8月から秋田に移り住むことが発表された。
 想うところはいろいろあれど、今はただ三河さんの新天地での活躍を心より祈願したい。

 最後は、定番の大喜利。
 遊真さんの仕切りの下、作家の桜井さん(お忙しそうで、ここのところはお休みが多い)考案のお題に上述した面々が挑んでいくというもの。
 ただし、三河さんは解答を繰り出すよりも、遊真さんとの掛け合いで場の雰囲気づくりに専念していた。
 一方、二回目の登場となる大喜利愛好家のすり身さんは、直球より少し外れた部分にボールを投げるかのようなスタイルの持ち主。
 伊藤雄之助や信欣三といった、昭和の怪優の味わいだ。
 広瀬君のほうは、人工知能ネタで「未来会議」の人らしさを巧く出していた。

 そして、昨夜は21時半で終了。
 こういったシンプルな展開のネオ落語・セントラルもまたよきかな。
 そして、来週は三河さんの送別の会ですので、皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

ネオ落語・セントラル 第40回

☆ネオ落語・セントラル 第40回

 出演:桂あおばさん、月亭太遊さん、センサールマン
 大喜利出演:無農薬亭農薬君、神龍さん、広瀬信輔君
(2016年7月18日20時開演/錦湯)


 昨日は海の日。
 祗園祭(前祭)も終わった三連休の最終日ということで、まあそれほどお客さんも来ないのではと思っていたら、これが大間違いのこんこんちきちんこんちきちん。
 ここのところの好調さを象徴するように、40回目となるネオ落語・セントラルも、ご新規さん、リピーターさん、常連さんが集いに集って大盛況だった。
 昨夜は、あおばさん、太遊さん、センサールマンのお二人の出演。
 スタートのおしゃべりでは、昨日お昼に大阪は茶屋町で開催された太遊さんとラッパーのKOPERUさん(日清どん兵衛のwebCM、ご覧になりました?)のトークイベント『らぷごのご』が話題となる。
 様子を見に行ったあおばさんが、落語家みたいじゃなかった、終わったあと落語やらなかったなあと口にしてた落語好きのお客さんがいた、と口にすると、そんな企画じゃない、あそこで落語はやれんやろ、と太遊さんが応じるなどして盛り上がった。

 で、まずはあおばさんの「東の旅」より『軽業講釈』。
 旅の途次、喜六清八が立ち寄った神社では、軽業小屋と講釈小屋が並んで立っていた。
 さあ講釈の先生が『難波戦記』(大河ドラマ『真田丸』のこれからとも大いに関係してくる、大坂の陣が題材)を語り立てんとしたときもとき、軽業小屋のお囃子がじゃんじゃんがやがや鳴り始め…。
 マクラで初披露のネタおろしと断ってから本題に入ったが、お師匠さんから何を受け継いだのか、あおばさんの研鑚ぶりがよくうかがえる高座となっていた。
 クライマックスは、後半の軽業の部分。
 三味線(香取光さん)も入って大きく構える中で、指でちょこちょこと軽業を演じてみせる様が実に滑稽なんだけれど、あおばさんの茶目っけというかキュートさというか、人柄がそれにぴったりだった。
 高座を重ねたのちの、あおばさんの『軽業講釈』が非常に愉しみだ。
(そうそう、11月9日には、大丸心斎橋劇場で初の独演会が予定されているとのこと。これも要注目!)

 続いては、センサールマンの漫才。
 やおら「神になる」と宣した愛植男さん(お客さんから見て左側)が八百万=ヤオヨロズの神を演じてみせる、八百万の神のネタ。
 不作で飢えに苦しむ山崎仕事人さん(同右側)が救いの言葉を口にしたところ、植男さん演じる八百万の神々が現われるのだが、ちっとも救いにはならなくて…。
 千変万化、次から次へと登場する神々を演じる植男さんの変貌自在ぶりが、まずもっておかしい。
 表情、動き、登場する際の音の変化等々、植男さんの引き出しの多さがよくわかる。
 また、そうした植男さんを仕事人さんが的確に受けていくのもいい。
 結果、いつもの如くお客さんをフィーバーさせていた。

 トリの太遊さんは、ネオラクゴの『マイレボリューション』を演じた。
 登場するのは、なんとヤドカリ。
 これまでみたいに貝に入ってるんではあかん、これからはもっと違うもんに入るんや、いやもうそれでもあかん、これからはなんにも入らんとそのままの姿で過ごすんや、「革命や」と決起したヤドカリだったが…。
 といった具合の、笑利さんとの大阪での落語会でネタおろしした作品。
 細かい笑いの仕掛けももちろんあるが、それより何より毒っ気がストレートに出た展開そのものが話の肝だろう。
 今演じられるに非常に相応しい内容となっていた。

 最後は定番の大喜利で、太遊さんの仕切りの下、上記の面々がお題に挑んだ。
 コンスタントにヒットを打ち続ける、植男さんと仕事人さん。
 もちろん答えは出しつつも、あとは様子をずっとうかがっているあおばさん。
 それに突っ込みを入れる太遊さん、というのはおなじみの構図。
 一方、無農薬亭農薬君、神龍さん、広瀬君といえば、ネオ落語・セントラルの常連さんだから、そこは勝手知ったるなんとやら。
 場の雰囲気を心得ながら、それぞれのキャラクターにあった答えを出していた。
 そして、ラストはあおばさんからのリクエストに応じる形で、太遊さんが答えて〆た。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ちなみに、次週は太遊さんは関東方面に出かけているのでお休み。
 代わりに弟弟子の月亭遊真さんが会を仕切るとのことで、これまた見逃せません。
 毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月12日

ネオ落語・セントラル 第39回

☆ネオ落語・セントラル 第39回

 出演:桂ぽんぽ娘さん、月亭太遊さん、笑福亭智丸さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、すかいどんさん
(2016年7月11日20時開演/錦湯)


 祗園祭の準備が着々と進む京この頃。
 七月も半ば近くで蒸し暑さもぐんと増してきたが、冷房完備の錦湯さんは何人集まろうが無問題。
 昨夜も大勢のお客さんが起こしになっていたのだけれど、きりっとした涼しさの中でネオ落語・セントラルの笑いを愉しまれていたのではないだろうか。
 39回目となる昨夜は、月亭太遊さんのほか、桂ぽんぽ娘さん、笑福亭智丸さんが出演。
 ぽんぽ娘さんと智丸さんは、ともに二回目の登場だ。

