2018年02月20日

第18回座錦湯

☆第18回座錦湯

 出演:月亭方気さん、日本夢之助さん、藤本真希さん、藤本康志さん
(2018年2月19日20時開演/錦湯)


 2月も半ばを過ぎたというのに、まだまだ寒い京この頃。
 それでも、今夜の錦湯も、常連さん、リピーターさんに大喜利猛者と多彩なお客さんが集まった。
 18回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんにピン芸人の日本夢之助さん、初出演となる三線の藤本真希さん、その夫で藤本康志さんの四人が出演した。
(ただし、康志さんはトークと大喜利のみの出演)

 定刻20時を過ぎたあたりで、四人が登場。
 方気さんと三朝温泉での繋がりやアジア住みます芸人のエピソードを日本夢之助さんが語れば、真希さんの天然ぶりを康志さんが語って、インティメートな雰囲気で笑わせる。

 で、頃合いを見計らって、真希さんが三線を持って再登場。
 真希さんは沖縄出身で、ご両親も沖縄在住、といった一端は前回の出演時に康志さんが漫才中に語っていたところ。
 確かに、こいつぁ天然、というか天真爛漫天衣無縫な柄の人だなあと心地よくなりつつも、まあ歌のほうは申し訳程度だろうと高を括っていたのが大間違い。
 あとで方気さんがマクラで語ったところによると、天童よしみの先生に歌唱を学んでいるそうで、澄んで張りのある声は美しい。
 真希さんのフラに微笑みながら、三線の音色ともども沖縄の歌の数々を愉しんだ。
 というか、真希さんに勧められるままハイサイおじさんでは踊り狂ってしまったほど。
 真希さんの意図はひとまず置くとして、よくよく考えずとも沖縄の歌の持つ意味合いはわかろうはずで、傍目も気にせず踊り狂って、おまけに身体が痛くなったのだから、これではハイサイおじさんならぬ、基地外おじさんのおまぬけおじさんではないか。
 ああ。

 続いては、日本夢之助さんがトークを展開。
 錦湯出演は相当お久しぶりとなる二回目。
 現支配人の方気さんや錦湯での会の創始者である月亭太遊さんら他の芸人さんとの関係譚に始まって、自分自身の芸名の話などを訥弁の能弁といったスタイルで語っていく。
 もう一つ夢之助さんの特性といえば、斜に構えるというか、一歩前進二歩後退さらに一歩前進といった話の切り口か。
 アンパンマンについて粘り強く突っ込んで、滑稽さを醸し出していた。

 トリは、月亭方気さんが務める。
 前回宣言した通り、これまでなかなかかけてこなかったネタをあえて掘り出して試してみるというシリーズの第二段。
 これが二度目であるという古典の『大安売り』だ。
 町内の関取に江戸での勝負はどうだったかと訊いてみたところ、勝ったり負けたりと返事がある。
 これは正直な関取だと、重ねて勝負の内容を訊いてみたまではよかったが…。
 という筋運びで、錦湯では桂三河さんの十八番(?)だし、露の棗さんもかけていたが、お二人はその容姿雰囲気にあわせて大柄大造りな高座。
 一方、方気さんは小兵相撲というか、細部まで丁寧に仕上げた語り口で、当然今現在の錦湯さんでの番組を考えてのネタの選択でもあるのだろうけれど、それよりもっと先の番付を睨んだ勝負の積み重ねのようにも感じられた。
 継続は力なり。

 などと、前半は三朝温泉の話もあったりして、冬の温泉場での渋い会といった趣だったが、後半は一転、大喜利レースが繰り広げられた。
 今夜は、大喜利猛者のゴハさんの出題と仕切りで、出演者の四人、並びに方気さん、康志さん、真希さんの落研の後輩にあたるぷるーとさんが解答に挑むというスタイル。
 康志さん、夢之助さん、方気さんがコンスタントにヒットを重ね、ぷるーとさんがその間隙を突き、さらに真希さんがらしい答えで笑わせるといった展開ののち、そんな五人に煽られてお客さんの中からも解答が飛び出した。

 今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は皆さんも錦湯さんにぜひ!!
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2018年02月13日

第17回座錦湯

☆第17回座錦湯

 出演:月亭方気さん、桂あおばさん、桂三実さん、笑福亭智丸さん
(2018年2月12日20時開演/錦湯)


 いやあ、痛い。
 いくらなんでも氷点下の寒さにはかなわない。
 そんな厳しく激しい寒さが続く京この頃だが、三連休最終日の今夜も座錦湯は問題なく開催された。
 17回目となる今回は、支配人の方気さんに、おなじみのあおばさん、三実さん、智丸さんの四人のご出演。

 定刻20時を過ぎたあたりで、方気さんが高座へ。
 バレンタインが近いということで、まずはふるまいチョコあり。
 多謝!!
 次に先週の急な休みに関して報告があったのち、ほんまに、ほんま、ほんまに、ほんま…とどこかで耳にしたフレーズを繰り返す方気さん。
 おやこれは、と思っていると、これからは今までかけてこなかったネタを掘り出していくことにしたいという趣向とのことで、その一発目として、ほんの僅かな期間入門していた月亭可朝さんにつけてもらった唯一のネタである『犬の目』をつけてもらった通りにかけてみると本題に入って行った。
 『犬の目』といえば、月亭太遊さんや月亭遊真さんも錦湯でかけている月亭一門にとってはおなじみのネタの一つだが、方気さんは可朝さん流儀。
 はじまりからして変化球というか、あえてテンポをずらして軽みの効いた筋運び。
 患者と医者、医者と助手のやり取りの滑稽さが増している。
 実に新鮮でおかしな『犬の目』だった。

 続いては、あおばさんの登場。
 実は、座錦湯さんの公式アカウントのツイートではあえて出演者として記載されていなかったあおばさんだけれど、我が意を得たりしてやったりと快調な出だし。
 最近、桂枝雀さんのSR落語にはまっているといくつか例として演じた上で、自作のSR落語も披露する。
 その流れで、素人さん・学生さんの演じる落語を観聴きすると刺激を受けるとも。
 続いて、ざこば師匠とのエピソードなども語って盛り上げる。
 まさしく舌好調。
 さらには、まだ錦湯さんでもかけてない古典のネタがいくつかあると、そのうち『ろくろ首』の冒頭部分をさらっとかけてお客さんの反応を試したりもする。
 途中のアクシデントも巧く笑いに変えて、大きな拍手の中、あおばさんは高座を下りた。

 三人目は、三実さんだ。
 自分は高校を卒業してすぐ(桂文枝=当時三枝師匠)に入門したので、勉強したといえばかれこれ7、8年前になるがと断ってから本題の新作へ。
 ある高校生が好きな女の子を紹介してもらうために友人とのしりとり勝負に挑むが…。
 といった展開の作品で、しりとりや会話の中に学校で習ったあれやこれやが巧みに織り込まれている。
 そのチョイスが的確というか、面白い。
 流れのよい快活な口演だったが、後半の「変容」(とあえて呼びたくなる)も皮肉が効いていておかしかった。

 トリを務めたのは、智丸さん。
 今日の出演者で酒好きといえば支配人の方気さんがいっとう最初にくるだろうが、自分もそれなりの酒好き。
 だからお酒の噺をしたいのだけれど、ここ錦湯さんではなぜだか「汚い」ネタが多くなってしまう、その点ご勘弁を、と断って演じたのは『禁酒関所』。
 殿様から酒を飲むなと禁酒のお達しがあり、酒を持ち込んではならじと関所まで設けられてはいるが、そこは酒好きの侍のこと、どうにか屋敷まで酒を届けてくれと頼んできた。
 そこで、酒屋の連中はあの手この手を思い付くのだけれど…。
 というおなじみの古典で、智丸さんは規矩によくそった丁寧な筋運び。
 それでいて、侍と酒屋の人間のやり取りの滑稽さ、丁稚のかわいらしさにも欠けていない。
 智丸さんの渋み、よい意味での荒味の効いた声も噺の雰囲気によく合っていた。

 最後は、四人のトークで〆た。
 なぜだかご機嫌の方気さんや、三実さんや智丸さんにネタを振るあおばさんと、ここでも皆さん快調だった。
 そうそう、方気さんと智丸さんは入門が同期だが、そのことに関して近々何か報告があるかもしれない様子。
 これまた愉しみだ。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんぜひ!!
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2018年02月05日

第16回座錦湯

☆第16回座錦湯

 出演:桂あおばさん、月亭秀都さん
(2018年2月5日20時開演/錦湯)


 またもや大寒波が襲う京この頃で、今夜はめっきり冷え込んだ。
 そんな中、錦湯さんは常連さんにリピーターさん、そしてご新規さんとなかなかのお客さんの入りだった。
 ある常連さんに伺ったところ、以前世界向け用に撮影された錦湯さんでの会のことが昨夜NHK地上波の全国放送で放映されていたとか。
 実際、その放映を観てお越しになった東京からのお客様もいらしたほどだった!

 16回目となる今回の座錦湯は、支配人の月亭方気さんが体調不良で急遽お休みとなって、出演者は桂あおばさんと月亭秀都さんのお二人。
 が、そこはおなじみあおばさんと、月亭一門のホープ秀都さんだけに、全篇しっかり乗り切った。

 定刻20時を少し過ぎたあたりで、あおばさんと秀都さんが登場。
 開口一番、あおばさんが錦湯さんでは定番のネタというかぼやきで笑いをとると、秀都さんも負けじと自らのエピソードを披露。
 近況や落語界のあれこれを語って大いに盛り上げた。

 と、頃合いのよいところで、秀都さんが高座へ。
 昨夜、とある超満員の落語会に間近に接してその「グルーヴ」にいたく心を動かされた。
 規模は違えど、ここ錦湯さんでも熱い「グルーヴ」を期待したいとマクラで呼びかけて本題の『兵庫船』に入る。
 旅の二人連れがいわゆる兵庫船に乗り込んだところから噺は始まり、船中の情景が謎かけなどを織り込みつつ描かれたのち、船旅に暗雲が立ち込める…。
 という、上方ではおなじみの古典落語。
 秀都さんは、快活なテンポを維持しつつ焦って巻くことなく噺を進めて行く。
 久しぶりにかけるネタゆえ、アクシデントも発生したが、そこも巧く機転を効かせて笑いに換えた。
 途中、お客さんも秀都さんの煽りに乗って「グルーヴ」を醸し出していたのではないか。
 そうそう、秀都さんの野太いじゃないな、よい意味で渋さ荒さのある声は滑稽な噺に向いているような気がした。

 トリは、あおばさん。
 身近にいるおかしな人たちのエピソードをマクラで語って笑わせる。
 さて、袴姿が凛々しいあおばさんだけれど、今夜の本題はそのいで立ちにぴったり。
 旭堂南鱗先生につけていただいたという、講釈ネタの『木津勘助』を演じてみせた。
 木津勘助とは、豊臣の末から江戸時代の半ばまで大坂のために尽くした実在の人物で、中でも飢饉の際に黒田藩の米蔵を打ち破り、そこの米を人々に分け与えたたことで知られている。
 ただし、講釈並びに落語で取り上げられるのはその前日譚。
 大坂の豪商淀屋十兵衛に気に入られ、遂にはその娘が嫁に入ってしまうという勘助の若き日の姿を描いた物語だ。
 あおばさんは、大きな筋をきっちり語りつつ、そこに様々なくすぐりを仕掛け、さらには小咄を盛り込んで、笑いどころの多い噺に仕上げる努力を重ねていた。
 あおばさんの研鑽と意欲が窺える高座だった。

 最後は、再びあおばさんと秀都さんのトークで〆た。

 落語がたっぷり二席に、丁々発止のトークと、今夜も大いに愉しみました。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!!
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2018年01月30日

第15回座錦湯

☆第15回座錦湯

 出演:月亭方気さん、桂三幸さん、リスナップ
(2018年1月29日20時開演/錦湯)


 少し穏やかになったと思ったら、またぞろぐっと冷え込み始めた京の夜だったが、錦湯さんは常連さんに、お久しぶりのおなじみさん、リピーターさん、さらには3月に出演希望のご新規さんがバランスよく集まって、けっこうな入りだった。
 15回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんに前支配人の桂三幸さん、そして漫才のリスナップのお二人が出演。

 定刻20時を少し過ぎたところで、方気さんの盟友であるリスナップのお二人が登場。
 なにせ、客側から見て左側の少しふくよかな藤本康志さん、同じく右側の少しスリムな土井隆さん、ともに方気さんと同じ関西大学の落研仲間なのだ。
(藤本さんが方気さんと同じ回で、土井さんが後輩)
 で、インフルエンザが流行っているが大丈夫ですかと健康に心を配ったり、実弾攻撃一口チョコを手ずから配ったりと、お客さんへのサービス精神をまずもってアピール。
 それから、幅広く活躍するお二人らしく、大衆演劇での経験を面白おかしく語ってみせる。
 方気さんも三幸さんも新作をかけるので時間を伸ばさなきゃいけないと内幕をばらしてさらに笑いをとったのちは、藤本さんがお嫁さんの実家である沖縄を訪ねたエピソードへ。
 実は藤本さんのお嫁さんのお母さんは…。
 と、ここから先は別のライヴやイベントでぜひぜひお聴きくださいませ。
 何か沖縄の風を感じる、おかかなしいならぬ、ちょっとおかおかしい「ファミリープロット」だった。
 最後は、物真似しろという藤本さんの無茶振りに土井さんが応じて(?)方気さんにバトンタッチした。

 続く、方気さんは開口一番、非常に驚きの報告。
 座錦湯とも深く関係した報告なのだけど、あえてここではまだ触れないことにしておく。
 ある意味、春らしい報告であった。
 さて、方気さんがかけたのは、先々週演じそびれたお客さんからいただいたお題「バレンタインデー」をもとにした新作である。
 我々米朝一門(月亭一門が桂米朝さんの一門であることを忘れちゃちゃあいけない)はまず『東の旅』の発端から始まると断って、扇子を二本ぱたんぱたんと打ち始める。
 で、そのまま本題の新作へ。
 今回は虎の巻があるから大丈夫!
 まさしく張り扇調の名調子で、幸薄子なる薄幸な女性のバレンタイン悲話を「読み」「聴かせた」。
 よくできたほら話だけれど、女性が痛い目にあうあたり方気さんらしいとも思ってしまった。

 トリは、三幸さん。
 こちらも虎の巻持参で新作に挑む。
 どちらかといえば、方気さんが完璧主義の垣間見える虎の巻であるとすれば、三幸さんは肩ひじ張らぬ柳に風、無手勝流で我が道を行く虎の巻の感強し。
 大きな声で独り言を口にする携帯電話ショップのお客さんと女性店員のやり取りを描いたもので、そこここに仕掛けられたくすぐりに加え、虎の巻の行ったり来たりも笑いに変えていたのは、三幸さんならではだった。
 完成形がどのようなものになるか、サゲの部分も含めて愉しみだ。

 最後は、大喜利を決行。
 今夜は大喜利猛者で常連のゴハさんが出題するお題に、方気さん、三幸さん、藤本さん、土井さんが応える形式だ。
 定石にそった「正解」もきちんと出て来るけど、やはりこのメンバーだと脱線脱臼した答えも少なくない。
 藤本さんなど、毒っけたっぷりだった。
 ただ、ちょっと後半は耐久戦気味の展開にも。
 長丁場を方気さんの解答が〆た。

 と、今夜はある意味スリリングさに満ちた座錦湯でした。
 毎週月曜20時は、皆さん錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2018年01月23日

第14回座錦湯

☆第14回座錦湯

 出演:月亭八斗さん、笑福亭大智さん、露の新幸さん、桂りょうばさん
(2018年1月22日20時開演/錦湯)


 東北関東では激しい雪となっているそうだが、なんとか京都は雨で留まった。
 それでも気温はぐぐんと下がって厳しい寒さの夜となったものの、今夜も錦湯さんには常連さんやご新規さんとなかなかの数のお客さんが集まり、まずは重畳。
 14回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんが拠無い事情のため急のおやすみとなったが、おなじみ月亭八斗さんのほか、笑福亭大智さん、露の新幸さん、桂りょうばさんの四人の揃い踏みで、危うげなく乗り切った。

 定刻20時頃に、八斗さん、大智さん、新幸さん、りょうばさんが登場し、各々簡単な挨拶をすませたところで、早速大喜利に突入。
 大智さん仕切りの下、大喜利猛者のゴハさんが用意した難問と呼ぶべきお題に残りの三人さんが挑むということで、これは苦戦するかなと思っていたら、なんのなんの。
 最近の話題をあっけらかんの気楽感と盛り込むなど、これはという解答が続く。
 こうしたスタイルの大喜利は初めてというりょうばさんも、そこはリリパ等々でもまれただけあって、毒っけも辞さずにコンスタントな答えを披露していた。
 大智さんはその名の如く大柄で、かつ軽妙な仕切り。
 林業をやっていたときの山で毒キノコを食べたエピソードがおかしかった。

 で、頃合いのよいところで大智さんが高座へ。
 笑福亭仁智さんのお弟子さんである大智さんといえば上記の如く林業(伐採)をやっていたことで知られているが、ラジオ好きとしては、ABCラジオの『兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ』で兵動さんのトークに準レギュラー的に登場していることをすぐに思い出す。
(終演後お声がけしたら、二人で何か会ができないかとお話していると教えていただく。これは愉しみだ!)
 そんな大智さんはお子さんとのほんわかしたエピソードをマクラで語ったのち、本題の『看板のピン』を演じる。
 誰か博打のいい相手はいないかと町内の若い衆が声をかけたのは、隠居と呼ばれる老人だった…。
 というおなじみの古典だけれど、大智さんは軽快な流れで間のよい筋運び。
 隠居の老人の渋い声も堂に入っており、お調子者が真似をする際の間抜けぶりとの対比も面白かった。

 続いては、りょうばさん。
 二回目となる錦湯さんだが、ここは雰囲気がいいのでまた来たいと思っていた。
 それに大きな通りからちょっと入った錦湯さん辺りのちょっと静かで暗い感じも貴重だし、脇のトイレのところなど真っ暗…。
 といった流れから本題の『稲荷俥』へ。
 高津神社の門の辺りで客待ちをしている人力車夫に一人の紳士が産湯まで運んでくれと声をかける。
 狐や狸が出るので産湯には行きたくないという車夫だったが、車賃をはずむとの紳士の言葉に思わず承知してしまい…。
 大師匠の桂米朝さんを筆頭に、いわゆる米朝一門が得意とする噺の一つであり、りょうばさんは要所急所をよく押さえつつ強弱を巧くつけた口演で、後半、車夫が紳士の忘れていった財布の金で酒盛りをはじめようとする場面などには話がぱっと広がっていく感じがした。
 枠の中できっちり仕上げていく部分と、それを踏み越えて大きく跳躍しようとする部分の駆け引きというか、変化の様が興味深い。

 三席目は、八斗さんだ。
 先日とある落語のレースで苦汁をなめた、以前錦湯さんでかけたこともあるが、せっかくお師匠の月亭八方さんに教わったネタでもあるので、この間の研鑽をぜひとも観てもらいたいと『野ざらし』を演じる。
 もちろん、八方師匠とのやり取りに触れて笑いをとることも忘れてはいなかったが。
 八斗さんといえば、まずは鼻にかかった女ぶりが板についていて、これはきっと小股の切れ上がったいい女なんだろうなと想像するのだけれど、もう一つ忘れられないのは、あほな男が釣り竿持ってさいさい節を歌うところ。
 ここの盛り上がりが強く印象に残った。

 トリは、今夜で二回目の出演となる露の新幸さん。
 身近で起こったちょっとおかしいと思えるエピソードをマクラで披露し、本題へ。
 お師匠の露の新治さん(その名の通り革「新」的な落語家さんである)の十八番といえる『狼講釈』をかけた。
 前半は革新的、じゃない確信的に丁寧に話を進め、肝となる狼相手の講釈の部分ではここぞとばかり語り上げていた。
 その脱臼ぶりには、筒井康隆の小説を思い起こしたほどだ。
(というか、たぶん筒井はこの噺にも影響を受けてるんじゃないのかな)
 前回の『金明竹』同様、新幸さんの高座の流れのよさを愉しんだ。

 と、大喜利に古典落語四席と予想以上に密度の濃い回でした。
 ああ、面白かった!!
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2018年01月09日

第12回座錦湯

☆第12回座錦湯

 出演:月亭方気さん、桂恩狸さん
(2018年1月8日20時開演/錦湯)