 スタートのトークでは、初っ端からぽんぽ娘さんがとばす。
 智丸さんの詩集『歯車VS丙午』(思潮社/疋田龍乃介名義)を朗読するかと思えば、官能小説の一節になるといった具合で、下ネタ全開である。
 そんなぽんぽ娘さんを巧みに受けつつ、太遊さんは昨日から公開された日清どん兵衛のwebCMについてきっちりと紹介に勤めていた。
 東西対決の趣向で撮影されたラップ・スタイルのCMで、太遊さんはその西側のほうに、名だたるラッパーの面々と出演しているのだ。
 こちらも、ぜひ一度ご覧いただければ。

 で、ぽんぽ娘さんの攻勢に若干たじたじといった感じの智丸さんが高座へ。
 そのたじろぎが素直に表われた(かのようでいて、実はそんな自分の姿を観察している風でもある?)マクラから、本題は一転。
 おなじみ『時うどん』を演じたのだけれど、語りは騙り、登場人物をじっくり演じ分け演じ込んで、話そのもののおかしさに加え、表情仕種の変化でも笑いを生んでいて面白い。
 落語とは、生ならではの落語家さんの個性、人柄のせめぎ合いを愉しむものでもあるんだなあと改めて思った次第。

 生ならではの…、といえば、ぽんぽ娘さんも全くそう。
 前回に続いて、いわゆるピンク落語を披露する。
 マクラに自作の歌と、ばんばんぱんぱん下ネタを盛り込んでいって、本題は「肉ぼう(肉巻きごぼう)」の話。
 バレ噺、艶色噺というと、ねっとりじっとりというか、ちょっとウェットな感じもするんだけれど、ぽんぽ娘さんのピンク落語は、その語り口同様、いたってドライだから、構えず構わず大笑いできる。
 それに、セックスは、男(だけじゃなく女もだけど)が一方的に支配するもんじゃないっていう筋もしっかり通っていて、しっくりくる。
 生と性、エロスに満ち満ちた高座だった。

 トリは太遊さんのネタおろし『またコンドミニアム』。
 実は、日曜日の大阪での落語会でネタおろしする予定だったのが、諸般の事情でセントラルでのネタおろしとなったとのこと。
 しゃちょさんからバカンスに連れていってもらえると、喜んで島に向かった水商売の女性だったが、行ってびっくり、実は素行態度のよろしくない女性を鍛え直そうというママの差し金で…。
 といった具合に始まるお話。
 コンドミニアムならぬ、公民館風の建物に滞在させられた女性に毎日食料を届けてくるのはコンドウさん。
 と、ダジャレ地口が豊富な作品だけれど、肝は女性がコンドウさんの人柄に魅かれていくプロセスではないか。
 途中登場するコンドウさんの家族もおかしく面白い。
 ネオラクゴでは珍しい長尺の作品となった。
 ちなみに、女性が滞在させられる島はハナシマ。
 ネオラクゴ初期の『蝶よ 花よ』(2014年12月15日、ネオラクゴ・フロンティアsection11)の舞台となった島である。

 最後は、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、ぽんぽ娘さん、智丸さん、貯蓄アンドザシティさん、すかいどんさんがお題に挑んだ。
 大喜利猛者の貯蓄さん、すかいどんさんが青い火花を散らす一方、ぽんぽ娘さんはここでも下ネタの解答を繰り返すばかりか、左右隣のすかいどんさん、智丸さんに対して果敢にセクハラ攻撃を加える。
 そして、お題の最後は「先生」智丸さんがびしりと決めた。

 と、一回で何度もおかしいネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月05日

ネオ落語・セントラル 第38回

☆ネオ落語・セントラル 第38回

 出演:月亭太遊さん、桂三実さん、月亭八織さん
 大喜利出演:棚卸代行ハウスさん、くりりんくん
(2016年7月4日20時開演/錦湯)


 とうとう暑さが厳しい、それでもまだまだ梅雨が続く京この頃。
 昨日も夕方になって雨が降ったが、陽が沈む頃にはやんで足元が乾き始める。
 そんなお天気も幸いしてか、38回目となるネオ落語・セントラルは、海外からのお客さんを含むご新規さんに、九州からお越しのお客さんを含むリピーターさん、そして常連さんで大入りの盛況となった。

 今回は、月亭太遊さんに、桂三実さん、月亭八織さんの三人が出演。
 開幕のトークでは、三実さんや八織さんの修業生活についてなどで盛り上がる。

 まずは八織さんから。
 いつもの如く袴姿が見目鮮やか。
 マクラで犬を飼っていることなども語っておいてから、本題に入る。
 ドッグカフェに集う犬のやり取りを擬人化してみせた、初高座でのネタとのこと。
 たぶん八織さんと同世代の女性であれば、ああ、あるかもと思えるような心の動きも巧くデフォルメされて盛り込まれている。
 登場人物、ならぬ登場犬物の演じ分けでは、八織さんの演技経験がよく出ていたのではないか。
 八織さんの芝居噺もぜひ一度聴いてみたい。

 続いては、太遊さんが登場。
 旧作の『ムーンパレス』(第30回。5月9日に初演)を演じる。
 日々の労働に気鬱な麩工場の工員が、友人に誘われてクラブへと繰り出したところが、入ったムーンパレスというクラブはなんだか妙な雰囲気で…。
 べたなシャレあり、マニアックなくすぐりありと、仕掛けが整理されて笑いどころが豊富。
 加えて、コール&レスポンスはラップ&落語の「らぷご」ならでは。
 面白さが増していた。
(そうそう、先日ネオ落語・セントラルでPVの一部を撮影した、B-PLUTO&WEST-E feat.月亭太遊名義の「らぷご」『FUCK THE落語』がyoutubeにアップされた。こちらのほうもぜひ!)