 三連休最終日は、あいにくの雨。
 それでも錦湯さんには、常連さん、リピーターさんがなかなかに集まって、新年一回目に相応しい会となった。

 12回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんとお久しぶりの桂恩狸さんの出演。
 定刻20時を少し過ぎたあたりで登場したお二人だが、方気さんは黒の紋付、一方恩狸さんは白ではないけれどアイボリーというかクリームというか白系統の色合いということで、コントラストがよくきいている。
 で、先代の支配人桂三幸さん時代以降、久しぶりの出演となる恩狸さんは、The錦湯や座錦湯の番組の組み方、つまるところ自分にとって錦湯さん出演へのハードルが非常に高かったと熱弁をふるう。
 その途中、前回出演時に左手を骨折していたことの原因や、例年年末に恩狸さんと方気さんで参加している蟹食べ放題のツアー(恩狸さんが方気さんをごちそうしている由)について、面白く脱線したりもした。

 と、盛り上がったところで、恩狸さんが高座へ。
 この座錦湯が今年の高座初めになるという恩狸さんは、12日の桂文福一門会に備えて自作の新作『喫茶・鉄』をかける。
 昼休みのサラリーマン二人が昼飯でも食べようと足を運んだのは、喫茶・鉄。
 いったい何が売りなのだろうと、店に入ったところ鉄は鉄でも鉄板焼きの鉄ではなく…。
 すでに何度か接したことのあるネタだけれど、細かいくすぐりや展開などについて、どうすればさらに面白くなるかという恩狸さんの意欲が窺える高座だった。
 それとともに、どこから飛び出すかわからない隠し玉というか変化球というか、話の突然の跳躍がいつもながらにおかしかった。

 続いては、方気さんだ。
 ガキ使や紅白歌合戦、そしてゆく年くる年と大晦日のテレビの話題や、このお正月に関する話題をマクラで語った方気さんは、こういう寒い時分は食べ物、それも暖かい食べ物の噺をかけたいと本題の『時うどん』に入る。
 もはや語るまでもない、そして方気さん自身が口にしていた通り、ここ錦湯さんでも初代支配人の月亭太遊さんはじめ数々の落語家さんが取り上げた古典中の古典。
 ただし、方気さんは要所要所をきちんと押さえた高座で(ちなみに、方気さんの『時うどん』は二人連れではなく、いわゆる『時蕎麦』として知られている形)、前半の丁寧な仕込みが、後半部分の「変化」に巧く繋がっていた。
 特に、しゃむない男がことごとく間を外される際の感情の動き、うどん屋への反応の様がとてもおかしかった。

 トリは、二席目となる恩狸さん。
 未だ初夢を見ていないと訝りながら、演じ始めたのはこれまた古典中の古典と呼ぶべき『天狗裁き』である。
 妙な寝顔をしている男に対し、女房がいったいどんな夢を見ていたと訊く。
 夢など見ていないと男は言い張るものの、女房はその言葉を信じようとしない。
 隣家の男、家主、町奉行、はては天狗までが男の夢を聞き出そうとするが…。
 というSFっぽくもあり、不条理演劇っぽくもある展開だ。
 恩狸さんは小細工なしの大柄な口演で、噺の筋がよく伝わってくる。
 それとともに、この噺が人間関係というものの微妙さ、崩壊しやすさを笑って、いや嗤ってみせたものであることを改めて感じた。

 最後は、方気さんと恩狸さんのトークで〆たが、ここで方気さんがお客さんよりお題を募集。
 来週15日の座錦湯で、お題をもとにした新作のネタ下ろしができればと話された。
 今年は創作にも力を入れたいと口にする方気さん、果たしてどのような作品に仕上がるか。
 こうご期待である!

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 毎週月曜20時は、皆さん錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年12月26日

第11回座錦湯

☆第11回座錦湯

 出演:月亭方気さん、桂三幸さん、林家染八さん、月亭秀都さん
(2017年12月25日20時開演/錦湯)


 世はクリスマス!
 平日ではあるけれど、イヴほどではないとはいえある種イベント化しているクリスマス、しかも寒さ厳しい京この頃、が、蓋を開けたら錦湯さんには大勢のお客さんが集まった。
 12月に入って、常連さんにリピーターさん、ご新規さんとバランスのほうもよくなっている。

 で、年内最後となる11回目の座錦湯は、支配人の月亭方気さんに前支配人の桂三幸さん、おなじみの林家染八さん、月亭秀都さんが出演した。
 定刻20時を10分ほど過ぎたあたりで三幸さん以外のお三人が登場、クリスマスだしあえて遅れて来てるんではと盛り上がっているところに三幸さんが到着、なんのこたない、環状線が遅れているというオチ。
 さらに、秀都さんのお師匠さんである月亭文都さんと方気さん、秀都さんの三人で方気さんの実家から送られてきた牡蠣を食べたら、他の二人はあたったにもかかわらず、秀都さんだけなんともなかったというエピソードが笑いを誘う。

 と、頃合いを見計らって秀都さんが高座へ。
 先輩方のマクラの定番のエピソードに、「会を開いたらお客さんが一人。自分と相手と差し向い」というのがあるけれど、いやいやそんなことあるかいなと思っていたら先日そんなことがありました、こうやってお客さんにお越しいただいてありがたいとお礼の言葉を述べてから、本題の『転失気』へ。
 お医者さんから「てんしき」なる言葉を訊かれた和尚さん、なんのことだかわからない。
 が、そこは知ったかぶりの和尚さんのこと、自分で確かめるのはプライドが許さぬとばかり小僧さんを訊かせに行かせたが…。
 というおなじみの古典。
 底意地の悪そうな和尚さんと、かわいらしいけど機転の効く小僧さんという対比がまずおかしい。
 そして、終盤小僧さんからの偽の情報に踊らされる和尚さんとお医者さんのやり取りが実に滑稽だ。
 秀都さんの柄、語り口によく合ってるように感じた。

 続いては、染八さん。
 着物の色が毛氈や座布団と丸被りで、大きな笑いが起こる。
 で、年末に落語家で108個の小咄を語るイベントがあって自分もいくつか考えなきゃいけない。
 ついては、その思い付いた分をここで試しておきたいと早速披露。
 今年にぴったりのネタで、イベントの成功を心より祈っております!
 本題のほうは、年の暮に相応しい『尻餅』。
 餅つきの音ぐらいさせたいという嬶の言葉に、何を思ったか貧乏な男、嬶の尻を持ちに見立てて叩けば餅つきの音になると…。
 というこれまたおなじみの古典で、すでに一度錦湯で染八さんもかけたことのあるネタだ。
 やはり見せ場聴かせ場は男がちんつき屋(餅つき屋)の真似をし始めて、嬶の尻をテンポよく叩いていくところだろう。
 仕草姿がおかしいし、ちんつき屋(に扮した男)の歌声などには染八さんのこれまでの研鑽も窺える。
 ただ、それに加えて印象に残ったのは、嬶が夫の寝顔に言葉をかけるところ。
 この噺の肝が、マクラでもちらと触れられた貧乏な男と嬶の結びつきであることに改めて気づかされた。

 三席目は方気さんで、実家七尾のエピソードをマクラで語ったのち、新作の『とかいなか』をかける。
 今は都会と田舎の中間である「とかいなか」がクローズアップされている。
 で、そんな「とかいなか」を代表するその名もとかいなかという架空の場所が舞台のお話で、さらにこのとかいなかの人口アップ、知名度アップをはからんと昔話の桃太郎を下敷きにしたパンフレットが作られようとしていた…。
 以前、錦湯でも演じられたことがあるのだけれど、主題がしっかりしている上に、細かいくすぐりが効いており、さらに時事ネタも織り込まれていて笑いが豊富な作品となっている。
 方気さんの十八番の一つとなるのではないか。

 そして、トリは三幸さんだ。
 ささっとと言いつつ、マクラを語る三幸さん。
 その肩肘張らない軽快なマクラが面白い。
 さらに、本題はお師匠さんの桂文枝さんがつくった新作『お忘れ物承り所』。
 駅のお忘れ物承り所に集まる人々の姿を、基本はリアル、けれど巧くデフォルメを効かせて描いた作品で、しっかり笑いどころが詰まっている。
 しかも、今夜はさらに、前のネタ(『転失気』)を受けたエピソードが加わるなど三幸さん流の脱線脱臼がはまって大きな笑いが起こっていた。
 いやあ、おかしかったなあ。
(余談。この作品に接すると、「透明な過去の駅で遺失物係の前に立った僕は余計に悲しくなってしまった」という谷川俊太郎の詩をふと思い出す。文芸趣向の強い文枝さんとはいえ、いくらなんでもまさかそれとは関係ないだろうけれど)

 最後は、大喜利。
 前支配人の三幸さんが約束した大喜利大会とはならず、大喜利猛者も集まってはいなかったが、常連さんやリピーターさん、ご新規さんも客席から果敢に参加。
 方気さんの仕切りの下、三幸さん、染八さん、秀都さんがコンスタントに的確な解答を重ね、2017年の錦湯さんでの大喜利を〆た。

 終演後は、クリスマスパーティーと忘年会を兼ねた打ち上げ&交流会が久しぶりに開催され、思わず聞し召した当方はすぐさま顔を真っ赤にしてあれこれ歓談してしまった。

 と、今夜も盛りだくさんな座錦湯さんでした。
 2018年も毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
(正月1日はお休みです。悪しからず)
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2017年12月19日

第10回座錦湯

☆第10回座錦湯

 出演:月亭方気さん、月亭天使さん、桂三実さん、笑福亭智丸さん
(2017年12月18日20時開演/錦湯)


 師走真っ盛り。
 新年を間近に控え、寒さも一段と厳しくなってきた京この頃だが、錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとバランスよくお客さんが集って、けっこうな入り。
 10回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんをはじめ、月亭天使さん、桂三実さん、笑福亭智丸さんとお馴染みの顔触れが揃った。

 定刻20時を少し過ぎたあたりで、方気さん、天使さん、三実さんが登場。
 近況報告というか、最近体験したあれあれ??と思うようなエピソードなどを語って盛り上げる。

 で、頃合いの良いところで方気さんが高座へ。
 方気さんといえばもちろん月亭八方さんのお弟子さんだけれど、実はその前に半年間だけ八方さんのお師匠さんにあたる月亭可朝さんの弟子をやっていたことがあったと、可朝さんへの入門時代のエピソードをいくつか語ってくれたのだが、いやあこれが可朝やん(by上岡龍太郎さん)らしいとんでもないもので、大いに笑ってしまう。
 一方、本題は可朝さんにつけてもらったものではないが、月亭一門にとって避けては通れないのが博打ということで『看板のピン』を演じる。
 昔博打で鳴らした老人に授かった(?)奇策で勝負に挑もうとしたまではよかったが…。
 というおなじみの古典で、表情の変化の面白さはもちろんのこと、方気さんの場合、噺運びの丁寧さ、細かい所作も忘れてはならないと思った。
 そして、登場人物がS気質に変わったとたん、がぜん活き活きとしてくる方気さん!
(方気さんと可朝さんの関係を一切知らずに、以前方気さんには「大師匠と通じるものがある」旨記したことがあったのだけれど、なるほどそういうことだったのか!)

 続いては、月亭天使さん。
 開場前に中から三味の音が聴こえてくるなと思っていたら、これが天使さんだった。
 で、クリスマスメドレーを聴かせてくれたのだが、西洋のメロディーを三味線が奏でるそのミスマッチのマッチというか、緩やかでおおらかな雰囲気が錦湯という空間にはぴったりだ。
 婚活を続けているが、どうしてこういうところに参加する男性は自分の顔をきちんと示さないみょうちきりんな写真ばかりアカウントにあげるのかという独身中年男性の当方には少々耳の痛いマクラののち、本題の『書割盗人』に入る。
 天使さんでこの噺を聴いたのは、これで二度目か三度目かな。
 とんとんとんとんとテンポよく進めて行こうとする高座で、耳になじみがいい。
 中性的というとちょっと違うが、媚態に溺れることのない演じ具合、筋運びは天使さんの特性であり、好感が持てる。

 三席目は、よんどころのない事情で入りが遅れた智丸さんだ。
 と、ここで錦湯さんを訪ねて海外からのお客様二人をなぜだか対応せざるをえなくなり外へ出る。
 一人は、台湾からの中年の男性で日本語はもちろんのこと、英語も話せない。
 おまけに、スマホの画面を見せてくれるのだけれど、そこにも中国語しか書いてない。
 もう一人はアジア系の女性(中国か韓国の人)でこちらは英語がぺらぺら。
 二人は連れではないそうで、同時に話しだしたりもして、いやあよそへ行ってもらうのに時間がかかった。
 英会話もそうだけど、中国語会話もある程度マスターして…おく必要はないか?
 で、中に戻るとマクラはほぼ終わって本題に突入。
 子供が昔話を聴いてすぐに眠ってくれるのは20世紀半ばまで…。
 なんだ『桃太郎』か、と思っていると、あれあれなんだかおかしいぞ。
 話が金太郎へと脱臼をし始めて、遂にはとんでもない世界へと拡がって行った!
 まさしく智丸ワールド全開だ。
 確か、智丸さんは藤枝静男の作品を高く評価していたはずだけれど(筒井康隆も高く評価している)、その藤枝作品を彷彿とさせる内容ともなっていた。
 ちなみに、題名は『金太郎』とのこと。

 トリは三実さんで、大阪にはおもしろい人がいますねと観察眼の確かさを示すエピソードを重ねて笑いを生む。
 本題はこれまた新作の『同姓同名』。
 巡査が駐在さんんとしてとある村に赴任することになったのだけれど、この村というのが特徴のある姓名の持ち主だらけの村で…。
 目の付け所のよさが即くすぐり即笑いに通じている作品で、村役場の村長さんの裏切り方など大いに笑ったなあ。
 お客さんもフィーバーしていた。
 三実さんの一筋縄ではいかない新作はやっぱり愉しいや。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 ちなみに来週はクリスマスで今年最後の座錦湯となります。
 ご都合よろしい方はぜひ!!
 ああ、面白かった!!
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2017年12月12日

第9回座錦湯

☆第9回座錦湯

 出演:月亭方気さん、月亭八斗さん、桂あおばさん、海底都市
(2017年12月11日20時開演/錦湯)


 いやあ、寒い。
 寒波の到来と天気予報が言っていた通り、夕方頃から寒さがぐぐぐぐぐっと激しくなった京都だったが、今夜も錦湯さんにはご新規さん、リピーターさん、常連さんが集まって何より。
 後述、桂あおばさんがマクラで「自分の出演のときは…」、といういつもの言葉をかき消すほどの入りとなった。

 9回目となる座錦湯は、支配人の月亭方気さんに、おなじみ月亭八斗さんと桂あおばさん、そして海底都市と四組五人が出演する豪華版。
 まずは、定刻20時あたりにあおばさんが早速高座へ。
 上記、自分が出演したときは…というおなじみのフレーズと、今夜まだ二度目にかけるネタでと言って本題に入りかけたところで、どどどどっとお客さんが入って来て、仕切り直し。
 その仕切り直しのあおばさんの茶目っ気がいい。
 で、本題はおなじみ古典の『阿弥陀池』。
 あおばさんのフラ、師匠桂ざこばさん譲りの語り口と「真情」がよく出て、実におかしかった。
 中でも、だまそうとしてうまくだませぬ滑稽な掛け合いから一転、ついた嘘のせいで落ち込んでしまう男の慌てぶり、おか弱さがあおばさんの柄にぴったりだった。

 続いては、八斗さん。
 高座へ上がった八斗さん、いつもはこういうことは言わないのだけれどと断った上で、あおばさんが今回二度目にかけるネタと口にしたことに対し、そんなことを言ってしまったらお客さんが構えてしまうと苦言を呈する…。
 と、思ったら、自分は今夜がネタおろし…。
 ただ、自分の家の屋根が台風で飛んでしまった(これ、twitterのツイートで知って、わちゃいと驚いていた)、それで金を稼がなきゃいけない等々、「ないない」と断ったはずのマクラを語っているうちに時間が…。
 と、振りつつ本題の『饅頭こわい』を途中から。
 当然スピーディーな展開。
 が、ここから仕掛けが。
 八斗さん!!
 しかし、この仕掛けは別のところで使われるかもしれないので、あえて書かない。
 それを書いたら、『オリエンタル急行殺人事件』の犯人は実は乗客…。
 とネタばれするのと一緒なので。
 マクラが巧く効いていた。

 三組目は海底都市。
 京都小劇場界ではおなじみ西マサト国王と合田団地君によるコンビで、今夜のネタは小物もあったりして相当コント寄り。
 前回同様、西マサト国王の妄想が爆発する展開だったのだけれど、今回はさらに数歩先を狙ったか。
 こうしてお客さんと身近な場所で、果敢に勝負に挑む二人に大きな拍手を捧げたい。
 さらなる挑戦が愉しみだ。

 トリは、月亭方気さんで、あおばさんや八斗さんを受ける形で、自分は久しぶりにかけるネタをやるとまずは一言。
 で、女性は怖いと重ねてから、本題の『転宅』に入った。
 方気さんの『転宅』に接するのは二回目だが、この間の研鑽経験も加わって、トリに相応しい高座に変わっているように僕には感じられた。
 丹念丁寧さもそうだし、構え雰囲気もそうだ。
 それでいて、肩肘張った大げささとは無縁、軽みもあってデフォルメも効かせる。
 女性の演じ方、終盤の間抜けな男の追い詰められ具合も強く印象に残った。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
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2017年12月05日

第8回座錦湯

☆第8回座錦湯

 出演:桂三幸さん、林家染八さん、丸山交通公園君
 大喜利出演:あふろだんぺ〜さん、きょうとうさん、こみやさん
(2017年12月4日20時開演/錦湯)


 世は師走。
 いつの間にやら今年もひと月を切り、寒さもぐぐっと激しくなった京この頃だが、錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まったのは何より。
 8回目となる座錦湯はよんどころない事情のため支配人の月亭方気さんご夫妻がお休みで、前支配人の桂三幸さんにもうおなじみとなった林家染八さん、そして大喜利以外では初登場となる丸山交通公園君が顔を揃えた。

 定刻20時頃に三人が登場し、まずはトークを繰り広げた。
 三幸さんが肩肘張らない軽みの効いた話を投げかけると、弟子入り以前から付き合いの深い染八さんがぱっと応える。
 負けじと丸山君も二人に伍してトークを盛り立てる。
 といった感じ。

 で、頃合いのよいところで染八さんが高座に上がった。
 マクラで大先輩にあたる落語家さんのエピソードなどを語りつつ、流れをつくったところで本題の『太鼓腹(幇間腹)』に入る。
 なじみの若旦那に呼ばれた太鼓持ち(幇間)、お座敷に顔を出すなり、たっての願いがあるからとの言葉。
 いったいどんなことかと思ったら、この若旦那、ここのところ鍼に凝っているということで、どうしても生身の人間に鍼を打ちたい、ついては…。
 といった展開の有名な古典落語である。
 染八さんは、時に強めの声を上げるなどデフォルメを効かせながらも、基本は要所急所を押えた丹念な口演を心掛けていた。
 そうそう、歌う部分での調子のよさも印象に残ったんだった。
 いずれ喉が物を言う噺をたっぷり聴かせて欲しい。

 続いては、丸山君が登場し、丸山交通公園ワンマンショーでネタおろしした『サッカーが世界を滅ぼす』を披露していた。
 すでに大喜利には何度か出演している丸山君だけれど、こうやって一つの芸として出演するのは今回が初めて。
 落語を、漫才を、笑いを愛する丸山君にとってはここでネタを披露できるのは光栄だと断ってから、ネタに入る。
 サッカーは嫌い、どうして嫌いかといえば…。
 と、ワンマンショーでならした口調で言葉を重ねていく。
 ホームグラウンドのK’s office-京都二条の館-に対し、こちら錦湯さんはまさしくアウェイだが、ここぞというところで笑いが起こっていた。
 加えて、ちょっとしたアクシデントが笑いに変わっていたのも「持ってる人」の証拠ではないか。
 錦湯さんでのワンマンショーも期待したい。

 トリは、三幸さん。
 丸山君のネタを受ける形で、自分は小学校の頃サッカーをやっていた…、と自らの来し方・部活の想い出を語ったあと演じたのは、古典の『鉄砲勇助』。
 一度、錦湯さんでも取り上げたネタではあるが、今夜の三幸さんはかつての阪急の特急の如く大宮を出たなら、あとは十三まで停まりませんの勢いだ。
 しかも、その流し具合がいい。
 木曽の山中から北海道の旅行へ移るあたりの素っ気ない感じがおかしかったし、ハイブリッド落語の使途らしいサゲ方にも笑ってしまった。

 そして、今夜は大喜利を決行。
 染八さんの仕切りの下、三幸さん、丸山君がコンスタントに解答する一方、大喜利猛者のあふろだんぺ〜さんや、大喜利連に参入したきょうとうさん、こみやさんもヒットを重ねた。
 それにしても、大喜利好きの人たちは大喜利をやるとアナウンスしていないのに、こうもタイミングよく集まるのか!?