 三番目は、三実さん。
 マクラで、最近ドラマの『古畑任三郎』にはまっていると語ったのち、その『古畑任三郎』のアバンタイトル(ドラマの初っ端、田村正和演じる古畑が黒バックの中、短めに話す部分)を真似た短めの落語を披露。
 自作のアバンタイトルのあとに、誰が犯人かを説明するというもので、以前架空の落語の題名とサゲだけを披露していくというネタをやった三実さんらしい捻りのある内容だ。
 で、本題は『○○の日』。
 新婚夫婦の妻は、毎日の記念日(6月5日は落語の日とか、7月5日は江戸切子の日とか)にあやかるのが大好き。
 夫の迷惑を省みず、毎日毎日記念日にあやかり続けるが…。
 はじめのうちは困ったちゃんのお嫁さん、といった感じの展開なのだけれど、終盤、たまりにたまった何かがどっと炸裂していく。
 『アイドルは総理大臣』の初演版でも感じたことだけれど、この何かが三実さんの特性であり肝なのだと思う。

 トリは、太遊さんが『或る神童』をネタおろしする。
 だいぶん前にレコード芸術という雑誌の投稿コーナーで、中学生の男の子が「僕の人生の中で一番のレコード」といった趣旨の言葉を記していて、いやいや、確かに君の人生の中では一番かもしらんけどなあ、と複雑な心境になったことがあったけれど、ふとそんなことを思い出すような内容。
 落語好きの少年が、落語家に向かってあれこれうんちくを語っていくという毒っ気が強いお話で、笑いながらも、こうやってそれらしい感想を綴っている自分はどうなんだと思わずにはいられなかった。
 そして、太遊さんの試みというか、最近の変化もよく表されていた。

 最後は、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、三実さん、八織さん、棚卸し代行ハウスさん(二回目の登場)、くりりんくんがお題に挑む。
 昨夜は、ちょっと捻りの多いお題だったかな。
 それでも、三実さん、八織さん、くりりんくんと、ここぞというところでヒットを放つ。
 そして、棚卸し代行ハウスさんが、あはははという乾いた笑い声はじめ、強めの個性を発揮していた。

 と、毎回面白さおかしさが変わるネオ落語・セントラル。
 月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月28日

ネオ落語・セントラル 第37回

☆ネオ落語・セントラル 第37回

 出演:月亭天使さん、月亭太遊さん、桂文五郎さん
(2016年6月27日20時開演/錦湯)


 午前中やっと晴れたかと思ったら、またも夜には雨。
 しかもけっこうな降りということで、気圧と湿度に弱いこちらとしてはうんざりな毎日が続いているが、こういうときこそ笑いが肝心と、昨夜も錦湯さんへ足を運んだ。
 前回の約40人の超満員に比べれば、お客さんの数は減ったものの、そこは「支持政党あり」(って、政治の話ではなく、雨でも投票に行く人たちに、雨でも錦湯さんに来る自分たちのことをかけて、開演前におしゃべりしていたのだ)の常連さんやリピーターさんが集って、これまた面白い回となった。

 37回目となる昨夜は、月亭天使さん、月亭太遊さん、桂文五郎さんの三人が出演。
 お客さんの顔触れにあわせて、アットホーム、なおかつコアなトークをたっぷりと続ける。
 ここらあたりのさじ加減、本当は難しいところなんだろうけど、そこは錦湯さんでの出番の数が物を言っていた。
 それにしても、「タップル」って、まあ。

 で、頃合いを見計らって文五郎さんが高座へ。
 「のめるのめる」が口癖の男と「つまらんつまらん」が口癖の男二人、自分の口癖を口にしたら罰として千円払う、という賭けを始めるが、「つまらん」男はなかなか仕掛けにのらず、かえって「のめる」男が千円払うことになる、なんとかせねばと甚兵衛さんに知恵を授かった「のめる」男は…。
 という、古典の『二人癖』。
 前半の積み重ねが後半に活きてくる噺だ。
 スタートとラストのトークで話題にもなっていたように、師匠文珍さんとの繋がりで、大きな小屋での出番がほとんどだった文五郎さんだが、ネオ落語・セントラルでは錦湯さんの間尺にあわせて、調整を心掛ける。
 間合い掛け合い、聴き心地がよい。
 そして、お師匠さんのアイデアという突拍子もない一句(ギャグ)も決まっていた。

 続いては、天使さんがネタおろしとなる『書割盗人』に挑む。
 新しい長屋に引っ越して部屋一面を白紙で覆ったまではよいが、そこは貧乏人、センベイ布団一枚っきり物はなし、物を買う金もなし、旧知で絵が達者な甚兵衛さんに芝居の書割よろしく家財道具一式ばかりか、猫やら景色やらまで描いてもらう、と、そこへ盗人がやって来て…。
 物がなければ絵で描く、物がなければつもりですます。
 ドライの極みの滑稽さと、想像することのおかしさ(って、実は落語そのもの)が強調された噺だけれど、たんたんたたん、といった快活なテンポで天使さんはネタおろしを進めていった。
 次はどんなネタに接することができるのか、それも愉しみだ。

 トリは、太遊さんのネタおろし(降臨)『朝の光』。
 タイトルに沿った清々しい雰囲気から、夜の重苦しさ、愚かさ、救いようのなさへと話はどんどん転がっていく。
 あえて上下(かみしも)をつけず、その場に「降りた」者たちに言葉を任せる、というのだから、それこそネタの降臨に相応しい内容だ。
 しかもその内容がまた、太遊さんならでは。
 笑いつつ、深淵を覗かされた気分となる。
 グリーグの『ペール・ギュント』の「朝の気分」も非常に効果的だった。

 大喜利はやめて、最後は天使さん、太遊さん、文五郎さんも座って「よもやま話」風のトークで〆る。
 その距離の近さもまたよきかな。
 文五郎さん自身前々から公言している「ブラックさ」がちら、ちらと現われていたのも、おかしかった。

 と、一回ごとに大きく雰囲気が変わるネオ落語・セントラル。
 毎週月曜夜は、錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!


 そうそう、昨夜の交流会はコロッケ祭。
 実に美味しうございました。
 ごちそうさま!
posted by figarok492na at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月21日

ネオ落語・セントラル 第36回

☆ネオ落語・セントラル 第36回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利出演:ひらたいさん、文(がっこう)さん、わたあめさん、すかいどんさん
(2016年6月20日20時開演の回/錦湯)


 ここのところ盛況が続くネオ落語・セントラルだけれど、昨夜は盛況も盛況、常連さんにリピーターさん、ご新規さんがまんべんなく集まって、立ち見のお客さんまで出る大盛況。
 もしかしたら、ネオラクゴ・フロンティアの50回記念と並ぶ大入りだった。
(この盛況の原因の一つには、当然大喜利の開催が挙げられるのだろうが、昨夜ちらとご新規さんとお話したところ、「あそこ面白かったよ」の口こみも少なくないみたいで、これは本当にいい傾向では)
 36回目となる今回は、おなじみ桂三幸さん、桂あおばさん、そして月亭太遊さんの三人が出演。
 あおばさんといえば、少し前までは、通常よりちょっとお客さんが少なくなるきらいがあって、それがまたお約束のネタとなっていたのだけれど、今夜は全くその逆。
 スタートのトークでも、真っ先にそのことを口にしていた。
 トークでは、太遊さんからの近況報告もあったりして、それが即最近の盛況とつながっているわけではないものの、やっぱり雰囲気(ムードというよりアトモスフェア、なんてそれっぽいことを記してみる)としてはつながっているんじゃないかと思ったりした。