 と、今夜も盛りだくさんな座錦湯でした。
 今後も誰が登場するかわからない座錦湯は、毎週月曜20時からのスタートです。
 ご都合よい方はぜひにぜひに!
 ああ、面白かった!!
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2017年11月28日

第7回座錦湯

☆第7回座錦湯

 出演:月亭方気さん、森乃阿久太さん、林宏樹さん×湯気さん
(2017年11月27日20時半開演/錦湯)


 いくぶん気温が上がったものの、もはや冬かと思うような寒さが続く京この頃。
 そして、別のイベントが開催されていたため30分遅れの20時半スタートにもかかわらず、錦湯さんには常連さんにリピーターさん、ご新規さんが集まった。
 どうやら今夜は湯気さん目当てのお客さんもいらしたような。

 7回目となる今回は、支配人の月亭方気さんに錦湯さんでは2回目となる森乃阿久太さんが出演。
 予定の20時半を少し過ぎたあたりで、その阿久太さんが高座へ上がった。
 いつもと違って、浴場へのガラス戸が開いていて反響が激しかったため、まずはそこらの加減を口にする。
 で、自分は色が黒いが、これは日に焼けたんじゃなくて酒に焼けたものと断ってから酒飲みの話、そして本題の『酒の粕』へ。
 下戸の男がどうしたことか酒粕二枚を食べて酔いが回る、これ幸いといつも馬鹿にしている連中のところへ足を向けたはいいが…。
 という古典落語で、阿久太さんは要所急所をきちんと押さえつつ、自分なりのアレンジも効かせてじっくり語り上げた。
 いぶし銀、滋味あふれる落語家さんになるのではと、これからが愉しみだ。

 続いては、銭湯偏愛ライターの林宏樹さんをホストに、銭湯熟女の湯気さんが登場。
 どうやら、先ごろ刊行された2冊目の写真集のPRのためらしい。
 当然、その写真集に関するやり取りが中心になったのだけれど、プロの落語家さんたちとは一味違う林さんの受け答えに誠実な人柄が窺えたし、湯気さんのそこはかとない(?)雰囲気も滑稽だった。
 終了後、物販にお客さんが集まっていたのも何よりである。

 トリは、方気さん。
 自分はいらちだ、ちょっとしたことでもいらいらしてしまう、とマクラで語ったのちにかけた本題は『天災』。
 妻を殴れば実の母親を蹴り倒すようないらちな男、これではあかんと紹介されたのは心学の先生で…。
 というおなじみの噺で、方気さんは基本は快活、流れるようなテンポだけれど、一方で細かい仕草など細部にも目配りした高座を生んでいた。
 それとともに、例えば心学の先生が男を宥め諭す場面や、男が自らが学んできたことを頓珍漢に説教する場面での、相手を追い詰めるようなところでは方気さんの特性、別の魅力が垣間見えたのもおかしかった。

 と、今夜もバラエティに富んだ座錦湯でした。
 ちなみに、来週は諸般の事情で方気さんはお休みで、前支配人の桂三幸さんがやって来ます!
 毎週月曜20時は座錦湯にぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年11月21日

第6回座錦湯

☆第6回座錦湯

 出演:月亭方気さん、桂ちきんさん、リスナップ、福神よしきさん
(2017年11月20日20時開演/錦湯)


 ぐぐぐぐぐっと気温が下がり、もはや冬なんじゃないかと思う寒さの京この頃だが、今夜も錦湯さんには常連さん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まった。
 6回目となる今回の座錦湯は、支配人の月亭方気さんに桂ちきんさん、福神よしきさん、そしてリスナップのお二人と、ある意味錦湯さんだからこその番組となっていた。

 定刻20時を過ぎたあたりで、ちきんさんと福神さんが登場。
 ちきんさんは桂きん枝さんのお弟子さんで、言わずと知れた(?)映画狂。
 一方、讃岐のヒッチコックの異名をとる福神さんはぴん芸人。
 すでに何度か錦湯さんにも出演して、当意即妙のコンビネーションを発揮してきた。
 まずはそのコンビネーションを活かした掛け合いから。
 まんざいはまんざいでも、良い意味でのいなたさ、大どかさをためた三河萬歳風の掛け合いがどうにもおかしい。
 そして、本藝は福神さんの南京玉すだれである。
 実は福神さんは一度ここで南京玉すだれに挑戦したものの、二つ目の業にかかったところで玉すだれの紐がとれて悲惨な事態に陥った。
 つまりは、今夜はそのリベンジということだ。
 ところどころスリリングな場面はありつつも、ちきんさんの突っ込みを兼ねたおしゃべりの助けもあって、福神さんは無事全ての業を為し切った。
 いやあ、笑ったなあ。
 この二人ならば、異色の太神楽としていけるかも?

 続いて登場したのは、リスナップのお二人。
 客席から向かって左側が藤本康志さん、右側が土井隆さんの漫才コンビで、支配人の方気さんとは関西大学の落研の同期にあたる。
(というか、もともと方気さんはリスナップのメンバーだった)
 千葉県出身の藤本さんは、すでに錦湯さんへも出演ずみ。
 銭湯熟女の湯気さんとのトークの相手をしたのもこの藤本さんで、はじまってすぐにそのことネタにして笑いをとっていた。
 今回が錦湯初出演となる土井さんは滋賀県の出身で、劇団そとばこまちの一員として演劇活動も積極的に行っている(というのは、終了後にお話してわかったこと。あとで調べたら、メイシアターではTHE ROB CARLTONの村角ダイチさんや満福満君とも共演されていた)。
 で、いわゆるコント風ではないしゃべくり中心のネタを披露した。
 持ち時間がけっこう長かったこともあって、いくつかのネタを重ねていくスタイルがとられていたが、そのチョイスというか繋ぎのあたりにも二人の関係性がよく窺えたように思う。
 それまでのいじりの積み重ねが伏線にもなっていて、最後の結婚式のエピソードが中でもおかしかった。

 トリの方気さんは、嬉しい報告から切り出す。
 まさに喜ばしいお話だ。
 そして、本題は『初天神』。
 すでに錦湯さんでも演じたおなじみの古典だけれど、今夜の方気さんはさらにじっくりたっぷり演じてみせた。
 ここぞというところでデフォルメをかけるのは方気さんの特徴なのだが、今回はさらに磨きがかかるというか、粘りをきかせるというか、その仕掛けっぷりが面白い。
 特に、父親が飴玉を選ぶところやみたらし団子の蜜をねぶるあたりの攻め具合には笑ってしまう。
 それとともに、ここのところの高座同様、全体には落ち着きというか重心が下がった感じがしたことも事実である。
 これからの方気さんの落語がますます愉しみで仕方ない。

 さらに、今夜は大喜利を決行。
 方気さん仕切りの下、出演者5人がお題に答えるという形式で、ちきんさん=福神さん、リスナップのお二人というコンビネーションがまずあって、それが微妙に混じり合うスタイルとなっていた。
 乱れつつ、統一のとれた大喜利で、ここでも大いに笑った。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 ちなみに、諸般の事情で来週は20時半からの開演です。
 ご都合よろしい方は、一度ぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年11月14日

第338回市民寄席

☆第338回市民寄席

 出演:桂塩鯛さん、桂三風さん、笑福亭たまさん、月亭天使さん
 座席:1階8列16番
(2017年11月14日19時開演/ロームシアター京都サウスホール)


 二日続けて落語の会だが、昨夜の座錦湯がインティメートな空間でのサロン・コンサートだとすれば、今夜の市民寄席は大ホールでのピアノ・リサイタルと喩えることができるのではないか。
 そういえば、来年で京都に住み始めて30年が経つのだけれど、市民寄席に足を運んだのはなんとこれが一回目だ。
 で、諸事情のため、ホールに着いてから座席を知って大いにびっくり!
 1階の通路を挟んだ1列目、それも高座に真っ向から対峙するという良席も良席で、これは目立つな、いつも以上に縮こまっておかねば…。
 と書くと大げさだけど、近過ぎず、遠過ぎず、この規模の小屋で落語に接するには本当にありがたい席だった。

 さて、一番目に登場したのは月亭天使さん。
 天使さんといえば、錦湯さんでの会やちゃいちゃい寄席、そして独演会とこれまで何度も接してきた落語家さんの一人だけれど、こうして比較的大きなホールの高座を聴くのは初めて。
 自己紹介を兼ねたマクラに続いて、おなじみ『鉄砲勇助』を演じる。
 前座、開口一番の代わりということもあってか、強弱メリハリをつけつつテンポよく噺を進めて行った。
 それでも、火事を背負った牛の背中が燃えだすあたりまでしっかり演じていたが、女性にとってあまり適切とはいえない部分を巧く省略していたのは一つの見識だと思う。

 続いては、笑福亭たまさんが登場する。
 京都とは縁が深い、と言ってKBS京都で番組をもっていたことを軽く語ったあと(もっと縁が深い部分についてあえて言及しないのも賢い)、お得意の30秒落語を連発し、大きな笑いをとる。
 本題は、『軽業講釈』。
 旅の部分ははしょって、たまさんは早速講釈の部分から噺を始めた。
 鳴り出すは隣の軽業小屋のお囃子、もちろん講釈師、途中で講釈を辞めて大声を張り上げる…。
 その繰り返し、というか変奏が肝の作品で、たまさんは変奏ごとに巧く調子を変えながら笑いを生んでいった。
 後半の軽業小屋との対比もくっきりとしてわかりやすい。
 実にクレバーな口演だった。

 三席目は、桂三風さん。
 三風さんは当代桂文枝さんの7番目のお弟子さんで、創作落語(新作)の作り手として知られている。
 晴れて京都市民となったことをまず「報告」したのち、時事ネタをひとくさり。
 そして、お師匠の文枝さんの芸能生活50周年を記念した富士山山頂奉納落語に関して詳しく語ったのち、自作の『目指せ!ちょっと岳』に入った。
 つまりは、登山繋がりということだ。
 登山の案内を引き受けたとある大学の山岳部のメンバーだったが、予想に反して、案内すべき女性登山会のメンバーというのは…。
 登山といえば、月亭太遊さんのネオラクゴ『絶対安全ハイキング』や丸山交通公園君の『登山の害について』をすぐさま思い起こすが、あちらが山を登らず過激に跳躍したり、山に登らず諦念低回地に堕ちようとしたりするのに対し、こちら三風さんの作品は、一歩一歩地に足を付けて山を登るといったまさしく地道な作品。
 大阪のおばちゃん連中のあるあるエピソードをしっかり組み込んで、会場をわかせていた。

 トリは、桂塩鯛さんの『小間物屋政談』。
 塩鯛さんの生の高座に接したのは、染屋町寄席が二条駅近くの喫茶店でやっていた頃だから、かれこれ20年も近く前になるのではないか。
 ただ、かつてKBSのラジオで放送されていた『桂塩鯛のサークルタウン』をよく聴いていたことと、同じ立命館大学出身ということもあって親しみのある落語家さんの一人ではある。
 『小間物屋政談』は、もともと江戸の落語を上方に移し替えたもの。
 旅の途中の小間物屋が追剥にあった小間物問屋の大店の主を助けたが、運の悪いことにこの主が死んでしまい…。
 といった展開の江戸から上方へを上方から江戸へ、箱根の山を鈴鹿峠に変えるなど設定の変更もそうだけれど、やはり大きく変わったのは、江戸と上方の人情の機微のあり様の違いだろう。
 ウェットとドライが綯い交ぜになって即物的な上方の人間の滑稽さが、塩鯛さんの大人(おとなではなく、たいじん)風な語り口と独特のフラによく合っており、なんともおかしい。
 一つ間違うと嫌な感じの残りかねない噺だが、すっきりとした気分で聴き終えることができた。

 と、たっぷり四席。
 充実した会でした。
 ああ、面白かった!!
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座錦湯 第5回

☆座錦湯 第5回

 出演:月亭方気さん、月亭秀都さん、桂りょうばさん、海底都市(西マサト国王&合田団地君)
(2017年11月13日20時開演/錦湯)


 じわじわと寒さが増す京この頃。
 それでも、錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まってまずは何より。

 5回目を迎える座錦湯は、3週休みをとった新支配人の月亭方気さんに月亭秀都さん、桂りょうばさん、そして西マサト国王と合田団地君による漫才コンビ・海底都市の5人が出演した。
 まさに5繋がり。

 定刻20時を過ぎたあたりで、その5人が登場。
 方気さんの3週間のお休みのお詫びを兼ねた挨拶(おなじく支配人となったお嫁様の地元で披露宴を行っていたとのこと。改めておめでとうございます!!)を皮切りに、トークがスタートする。
 まずは初登場のりょうばさんの紹介から。
 桂ざこばさんのお弟子さんで、今は亡き桂枝雀さんの息子さんということで、まさしく上方落語界のサラブレッド! という紹介にご本人はいたって謙虚。
 さらに、太遊さんが支配人時代に登場したとはいえ、あまり面識のない海底都市に対する突っ込みと、あれこれ盛り上がる。

 で、頃合いのよいところでりょうばさんが高座へ。
 東京に長く住んでいたが、なかなか関西の掛け合いの妙をわかってもらえなかったエピソードやざこばさんが倒れた際のエピソードを、自己紹介を兼ねたマクラで語ってから本題の『胴斬り』に入る。
 辻斬りに胴のところから横にずばっと斬られて上半身と下半身に別れた男だったが、相手がよほどの達人と見えて血一つでない状態。
 ちょうど通りかかったいつもの仲間に家まで送ってもらった男は、その仲間から上半身のほうは銭湯の番台に、足の方はお麩屋の生地を踏む仕事を世話してもらう…。
 といった展開の古典で、りょうばさんが本題の前に一言断ったように、考え出すとええっと思ってしまうような実にシュールな噺である。
 以前、二人でできるもんでりょうばさんの高座には接したことがあるが、基本は丹念、丁寧な語り口で、ここぞというところではぱっと場面が拡がるような感じの演者さんである。
 ここでも、噺自体のシュールさナンセンスさをきちんと心得つつも、それを特異なものに感じさせない自然の運びの口演を繰り広げる。
 とともに、冒頭登場する正体不明の辻斬りは置くとして、登場人物の心根のよさ、善良さが伝わってくる高座ともなっていた。

 続いては、西マサト国王と合田団地君による漫才コンビ・海底都市が登場。
 この二人、以前は「努力家でもあり、ボンクラでもある。」の名で出演したことがあるが、どうやら錦湯さんへの出演ごとにコンビ名を変えるようにしたらしい。
 で、この二人といえば、先日丸山交通公園君のワンマンショーでネタを目にし耳にしたばかりだが、今夜はさらに国王陛下の妄想妄念がスパーク炸裂。
 トウキョウマジンクラブ(東京魔人倶楽部?)なる組織や、その組織を生むもととなった映画『トウキョウマジン』やら何やらについて国王陛下が語る語る語り走る。
 脱線余談の部分も含めて、合田君を振り回す体のネタに仕上がっていた。
 さて、次回出演時のコンビ名は如何なるものになることか!

 番組三番目は、月亭秀都さん。
 月亭文都さんのお弟子さんで、最近年季が明けたばかり。
 錦湯さんへは二度目の登場だ。
 マクラでは、藝の幅を広めるためにある試みを行おうとしたところ、大師匠にあたる月亭八方さんから厳しい申し付けがあった。
 しかもそれが直弟子の月亭八斗さんに飛び火して…。
 というエピソードでわかせたのち、本題の『阿弥陀が池』を演じた。
 町内の年かさの人物にほら話でからかわれた男が、こうなりゃ別の人間をからかってやろうと思い付いたのはよかったが…。
 といったおなじみの古典で、秀都さんは非常にテンポよく噺を進めて行った。
 上方流儀のちょっとだみっぽくってちょっとねっちゃりした語り口も相まって、要所急所でしっかりきっちり笑いを生んだ。

 トリは、方気さん。
 先日三代目桂春蝶さんと酒を酌み交わす機会があって、そこで錦湯さんの会の三代目支配人となった話をしたところ、三代目という言葉にぴんときた春蝶さん…。
 という三代目ネタでまずはひと笑い。
 続けて、その春蝶さんから耳にした師匠八方さんの「スリリング」なエピソードでふた笑い。
 さらに、結婚してその「怖さ」を実感した小咄を披露したのち、新婚に相応しい『延陽伯』を方気さんはかけた。
 器量よしの妻をめとったがさつな男だったが、この妻というのがやたらと言葉遣いが丁寧な女性で…。
 これまたおなじみの古典だけれど、ここぞというところで表現表情を的確に変化させながらも、方気さんは焦らず落ち着いた高座ぶり。
 それでいて、重く粘るようなことはしないで巧く時間配分も考えて噺を進め、途中でサゲた。

 と、今夜も盛りだくさんの会でした。
 落語とともに、幅広いジャンルの出演者も募っていきたいという座錦湯に皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年11月07日

座錦湯 第4回

☆座錦湯 第4回

 出演:林家染八さん、笑福亭智丸さん、露の棗さん、露の新幸さん
(2017年11月6日20時開演/錦湯)


 立冬を前にしてぐぐっと気温が下がった京都だが、今夜も錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まった。
 今回は新支配人の月亭方気さんご夫妻の登場、かと思っていたらまさかのお休み。
 しかも前支配人の桂三幸さんも不在という状況だったが、そこは伊達に3年間も会をやって来たわけではない。
 林家染八さん、笑福亭智丸さんというおなじみの顔触れに、初登場の露の棗さん、露の新幸さんと四人の落語家さんが顔を揃え、万事順調に会を進めた。

 で、染八さんの進行のもと、自己紹介を兼ねたトークを繰り広げたのちは、新幸さんが高座へ上がる。
 新幸さんは、露の新治さんのお弟子さん。
 もともとはロックミュージシャン、それもメジャーデビューも果たしたのだけれど…、とまずは詳しい紹介をマクラですませてから本題の『金明竹』へ。
 店番をしていた丁稚、来る客ごとに失敗を重ねてごりょんさんに叱られてばかりだったが、最後に現れた加賀屋の使いが一番の難物で…。
 というおなじみの古典だが、前半の丁稚さんとごりょんさんを中心としたやり取りでは声の強弱や表情の変化を巧くつけながら丹念に噺を進めていく。
 そして、肝となるのはなんと言っても加賀屋の使いの言い立てだ。
 流石は元ミュージシャン(?)、新幸さんはこの言い立てをよどみがなくてテンポよく聴かせた。
 爽快な一席。

 続いては、棗さん。
 露の都さんのお弟子さんで、三年の年季が明けたばかり。
 実は、年季明け初の仕事がこの座錦湯になるとのことで、貴重な機会をこちらもいただいたということだ。
 はじめに、小咄を三つ披露して場をなじませてから演じたのは、「ナイスバディ」な容姿の自分にあったネタの『大安売り』。
 町内の衆と関取の滑稽なやり取りを描いたこれまたおなじみの古典だけれど、棗さんは大ぶりな語り口で、この噺の持つおおどかさをよく掴んでいたのではないか。
 時に内面の細やかさが窺えたりもしたが。
 いずれにしても、今後の棗さんの活躍を期待したい。

 三席目は智丸さん。
 錦湯さんの会で演じてきたネタを再確認したら、『有馬小便』や『転失気』と「汚い」噺ばかり。
 こうなりゃ行くところまで行くと覚悟をした智丸さんが演じたのは、新作の『スネークアドベンチャー』だ。
 何をやっても運のない男だったが、ひょんなことから蛇神から恩返しを受けることになり…。
 20世紀前半に盛んになった新古典派音楽ではないが、智丸さんは古典落語風のやり取り、さらには引用を基調としつつも、そこに流石は詩人と唸らされる特異な言語感覚(何せ「ずんずん丸」!)や突拍子もない設定を織り交ぜて、笑いが豊富の作品に仕立て上げていた。
 口演中の恥じらいというか、臆面のある加減もチャーミングだった。

 トリは、染八さんの『もう一つの日本』。
 笑福亭福笑さんの新作で、商談にやって来たアメリカ人とそれに対する関西のこてこてのビジネスマンの掛け合いがどうにもおかしい。
 時折飛び出す毒の効いたくすぐりも嬉しい。
 染八さんはそうした作品を丁寧に演じつつ、自らの人懐こさ、人柄を巧く垣間見せてもいた。
 トランプ大統領の来日というタイミングにもぴったりのチョイスである。
(『エアフォース・ワン』なんか放映するよりよっぽどましだぜ!)