 で、まずはあおばさんから。
 ちょっとしたことで、ついついやり合ってしまう倦怠期の夫婦。
 今日も今日とてケンカが勃発したが…。
 といった具合に始まる、第2回上方落語大賞優秀賞を受賞した2丁拳銃・小堀裕之さん作の『ハンカチ』を演じる。
 あおばさんが錦湯さんで『ハンカチ』を演じるのは、これで何度目かな。
 実は、今夜開催される上方落語若手噺家グランプリ16の決勝を見据えての口演なんだけれど、この噺にかけているということが十分十二分に伝わる、あおばさんの研鑚具合が光った高座となっていた。
 常連さんとも話をしたが、単に技術的にどうこうというだけでなく、あおばさんの人柄のよさ、向日性、さらには師匠ざこばさんと共通した人情味が表されている点もいい。
 あおばさんの決勝でのさらなる好演を心から願う。

 続いては、三幸さんが登場する。
 おなじみ三幸さんのマクラだが、お客さんが多い分、かえって三幸さんのこれまでの落語家としての経験が垣間見えるというか、堂に入った始まり。
 そして本題は、初めて飛行機に乗るというサラリーマンとその部下による空中珍道中といった新作の初披露。
 空港あるある、飛行機あるあると細かいくすぐりもおかしいけれど、やはり作品の肝はこれまたおなじみネオはめ物(高性能のミニスピーカー)を駆使した後半だろう。
 メタ的趣向なんていうと小難しいけど、ある意味、ここまでやるんやと驚くこと必定である。
 皆さん、ぜひご一聴を!
(終了後の交流会で直接話をしたが、三幸さんのブログがまたそこはかとなくおかしい。よろしければこちらもぜひ!)

 そして、トリは太遊さんのネタおろし(降臨)となる『聖者と後進』。
 「最近の若い連中は」、と関西の芸界に身を置くらしき人物が次から次に口にし始めたのは、後進にあたる若手芸人の度を越した芸の数々だったが…。
 スタートのトークでも触れられた最近の出来事なども巧く取り込まれた内容で、毒っ気もばっちり。
 ただ、ジャンルは違えど表現活動を続けている人間にとっては、大笑いしつつ、匕首(あいくち)を喉元に突き付けられているような気がしたことも事実だ。
 ネオラクゴとは、いつも他人事ではなく我が事なのである。

 最後は、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、お手伝いに来られている作家の桜井さん考案のお題に居並ぶ面々が解答していくというのは、いつもの通り。
 昨夜は、三幸さん、あおばさんのほか、ひらたいさん、すかいどんさんの男性二人、文(がっこう)さん、わたあめさんの女性二人、つごう四人の大喜利愛好連が出演し、六者六様の答えを繰り出していた。
 三幸さんや大喜利猛者が揃っていたこともあってか、小刻みにヒットを重ねる試合内容だったのでは。
 そうした試合状況に感心してみせるあおばさん、さらにそれを含めて巧くまわしてみせる太遊さんも強く印象に残ったが。
 で、あおばさんに促されて太遊さんがラストのお題に答えたところで〆た。

 と、今回も盛りだくさんなネオ落語・セントラルでした。
 毎週月曜夜8時は、皆さんも笑いと熱気に包まれた錦湯さんへぜひ!
(もしかしたら、早めに来ないと立ち見になることがあるかも)
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月14日

ネオ落語・セントラル 第35回

☆ネオ落語・セントラル 第35回

 出演:月亭太遊さん、笑福亭笑利さん、センサールマン、B-PLUTO&WEST-E
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、合田団地君、ぷるーとさん
(2016年6月13日20時開演/錦湯)


 ここのところ月曜日といえば、なんだか雨が多いという感じなのだけれど、昨夜は梅雨の合間、ほどよいお天気だった。
 そんなお天気同様、ネオ落語・セントラルも、ご新規さん(佐賀からのお客さんも!)にリピーターさん、常連さんがバランスよく集まった大盛況で重畳重畳。
 そうそう、来週の月曜日(20日)がお誕生日なので一週早めですが、と開演前に常連仲間の方からお菓子をいただいたのだった。
 こちらがゲストを務めたバラエティキョウトでのレイトショー寄席で、誕生日のことを口にしていて、そのことを覚えていてくださったとのこと。
 自分でも忘れていたことで、嬉しいかぎり。
 本当にありがとうございます!
(お菓子のチョイスがまた、どんぴしゃ!!)

 35回目となる今回は、太遊さん、笑利さん、センサールマンのお二人とNSC26期生同士が結集(その関係性については、笑利さんがマクラで触れていた)、加えてB-PLUTO&WEST-Eのお二人とのラップ関連の動画の撮影あり、雑誌「BP」さんの取材陣ありと、トークから激しく盛り上がる。
 WEST-Eさんからは、終演後CDをいただいたが、日頃クラシック音楽ばかり聴いているので、とてもよい刺激になった。

 で、よいタイミングで笑利さんが高座へ。
 カモにしようと老人を巻き込んだものの、そこは相手が何枚も上手、目くらましのたぶらかしにころりとだまされた博打好きの若い衆。
 今度は自分がだましてやろう、と喜び勇んで老人の真似をしたはよいが…。
 という、おなじみの『看板のピン』を演じた。
 セントラルの笑利さんというと、「笑の破壊者(クラッシャー)」ぶりが強く印象に残るも、おろしたばかりの『看板のピン』は楷書の芸というか、掛け合いにせよ間の取り方にせよ、きっちり丹念に演じていく。
 それでいて、その中から笑利さんらしさが垣間見えてくるのがまた面白い。
 例えば、老人の口調などには時代劇の風情があったりして、なおかつそれが後半、アホが真似する際にしっかり活きている。
 笑いのツボが決まった一席。

 続いては、センサールマンの漫才で、おなじみ読み聞かせシリーズ。
 お客さんから観て左側の愛植男さん演じる父親が、右側の山崎仕事人さん演じる子供に本を読んであげるという体のネタだ。
 植男さんの声芸、激しい動きと、昨夜の笠地蔵は怖さもグレードアップ。
 今は亡き淀川長治さんだったら、「だんだんだんだん近づいてくる、怖いねえ怖いねえ」と口にすること必定である。
 やましごさんの受けもぴったりで、あれよあれよと笑いきることができた。