 最後は、染八さんの仕切りで大喜利を決行。
 智丸さん、棗さん、新幸さんがコンスタントに解答を重ねる一方、客席のおなじみさんも果敢にお題に挑んでいた。
 なお、錦湯さんの大喜利で鍛えられた染八さんが初代支配人の太遊さんの仕切りをリスペクトしていた点にも好感が持てた。

 と、今夜も盛りだくさんな座錦湯でした。
 次回こそは方気さんご夫妻が登場か?
 毎週月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年10月31日

座錦湯 第3回

☆座錦湯 第3回

 出演:桂三幸さん、桂米輝さん、笑福亭乾瓶さん
 大喜利出演:丸山交通公園君、ゴハさん
(2017年10月30日20時開演/錦湯)


 台風が去ってぐぐっと気温が下がり、肌寒さを強く感じる京都だったが、今夜も錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まった。
 新支配人の月亭方気さんご夫妻がお休みとなった3回目の座錦湯は、2週続けて前支配人の桂三幸さんが差配を務める。
 今回は三幸さんのほか、桂米輝さんに笑福亭乾瓶さんと初登場がお二人。

 定刻20時を過ぎたあたりで、お三人が登場しトークを繰り広げる。
 米輝さんや乾瓶さんのお師匠さんや兄弟子さんについて話題になっていたが、そこは三幸さん、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと一筋縄ではいかない。
 そこをまた、米輝さんや乾瓶さんが突っ込んで盛り上げた。

 で、頃合いのよいところで乾瓶さんが高座へ。
 乾瓶さんはその名からも察せられる通り、笑福亭鶴瓶さんのお弟子さん。
 大分県の出身で、入門は去年の12月とのこと。
 見習い期間中だが、今日急に三幸さんからオファーがあってお師匠さんに確認の上、出演が決まった旨、まずもって話す。
 そんな見習い期間中の厳しい生活についてマクラで語ってから本題の『子ほめ』に入る。
 もはや詳しく語る必要もないおなじみの古典である。
 乾瓶さんは楷書の芸というのか、基本はつけてもらった通り細かく丁寧に演じているように感じられたが、あと少しで一本調子になりそうなところで巧くテンポを変えて噺にメリハリをつけている点が強く印象に残った。
 また、語り口に名人大師匠の風を感じさせるところもあって、これからがとても愉しみだ。

 続いては、米輝さんが登場する。
 米輝さんは桂米團治さんのお弟子さんで、今年上方落語噺家グランプリに優勝した若手実力派。
 多芸多才の人としても知られている。
 そんな米輝さんは、昨日日曜日の二つの落語会での三幸さんの無茶苦茶ぶりを「暴露」したのち、新作の『イルカ売り』を演じた。
 落語会にははじめからネタが決まっている場合とその日になってネタを決める場合がある。
 ただ、あまりにも前に決めてしまった場合は、こんなネタやることになってたのか! と驚くケースもあって…。
 で、作中の「桂米輝」が、お師匠米團治さんの独演会で演じなければならなくなったのは、『イルカ売り』という未知の噺。
 さてどうしたものかと慌てふためく「米輝」だったが…。
 といった展開の作品で、時に古典も交えたり落語会の情景を巧みに盛り込んだりとメタ的趣向に富んでいる。
 そこに流れがよくて闊達、なおかつ表現の幅が広い米輝さんの口演が加わるとなると、当然の如く大きな笑いが生まれる。
 米輝さん、その名の通り輝いていた。

 トリは、前支配人の三幸さんだ。
 米輝さんの語った昨日の無茶苦茶ぶりの内情を説明したあと、まもなくR-1の季節ということで過去のネタ二つを披露。
 いわゆるネオはめ物を駆使した作品で、笑いの仕掛けが豊富だ。
 本題は、おなじみ新作の『冬のゴルゴ』。
 削りに削ってここぞという部分を残した作品だけに、くすぐりが巧く効く。
 ネタバレは控えるけれど、ゴルゴ13を題材にするならそうこなくちゃというネタがいくつもあるのは嬉しい。

 最後は、大喜利を決行。
 大喜利ガーのゴハさん考案のお題に対して(出題もゴハさん)、出演出場者が挑むというスタイルで、三幸さんが安定しているのは言わずもがなだが、乾瓶さんが勇猛果敢積極的に解答を重ねていたのは予想外。
 一方、米輝さんは独特なイラストが効果的だった。
 また、ワンマンショーでならす丸山交通公園君も三人に伍してほぼ正解の解答をかましていた。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年10月24日

座錦湯 第2回

☆座錦湯 第2回

 出演:桂三幸さん、桂紋四郎さん
(2017年10月23日20時開演/錦湯)


 台風一過、冴え冴えとする空となり、気温もぐっと下がった今夜の京都だったが、錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんが顔を揃えた。
 新生座錦湯の第2回は、新支配人の月亭方気さんご夫妻がお休み。
 だが、ご安心あれ。
 錦湯さんには、二代目支配人の桂三幸さんがいる。
 ということで、今回はその三幸さんの号令の下、錦湯初登場となる桂紋四郎さんがやって来た。

 定刻20時を過ぎたあたりで、三幸さんと紋四郎さんが登場。
 本当は別の落語家さんが出演の予定だったが、急遽だめになり紋四郎さんを誘ったのだと、三幸さんが手の内を明かす。
 そこは紋四郎さん、それを逆手にとって笑いに換える。
 丁々発止の掛け合いで、盛り上げた。

 頃合いのよいところで、紋四郎さんが高座へ。
 錦湯さんという距離感もあって、いったんはけてまた出てくるのは恥ずかしい。
 それならばと、なんと浴場のほうからぱぱっと出てくる新手の手法を決行。
 インパクト大だ。
 で、自己紹介を兼ねたマクラでお客さんの様子を巧く掴んでいく。
 ちなみに、紋四郎さんは桂春蝶さん(最近の時勢にも乗って、大活躍。ただ、50近くの当方からすると、春蝶といえばどうしても、『霊感ヤマカン第六感』なども含めて、これぞまさしく上方の藝人だなあと感嘆した先代のお父さんのほうを思い出してしまう)のお弟子さんで、阪大の工学部出身の由。
 本題は、『植木屋娘』。
 植木屋の幸右衛門は、娘おみつの婿にひょんなことから知り合った寺に居住している伝吉を迎えたいと思い込むようになる。
 だが、伝吉はもとはといえば五百石の旗本の跡継ぎとなるべき人物で…。
 といった内容で、大きな笑いというよりも話の運びが肝となるべき古典である。
 ここぞというところでは「フォルテ」を活用していたが、紋四郎さんは基本的にはメリハリが効いて歯切れのよい口演。
 べたつかず粘らずのさわやかな語り口で、耳なじみが実によかった。
 へえっとなるようなサゲもすっきりして柄に合っていた。

 トリは、三幸さん。
 そして本題は予告通り、前回ネタ下ろしした新作。
 ちょっとだけ内容に触れれば、甲子園出場を目指すとある高校野球部の試合前日の模様…。
 おっとここから先は言えない言わない。
 観客を巻き込むスリリングな展開で、今夜も幾人かのお客さんが三幸さんの狙い通り、もしくは狙いを外れた「返し」を行っていた。
 さらに、新たに加えたくすぐりもあって、ハイブリッド落語の要素はさらに加速化。
 終演後、紋四郎さんが「アバンギャルド」と喩えたのも無理はないはっちゃけた内容となっている。
 いやあ、笑ったな。

 最後は、大喜利を決行する。
 三幸さんや紋四郎さんらが思い付いたお題を下に、出演者全員が解答に挑むというスタイルで、三幸さんと紋四郎さんのやり取りがはまって決まっておかしい。
 自らを「ジャブを重ねるタイプ」と言う回転の速い紋四郎さんだったが、「片側三車線」は大パンチ。
 それを受けた三幸さんの桂片側三車線もグッジョブ。
 一方、大喜利ガー(by三幸)ではないと断った上で出場したお客さんのたくまさんも、果敢に解答を重ねていた。

 と、今夜もバラエティに富んだ座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は座錦湯に皆さんもぜひ!!
 なお、次回も方気さんはお休みで、三幸さんが差配を務める予定です。
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2017年10月17日

座錦湯 第1回

☆座錦湯 第1回

 出演:月亭方気さん、桂三幸さん他
(2017年10月16日20時開演/錦湯)


 月亭方気さんご夫妻が新支配人となり、その名も「座錦湯」と改まった錦湯さんの会。
 その第1回目はあいにくの雨にもかかわらず、常連さん、リピーターさん、ご新規さんが顔を揃えたなかなかの入りでまずは何より。
 新支配人の道行く人へのお声がけも見事に功を奏した。

 定刻20時を過ぎたあたりで方気さんが登場し、颯爽と高座へ。
 新支配人就任の挨拶を一くさりしたのち、錦湯さんが馴れ初めの場ということもあって、ご夫人とのエピソードをマクラで披露し笑いを生む。
 で、入った本題は『ふぐ鍋』。
 ふぐは喰いたし、命は惜ししとばかり、家の主も客人もふぐ鍋に手をつけようとしない。
 と、そこにおこも(乞食)がやって来て…。
 というおなじみの古典で、方気さんは錦湯でもすでに一度この噺をかけていたが、流れがよくて安定したやり取りの合間に仕掛けてくる表情の変化がおかしい。
 特に、今夜の高座で方気さんの柄にぴったりで一瞬ぞくっとしたのが、おこもに食べさせるふぐをあつらえているときの狂気をためた嗤い!
 テレビドラマ『相棒』のシーズン5の第9話「殺人ワインセラー」で、それまであえて抑えた演技を重ねていた佐野史郎が、最後の最後でかましたマッドな大嗤いを思い起こしもした。

 続いては、錦湯ならではのシークレット・サプライズ。
 それこそ、茶屋町界隈に寄ってっていならぬ、錦小路界隈に寄ってっていだ。
 いや、座錦湯情宣アカウントのツイートでもしやとも思ってはいたのだけれど。
 敵もさるものひっかくもの、うっしっしと大喜びの一時だった。

 三席目は前支配人の三幸さんで、先週スペシャルゲストとして久しぶりに登場した月亭太遊さんとのエピソードをマクラで語ったのち、出来立てほやほやの新作をぶつける。
 支配人は退任したとはいえ、そこはホームグラウンドの錦湯さん。
 攻める攻める。
 これから練りに練っていく新作ハイブリッド落語だけに、あえて詳細は触れないけれど、高校野球をテーマにした観客をぐいと巻き込む新作とはやはり語っておきたい。
 やたけたスリリングな展開だったが、それがまた大きな笑いに変わっていて、面白かった。

 トリは、再びサプライズ!!
 まさか二席とは思ってもみなかった。
 それこそ、夢のような時間を愉しんだ。

 最後は、方気新支配人と三幸前支配人のトークで盛り上げて〆た。
 ちなみに、次回次々回は方気さんがお休みで、三幸さんが差配を行うとのこと。
 この臨機応変ぶりも錦湯ならではのものだ。

 と、座錦湯の船出に相応しい一夜でした。
 ああ、面白かった!!!
 そして、毎週月曜20時は座錦湯に皆さんもぜひ。
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2017年10月10日

錦湯さんでの会の出演者・出演回数記録

☆錦湯での会 出演回数(150回まで)


 2014年10月6日にネオラクゴ・フロンティアとしてスタートした錦湯さんでの会が、昨夜をもって150回目、3周年を迎えました。
 ということで、その出演者を回数順に発表しておきたいと思います。
 出演者は落語、漫才(コント含む)、ピン芸の3ジャンルで出演回数が多い方、同数の場合は基本的に初登場の早い方順に掲載してあります。
 出演者名横の数字は、フロンティア、ネオ落語・セントラル、毎週月曜 錦湯劇場、The錦湯ごとの出演回数と初登場の回です。
 なお、ネオラクゴ・フロンティアのsection2と3、8と9は同一回となるため1回として計算しています。
 また、トークゲストや大喜利出演者に関しては不明確な点もあるため除外してあります。


*落語
116回  月亭太遊 48、46、21、01  フロンティア1〜
65回   桂三幸  17、21、13、14  フロンティア2+3〜
45回   桂三河  18、27、00、00  フロンティア1〜
27回   桂あおば 09、11、01、06  フロンティア6〜
21回   月亭天使 07、11、01、02  フロンティア4〜
13回   桂恩狸  03、08、01、01  フロンティア24〜
      月亭方気 02、03、05、03  フロンティア28〜
12回   月亭遊真 00、07、03、02  セントラル1〜
11回  笑福亭笑利 03、04、02、02  フロンティア18〜
      桂三実  00、04、04、03  セントラル4〜
9回    月亭八織 00、04,04、01  セントラル17〜
6回    桂文五郎 00、04、02、00  セントラル28〜
5回   笑福亭智丸 00、03、02、00  セントラル33〜
      月亭八斗 00、02、01、02  セントラル44〜
      林家染八 00、00、03、02  劇場1〜
4回   柳家かゑる 01、03、00、00  フロンティア43〜
     桂ぽんぽ娘 00、02、01、01  セントラル30〜
     サプライズ 00、01、03、00  セントラル47〜
3回    桂三四郎 00、03、00、00  セントラル17〜
      桂ちきん 00、00、02、01  劇場2〜
       桂小留 00、00、00、03  錦湯1〜
2回   林家けい木 00、02、00、00  セントラル48〜
1回    柳家花飛 00、01、00、00  セントラル50
       桂雀太 00、00、01、00  劇場30
     笑福亭大智 00、00、00、01  錦湯7
     森乃阿久太 00、00、00、01  錦湯7
      月亭秀都 00、00、00、01  錦湯11
       桂治門 00、00、00、01  錦湯14
       桂小鯛 00、00、00、01  錦湯19
   道楽亭くりりん 00、01、00、00  セントラル49
     三憂亭凡馬 00、01、00、00  セントラル49(注)


*漫才・コント
18回 センサールマン 08、08、02、00 フロンティア16〜
7回  十手リンジン  02、03、02、00 フロンティア14〜
6回   太陽の小町  06、00、00、00 フロンティア2+3〜
2回 努力家でもあり、ぼんくらでもある。 2、0、0、0 フロンティア49〜
1回 ネイビーズアフロ 00、01、00、00 セントラル20
   リトルサンパウロ 00、01、00、00 セントラル50
    おたまじゃくし 00、00、01、00 劇場9
   アルトバイエルン 00、00、00、01 錦湯11
      努力クラブ 00、00、00、01 錦湯3


*ピン芸等
8回     ターザン 00、02、06、00  セントラル43〜
5回     石村一也 02、01、02、00  フロンティア22〜
3回    BAVAAAL 00、00、03、00  劇場18〜
2回   かおりーんっ 01、00、01、00  フロンティア48〜
       藤本康志 00、00、01、01  劇場26〜
      福上よしき 00、00、01、01  劇場27〜
1回    日本夢之助 01、00、00、00  フロンティア22
       ちゃびー 01、00、00、00  フロンティア47
    親指ぎゅー太郎 00、00、01、00  劇場11
  バッテンなかちゃん 00、01、00、00  セントラル49(注)


(注)
 ネオ落語・セントラル49は、ネオキャクノセントラルと題して常連客のみの出演回。
 うち、三憂亭凡馬とバッテンなかちゃんは同一人物=中瀬宏之自身です。
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The錦湯 第20回(錦湯さんでの会 150回&3周年記念)

☆The錦湯 第20回(錦湯さんでの会 150回&3周年記念)

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭方気さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、シェンロンさん、きょうとうさん、伊達努さん
(2017年10月9日20時開演/錦湯)


 ネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラル、毎週月曜 錦湯劇場、そしてThe錦湯と続いてきた錦湯さんでの一連の会も、今回で通算150回目&3周年を迎えた。
 ということで、記念すべき今回は、現支配人の桂三幸さん、現在は別府に居を移し九州・関西・東京と各地で活躍している前支配人の月亭太遊さん、プライベートでおめでたいことのあった月亭方気さんの出演。
 150回&3周年、約半年ぶりの太遊さんの錦湯出演、祝日休日と重なって、おなじみ常連さんやお久しぶりの懐かしい顔触れ、リピーターさん、三幸さんや方気さんの熱心なファンの方、さらにはご新規さんと幅広いお客さんが集まり大盛況となった。
 しかも今夜は、CSの旅番組の撮影(11月12日放送予定)まで入り、まさしく記念回に華を添えた。

 定刻20時を少し過ぎたあたりで三幸さん、太遊さん(スペシャルゲストと三幸さんより説明あり)、方気さんが登場する。
 まずはCS番組の撮影の方より、皆さんで「姉三六角蛸錦」の京の通りの名を歌って欲しいというお願いがあり、皆で唱和する。
 京都生まれの常連さんがここで活躍。
 で、今回が記念すべき回であるということがお三人の口から語られ、その中でネタ帳代わりに当方のブログがなっているとのお言葉までいただく。
 恐縮汗顔の至り…。
(台風で休んだ会については、当日足を運んでおられたお客さんより情報をいただいています。あとは、2回目=ネオラクゴ・フロンティアsection2のデータがないのが悔しいかぎり)
 その繋がりで、当方の「ああ、面白かった!!」に加え、月亭八織さんの「みんなで大笑い」というお決まりの言葉も話題となる。
 その後、太遊さんの別府での生活やこの間の錦湯の出来事など近況報告でぐっと盛り上がる。

 で、良い頃合いとなったところで、三幸さんが高座へ。
 軽みの効いたマクラののち、題名を並べてどちらがいいかお客さんにアンケートをとった上で、リクエストの多かった『そらみなよin東京』を演じた。
 自分の夢を適えるからと大阪を旅立った男が向かった先は、東京だった。
 追う彼女。
 そして、留守電のメッセージを聴き続ける男の友人…。
 といった展開の新作=ハイブリッド落語で、おなじみミニスピーカーの活躍するネオはめ物でもある。
 くすぐりの積み重ねが男の頓珍漢ぶりとなっていて、おかしい。
 ハッピーエンドのラストもお話によく合っていて爽快だ。

 続いては、方気さんが登場。
 先述のネタ帳に関する、師匠の月亭八方さんのエピソードを語ってまずはひと笑い。
 さらにマクラを重ねて笑いを生んだところで、本題の『茶の湯』に入る。
 なんの趣味もなかった御隠居が丁稚とともに茶の湯をはじめたまではよかったが、この二人、茶の湯についてなんにも知らないものだから…。
 というおなじみの古典で、方気さんは基本の部分は丁寧丹念な語り口でたっぷり演じ切る。
 上野湯でのちゃいちゃい寄席でも少し感じたことだけれど、重心が僅かに低くなったというか安定感がさらに増したというか。
 もちろん、この噺の肝となるみょうちきりんなお茶を口にした登場人物の表情の変化では思い切りデフォルメを効かせていて、これもまた方気さんの特性魅力と再認識する。

 トリは、太遊さんのネオラクゴ。
 と、その前に別府での活躍活動を笑いを交えながら語る。
 やはり別府には一度足を運んでおかねばなるまいな!
 久しぶりの錦湯で選んだ作品は、『さよならシガー&ラミー』だ。
 カフェで執筆活動に勤しむ男性の前に現れたのはヒッピーの地縛霊、その名もシガー&ラミー。
 ところがこの二人、その姿かたちに反して口にする言葉といえば…。
 自由になれと口にする人間が実は一番しがらみにとらわれていたというあたり、まさしく太遊さんの真骨頂と呼びたくなるような内容だが、そんな作品をあえてこの会に演じてみせたことにも大きな意味を感じた。
 まずは大いに愉しむ。
 それは当然の基本だけれど、それに加えて…。
 という部分、ネオラクゴ・フロンティア以来の錦湯さんでの会の重要な柱になっていることを改めて痛感させられた。

 今回も大喜利を決行。
 太遊さんの下、ゴハさん提供のお題に皆が解答していくという形式で、太遊さんのスピーディーな仕切りがまずは懐かしい。
 一方、解答者も粒ぞろい。
 三幸さん、方気さんのプロ勢に伍して、大喜利猛者の貯蓄君、おお久しぶりやんのシェンロン、2回目の出演となる「きょうとう」さん(で、いいのかな?)、途中からはイラストレーターの伊達努さんもコンスタントにヒットを重ねる。
 捻りの効いた解答に、べたオールドな解答の連打ののち、とどめはきょうとうさんの「みんなで大笑い」。
 よくわかってる!

 最後に何か飛び出すなと思っていたら、先ごろ入籍したばかりの方気さん夫人も登場。
 次回からは、これまでの三幸さんに代わって方気さんが新支配人となり、錦湯さんと縁浅からぬ方気さんのご夫人も積極的に方気さんを支えていくという発表が為された。
 また内容的にも、落語ばかりではなく、銭湯を前面に出してさらにバラエティに富んだ内容に変えていくとのことだ。
 方気さんご夫妻、これからよろしくお願いいたします!
 そして、三幸さん、番組づくり等、この半年間、お忙しい中本当にお疲れ様でした。
 支配人は交代すれども、錦湯さんが三幸さんのホームグラウンドであることには変わりはないわけで、今後ともよろしくお願いいたします!
 最後の最後、太遊さんにあわせて万歳三唱、盛大な拍手で全ては終わった。

 と、150回目&3周年ならではのThe錦湯でした。
 皆さん、これからも毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!!
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2017年10月03日

The錦湯 第19回

☆The錦湯 第19回

 出演:桂三幸さん、桂小鯛さん
(2017年10月2日20時開演/錦湯)


 先日の台風の日以上に強い雨が降り続く京都の夜だったが、錦湯さんには常連さんなどおなじみの顔が集まった。
 19回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんと初登場となる桂小鯛さんが出演。

 定刻20時を少し過ぎたあたりで、お二人が登場しトークをスタートさせる。
 小鯛さんといえば、桂塩鯛(前都丸)さんのお弟子さんであり、つまるところ米朝事務所所属の落語家さんでもある。
 と、いうことで、あなた米朝事務所の小鯛さんとこなた吉本の三幸さんが二つの事務所の違いについてあれこれ語って笑いを誘う。
 さらには、師匠の塩鯛さんや大師匠のざこばさんに関するエピソード等でも盛り上げた。

 で、頃良いところで小鯛さんが高座へ。
 初めての錦湯さんの会、しかも今日急遽オファーがかかった上に全く三幸さんから詳しい説明もないということもあって、トークの間、マクラと会場やらお客さんやらの様子を巧みに窺っていた小鯛さんだが、本題には『青菜』を選んだ。
 仕事を終えた植木屋が旦さんから名酒柳蔭をご馳走になり、鯉の洗いをご馳走になり、口直しに青菜までご馳走に…。
 といったおなじみの古典だけれど、いやあこれは面白かった。
 基本は明晰な口跡でテンポがよくて流れのよい語り口だが、ここぞというところではデフォルメを仕掛けるなど表現に大きさが加わる。
 また、破顔一笑とでも呼びたくなるような笑顔も印象的だ。
 特に、植木屋が旦さんの真似事をして無茶を重ねる終盤、ぐっと噺がはねて笑いも弾けた。
 小鯛さん、これからも注目していきたい。

 トリは、三幸さん。
 以前、錦湯さんでも取り上げた新作で、題名は未詳。
 どうやら部下の刑事が宝くじに当たったらしい、これは捨て置けぬと上司は内々に調査を命じるが…。
 といった具合の展開で、上司の刑事が報告を受けるたびに口にする言葉(大事なネタなのであえて書かない)が、雰囲気はまるで違うものの市川崑監督の金田一耕助シリーズの加藤武演じる警部の風があっておかしかった。
 途中ちょっとだけスリリングな部分もあったが、そこは三幸さん。
 なんなく錦湯流儀でばっちり乗り切った。

 最後は、大喜利を決行。
 大喜利猛者のゴハさんが以前用意した大喜利のお題を読んでもらいつつ、三幸さん、小鯛さん、客席のお客さん数人がお題に挑むというスタイルで、三幸さんがコンスタントに答えを重ねるのは当然な一方、こういった大喜利はまずないという小鯛さんも機転と機智に富んだ解答を繰り広げていた。
 お客さんも、中瀬とかいう変なおっさんを除き健闘していた。

 と、今夜も盛りだくさんなThe錦湯でした。
 そして、来週10月9日は、ネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラル、毎週月曜錦湯劇場、The錦湯と続いてきた錦湯さんでの会の150回、並びに3周年記念の会となります。
 皆さん、錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年09月26日

月亭太遊さんとR-指定さんの対談が面白い

 YouTubeにアップされた、旧知の月亭太遊さんとR-指定さん(CreepyNuts)の対談が面白い。


 あなた落語も愛するラッパーのR-指定さんと、こなたラップを落語に積極的に取り入れた「らぷご」などエッジのきいた新作ネオラクゴで勝負する太遊さんが、お互いの表現、スタイルを尊重しつつ、自らの来し方行く末について語り合っていて、実に聴き応えがある。
 中でも、二人が自らの表現のあり様、狙い、方法について語る7分台後半からの<Kodawari>は、同じ言葉でもって創作活動を行っている当方にとって、様々に刺激となる内容となっている。
 とともに、二人の原点が語られる前半部分も含めて、形式や技というものはそれそのもののためにあるのではなく、表現したい何かがあってのものだと改めて感じたりもした。
 全編15分弱。
 ぜひ一度、皆さんにもお聴きいただければと思う。
 特に、ジャンルは問わず表現活動に携わる人たちにはなべてお薦めしたい。

 それにしても、R-指定さんが演じるネオラクゴってどんな感じになるんだろうな。
 太遊さんとのらぷごとのコラボなど、非常に愉しみである。
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The錦湯 第18回

☆The錦湯 第18回

 出演:月亭天使さん、桂小留さん
 大喜利出演:あふろだんぺーさん
(2017年9月25日20時開演/錦湯)


 18回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんがお休みで、おなじみ月亭天使さんと今回が三度目の桂小留さんの出演。
 常連さんやリピーターさんがお客さんということもあって、定刻20時を過ぎたあたりで登場した天使さんと小留さんは高座に座った「縁側でおしゃべり」スタイルのトークを繰り広げる。
 なかでも、この夏、鳥取は三朝温泉に滞在した小留さんが現地でのエピソードを披露していたのが面白かった。

 で、盛り上がったところで、小留さんが高座に上がる。
 身近で気になる出来事のネタやR-1対策についてマクラで語ったのちの本題は、『つる』。
 町内の物知りに鳥の鶴の名前の由来を教えてもらったあほな男がそれを吹聴するべく、知り合いを訪ねてみたのはよいものの…。
 というおなじみの古典。
 テンポのよい闊達な掛け合いを聴かせた小留さんだが、ここぞというところでは師匠の桂小枝さん譲りのためが入っていて、そこもおかしかった。

 トリは、天使さん。
 天使さんも身近であったどうなんと思う出来事をマクラで語っていたが、どうにも他人事と思えぬ部分もありおかかなしい。
 本題のほうは、『桃太郎』。
 桃太郎の昔話を親がして黙って聴いてくれたのは遠い昔のそれこそ昔話、今の子供はなかなかそうはいかなくって…。
 天使さんは母親が語り聞かせるという形をとっていたのだけれど、『初天神』などと同様、やっぱり子供がキュート。
 あまりこまっちゃくれた感じがしないのがよい。

 そして、今夜も大喜利を決行。
 天使さんが仕切りつつ解答も兼ね、小留さん、あふろだんぺーさんがお題に挑むという構図で、お題がなかなか難しかったこともあって終盤苦戦する場面も。
 が、その苦戦ぶりがまたおかしくもあった。

 と、アットホームな感じの強いThe錦湯でした。
 毎週月曜20時は、錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年09月19日

The錦湯 第17回

☆The錦湯 第17回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、桂三実さん
 大喜利出演:ゴハさん、きょうとう(?)さん
(2017年9月18日20時開演/錦湯)


 世は敬老の日。
 三連休の最終日。
 台風一過で好天となったこともあってか、今夜の錦湯さんは常連さん、リピーターさん、ご新規さんがバランスよく集まってなかなかの盛況となった。

 17回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんに三週連続の桂あおばさん、今回は台風直撃とならなかった桂三実さんのお三人の出演。
 定刻20時頃に揃って登場し、あれこれとトークを重ねる。

 で、程よく盛り上がったところで、三実さんが高座へ。
 あえてゆったりめと見たマクラのあとは、早口が肝となった新作落語(『早口言葉が邪魔をする』か?)を演じた。
 おなじみの早口言葉をアレンジして織り込んだ作品なのだが、その早口言葉の捻り具合に三実さんの言語感覚、というか笑いの感覚の独特さがしっかり表れていて愉しい。
 早口を畳みかけるところの熱の入れようも実におかしかった。

 続いては、あおばさん。
 さっと入った本題は古典落語の『景清』である。
 失明した定次郎は、なんとか眼が見えるようになるようにと清水さんへ連日お参りに行くが…。
 といった具合のおなじみの大ネタだ。
 実は、錦湯であおばさんの『景清』を聴くのは久しぶりなのだけれど、この間のあおばさんの研鑽努力がよく表れていた。
 中でも、定次郎が内面を吐露する場面に、あおばさんは自分自身の想いを盛り込むというか、噺の力点を置こうと努めていたように強く感じた。
 それとともに、あおばさん自身のかろみや師匠である桂ざこばさんとの関係が垣間見えた点も印象に残った。
(ちなみに、あおばさんの独演会が10月25日に大阪・ABCホールで開催される予定です。ご都合よろしい方はぜひ!!)

 トリは、三幸さんで『幸せの行方』。
 息子に縁談を勧める父親だったが、その縁談の相手というのが…。
 といった展開のハイブリッド落語(by桂三幸)で、縁談話の前半といわゆるネオはめ物を駆使した後半とにわかれている。
 で、ハイブリッドさが効いてくるのは、やはりネオはめ物が効果的な後半。
 フレーズの言い方に、三幸さんの茶目っ気、肩ひじはらなさがよく出ていた。

 最後は、恒例の大喜利。
 まずは、三幸さんの仕切りで、あおばさん、三実さん、ゴハさん、きょうとう(?)さんがお題に挑む。
 あおばさん、三実さんがコンスタントにヒットを重ね(三実さんの「甥も」は場外ホームラン!)、ゴハさんも大喜利猛者ぶりを発揮していたが、伏兵だったのは大喜利初出演の常連格きょうとう(?)さん。
 新婚の強みも活かして場をわかせていた。
 後半はあおばさんと三幸さんが仕切りと解答を交換し、それぞれ特性を発揮した。

 と、今夜も盛りだくさんなThe錦湯でした。
 毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!

 なお、このまま順調に毎週The錦湯が開催されるとすると、10月9日がネオラクゴ・フロンティア、ネオ落語・セントラル、「毎週月曜 錦湯劇場」、そしてThe錦湯と続いて来た錦湯さんでの会の150回、並びに3周年記念となります。
 関係各位はご留意のほど!!!
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2017年09月12日

第22回ちゃいちゃい寄席in上野湯

☆第22回ちゃいちゃい寄席in上野湯

 出演:月亭天使さん、桂文五郎さん、月亭方気さん
(2017年9月12日19時開演/上野湯)


 銭湯数珠繋ぎという趣向で始まったちゃいちゃい寄席も、今回で22回目。
 錦湯でもおなじみの月亭天使さん、桂文五郎さん、月亭方気さんのお三人が出演するというので、ここのところちゃいちゃい寄席のフランチャイズ的な場所となっている上野湯さんまでお邪魔した。
 上野湯さんは、最寄りのバス停でいうと紫野泉堂町ということになるか。
 こちらはバスの便の都合で佛教大学前から歩いたが、旭ヶ丘中学の隣の小さな道をぶらぶら下りて行ったらありますよという近くのローソンストア100の店員さんの案内に従って大正解。
 迷わず到着することができた。
 住宅街の真ん中ということもあって、今夜のお客さんも地元密着型、近所の方々が開演までに三々五々と集まって来て、開演前には結構な入りとなっていた。
 そうそう、開演前までテレビの阪神巨人戦のナイター中継をつけていたところ、当方の隣に座った常連さんと思しき初老の男性から、はよ消さなと突っ込みが入った。
 まさしく地元密着型だ。

 定刻頃、ご主人の挨拶のあとに、お三人が登場しちゃいちゃい寄席などについてトークがある。
 と、ここで方気さんの口からおめでたい発表が。
 が、これはいずれ錦湯の感想で記すこともあるだろうから、今夜のところは省略。
 方気さん、誠におめでとうございます!

 で、文五郎さんが高座へ。
 文五郎さんの高座は本当にしばらくぶり。
 文五郎さんほどではなかったとはいえ、かつて両膝の手術を行った人間としてはやはり他人事ではない。
 もちろん、文五郎さんは見事復活、難なく高座を務めていた。
 まずもって毒の効いた小話を二つ披露したのち、本題の『牛ほめ』へ。
 と、言ってもそんじょそこらの『牛ほめ』と文五郎さんのものとでは『牛ほめ』が違う。
 時季にあわせた怪談調、というよりブラック文五郎の本領発揮とでも呼べる内容に改作されていた。
 サゲは冒頭の「伏線」がしっかり活きたものとなっていた。

 続いては、方気さんが登場する。
 客席前方に陣取った女の子たちをきちんと意識しつつ、自己紹介を兼ねたエピソードや小話をいくつか語ったのち、本題の『動物園』に入った。
 『動物園』といえば、昨夜錦湯で桂あおばさんの高座を聴いたばかりだが、あちらが師匠桂ざこばさん譲りの無手勝流の口演だったとすれば、方気さんは折り目正しいオーソドックスな語り口。
 ただし、ここぞというところでは大きな表情づけを行って女の子たちも引き付けていた。
 ぽんぽんぽんとテンポよく決まった『動物園』だった。

 トリは、月亭太遊さんが別府に移ったのち差配の役回りを務めている天使さん。
 こちらもマクラで小話をいくつか披露したのち(猿の表情が印象に残る)、『元犬』の猫バージョン、『元猫』を演じる。
 これはもう、猫好きの天使さんならではのネタだろう。
 天満の天神さんに願をかけて人間となった白猫が、親切な大店のご主人の伝手を頼って奉公する身となったが…。
 というその白猫の奇妙奇天烈ぶりが柄によく合っていた。

 と、錦湯さんの会とは一味も二味も違っていて、興味深く愉しめた会でした。
 ああ、面白かった!!
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The錦湯 第16回

☆The錦湯 第16回

 出演:桂三幸さん、月亭八斗さん
 大喜利出演:たまいさん、地主君
(2017年9月11日20時開演/錦湯)


 夏が終わり、徐々に秋が近づく京この頃。
 16回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんに久しぶりの月亭八斗さん、そして二週連続となる桂あおばさんの三人が出演し、常連さん、リピーターさん、ご新規さんとお客さんもなかなかの入りだった。

 定刻20時頃、三幸さん、八斗さん、あおばさんが登場し、適度な距離感のトークで盛り上げる。

 で、頃合いのよいところであおばさんが高座へ。
 NHKの新人落語大賞の予選が迫っているということで、それ用のネタの『動物園』をかける。
 予選用に刈り込んでいる分、笑いどころもはっきりとわかったのではないか。
 男が虎となって檻に入ってからが当然の如く肝。
 客とのやり取りのここぞというところでの大きな動きが印象に残るとともに、あおばさんの必死のぱっちぶりが男の必死さと重なっておかしかった。

 続いては、八斗さんが登場。
 師匠月亭八方さんとのエピソードをマクラで語ったのち、その八方さんより弟子入り十年目にして初めてつけてもらったネタの『野ざらし』を演じる。
 八斗さんが女形、女を演じることに強い興味を抱いていることは、すでに錦湯での会でも公言しているところで、今夜の『野ざらし』でも終盤ちょいと鼻にかかった声色の色女ぶりを発揮していたが、基本はメリハリがよく効いた「男前」な語り口。
 鐘がゴンと鳴りゃ上げ潮…の節回しも八斗さんの柄によく合っていた。

 三席目は再度あおばさん。
 こちらも10月25日のABCホールでの独演会でかける予定の『宮戸川』に挑む。
 もともとは月亭方正さんが江戸の落語を上方に移し替えたもので、あおばさんも一度錦湯さんで演じたことがある。
 ということで、今夜が二度目となるわけだが、この間あおばさんがこのネタとどう接してきたかがよくわかる高座となっていた。
 つけてもらったくすぐりはくすぐりとして活かしつつ、それを咀嚼して自分のものにするというか。
 あおばさんの特性、人柄がよく加味されていて、そこもまた面白かった。

 トリは、支配人の三幸さんが師匠桂文枝さん(の三枝時代)の新作『読書の時間』を口演した。
 すでに何度か錦湯でもかかったことのある作品だけれど、師匠直伝ということもあってか、三幸さんはツボをよく押さえた流れのよい高座に仕上げていた。
 それにしても、文枝さんの文学的嗜好、文芸趣味はその新作のあちらこちらに垣間見ることができるなあと改めて痛感した。

 最後は大喜利を決行。
 はじめ三幸さん仕切りの下で、八斗さん、あおばさん、リピーターの地主君、たまいさん(相当久しぶりの登場)がお題に挑んだ。
 八斗さん、あおばさんがコンスタントに解答を重ねる一方、たまいさん、地主君は大喜利ずれしていない新鮮な答えを連発し、大喜利連の穴を巧く埋めていた。
 後半は、あおばさんと三幸さんが立場をチェンジ。
 三幸さんの安定は言わずもがな、あおばさんも生き生きとした仕切りを見せた。

 と、今夜も盛りだくさんのThe錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
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2017年09月04日

The錦湯 第15回

☆The錦湯 第15回

 出演:桂あおばさん
(2017年9月4日20時開演/錦湯)


 15回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんがお休み。
 けれど、錦湯さんではもうおなじみの桂あおばさんがやって来たので全く無問題。
 で、出演者もあおばさん一人というまさしく正真正銘の独演会となったのだが、常連さんリピーターさんとお客さんも入って、結構な会となった。

 定刻20時頃に、やおらあおばさんが登場。
 今夜は自分だけの会なのでと一言断ってから、トークを繰り広げながら舞台で着替えを披露する。
 ちょうど昨日終わったばっかりの彦八まつりや、師匠の桂ざこばさんとのエピソードで大いに盛り上げる。

 で、程よい頃合いで高座へ。
 一席目は『替り目』。
 師匠のざこばさんとは切っても切れない酒の話題をマクラで語ってから、本題に入る。
 今日も今日とて酔っ払って帰宅した男、まだ飲み足りないと女房にかんとだき(おでん)を買いに行かせるが…。
 それこそざこばさんを彷彿とさせる酔態ぶりもおかしいが、やはりあおばさんの肝は、男が女房への愛情を語るところ。
 あおばさんが好んでかける新作『ハンカチ』に通ずるおかかなしい情の世界が描かれた。

 続く二席目は、題名だけを口にした上でお客さんのアンケートをとった結果の『肝つぶし』。
 マクラの部分で、この噺の演じ手がほとんどいない理由を明かしてから本題に入る。
 何やら奇妙な病にとりつかれた男のために、ここは男の父親に受けた大きな恩をかえす機会とばかり兄は妹の肝を切り取ろうとするが…。
 と、ここだけ聴くとやけにグロテスクのような噺だけれど、そこは落語。
 どんな病にとりつかれたかを説明する男と兄との会話は、やけに滑稽だ。
 ただし、ここでも肝となったのは、兄と妹のやり取りだろう。
 加えて、サゲ直前のいったん緊張が緩まるところもおかしかった。

 で、本来はここで終演となるところだったが、ぎりぎりになってお客さんがやって来られたので、その方のために『鉄砲勇助』の木曽山中の部分をあおばさんはテンポよく演じ、滑稽に〆た。

 と、桂あおばさんの特性魅力が十分十二分に発揮された会でした。
 大喜利のないThe錦湯もすっきりしてよきかな。
 ああ、面白かった!!