 トリは、太遊さんの『シューティング☆スター』。
 マクラの部分で、過去の『お庭の奥のマムー』とのつながりをちらと匂わせてから、お話に入る。
 星に願いを。
 流れ星に願いをかけた少女。
 と、本当にお星様が相談にのってくれたのはよかったが…。
 自らの「チャームさ」を強調したり、意図的にだじゃれを放り込んだりと、笑いの豊富な作品。
 だけど、毒というか、考えるきっかけもきちんと仕掛けられていたのも確か。
 転がる石に苔は生さない、という言葉を思い起こす内容となっていた。
 それにしても、少女が口にするマクラのあのフレーズ、他人事ではないんだよね…。

 最後は、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、来場の作家キタムラさん(かわら長介さんの門下)によるお題に、笑利さん、植男さん、やましごさん、そして大喜利出演者の貯蓄アンドザシティさん、合田団地君、ぷるーとさんが挑んだ。
 きわきわの線上で見事に仕事を決める植男さん、コンスタントにヒッティングするやましごさん、気持ちの悪いイラスト付きで壊しにかかる笑利さんと、プロ勢が激しく解答すれば、大喜利愛好家陣も果敢に攻める。
 他の解答者や場の空気をきちんと読んだ貯蓄アンドザシティさん、初出場ながら悪目立ちもせず退きもせずで良い加減のぷるーとさん。
 また、合田君は太遊さんとの間でルーティンな掛け合いをやっていた。
 しかも、太遊さんの適切な仕切りがあって、単なる乱打戦に終わらなかったのも爽快だった。

 と、いつもに増して盛りだくさん、熱気にあふれたネオ落語・セントラルでした。
 来週月曜夜も、錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月07日

ネオ落語・セントラル 第34回

☆ネオ落語・セントラル 第34回

 出演:月亭天使さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん、月亭方気さん、石村一也さん
(2016年6月6日20時開演/錦湯)


 いよいよ梅雨入り。
 なんとか昨夜はよいお天気を保っていたものの、とうとうじめじめうっとうしい季節の到来である。
 6月(20日)生まれとはいえ、この時期の気圧と湿度の連続Wパンチにはどうにもうんざりで、こういうときこそ心のうちだけでもすっきりしたい。
 その意味でも、ネオ落語・セントラルは本当にぴったりだと思う。
 34回目となる今回も結構な入りだったのだけれど、天使さんがマクラで触れてもいたように、常連さんやリピーターさんに加えてご新規さん、それも女性のお客さんが多く、ここのところのセントラルの変化をよく表していた。

 まずは、天使さん太遊さん、恩狸さん、方気さん、石村さんによるトークから。
 自己紹介の部分では、1月18日の第14回以来だから約半年ぶりとなる天使さんと、3月7日の第21回以来だから約3ヶ月ぶりとなる恩狸さんのセントラル「復活」が笑いに繋がっていた。
 そして、後半は先頃コンビを解散された石村さんが、最近関わっている脱出ゲームの問題を出題したり、愛が高じてネタにもしているビックリマンチョコのシールを袋を開けずに当ててみせたりするという趣向で大活躍。
 7割方当たると、若干控えめに石村さんは口にするも、見事十字架天使(ちなみに、開封は天使さん)を当ててみせた。

 と、長めのトークであたたまったところで、「勉強」のために来ていた文五郎さんが急遽高座に上がる。
 で、マクラでいつも以上に汗をかきますと断ってから、本題の『池田の牛ほめ』へ。
 あほが知恵をつけられて、池田のおっさんのところまで普請と牛を誉めに行く、というおなじみの古典だけれど、登場人物のやり取りの間合いがよく、くすぐりも丹念に仕掛けられていて、しっかり笑いが生まれていた。
 おまけに、マクラを伏線に変えて、汗の部分でわかせていたのもさすが。

 続いては、恩狸さんが登場。
 高身長に加えて美麗な羽織姿と、久しぶりの恩狸さんからは貫録というか、何やら大立者のような雰囲気が醸し出されている。
 事実、東京の落語家さんとの会をスタートさせる予定など、ここのところ活発旺盛に様々な活動をされているようで、恩狸さんの今後の活動には目が離せない。
 そんな恩狸さんが演じたのは、これまたおなじみの『手水廻し』。
 前へ前へのやってる感は抑制し、進行も考えてか速いテンポで話を進めて行く。
 その調子のうちに、恩狸さんの「フラ」が垣間見えるのがおかしい。
 もちろん、長頭を回す場面や、手水が出てきて難儀をする場面と、ここぞという見せ場ではきっちり決めていた。
(そういえば、今月25日の桂三実さんとの『ふたりでできるもん!』の告知をやってなかったなあ。大阪の動楽亭で14時から。桂三幸さんと文五郎さんも出演されてます)

 三番目は、天使さん。
 さらにお久しぶりということで、マクラでは近況報告なども。
 本題は『饅頭こわい』。
 町内の若い衆が集まって、何が好きか嫌いかと他愛もない話で盛り上がっていたが…。
 という、こちらもおなじみの古典だけれど、くすぐりばかりでなく、登場人物の描き分けなどにも枝雀さんの流儀が入っていたか。
 怪談の部分も含めて、たっぷり語るところに天使さんの意欲が窺えた。
 こうした高座に接することができるのも、セントラルならではの魅力だと思う。
 次回はどんな噺が聴けるのか、非常に愉しみだ。

 太遊さんのネオ落語のネタおろし(降臨)は、『かりそとね』だった。
 タイトル通り、もはやネオ落語の十八番、クラシックとでも呼ぶべき『たまげほう』にも登場する伝統芸能「かりそとね」が肝となる作品。
 先代などはありはせぬ、当代一代っきり。
 自分で創り上げた芸を自分一代で潰してしまうのが「かりそとね」の伝統、というあたりからして太遊さんらしい。
 途中、玄人と似非玄人、プロとプロまがい(セミプロ、とはちょっとニュアンスが違う人たち)の違いを示唆する部分もあるなど、笑いたっぷりのマニフェストともなっていた。
 ラストの「高揚」も、ネオ落語ならでは。

 待ってました、トリは方気さんの新作ネタおろし。
 その名も『ブスの恩返し(表記はこれでいいのかな?)』。
 初めての新作披露ということで、マクラはじりじわと長めに。
 その駆け引きも面白い。
 で、新作の前半は、自らの恋愛にまつわるどろどろを赤裸々に語る内容。
 再演再再演も当然あるはずなので、ここで詳しくは触れないけれど、方気さんもやってくれまんなあ!
 そして後半は、方気さんの願望も入った「ブスの恩返し」。
 突拍子もないくすぐりもあったりして、単なる擬古典に終わらない作品となった。
 こういう「私落語」、僕は好きだなあ。

 気がつけば22時を過ぎ、今回は大喜利はなし。
 それもまたよきかな。
 全員のトークでお開きとなった。

 と、今夜も盛りだくさん、生ならではライヴならではの笑いとおかしさに満ちたネオ落語・セントラルでした。
 皆さんも、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月31日

ネオ落語・セントラル 第33回

☆ネオ落語・セントラル 第33回

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、笑福亭智丸さん
 大喜利出演:神龍さん、ひらたいさん、くりりん君、かるあ君、fromyohさん、合田団地君
(2016年5月30日20時開演/錦湯)


 解剖台の上のミシンと蝙蝠傘。
 なんて喩えはかえって陳腐に過ぎるかな、何が出会うかわからないのがネオ落語・セントラルの妙味。
 先週はネタがつくのもあえて辞さないというあたりでこの会のクラッシャー(破戒者)ぶりを見せつけたが、今週は今週で上述した如くお客さんの三分の一程度が大喜利に出演するという新たな出会いと笑いを愉しむことができた。
 33回目となる昨夜は、おなじみ桂三河さん、月亭太遊さんに加え、笑福亭仁智さんのお弟子さんである笑福亭智丸さんが初登場。
 智丸さんは入門以前、本名の疋田龍乃介名義で『歯車VS丙午』<思潮社>を刊行している詩人でもあって、スタートのトークでもそのことが触れられていた。
(3年ほど前か、実は智丸さんの出身校である大阪芸大の人から、落研に詩の本を出した面白い人がいると聴かされたことがあったのだけれど、それが智丸さんだった)

 で、三河さんが大喜利のみの出演ということで、トークを長めにとってから、智丸さんが高座へ。
 初めてとなる錦湯さんのお客さんの様子を、そろりしかりとうかがいつつマクラを。
 そして、お客さんへのアンケートのうち、挙手の数がもっとも多かった『千早振る』を演じる。
>ちはやふる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは<
 百人一首の中の在原業平の歌の意味を尋ねられた男が得手勝手な解釈を口にしていく、というおなじみの古典だけれど、「智丸」の名の由来ともなった丸っこくて愛くるしい容姿とは一転、上方の名人風の低い美声と間合いで、智丸さんは二人の男の掛け合いを丁寧に演じ、ここぞというところで笑いをつかんでいた。
 加えて、噺の内容もまた智丸さんにぴったりだったと思う。

 続いて、トリの太遊さんが高座へ。
 SNSの功罪やここ数日の落語会でのエピソードをマクラで語って、まず大きな笑いが起こる。
 今回のネタおろしは、『寄り添う二人』。
 共依存なんて言葉を使うとかたっくるしいか、べたべちゃぐちゃぐにゅひっつき合ったカップルを笑ってみせようというお話、と書くと一面的に過ぎて、要は「お互い、自律しましょうや」ってこと。
 前回の『当代モトクラシー』とも繋がる内容だ。
 で、ワイプ・ワイプ・ワイプというか、唖然とするような話の跳躍も笑いを生んでいた。

 最後は、定番の大喜利。
 作家の桜井さん(あいにく昨夜はお休み)らが考案したお題に上述した面々が解答していくというもので、「正解」を狙う藤野さん(三河さん)に対し、シシカバブーに高木ブー、シシドカフカに宍戸錠、志士の獣欲鰊が破恥、使途使途ぴっちゃん詩途ぴっちゃん死途ぴっちゃんといった具合のひと癖もふた癖もみ癖もよ癖もある大喜利連を、太遊さんが的確巧妙に仕切る仕切る。
 そして、太遊さんの差配で決めは疋田さん(智丸さん)。
 「スパーニャ」、「ハゲミヤビ」と詩神ぶりが十分十二分に発揮されていた。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 何と出会うか、誰と出会うかわからない、そんなネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 10:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月24日

ネオ落語・セントラル 第32回

☆ネオ落語・セントラル 第32回

 出演:桂三幸さん、桂三河さん、月亭太遊さん、桂文五郎さん、月亭八織さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、ぽんこつさん
(2016年5月23日20時開演/錦湯)


 暑い暑い暑い。
 暦の上でも夏はまだだというのに、連日激しい暑さが続いている。
 日暮れてなお暑い。
 こういうときこそ、笑いで暑気払い。
 というわけでもないだろうが、昨夜の錦湯さんにも、ご新規さんにリピーターさん、常連さんと、大勢のお客さんが集まった。
 32回目となるネオ落語・セントラルは、おなじみの桂三幸さん、桂三河さん、月亭太遊さんに、月亭八織さん、桂文五郎さんの五人の落語家さんの出演。
 まずは、各々の落語家さんの色の違いなどを活かしたトークで盛り上げる。

 で、きりのよいところで、文五郎さんが高座のほうへ。
 町内の喜六のところに嫁いできたのは、見目麗しい女性。
 ところがこの女性、京のお公卿さんのもとにいたものだから、口にする言葉口にする言葉が至極難解で…。
 ああら、わが君というフレーズが印象深い、古典の『延陽伯』(東京の『たらちね』)である。
 ポマードで撫で付けた黒髪に黒紋付と、これぞ「THE落語家」といういで立ちの文五郎さんだが、前回も記した通り、登場人物の演じ分けがはっきり明快で所作も大きく、話の内容がとてもつかみ易くわかり易い。
 しかも、お経の要領でちんと鐘を鳴らしたところで、錦湯さんの電話がちんとなって、しっかり笑いに変えていたのには、笑運の持ち主とみた。
 いずれ、大舞台でのいわゆる大ネタに接するのが愉しみだ。

 続いては、三幸さんが登場。
 錦湯さんではこれがなくては、の三幸マクラで笑いをとったのち、本題へ。
 古典の『鉄砲勇助』の山賊と猪のくだりをハイテンポで。
 ヘタウマならぬ、アラウマ、ザツウマというとちょっと違うか。
 基本は端正な語り口なのだけれど、ここぞという部分で、三幸さんらしいおちょけが入っていて、そのおちょけがまた愉しい。
 そうそう、三幸さんのマクラに慣れ親しんでいる方は、三幸さんのブログのほうもぜひ!