 ちなみに、10月25日には大阪・ABCホールであおばさんの独演会が予定されています。
 ご都合よろしい方はこちらもぜひ!!
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2017年08月29日

The錦湯 第14回

☆The錦湯 第14回

 出演:桂三幸さん、桂治門さん、林家染八さん
 大喜利出演:ぷるーとさん
(2017年8月28日20時開演/錦湯)


 前回は冷房の調子が今一つで若干暑さの厳しいThe錦湯だったが、今夜は絶好調。
 ひんやりとした雰囲気の中、落語に大喜利が愉しめた。
 お客さんも、常連さんにリピーターさん、ご新規さんと偏りのないなかなかの入りでこちらも好調だった。

 定刻20時を少し過ぎた頃、三幸さん、治門さん、染八さんの三人が登場し、丁々発止(?)のトークを重ねる。

 で、錦湯ではもうおなじみの一人となった染八さんが高座へ。
 初めて落語を聴くというお客さんもいることから、タイトルだけを口にしますのでどっちのほうをお聴きになりたいか拍手してくださいとアンケートを実施したところ、『七度狐』が選ばれた。
 お伊勢さん参りに向かう喜六清八の二人連れ、気づかぬうちに狐に怪我をさせてしまったが、この狐というのが恨みをはらすために七度もばかすという怖ろしい狐で…。
 といったおなじみの噺で、染八さんは二人が狐にばかされるあたりから本題を始める。
 生憎三味線はなかったものの、熱の入った演技でそこはカバーした染八さん、メリハリと流れのよい高座が心掛けられていた。

 続いては、治門さんが登場。
 錦湯初出演となる治門さんは桂小春団治さんのお弟子さんで、顎のラインがちょっと印象的だ。
 これまたおなじみの古典『天災』を演じたのだけれど、その独特なエロキューションを巧く活かしたやり取りが面白い。
 例えば桂ざこばさんのような沙汰の限り、登場人物と演者が表裏一体といった風の強弱の強、狂気を強調した『天災』とは一線を画し、ソットヴォーチェというか、あえて小さく潜めた声が特に効果的だった。

 トリは、支配人である三幸さん。
 きっちりした古典の落語は染八さんと治門さんがやった、だから俺は俺の道を行く、と言わんばかり、と言っても、もちろん肩ひじ突っ張らかすようなことなく、軽やかに三幸さんは未完成の新作『天井高い(仮)』に挑んだ。
 9月5日の天満天神繁昌亭での会があるのであえて詳しくは記さないが、三幸さん流の上方落語界への「プロテスト」…。
 は、ちょっと大げさかな。
 でも、それってどないやねん!? という三幸さんの想いがくすぐりの連なりから窺えたことも事実だ。
 さて、この新作の完成形や如何?
 ぜひ繁昌亭でお試しくださいませ。

 最後は、恒例の大喜利を決行した。
 三幸さん仕切りの下、諸般の事情から落語絡みのお題を答えていくという形式で、ある意味お題の千本ノック状態。
 治門さん、染八さん、大喜利連のぷるーとさんはコンスタントに解答を重ねていたが、途中楽屋話的なおしゃべりが挟まっていたのはThe錦湯らしい。

 と、今夜も盛りだくさんなThe錦湯でした。
 毎週月曜20時は、錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年08月22日

The錦湯 第13回

☆The錦湯 第13回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、桂恩狸さん
 大喜利出演:ゴハさん
 音楽の先生:しのはら先生
(2017年8月21日20時開演/錦湯)


 先々週は台風直撃による体調不良でパスしてしまい、先週は銭湯芸術祭の公演でお休みと、2週間ぶりのThe錦湯は、常連さんにリピーターさん、ご新規さんでなかなかの入り。
 冷房の不調でいつもより熱気のこもった錦湯さんだったが、そこは笑いと体力でなんとか最後まで乗り切った。

 定刻の20時を少し過ぎたあたりで、三幸さん、あおばさん、恩狸さんが登場。
 The錦湯になって初めての出演で、支配人が変わって雰囲気違うようになってるんとちゃうかと心配ですという恩狸さんに、そんなことないよと返す三幸さん。
 二人から距離を置いて、ちょっと入っていきたくないと口にするあおばさん。
 そんな感じのトークを20分ほど繰り広げて盛り上げる。

 で、頃合いを見計らって恩狸さんが高座へ。
 先日腕を骨折する事態に見舞われたが、脅威の回復力、全治一ケ月のところを二週間でほぼ具合がよくなった、今は予後のために牛乳を飲んでいる、それでも今日はお酒に関する噺を演じるとマクラで話してから、本題の『禁酒関所』を演じた。
 ときは幕末、禁酒のお触れが出たとある藩で、なじみの侍が屋敷に酒を届けてくれと店の者に頼む。
 だが、侍に酒を届けるには監視厳しい関所を超える必要があって…。
 恩狸さんは、発端の侍が店で酔うところから、水カステラや油のくだり、そして小便のくだりとしっかり演じ切った。
 やりようでは、ただただ下がかったねば汚い口演になってしまうのだけれど、鶏と牛刀で割く的な恩狸さんの大掴み、大柄な語り口がここでは功を奏し、それほど汚らしさを感じることはなかった。

 続いては、あおばさんが登場。
 次回の独演会のためにどんなマクラがよろしかろうかと、用意したマクラをいくつか試して笑いを生む。
 お師匠ざこばさんへの想いが伝わって来るのもあおばさんらしい。
 本題は、桂文枝さん(の三枝時代)の新作『読書の時間』。
 学校の読書の時間用に、息子は父親の本棚から司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を選んで持って行く。
 ところが、それは父親がこっそり愉しんでいたポルノ小説で…。
 文枝さんの文学趣味がくすぐりのそこここに垣間見える作品だが、そこはあおばさん、そこにお師匠ざこばさんのネタも放り込んでいく。
 で、この話もやりようによっては下がかった部分が悪目立ちしかねないところだけれど、あおばさんはテンポがよくてさっぱりした語り口で、エロさよりも滑稽さをよく表していた。

 トリは、三幸さんが新作のハイブリッド落語を演じる。
 転勤が決まった部長のサプライズ送別会を開こうとする部下たちだったが、うっかり部長をlineグループへと招待してしまい…。
 といった具合の内容で、ここぞというところでチューナー付きの大型スピーカーがよい役割を果たしていた。
 驚くに驚けない部長の呆然とした様子がおかしい作品だ。

 もちろん大喜利も決行。
 今夜は、あおばさんの仕切りでゴハさんが用意したお題に、三幸さん、恩狸さん、ゴハさんが答えていくスタイルだった。
 各々コンスタントに解答を重ねていたが、終盤は暑さとの勝負ともなっていた。

 で、ここでいったんお開きになったあと、延長戦がスタートする。
 キーボード持参で駆け付けたボイストレーナーのしのはら先生の伴奏で、三幸さんがミニライヴを行ったのだ。
 三幸さんの美声のほか、しのはら先生のちょっとした発声指導もあるなど、これはこれで参加しがいのある延長戦だった。

 と、今夜も盛りだくさんなThe錦湯でした。
 毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年08月16日

豊中の天使の☆落語会 昼の部

☆「豊中の天使☆落語会」昼の部

 出演:月亭天使さん、桂華紋さん、笑福亭智丸さん
ゲスト:笑福亭たまさん
三味線:岡野鏡さん
(2017年8月16日14時開演/豊中市立文化芸術センター小ホール)


 月亭天使さんが地元豊中に今年オープンしたばかりの豊中市立文化芸術センターで落語会を開催するというので、朝昼二回のうち昼の部に足を運んだ。
 もとの市民会館のスペースにあれこれ入れ込んだためか、ホワイエ・ロビーは若干手狭な感じがするものの、小ホール自体は席の前横の空間が比較的広めに設定してあって当方のような身体が大き目の人間には非常にありがたい。
 また、席と席との間の段差も巧くつけてあるため、前のお客さんの頭でいらいらいりいりする必要もない。
 前から5列目にあたるE-04という客席から見て左サイドの真ん中通路寄りの席に座ったが、演者さんの演技表情をメガネなしでくっきり目にすることが出来た。

 まずは、笑福亭仁智一門の智丸さんが登場。
 かつて病院のカルテの整理のバイトをやっていたとマクラで触れてから、本題の『犬の目』に入る。
 『忍者ハットリくん』の獅子丸っぽい容姿をした智丸さんだが、本題に入れば一転、上方落語の本流とでも呼ぶべきだみ声っぽい声質で達者な口演を行う。
 今日の『犬の目』も、発端の部分をはしょることなく丁寧闊達な高座に仕上げていた。

 続いては、桂文華さんのお弟子さんである華紋さん。
 世の中にはおかしな人がいると実例を示して笑いを誘ってから、おなじみ『粗忽長屋』を演じた。
 恰幅のよい身体つきにちょっと喉を詰めたような高めの声から想像がつくように、実に陽性な高座。
 笑いを重ねながら、にぎやかに噺を進めて行った。
 ただ、だからこそ強く印象に残ったのは、終盤の長い間。
 演じているのは華紋さん一人きりだけれど、音楽でいうところのゲネラルパウゼのような時間になっていた。

 三席目は、天使さんが高座に上がり、地元の豊中でこうして落語会を開催するのが夢でしたと口にする。
 本題は『書割盗人』。
 貧乏極まる男が知り合いの画家に芝居の書割よろしく家財道具一式、おまけに庭の遠景まで描いてもらったが…。
 といった具合のお話で、天使さんは速めの調子、流れのよい掛け合いを心掛けており、耳馴染みがよかった。

 仲入り前は、「ゲスト」の笑福亭たまさん。
 言わずと知れた上方落語界の鬼才、イーゴリ・マルケヴィッチが日本に生まれて落語家になったらこんな感じになるだろう…、というとこれは大げさか。
 桂米朝さんにやしゃご弟子が出来た、どんな女の子や…、といった天使さんの他己紹介をマクラで的確に行って、早速笑いをとる。
 で、予告通り『地獄八景(亡者戯)』を演じたが、芸能ネタ、時事ネタのくすぐりをふんだんに織り込んで大きな笑いを生んでいた。
 同業者へのちょっとした(?)毒もたまさんならではだろう。
 閻魔の庁の場に智丸さん、天使さんを呼び出してやり取りを行ったところで、ほどよくサゲた。

 後半は、お囃子の紹介から。
 大太鼓や締太鼓を華紋さんが、鐘類を智丸さんが演奏し、一番太鼓やら何やらお囃子の類いを紹介説明しようという企画である。
 司会の天使さんの説明がぐだっとなりがちなところ(それがまた天使さんのフラになっているのだけれど)に、たまさんが愛のある(?)容赦ない指摘を入れて笑いに換えていた。
 途中からは『地獄八景』で活躍した三味線の岡野鏡さんも登場、お囃子に合わせてたまさんが『兵庫船』の一場面を演じたりもした。

 トリは天使さんで、時節に合わせた『皿屋敷』。
 錦湯では、同じ月亭一門の方気さんや秀都さん(天使さんの弟弟子)の『皿屋敷』を最近聴いているが、お二人のデフォルメが効いた口演に比較すると、天使さんの高座は若干あっさりというか、あくが控えめだ。
 いや、天使さんもここぞというところではきちんとデフォルメを行ってはいるのだけれど、どこかで抑制が効いているように感じられるのである。
 ときにそれは、天使さんにとってマイナスに働く可能性もあるかもしれないが、一方で、こうした特性・距離感と先述した「フラ」が一層自覚化され巧く結びつくならば彼女の大きな武器になるのではないかと思ったりもする。
 いずれにせよ、プラスの部分としての天使さんの「女性噺家」らしくなさ、「女性芸人」らしくなさ(さらに加えるならば、「噺家」らしくなさ、「芸人」らしくなさ)を改めて感じることができたのは、今日の大きな収穫だった。

 ああ、面白かった!!
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2017年08月01日

The錦湯 第11回

☆The錦湯 第11回

 出演:桂あおばさん、月亭方気さん、月亭秀都さん、ティル・ワインガルトナーさん*
 大喜利仕切り:藤本康志さん
 大喜利出演:あふろだんぺーさん、ゴハさん、こみやさん
(2017年7月31日20時開演/錦湯)


 三週間のご無沙汰でした。
 と、今は亡き玉置宏さんなら言うだろうか。
 祇園祭のために先々週、先週はお休みで三週間ぶりとなったThe錦湯だが、今回は支配人の桂三幸さんはお休み。
 副支配人の月亭方気さんに、おなじみ桂あおばさん、月亭秀都さん、さらには方気さんのかつての相方ティル・ワインガルトナーさん(*ガートナーとガルトナーの間の発音。たぶん指揮者のフェリックス・ワインガルトナーと同じ姓だと思う)というバラエティに富んだ顔触れが集まった。

 定刻20時頃、方気さんが早速高座へ。
 冒頭のトークに換えて今夜の趣向などを簡潔に説明してから、マクラを話し始める。
 で、趣味の話などや最近の世情などを語ってマクラの反応を探ったのち、本題の『野ざらし』に入る。
 『野ざらし』といえば、先述した玉置さんのラジオ番組でも聴いた(あの番組で玉置さんはミソをつけてしまったんだよなあ…)三代目春風亭柳好のうたうような口演をどうしても思い出してしまうのだけれど、方気さんは語るべきところはきちんと語り、流すべきところはきちんと流した口演。
 特に、男が骨釣りに血道を上げる部分の暴走ぶり、狂気の表出が強く印象に残った。
 「鐘がごんと鳴りゃ…」のさいさい節も嬉しいかぎり。

 続いては、あおばさんが登場。
 今夜の出演者はみんな関大出身で、なんと自分も関大出身なんです、ただしその関大というのは…。
 といった風に切り出したあおばさん。
 まずは、某所で披露しなくてはならない小話をここで試してみたいと、二つの小話を続けて演じたが、いずれもくすぐりがよく効いた上であおばさんの柄が巧く表れた内容となっていた。
 さらに、無事順調に快復したお師匠の桂ざこばさんから、入院中に「ネタを増やすとはまだまだ早い。『子ほめ』をやれ。一からやり直せ」とお叱りの言葉があったこともあり、ここで演じさせてもらうとあおばさんは『子ほめ』を演じる。
 他人からただの酒を飲ませてもらおうとべんちゃらの方法を教えてもらった男だったが…。
 というおなじみの古典で、錦湯で初めに接してからもうまもなく三年、あおばさんのこの間の研鑽ぶりがよくわかる口演だった。
 中でも、男の憎めないあほさかげん、間の抜けた感じ、悪意のなさがいい。

 トリは、錦湯さん「初上陸」となる秀都さん。
 月亭文都さんのお弟子さんで、近頃年季が明けたとのこと。
 そして、秀都さんもまた関大の落研出身ということで、その落研の一風変わった稽古のやり方をマクラで話す。
 加えて、心を動かされた大先輩の落語家さんの言葉を紹介したりしたのち、本題の『皿屋敷』を演じた。
 男たちが寄り集まって肝試しに向かったのは、お菊さんなる幽霊が出るという通称皿屋敷だったが…。
 といった具合の、これまたおなじみの噺だ。
 播州姫路が舞台ということもあって、よい意味での泥臭さも出た口演で、基本はねっちりとした上方流のオーソドックスな語り口だが、ここぞというところでのフォフォフォルテテテッシモ!の大声が効果を上げていた。

 そして、方気さん(客席から見て右側)とティルさん(同左側)が登場。
 実はこの二人、今から十年ほど前にアルトバイエルンという名で漫才コンビを組み、松竹芸能に所属して活動を続けていたのであった。
 で、たまたまティルさんが来日していたということもあり、今夜一夜限り、特別にコンビを復活させたそうである。
 流暢な日本語で「それらしい」ボケを重ねる長身で好人物そうな顔立ちのティルさんに、方気さんが適切的確な突っ込みを入れていくスタイルの漫才で、大いに笑った。

 最後は、これまた関大の落研出身で方気さんの盟友でもあるリスナップの藤本康志さんの速いテンポの仕切りで大喜利を決行する。
 ティルさんが茶目っ気とウイットを発揮すれば、方気さんはコンスタントに答え、秀都さんも必死のぱっちで奮闘した。
 また、大喜利猛者のあふろだんぺーさん、ゴハさん、途中交代で常連格のこみやさんも解答を重ねていた。
 そして、忘れてはならないのがあおばさん。
 検分と称して泰然自若、ここぞというところではすべりも辞さお題に挑んで、他の面々を巧く支えていた。

 と、今夜も盛りだくさんのThe錦湯でした。
 月曜20時は、皆さん錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年07月11日

The錦湯 第10回

☆The錦湯 第10回

 出演:桂三幸さん、桂小留さん
 大喜利出演:かるあさん、はしかわさん
(2017年7月10日20時開演/錦湯)


 雨が降るかと思っていたら、青空、それも容赦ない陽光で激しい暑さとなった一日。
 それでも錦湯さんには、常連さんにリピーターさん、ご新規さんが顔を揃えた。

 今回は、支配人の桂三幸さんに二回目となる桂小留さんのご出演。
 定刻20時を過ぎたあたりでお二人が登場し、近況報告や落語界の話題などでじわじわと盛り上げていく。

 で、ほどよい頃合いで小留さんが高座へ。
 小留さんは桂小枝さんのお弟子さんだがそのことは冒頭のトークで触れたので、ここでは割愛。
 いらっとすることがいろいろあるんですよ、と身近なエピソードを重ねて笑いを掴む。
 と、マクラは、素とは違うけれどまさしくエピソードトーク的なおしゃべりぶり。
 が、本題の『阿弥陀池』に入ると、古典落語の規矩に沿った語り口に一転した。
 次から次へと作り話に騙されて新聞を読まなあかんとなぶられた男、自分も他人に仕掛けておもろがってやろうと思ったわよいが…。
 といった具合のおなじみの噺だが、基本は早めのテンポ、ただし要所ではきちんと語り、逆にここぞというところでは流れるように言い立てる。
 特に、冷房があまりきかない中で汗だくになりながらも、きちんと筋を通して一気呵成にまくり上げたエネルギッシュな終盤が強く印象に残った。

 トリは三幸さん。
 ようやく冷房もきき始めたこともあって、こちらは肩ひじ張らないかろみのきいたマクラからスタートする。
 ただし、あるアクシデントで左目の上のほうを激しく傷つけたという話にはびっくり。
 そういえば、あれ今日は眼鏡をかけてはるなあとは思っていたのだが。
 数日前は青く腫れ上がっていたというが、今は眼鏡をとれば傷が目立つ程度まで快復されていて、まずは何より。
 で、そうした出来事もあってか、今夜かけたのは、師匠桂文枝さんの新作『ダンシング・ドクター』だ。
 もちろんそこは落語のこと、当たり前の病院医者が登場するはずはなくて、いろいろと皮肉がきいている。
 三幸さんは軽快な掛け合いで小気味のよい口演を行っていた。
 錦湯劇場〜The錦湯と錦湯さんでの会の支配人となった三幸さんが、こうやってこれまでのネタを掘り起こしたり、新しいネタを作ったりしている点は、月亭太遊さんのネタオロシとは異なるとはいえ、やはりきちんと記憶しておくべきことだと思う。

 最後は、三幸さん仕切りによる大喜利を開催。
 今回は、小留さんのほかに、本当に久しぶりとなるかるあさんに、新星はしかわ君(三幸さんが名前を巧くいじっていた)が参加する。
 途中、小留さんとかるあさんの大学絡みの浅からぬ因縁を知ったのだけれど、小留さんがプロの切れを見せていけば、かるあさんは大喜利猛者らしい機智に富んだ答えを披瀝していた。
 一方、はしかわ君も負けじと解答を重ね、今後の活躍を期待させた。
 で、三幸さんの裁定で、かるあさん、はしかわ君は年末の大喜利大会の出場権も獲得した。

 と、今夜も盛りだくさんのThe錦湯でした。
 ああ、面白かった!!

 ところで、前回の感想でもお知らせしたとおり、次週次々週は祇園祭の関係で錦湯さんが営業日となるため二回連続でお休みです。
 皆さん、7月31日以降、月曜20時は錦湯さんにぜひ!!
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2017年07月04日

The錦湯 第9回

☆The錦湯 第9回 〜三幸は、あの人を尾行してるので、お休みスペシャル!〜

 出演:桂あおばさん、桂三実さん
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、あふろだんぺーさん、フロムヨーさん
(2017年7月3日20時開演/錦湯)


 本当は19時からの企画に足を運びたかったのだけれど、急な用件が入ってしまい出遅れて、結局錦湯さんに着いたのは20時近く。
 で、9回目となるThe錦湯は上記副題の理由で(???)支配人の桂三幸さんがお休み。
 代わりに、おなじみ桂あおばさんと桂三実さんが出演した。

 片付け・入れ換えなどもあって、定刻をちょっと過ぎたあたりであおばさんと三実さんが登場し、前の企画について三幸さんから知らされていなかったので戸惑ってしまったといった感じにトークをはじめ、盛り上げる。

 で、ちょうどよい具合になったところで、三実さんが高座へ。
 錦湯さんには久しぶりとなる三実さんなのだけれど、『征平吉弥の土曜も全開!!』や『武田和歌子のぴたっと。』を聴いていると、桂吉弥さんが「桂三実君が稽古に来ている」といった話を度々してくれるものだから、あまりお久しぶりという感じにはならない。
 今夜のお客さんの雰囲気から、名古屋出身ということでかつての大須演芸場の話をしたり、淡路島などで習得した「日常の何かをやっている様子」を披露したりしたあと、本題の『商売根問』に入った。
 ちょっと抜けた男が、銭を稼ごうとあの手この手を考えるも、そこは抜けた男、いずれも大失敗…。
 といったおなじみの古典で、三実さんは河童(がたろー)が出る形で話を終えていた。
 早いテンポだけれど口跡のしっかりした高座で、話の流れがよくわかった。
 それにしても、節々に垣間見える三実さんのほのかな不穏さはやっぱり面白い。

 トリは、あおばさんでネタおろししたばかりという『手水廻し』。
 大坂からのお客さんがちょうずを廻してくれと言い出した、はてちょうずとはいったいなんのことか…。
 と、これはもうくどくどと語る必要のない上方落語の古典中の古典である。
 あおばさんは、つけてもらったくすぐりなどをきっちり演じて笑いをとる一方、あおばさんらしい独特の雰囲気、フラもよく出していた。
 特に、長い頭を回す場面や、大坂で手水を飲み込む場面での大きな動きが強く印象に残った。

 最後は、大喜利を決行。
 今夜は、あおばさんの仕切りの下、あふろだんぺーさんが準備したお題に解答者が挑むというスタイル。
 プロなんだからと強調するあおばさんの言葉を受けて三実さんがコンスタントに解答を重ねれば、あふろさん、貯蓄アンドザシティさん、フロムヨーさん(電車の関係で早退)も大喜利猛者ぶりを発揮した。
 あおばさんは、陽性な仕切り。
 解答だけではなく、大喜利猛者の特徴を掴んで笑いに変えていた。
 最後はプロの意地を見せつけるべく(?)あおばさんが解答に回り、三実さんが仕切りを行った。
 いずれにしても、ますますアナーキーさが増している錦湯さんでの大喜利である。

 と、今夜も盛りだくさんでした。
 月曜20時は錦湯さんへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!

 ちなみに、来週は通常通り開催される予定ですが、17日と24日は祇園祭の関係でお休みになる可能性もありそうです。
 詳細はまた改めて。
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2017年06月27日

The錦湯 第8回

☆The錦湯 第8回

 出演:桂三幸さん、笑福亭笑利さん
 大喜利出演:ゴハさん(仕切り)、あふろだんぺーさん(同)、宇多川どどどさん
(2017年6月26日20時開演/錦湯)


 ようやく梅雨らしくなってきた京この頃だが、今夜はなんとか雨は降らず、気温のほうも少し低めで過ごしやすかった。
 8回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんにおなじみ笑福亭笑利さんの出演。
 常連さんにリピーターさん、大喜利猛者に加え、今夜は『モノクル』というイギリス発の雑誌の取材の方も来られていた。
 京都では何やら新しい小劇場がどうこうと話題になっているが、ここ錦湯さんは地域の人たちにとって大事な銭湯であるとともに、大事な劇場だなあと改めて痛感した次第。

 定刻20時頃、三幸さんと笑利さんが登場、近況報告は短めにすませ、早速お題集めが始まる。
 お客さんから一つずつ単語を言ってもらい(「職業」を出してもらえればありがたいというサジェスチョンあり)、その単語をアトランダムに結び付けて架空の落語の題名に仕上げ、そのオチの部分を考えるという、桂三実さん考案のゲームのためのお題集め。
 で、『リラックマテロリスト』、『たこ焼き医者』、『銭湯マジシャン』といった架空落語の題名が集まった。

 と、あとあとの準備も決まったとこところで、笑利さんが高座へ。
 さる17日に一休寺で開催された落語会についてマクラで語って(誰も観に来てないのはどういうことや!)笑いを誘ったところで、本題に入る。
 江戸末期に空を飛ぼうと試みた、岡山の浮田幸吉なる人物の試行錯誤の様を描いた新作落語で、以前笑利さんの独演会『独利』でも口演されたもの。
 もちろん、笑いの仕掛けもそこここにあって十分笑ったし、侍の語り口など、やはり笑利さんの時代劇好きが活きているなあと思ったが、やはりこの作品の肝は、何があっても空を飛びたいと自らの意志を貫いた幸吉の姿だ。
 笑利さんの強い想いがしっかりと伝わってくる話である。
(なお、一休寺で初演された作品が、明日28日19時開演の笑福亭笑利落語会特別公演「一休」で再演される予定とのこと。場所は大阪福島の八聖亭、料金は前売り1000円、当日1300円。ご都合よろしい方はぜひ!!)

 トリは、三幸さん。
 結構大きめのスピーカー(アンプ付き)を手にして高座へ上がる。
 岐阜でのラジオの収録のあと鈍行を乗り継いで京都まで戻って来たが、このスピーカーが重たく大変だったとマクラでこぼしてから本題に入る。
 母国の家族への仕送りのために毎日アルバイトに励む留学生のクリスだったが…。
 三幸さん自身の新作『その川の向こう側』だ。
 クリスのお人好しぶりが笑いの核となった作品で、実際ここぞというところで笑いが起こっていたのだけれど、今夜の肝はなんと言っても三幸さんの歌。
 高音質のスピーカーを駆使して、三幸さんの熱唱を愉しんだ。
(そんな三幸さんの熱唱がさらに愉しめそうな会が9月5日に天満天神繁昌亭で予定されているとのこと。こちらのほうも皆さんぜひ!!)

 冒頭のトークで集めたお題のオチを笑利さんがいくつか巧く決めてから、おなじみフリップ大喜利に入る。
 今夜は、ゴハさんのお題提出と仕切りでスタート。
 ゴハさんの捻りの効いたお題に、三幸さんがコンスタントに解答を重ねれば、笑利さんは錦湯の大喜利名物と呼んでも過言ではないイラストを繰り出して笑いを狙う。
 一方、大喜利猛者の正統派あふろだんぺーさん、異端の王道宇多川どどどさんも負けてはいない。
 後半はだんぺーさんがお題提出と仕切りに移り、ゴハさんが解答に回る。
 「かわいい犬とは?」といった一見当たり前、その実難しいだんぺーさんのお題に対しても、そこはプロ。
 そして大喜利猛者。
 名解答が飛び出していた。

 と、ますます進化を遂げるThe錦湯。
 月曜20時は、錦湯さんへ皆さんも集まれ!
 ああ、面白かった!!
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2017年06月20日

The錦湯 第7回

☆The錦湯 第7回

 出演:桂三幸さん、笑福亭大智さん、森乃阿久太さん
 大喜利出演:ゴハさん(仕切り&出題)、宇多川どどどさん
(2017年6月19日20時開演/錦湯)


 笑福亭大智さん、森乃阿久太さんと、7回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さん以外はいずれも初登場。
 初夏を飛び越して夏を思わせる暑さにも負けず今夜も集った常連さんやリピーターさんにとってはとても嬉しい顔触れである。

 定刻20時を過ぎた頃、三幸さんに誘われて大智さん、阿久太さんが登場。
 初めましての挨拶を兼ねたトークを繰り広げる。
 その手探り感も面白い。

 で、程よい頃合いで、大智さんが高座へ。
 大智さんは笑福亭仁智さんのお弟子さんで、錦湯関連では智丸さんの弟弟子にあたる。
 もともと伐採(林業)をやっていたというがたいの良さと、もじゃっとしたヘアスタイルが特徴的だ。
 マクラでは、冒頭のトークでも話が出た近くに住んでいて親しくさせてもらっているという矢野・兵動の兵動大樹さんとのエピソードを語って、まさしくすべらない滑り出し。
 本題ではおなじみ古典の『寄合酒』を演じたが、はっきりとした登場人物の演じ分けに、テンポのよい掛け合いと陽性な高座に仕上がっていて、実におかしい。

 続いては、阿久太さん。
 阿久太さんは森乃福郎さんのお弟子さんだが、もとは太秦の生まれで、本名井上久男の名前で東映京都に所属する役者さんでもある。
(以前、『父のこころ』の現場でご一緒させていただいた福本清三先生のお話をうかがえばよかった)
 マクラでもそういった役者稼業の話に触れてから、小話で様子を窺った阿久太さんが本題に選んだのは、『たけのこ』。
 隣の屋敷のたけのこが自分の屋敷の庭に顔を出して…。
 お武家様と家臣のべくない三人のやり取りを描いた噺だけれど、やはり時代劇を演じて来たこともあってか、語り口が堂に入っている。
 もちろん、「役者」に偏り過ぎないバランスのよさも強く印象に残った。

 トリは、三幸さんが『ロボ・G』を演じた。
 お師匠の文枝さん(三枝時代)の作品で、わがままいっぱいの高校生の娘のために、両親が退化型ロボット(おじいさん型のロボットで、徐々に言葉や記憶を退化させていく)いちべえさんを購入したが…、といった展開の内容。
 文枝さんらしい目のつけどころの作品だけれど、三幸さんはウエットに過ぎない口演で、要所ごとに笑いを生んでいた。

 最後は、おなじみ大喜利のコーナー。
 なんと今回は、大喜利猛者の一人ゴハさんがお題の出題ばかりか仕切りにも挑むという、ここ錦湯でなければありえないスタイル。
 支配人の三幸さんが動じず安定した解答を重ねるのは言うまでもないが、大智さんや阿久太さんもすぐさま錦湯ののりを受け入れたか、ちょっとだけ下がかったネタも織り交ぜつつ、ヒットを打ち続けた。
 そして、もう一人の大喜利猛者は宇多川どどどさん。
 変化球の直球勝負、変格派の王道とでも呼びたくなるような勝負っぷりだった。

 と、今夜も盛りだくさんでした。
 新しい顔触れがやって来る錦湯さんに皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年06月13日

The錦湯 第6回 〜ダークサイド〜

☆The錦湯 第6回 〜ダークサイド〜

 出演:桂三幸さん、月亭天使さん
(2017年6月12日20時開演/錦湯)


 このまま夏まっしぐらかと思っていたら、ここのところ涼しさが続いている京この頃。
 二週間ぶりの登場となる支配人の桂三幸さんの差配の下、6回目となるThe錦湯が開催された。
 今回は、常連さん中心に集まってアットホームな会となった。

 定刻20時を過ぎたあたりで三幸さんと月亭天使さんが登場。
 月亭太遊さんが九州に移って以降、ちゃいちゃい寄席の仕切りを務めている天使さんだが、よくよく考えてみれば錦湯さんでの出演は本当に久しぶり。
 そんなことも含めて、冒頭のトークは三幸さん主導で軽やかに盛り上がる。

 で、頃合いを見計らって天使さんが高座へ。
 近況報告とミステリ小説が好きというマクラののち、本題に入る。
 女性家族がひょんなことから俳句を捻ってみせようという内容で、古典の『雑俳』を現代流に大きくアレンジしたものだ。
 べたな洒落も豊富だが、特におかしかったのはマクラのミステリ小説の話題が伏線になった「句だり」。
 詳細は省くけれど、ミステリ小説を題材にした映画(35回程度観ている大好きな映画)をくすぐりにしていて、とても嬉しかった。

 続いては、三幸さん。
 師匠の桂文枝さん(の三枝時代)の新作『僕達ヒローキッズ』。
 母親に遊びに行けと言われて公園まで足を運んだ小学生だったが、塾通いなどで友達は誰一人いない。
 と、そんなところへ同級生がやって来たものの…。
 といった展開の話で、心身ともに疲労困憊な小学生の姿が描かれたおかかなしい内容だった。
 もちろん、ここぞのくすぐりでは笑ったけれど。

 三席目は再び天使さんが登場する。
 ソフトに艶っぽい小話を二つ披露してから、本題の『転宅』を演じた。
 泥棒が盗みに入った先の女に騙されて…。
 というおなじみの古典だが、小話繋がりでやはり騙す女のほうのほどよい艶っぽさが強く印象に残る。
 ネタおろしの頃か、だいぶん前に錦湯さんで演じたことがあったけれど、この間の天使さんの語り込みが感じられる高座だった。

 トリは、三幸さんの『結構です』(表記はこれでよいのかな?)。
 初期のハイブリッド落語と三幸さんは説明していたが、錦湯さんで演じられるのは確か今回が初めて。
 上品な女性と結婚した医師だったが、その上品さがどうにも堅苦しくて…。
 前半はクラシック音楽の権威主義が巧くくすぐりに使われており、後半はネオはめ物が大活躍。
 特に、ネオはめ物の部分のディスコミュニケーションぶりがおかしかった。

 さらに、大喜利も決行。
 今回は大喜利猛者がいないということもあり、三幸さんと天使さんが解答にまわり、解答ばかりか仕切りもお客さんが務めるという「総動員」体制。
 当方もネオキャクノセントラル以来久しぶりに俄か仕切りを仰せつかった次第。
(まあ、前には出ずには座布団の上に中腰になってではあったけれど)

 何が起こるかわからない。
 盛りだくさんのThe錦湯へ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年06月06日

The錦湯 第5回

☆The錦湯 第5回 八斗ママ、プレゼンツ〜ママの人生相談のまま〜

 出演:桂ぽんぽ娘さん、月亭八斗さん、桂ちきんさん、月亭遊真さん、福上よしきさん
 大喜利出演:ゴハさん
(2017年6月5日20時開演/錦湯)


 5回目となるThe錦湯さんは、先週のアナウンス通り支配人の桂三幸さんがネタ探しの旅(?)のためお休み。
 変わって、出演者中最若手で副支配人の月亭遊真さんが差配仕切りを務めた。
 今回は、「八斗ママ、プレゼンツ〜ママの人生相談のまま〜」という副題が付いていたのだけれど、蓋を開ければ全く違った内容の会となっていた。
 しかも、こういう特別な日にかぎって産経新聞の記者さんが取材にやって来るというのだから、やっぱり世の中一筋縄ではいかない。

 定刻20時を少し過ぎたあたり、遊真さんに続いて、八斗さん、ちきんさん、福上さんが登場。
 スタートのトークから、ちきんさんと福上さんの留まるところを知らない掛け合いが席捲するなど今夜の波乱含みの展開を予感させる。

 で、ひとしきりトークを重ねたところで、福上さんが舞台へ。
 前回は自前のオフビートなネタを披露していたが、今回は伝統芸の一つ南京玉すだれに挑戦する。
 が、そこは福上さんだけに、何かがついている。
 必死のぱっち、でありながら、脱臼につぐ脱臼。
 オフビートな南京玉すだれに仕上がった。

 続いては、遊真さんが高座へ。
 何度もかけているネタで申し訳ないのだけれど、と断った上で、その代わり、江戸時代の時間区分(0時・24時=九つ云々といった)を丁寧に説明してから、本題の『時うどん』へ。
 先日、たまたま先代の小さんさんが演じる『時そば』をネットで耳にしたばかりだが、江戸の『時そば』が蘊蓄語りというか、一人語りの部分に重きを置いているとすれば、上方の『時うどん』は、一人のしぐさばかりでなく相手とのやり取りに面白さがあるのだなあ、と改めて思う。
 遊真さんの『時うどん』を聴くのはこれで何度目かだが、そうした登場人物のやり取りの部分が大切にされており、かつそれがしっかり笑いに繋がっていて愉しい。

 三番目は八斗さん。
 『時うどん』には以前嫌な思い出があって、と早速語り出す。
 漫才中心のあるライヴに出演した際、持ち時間が僅か2分しかないというのに、すでに『時うどん』を演じるとアナウンスがされている。
 さて、どうしたものかと思案した末に演じたのが高速『時うどん』。
 で、その高速『時うどん』を八斗さんはマクラ代わりに演じてみせた。
 本寸法の遊真さんの口演もしっかり「伏線」となって、いやあ笑った。
 さて、本題のほうは『厩火事』。
 今日も今日とて、仕事もせずにぐうたらしているこれぞまさしく髪結いの亭主と喧嘩した女は、世話焼きの男のもとへ愚痴をこぼしにやって来る。
 そんな女に男が入れ知恵したのは、亭主が自分のことをどう思っているのか試してみろということで…。
 といった具合のおなじみの古典である。
 八斗ママという惹句じゃないけれど、女性を演じることに愉しみ喜びを感じている八斗さんらしく、鼻にかかった声で演じる女房がまず肝。
 が、最後の最後に登場する亭主のちょっとした色悪ぶりもまた八斗さんの柄に合っていると思った。

 トリは、サプライズゲストの桂ぽんぽ娘さん。
 錦湯さんへの久しぶりの登場だ。
 マクラ代わりに、7月2日に祇園花月で開催される『桂ぽんぽ娘の京都ピンク花月〜第二夜〜』(桂楽珍さん、タナからイケダのお二人、遊真さん、そして日本エレキテル連合のお二人などの出演)の宣伝をしっかりやってから、本題の『ICOCCA(いこか)娘』を演じた。
 まさしく因縁のネタである。
 それをこの場でかけるというのがぽんぽ娘さんの真骨頂だろう。
 むろん、支配人が月亭太遊さんから三幸さんに変わったということも大きいだろうが。
 その内容も含めて、ぽんぽ娘さんの退かない姿勢が全面に押し出された高座だった。

 そのまま最後の大喜利に突入。
 遊真さんの仕切りで、お題に挑むといういつもの形式だったが、今回は前代未聞空前絶後の乱打戦。
 ちきんさんと福上さんの攪乱プレイあれば、八斗さんはお客さんに向けての解答を連発し、むろんのことぽんぽ娘さんは下ネタを繰り出す。
 遊真さんの奮闘と大喜利猛者のゴハさんの耐え忍ぶ姿も強く印象に残った大喜利だった。

 結局2時間半。
 何が起こるかわからないThe錦湯へ皆さんもぜひ!
 大喜利で、ゴハさんにいつものフレーズをとられたこともあって、今回の〆の言葉は以下の通り。
 ああ、物凄かった!!
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2017年05月31日

笑福亭笑利落語会「独利-HITORI-」

☆笑福亭笑利落語会「独利-HITORI-」

 出演:笑福亭笑利さん
(2017年5月30日19時開演/恵文社一乗寺店COTTAGE)


 恵文社一乗寺店COTTAGEで開催される京都での笑福亭笑利さんの落語会「独利-HITORI-」も、昨年の8月23日、12月13日と回を重ねて今夜が三回目。
 最小限度の宣伝にも関わらず、文具雑貨を営むお店の奥のフリースペースにけっこうな数のお客さんが集まったのは、笑利さんへの大きな期待の表れだろう。
 出囃子の調整にお客さんの僅かな手伝いはあったものの、今回は出演ばかりか受付設営作業その他一切を笑利さん一人でやり切って、まさしく「独利」の名に相応しい会となっていた。

 定刻の19時頃高座に上がった笑利さんは、開口一番代わりのトークから始める。
 お客さんの側から舞台を観てみる必要もあると考えた笑利さんは、最近様々な出し物に足を運んでいるとのことで、中でも衝撃的だったのは知り合いが出演しているコンテンポラリーダンスの公演。
 そのダンスのわけわからんちん具合の描写がどうにもおかしくついつい笑ってしまう。
 変に馬鹿にするのではなく、笑利さんの困惑と驚きがストレートに伝わってくるのがたまらなく面白かったのだ。

 で、会場がわいたところで一席目の落語を演じる。
 笑利さんが弟子入りしてすぐの頃に作った新作落語で、とあるカレー屋に弟子入りしたいと学生がやって来るもの。
 錦湯さんでだいぶん前に接したことがある作品だが、この間の笑利さんの研鑽がよくわかる語りぶりとなっていた。
 とともに、玄人と素人、プロとアマチュアの差についてもふと考えたりした。

 そのまま二席目へ。
 人は見かけによらぬなどというが、人は見かけによるんじゃないかと、自分が巻き込まれた突拍子もない出来事をマクラで語って笑わせたのち、本題の『竹の水仙』に入る。
 酒は飲むわ美味いものは食うわ、それでいてなんとも貧相な格好をした二階の客の男にしびれをきらした妻にせっつかれた宿屋の主人は、男にこれまでの分の宿賃を払って欲しいと口にするが、なんとこの男、一銭たりとも持ってはおらず…。
 まさしく人は見かけによらぬといった展開、飛騨の名匠左甚五郎が主人公の古典落語である。
 芸とは何かという主題を秘めた噺だけれど、要所急所のデフォルメに加え、登場人物の台詞遣いに笑利さんの時代劇好きの片鱗が窺えたのも嬉しかった。

 休憩を挟んだ三席目は、お待ちかね(?)のパペット落語。
 師匠の笑福亭鶴笑さんについて語ったのちにやおら本題に突入する。
 もともと福井県は池田という土地のために作ったお話だけれど、ここは京都というところで、細かい筋立てなどはささっと省略。
 早速見せ場がやって来る。
 笑利さん手作りの白い大蛇が暴れ回れば、これまた笑利さん手作りの北条時頼(全国を回ったという伝説あり)の人形が迎え撃つ。
 途中、これまた手描きのイラストも挟み込まれるなど、細工は流流仕上げを御覧じろ。
 そして、ラストは激しい大立ち回りで必死のぱっち。
 笑利さんの鶴笑師匠への強い想いがしっかと伝わってくる高座で、大いに笑った。

 と、笑福亭笑利さんという落語家の魅力特性が十分十二分に表された会でした。
 ああ、面白かった!!