 三番目に演じることなどまずない、とマクラで断る八織さんは、『金明竹』をかけた。
 使いの人がやって来て、留守中の旦那さんに伝言を頼んだはよいが、この伝言というのが全くちんぷんかんぷん、わけわからんちんで…。
 はじめ、小僧さんとごりょんさんのやり取りを重ねておいて、噺の肝となる伝言の部分にかかるわけだが、まずもって小僧さんの仕草がかわいらしい。
 そして、肝の部分。
 八織さんの特性からすれば、なおさらスリリングな箇所なのだけれど、そうしたあたりも踏まえた上で八織さんは話を進めていたと思う。
 ねじ伏せ畏れられる落語家ではなく、多くの人に愛される落語家を目指しているだろう八織さんには、もしかしたらぴったりのネタなのでは。

 ネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルと、すでに30回近くも出演している三河さんにとって、目下の悩みはここ錦湯さんで何を演じるか。
 ネタの開拓は必至ということで、三河さんが挑戦したのは、3年ほど前に月亭太遊さんが作ったネオラクゴ『モホロビチッチの不連続面アイドル』を改作した『三生出ゆーな』だった。
 友人に誘われて、地下アイドルよりさらに下のモホロビチッチの不連続面アイドル・三生出ゆーなのライヴに男は行くが…。
 次から次へと本音を口にするアイドルの姿には、太遊さんらしい毒っ気があって、そこにかぶさる「みなまでゆーな」のコールもおかしい。
 さらに、三河さんには、正真正銘のアイドル好きならではの想いのようなものが窺えたのも面白かった。
 そうそう、マクラのちゃいちゃい寄席でのエピソードにも笑ったなあ。

 トリは太遊さんで、昨夜のネタおろしは『当代モトクラシー』。
 恋の悩みで泥酔した女性に呼び出された男だったが、実はこの女性というのは…。
 過日、先輩の落語家さんの新作の会で「だじゃれ」の強みを目の当たりにしたという太遊さんは、過剰なほどにだじゃれを仕掛ける。
 当然笑いも起こるが、それとともに私落語的な意味合い(というか、題名も含めて強いメッセージ性)も興味深くおかしかった。
 サゲもだじゃれ、と思わせて歌付きエンドロールで〆る。

 最後は、定番の大喜利へ。
 太遊さんの仕切りの下、お手伝いに来られている作家の桜井さん考案のお題に、三幸さん、三河さん、文五郎さん、八織さん、大喜利愛好家の貯蓄アンドザシティさん、ぽんこつさんが挑んだ。
 太遊さんと文五郎さんがあえて際どい方向へ行く中、三幸さんや三河さんは「正解」(ここの大喜利では、ずばりその通りという解答は正解に選ばれる)を狙い、八織さんは身近なネタで勝負していた。
 一方、貯蓄さんは将棋の名人名手の風。
 すでに錦湯さんでの登場も回を重ね、安定した解答だ。
 今回初陣のぽんこつさんも、きちんと場の雰囲気、流れを読みながら答えを続けていた。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 毎週月曜の夜は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月17日

ネオ落語・セントラル 第31回

☆ネオ落語・セントラル 第31回

 出演:月亭太遊さん、十手リンジン
 大喜利出演:広瀬信輔君、ながい君(表記?)
(2016年5月16日20時開演/錦湯)


 どうやら月曜の夜は雨と相場が決まっているらしい。
 などと思いながら、錦湯さんに足を運ぶ。
 開演10分前になってもぽつんぽつんとした客の入り。
 今夜はこの調子ですかね、と常連さんと顔を見合わせていたらなんのなんの、そこからどっとお客さんがやって来て、結果は大盛況。
 ネオ落語・セントラルの好調ぶりを示す。
 昨夜は、ご新規さんやリピーターさんの率が高かった。

 31回目となる昨夜は、月亭太遊さんと十手リンジンのお二人(客側から見て左側の十田卓さん、右側の西手隼人さん)が出演。
 二組三人だけの出演ということで、お客さんから集めた質問に答えたりしつつ、冒頭のトークにたっぷりと時間を割く。
 酔っぱらった西手さんが、自分のマンションの前にあるホテルの2階のロビーのベンチで朝まで寝ほうけていたというエピソードがおかしかった。

 で、充分盛り上がったところで、十手リンジンの漫才へ。
 ともに体育会系、しかも陸上好手というコンビのエンジン全開先手必勝的なスタイルは、すでに錦湯さんでもおなじみ。
 昨夜は、教科書にのるような偉い人になりたいという西手さんの希望を受けて、十田さんが授業を始めるといったネタを披露していたが、速いテンポで笑いを重ね、ゴールまで駆け切った。

 続く、トリは太遊さんのネタおろし『インディジュナスEXPO2020』。
 インディジュナスは土着的土俗的とでも訳すのか。
 万博にちなんだ作品を、という委嘱にそっての新作で、太遊さんが敬愛する岡本太郎の太陽の塔の説明なども行ってから本題に入る。
 太陽の塔の第4の顔(実際は行方不明)を奪わんとした二人組の男だったが、天罰が下ったか、未来へとタイムスリップし…。
 といった展開で、一聴、下ネタ全開。
 と思わせつつ、実はそれ自体で大きな意味を持っているし、当然含みもたっぷりの作品に仕上がっていた。
 さて、ここからさらにどう化けるのか?

 最後は、即興コントという手もありつつも、定番の大喜利。
 太遊さんの仕切りの下、十田さん、西手さん、会場からの広瀬君、ながい君(Variety Kyotoで知り合う。落研から劇団愉快犯に入った変わり種)で、お題に挑んだ。
 太遊さんと西手さんはルーティンのやり取りを繰り返し、十田さんはそこに絡みつつ、広瀬君やながい君の解答にも言葉を入れるという、プロらしい駆け引きを見せる。
 一方、広瀬君やながい君もコンスタントに解答を繰り出していた。

 ラストのトークでは、太遊さんの攻めで守勢にまわっていた十手リンジンだったが、最後の最後、太遊さんの頭の臭いを嗅ぐというネタで、一気に逆襲。
 大きな笑いが生れた。

 と、昨夜も盛りだくさんでした。
 雨にも負けないネオ落語・セントラルへ皆さんもぜひ!
 そして、奈良では太遊さんに加え、十手リンジンのお二人もレギュラーとなったネオラクゴ・マンサルド(にこちゃん堂。次回は、5月20日19時半から開演予定)も開催されますので、そちらもぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月13日

レイトショー寄席その三

☆レイトショー寄席その三

 監修・出演:月亭太遊さん
 ゲスト出演:中瀬宏之
(2016年5月12日20時半開演/Variety Kyoto)