 ちなみに、ここ恵文社一乗寺店COTTAGEでの「独利」はいったん終了し、新たな企画を立ち上げる予定とのこと。
 そちらも実に愉しみだ。
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2017年05月30日

The錦湯 第4回 〜佐藤琢磨インディー500優勝記念〜

☆The錦湯 第4回 〜佐藤琢磨インディー500優勝記念〜

 出演:桂三幸さん、笑福亭笑利さん
 大喜利出演:あふろだんぺーさん、すかいどんさん、ゴハさん、from yoh(ふろむよう)さん
(2017年5月29日20時開演/錦湯)


 初夏を感じさせる京この頃。
 とうとう冷房も稼働した錦湯さんだが、今夜も常連さんにリピーターさん、ご新規さんとけっこうなお客さんが集まった。

 定刻20時頃、支配人の桂三幸さんと笑福亭笑利さんが登場。
 副題にもある通り、今夜はインディー500(インディアナポリス500マイルレース)で佐藤琢磨選手が優勝したことを記念して、まずはその話題から。
 さすがはモータースポーツ好きの三幸さん、レースそのものばかりでなく、エンジンの変化などマニアックな方向に話題は進んで行く。
 それこそレーシングカー並みの爆走ぶりだけれど、そこを止めにかかるのが笑利さん。
 あえて話題にのったようなふりをしつつ、ここぞというところでちゃちゃを入れていく。
 そんな二人の掛け合いも面白い。

 で、今夜はいつもと違って大喜利から。
 なるほど、だからThe錦湯アカウントの宣伝ツイートに「世界三大大喜利〜錦湯史上最速大会〜」とあったのか。
 三幸さん仕切りの下、笑利さん(なぜか「テニス」と名乗る)ら出演者がお題に挑むというものだけれど、今夜はあふろだんぺーさん、すかいどんさん、ゴハさん、さらに遅れてfrom yoh(ふろむよう)さんと大喜利猛者が結集し、表面的には冷静に、しかし内面ではきっと激しいデッドヒートを繰り広げた。
 大喜利猛者が、着々と解答を重ねれば、笑利さんはいつもの如き珍妙奇天烈なイラストを繰り出し変化球で攻める。
 最終コースでは、from yohさんの答えにあった「西利の漬物」を笑利さん、すかいどんさんが受けるなどのしのぎ合い、まさしく史上最速大会に相応しい笑いの積み重ねが行われた。
 結局、勝者はお客さんの審判に委ねられることになったのだが、なんと他のお客さんからの指名で当方がその役回りを果たさなければならなくなった。
 正直、こういうときに目立ちたくないんだけれど、これは仕方ない。
 甲乙つけがたい大喜利猛者の中から選んだMVPはfrom yohさん。
 「西利の漬物」を導き出したこと、そして遠くからの参加という両面がプラスになり僅差でのMVPである。
 MVPのfrom yohさんにほかのお三人さん、本当にお疲れ様でした!

 続けて、笑利さんが高座へ。
 明日京都で開催されるソロライヴ『独利』の宣伝や紙切り芸をマクラ代わりに語ったあとは、『独利』ではかけない新作落語を演じる。
 タケノコに関するお話。
 といっても、古典のそれではなくて、タケノコ絡みの企画のために笑利さんが考えた「機会落語」とでも呼ぶべき作品だ。
 筍博士の筍講座へ足を運んだはよかったが…。
 といった具合の展開で、機智guyぶりの片りんがそこはかとなく漂ってくる内容で、ついつい笑ってしまう。
 投げ捨てるようなサゲもこの話にはぴったりである。

 トリは、三幸さん。
 息子に見合いを強く勧める父親だったが、この見合い相手というのが実は…。
 という風に始まる作品で、実は水曜日夜の新作集団DIMA・ドイマの会(天満天神繁昌亭)でネタおろしが予定されている新作の予行演習である。
 くすぐりの積み重ねにネオはめ物(例のミニスピーカー)と、三幸さんらしさが全面に押し出された内容だったが、さあここからというところで今夜はおしまい。
 さて、このあと登場人物たちに何が待っているのか。
 続きは、ぜひとも水曜日の夜に繁昌亭でお聴きいただければ!

 と、今夜も盛りだくさんのThe錦湯でした。
 来週は支配人の三幸さんはネタ探しの旅でお休みの予定。
 いったい誰が出演するのかな。
 毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年05月23日

The錦湯 第3回 〜永遠に共に〜

☆The錦湯 第3回 〜永遠に共に〜

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭八織さん
 ゲスト:努力クラブ(合田団地君、佐々木峻一君)
 大喜利出演:あふろだんぺーさん
(2017年5月22日20時開演/錦湯)


 日中の気温は30度を超え、おいおいもう夏かいなと驚くような暑さの京この頃だが、錦湯さんは通常進行。
 常連さん、リピーターさん、ご新規さんが集まってけっこうな熱気だったが、今夜は吹き込む風と扇風機でなんとかしのいだ。

 The錦湯に名前が変わって3回目となる今回は、支配人の桂三幸さん、お久しぶりの桂あおばさんと月亭八織さんに加え、努力クラブの合田団地君と佐々木峻一君も参戦、ここ錦湯さんらしい番組となった。

 定刻20時になって三幸さん、あおばさんと努力の二人が登場。
 自己紹介の段階で、「ゴウダ」という名前に三幸さんとあおばさんが大きく反応、まんま(ジャイアン)やないか!
 しかも、佐々木君はやせ形でメガネということで早速スネオ認定が行われる。

 で、諸々盛り上がったところで、八織さんが高座へ。
 ネタおろしとなる『真田小僧(六文銭)』の序の部分を演じる。
 ずる賢い子供、小遣い銭をやらぬ父親に向かって母親の秘密を小出しにして語り出す。
 続きが聴きたければ五銭をおくれ…。
 というおなじみの古典だが、八織さんはスピーディーなテンポで明快に演じ切っていた。
 中でも、子供のにくたらかわいさが強く印象に残る。

 続いては、あおばさんが登場。
 ラジオ番組やお師匠さんのざこばさんのエピソードをマクラで語ってわかせてから本題に入る。
 気がつけば夜遅く、家を閉め出された半七とお花が足を運んだのは阿波座にある半七のおじの家で…。
 もともと江戸の落語である『宮戸川』の前半部分を月亭方正さんが上方に移し替えたもので、偶然方正さんの口演も生で聴いている。
 本来の筋そのものがおかしく、方正さんが移し替えたくすぐりも面白いだけに、当然しっかり笑いが起こっていたのだけれど、一方で、そうしたフォルム(形式・型)を突き抜けてあおばさんの柄が色濃く出ていた点もおかしかった。
 特に、あおばさん自身が意識して見せようとする自分の姿、演じ具合とともに、やたけた必死のぱっちで浮かび上がる無意識の部分の両面が窺えたことが興味深かった。
 いずれにしても、落語ってパーソナルな芸なんだなあと改めて痛感する。

 三組目は努力クラブの二人がコントという名称の二人芝居を演じた。
 登場人物は佐々木君演じる男子と合田君演じる女子(奇怪さより、ああ、こんな子いるなあとついつい思ってあまり違和感がない)。
 女子は男子に呼び出されたのだろう、どうやらコクるつもりらしいが…。
 といった冒頭はよくある、それこそ「ふつうの思春期の恋愛」物だけれど、ここから先の捻り具合ねじれ具合が合田団地らしい。
 いや、捻りねじれとはいうものの、実は明け透けなだけで荒唐無稽なものじゃあない。
 笑ってはいけないでも笑ってしまう、という感じで笑いが起こっていて、僕自身やるなあと思いつつついつい笑ってしまった。

 トリは、三幸さんがお師匠さん文枝さん(三枝時代)の新作『にぎやか寿司』をかけた。
 帰宅が遅れた空腹の男、鍵を会社に忘れたか、妻を起こして怒られるのも嫌だからと、その名もにぎやか寿司という寿司店に入店したが…。
 努力クラブのオフビートな雰囲気を、岐阜でのゴルフのエピソードなどおなじみ三幸マクラで打ち破ったその調子で、テンポよく軽快明瞭に演じて大きな笑いを生んでいた。

 最後は、三幸さん仕切りによる大喜利を決行。
 三幸さんの仕切りの特徴は、それこそゴルフの解説の如く大喜利の骨法を巧みに説明する点にあるが、今夜はそれにあおばさんがちゃちゃを入れるというのが一つのルーティン。
 笑いになっていた。
 もちろん、あおばさんはコンスタントに解答を重ねてもいた。
 また、八織さんもこのところ大喜利の経験を積んでいるのか、ここぞというところできっちり解答。
 一方、あふろだんぺーさん(メガネでいい人っぽい感じからのび太ならぬ「のびお」と呼ばれる)と合田君は、大喜利猛者ぶりを発揮。
 一人出遅れていた佐々木君も、後半見事に答えを出していた。

 と、落語に留まらぬごった煮ぶりもThe錦湯の持ち味。
 盛りだくさんな一夜でした。
 芝居もコントもクラシック音楽も大喜利猛者も、我と思わんお方は月曜20時に錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年05月20日

月亭太遊さんのネオラクゴ・エアロポリス

☆ネオラクゴ・エアロポリス

 出演:月亭太遊さん
(2017年5月19日19時半開演/浮島ガーデン京都)


 この4月から別府は清島アパートに拠点を移して九州での活動を開始した月亭太遊さんだが、その活動開始の報告を兼ねた「太遊説(たいゆうぜい)」というツアーを現在行っている。
 昨夜の東京でのネオラクゴ・メトロポリスを無事終了し、今夜は京都・富小路六角上ルの浮島ガーデン京都2階フリースペースでネオラクゴ・エアロポリスを開催した。
 さすがはすみます芸人として活動してきただけに、月亭太遊さんのネオラクゴに触れたいというコアなお客さんが集まって、ここしばらくの餓え(かつえ)を払拭していたのではないか。

 序盤の30分ほどは、スタンダップ形式のその名も「別府おもしろ漫談」で盛り上げる。
 確かに、別府での太遊さんってどんな感じだろうという疑問はどのお客さんだとてお持ちだろうから、これは非常に道理にもかなっている。
 清島アパートでの生活スタイルや別府の美味しいもの情報等々に加え、例えば錦湯さんでもそうだったように、太遊さんが「呼ぶ人」であることも改めて痛感し、実に面白かった。

 そして、その後の1時間ほどは、黒地に白の月をあしらった意匠の新しい見台を前にして、ネオラクゴ3本が演じられた。

 まずは、『場末のバステト』から。
 気がつけば猫の捨て場になってしまった酒場のバステトのおばさんが主人公となった作品で、今は亡きばってん荒川を彷彿とさせる熊本弁がまずは肝。
 さらに、ストーリーの突然のワイプにも笑わされるが、それに加えておばさんの孤独、一人で生きる姿が巧く描き込まれたおかかなしい作品だとも思った。

 続いては、ネオラクゴの十八番の一つとも呼ぶべき『くぐつぐつ傀儡軒』。
 ラーメン好きの男が訪ねた店は、なんとラーメンをロボットがつくるというのが売りの傀儡軒で…。
 すでに展開は知っているというのに、ここぞという部分でついつい笑ってしまう。
 仕掛けそのものもおかしいし、太遊さんの演じ具合もまたおかしいのだ。
 そして、最近の世の中の変化にも本当にぴったりの作品である。

 最後は、『山城ヨチムーランド』が選ばれた。
 夢のテーマパークということで、きっとあそこだろうと思ったところが大間違い。
 連れの友人が連れて行こうというのは、京都府内にある山城ヨチムーランドなる奇怪なテーマパークで…。
 これぞネオラクゴ中のネオラクゴと言っても過言ではない怪作だ。
 それにしても、あの夢の数々は凄い。
 夢野久作ならぬ夢歠歙搾とでも記したくなるような悪夢ぶり!

 と、ネオラクゴの神髄を味わうことのできた一夜でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、近いうちにぜひとも別府に足を運びたい!!
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2017年05月16日

The錦湯 第2回 〜愛の彼方に〜

☆The錦湯 第2回 〜愛の彼方に〜

 出演:月亭方気さん、林家染八さん
(2017年5月15日20時開演/錦湯)


 改名2回目となるThe錦湯は、支配人の桂三幸さんがネタ探しの旅でお休み。
 ということで、副支配人(筆頭?)の月亭方気さんの仕切り、お久しぶりとなる林家染八さんがゲストという二人会となった。
 で、今夜は常連さんよりも、リピーターさんやご新規さんのほうが多かったかな。
 そうそう、いつにも増して女性率が高し!

 定刻20時となったところで、軽やかなジャズのリズムに乗って染八さんが高座へ。
 いつもならばトークがあるのだけれど、諸般の事情で早速高座に上がった旨、まずは染八さんのトーク代わりの説明から始まる。
 その後、今場所の話題や弱小力士服部桜などについてマクラで語ったのち、本題の『大相撲風景(相撲場風景)』に入る。
 相撲場に集う人々の無茶無体ぶりをデフォルメして描いたオムニバス的作品で、その無理無体ぶりがくすぐりとなっている。
 後半、小便のネタも出てくるのだけれど、染八さんは熱心な取り組みで登場人物のあほさと人の好さのほうがよく出ていた。

 続いては、副支配人の方気さんが登場。
 静岡での仕事(帰り)中アクシデントが発生、まさしく痛み入る状況なれど、そこは方気さん果敢にネタ下ろしに挑む。
 留守中の妾宅に忍び込んだ泥棒、戻って来た女に凄んでみせるが、この女こそあの毒婦高橋お伝の流れを組んだ元泥棒で…。
 といった展開のおなじみ『転宅』だ。
 女性の役を演じてみたかったという方気さんの言葉通り、間抜けな泥棒を手玉にとる女の機転の効きぶりが肝となる噺だけれど、方気さんの場合は、終盤泥棒が自分の間抜けさ加減を思い知らされる場面でのばあさんの追い込み具合と泥棒の追い込まれ具合も見せ場になるのではと思った。
 これからの方気さんの口演が愉しみである。

 三席目は、再び染八さん。
 おなじみ古典の『粗忽長屋』をかけた。
 千差万別十人十色、演じ手が変われば噺そのものも変わってくるというが、この『粗忽長屋』はそのよい見本なのではないか。
 染八さんの演じる『粗忽長屋』は、オーソドックスな筋運びの中に登場人物たちと染八さんの人柄の良さが垣間見える高座となっていた。
 ここぞというところでの、声の張り具合も強く印象に残った。

 トリは、方気さん。
 庭に飛び出た隣家のタケノコを巡る、可内(ベクナイ。使用人)を挟んだお武家通しのやり取りを描いたその名も『たけのこ』という古典を演じた。
 短く軽めの噺だけれど、表情等々、要所のメリハリで方気さんはしっかり笑いを生んでいた。

 お題の準備がなかったこともあり、今回は大喜利はなし。
 落語家ならではのよもやま話で盛り上げて、会を〆た。

 と、今夜は落語4席におしゃべりというアットホームでインティメートな雰囲気に満ちたThe錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
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2017年05月10日

桂三幸ひとり会 〜やりたいことを好きなだけやる会 どうせ歌うんやろスペシャル〜

☆桂三幸ひとり会

 出演:桂三幸さん、月亭遊真さん、露の陽照さん
(2017年5月9日19時開演/天満天神繁昌亭)


 錦湯劇場改めThe錦湯の支配人桂三幸さんがひとり会を開くというので、大阪は天満天神繁昌亭まで足を運んだが、「やりたいことを好きなだけやる会 どうせ歌うんやろスペシャル」という副題に相応しい、良い意味でごった煮バラエティとでも呼びたくなるような三幸さんらしい会となっていた。

 まずは、下がったままの緞帳前にマイクを手にしたスーツ姿の三幸さんが登場。
 4年間務めた『新婚さんいらっしゃい』の前説を彷彿とさせるおしゃべりで、お客さんに拍手や「おー!」の掛け声を求める。
 もちろん、コアな三幸さんファンと思しきお客さん方も、乗りよく三幸さんに応える。

 と、会場があたたまったところで緞帳が上がり、月亭遊真さんが高座へ。
 ようこそお越しになりましたの挨拶もかねたマクラののちに、『子ほめ』を演じる。
 遊真さんの『子ほめ』といえば、昨夜The錦湯で接したばかりだが、あちらはゲネプロの感もなきにしも非ず。
 本来の言葉の意味とは違うけれど、本寸法の口演というか、繁昌亭の大きさにあわせたテンポ間合い、表現でしっかり演じ切った。
 研鑽を重ねる遊真さんだけれど、(今度は本来の意味の)本寸法の古典をじっくり聴かせてくれる噺家さんになるのではないか。

 続いて、着物姿に変わった三幸さんが高座に上がる。
 三幸さんも繁昌亭の間尺をはかった口演ではあるけれど、天然自然流の三幸マクラはここでも全開。
 鳴り物に入った桂ぽんぽ娘さんの話題等々、錦湯さんと変わらぬ軽やかさで話を重ねてから本題へ…。
 入りかけたところでアクシデントが発生するも、そこは三幸さん、さっと笑いに変えて、本題の師匠文枝さん作の新作『立候補』を演じた。
 小学校の生徒会会長選挙に立候補した息子を慮って、両親は立ち合い演説会の様子を覗きに行くのだが…。
 といった展開のお話。
 要所要所に最近のくすぐりを放り込み、笑いをとっていた。

 そのまま続けて次の演目に入ろうとするも、そうはならじ。
 いったん袖に引っ込んでから再登場した三幸さん、駆け足をしたのが災いしてか一瞬滑りそうになるはっとヒヤリ。
 が、それも笑いに変えたのは言うまでもない。
 二席目は、自作の『消せない留守電』で、卒業式を終えた生徒たちが担任の先生の携帯に感謝の意を込めた留守電メッセージを残すという録音音源を利用したネオはめ物だ。
 メッセージの細かい積み重ねが笑いにつながっていた。

 さて、『消せない留守電』のサゲが決まって三幸さんが袖に入るや、するすると舞台の天井からスクリーンが降りてくる。
 「どうせ歌うんやろスペシャル」の歌のパート、その名も『三幸の人生を歌で振り返る写真漫談』のスタートである。
 繁昌亭の乾いた空気が喉に負担となったか、若干苦戦する場面もあったが、そこは美声の持ち主、小学生時代、大学生時代、愛猫のミーコなどの写真をスクリーンに投影して自らの人生を振り返りつつ、数曲ばっちり歌い切った。
 で、笑いはまぶしていたし、三幸さんが落語家であることは言うまでもないことだけれど、その熱唱を観聴きして、歌というものは三幸さんにとってやはり核となるものではないかとふと思ったりもした。

 中入りを挟んだ、後半一発目は、遊真さんと三幸さんによる「マジの新時代漫才」。
 スーツ姿になった二人が、舞台中央の一本のマイクの前で漫才に挑むというもので、これまた昨夜のThe錦湯で接したばかり。
 しかしながら、昨夜の漫才はただのワークインプログレス。
 昨夜演じられていた今年2月の部分や、迂遠な展開はすぱっと切り落として、過去の今年3月と未来の今年6月の二つのエピソードの面白い部分