 Variety Kyotoで開催される月亭太遊さん監修のレイトショー寄席も、昨夜で最終回を迎えた。
 で、なんとその最終回は、当方、中瀬宏之がゲストとして出演し、錦湯さんでのネオラクゴ・フロンティア、並びにネオ落語・セントラルを振り返るという趣向。
 この一年半の間、2回目を除けばほぼ皆勤、太遊さん以上に月曜夜の企画に通っている人間ということでの選択である。
 と、いうことで、出演者自身がこういった記録を投稿するのは、それこそ「勝者の歴史」もいいところだけれど、そこはいつもの慣習ということでご容赦のほど。

 まずは、多数のお客様にお越しいただきありがたいかぎり。
 そのことに感謝しつつ、定時の前からゆるゆるとおしゃべりを始めた。
 一応小屋入り前に、Variety Kyoto真向かいの柳湯さんでひと風呂浴びてさっぱりした太遊さんと簡単な打ち合わせは行ったものの、基本は即興ということで、良い意味での出たとこ勝負。
 第一回目のゲストでもあるライターの神野龍一さんに作成していただいた、この間のネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラルの資料(当方のブログを参考)を肴に、話を進めて行く。
 はじめは、どうしてこのような企画を始めたのかといったことや、ネオラクゴの作り方、ネタおろし(降臨)の意味など、錦湯さんでの企画の大本を太遊さんに話してもらい、そこから一つ一つのネオラクゴの説明(ネオラクゴ体系というのかな、作品と作品のリンクについて。あと、太遊さんの実体験の反映であるとか。『地球溶接倶楽部』と『くぐつぐつ傀儡軒』は、より詳しい説明も)や、懐かしのエピソードなどへ。
 もちろんそこは太遊さんだけに、ここぞというところで笑いを仕掛けることも忘れない。
 こちらも刑事コロンボ(小池朝雄と石田太郎)の拙い物真似などを振ってもらったりしつつ、プロと素人の違いや、奈良のマンサルド、神戸の落語会とネオラクゴの企画の今後の展開へと話を繋げていった。
 最後は、太遊さんが愛用のポメラとともに、『友は自らを家畜と知らずに』のリーディング(!!!)を行い、レイトショー寄席を〆た。

 こうやって人前でトークをするのは、同志社大学での映画の上映会の司会以来だったが、太遊さんというトークの名手が相手、しかもお客様の暖かい反応もあって、約1時間半、無事乗り切ることができた。
 皆様、本当にありがとうございました。

 そして、毎週月曜20時のネオ落語・セントラルにぜひぜひお越しくださいませ!!
posted by figarok492na at 08:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月10日

ネオ落語・セントラル 第30回

☆ネオ落語・セントラル 第30回

 出演:桂三幸さん、桂ぽんぽ娘さん、月亭太遊さん
 大喜利出演:月亭遊真さん
(2016年5月9日20時開演/錦湯)


 世はゴールデンウィーク明け。
 おまけにあいにくの雨降りと、なかなか厳しいコンディションとなった昨夜だったが、ついに30回目となったネオ落語・セントラルは好調な入り。
 はじめは男性率が高かったものの、開演前後に女性のお客さんがばっとやって来て、バランスがよくなった。
 ご新規さん、リピーターさん、常連さんと、こちらのバランスもよくて何より。

 今回の目玉は、錦湯さん初登場となる桂ぽんぽ娘さん。
 近頃メディアへの露出も増えてきたぽんぽ娘さんといえば、なんと言っても「ピンク落語」で攻める芸風の持ち主だが、桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭遊真さんとのスタートのトークでも、初っ端から飛ばす。
 もちろんそこはプロの芸人さんゆえ、お客さんの反応を窺いつつではあるけれど。

 で、遊真さんが急遽漫談をすることとなり、高座に上がって入門がらみなどのエピソードをひとくさり。
 遊真さんの新しいネタも愉しみだ。

 続けて、三幸さんが登場。
 そそっかしい事務所の人や三幸さん自身の路駐のエピソードで笑わせてから、本題(題不明)へ。
 余命いくばくもない重病であると勘違いした自動車会社の社長は、入院中の自分に優しくした者に多額の遺産を渡すと遺言書に認めたところ…。
 といった展開。
 次々と現われる息子たちとの会話に、細かいくすぐりが仕込まれている。
 それぞれのキャラクターもわかりやすく、面白かった。
 ところで、三幸さんのネオはめ物はまだか?

 そして、ぽんぽ娘さんが登場。
 下はやらないと言いつつ、そこはお約束。
 直球勝負でエロス(エロより、エロスという感じ)を放り込む。
 ねっとりした初代三亀松流のいやらしさとは異なって、ある意味実に清々しい。
 本題はぽんぽ娘さんの新作で、女性どうしの掛け合い、笑いの中に本音というか、真情も垣間見えていたのではないか。
 ろくでなし子ならぬ、呼んでぽんぽ娘さん。
 次回の出演が待ち遠しい。

 トリは、太遊さんのネタおろし(降臨)『ムーンパレス』。
 日々の労働に倦み疲れ、死にたい死にたいを繰り返すお麩工場の社員。
 そんなんあかんと諭す友人とともにクラブに繰り出す道すがら、二人が見つけたのは「サンパレス」ならぬ「ムーンパレス」だった…。
 風営法なども絡めつつ、ホラー色の強いところに、山田かまちや寺山修司といったくすぐりも織り込んで笑いの多い作品に仕上げていた。
 サゲも見事に決まる。

 最後は、定番の大喜利。
 昨夜は、遊真さん仕切り、作家の桜井さん(昨夜はネオ落語・セントラルのお手伝い)考案のお題に、三幸さん、ぽんぽ娘さん、太遊さんが挑む。
 当然ここでも攻めるぽんぽ娘さん、負けじと応じる太遊さん、そんな中、我関せじとコンスタントに答える三幸さん、三者三様の解答が続いていた。

 あと、ラストのトークで、落語家の落語を聴けばその人の恋愛具合がわかると言って、男性陣三人の違いを語っていたのも興味深かった。
 それって、お芝居の演技や作家の文章にも繋がっているような気がするので。

 と、昨夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 毎週月曜の夜は、皆さん錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!

 そうそう、今週木曜(12日)の20時半からはVariety Kyotoで太遊さん監修による「レイトショー寄席その三」もされています。
 太遊さんとともに、中瀬もネオラクゴ・フロンティア、並びにネオ落語・セントラルの約1年半について語る予定ですので、常連さんもそれってなあにという方も、ぜひぜひお越しください。
 もちろん、太遊さんの落語も聴けますよ!
 予約の方は中瀬までご一報を。
posted by figarok492na at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする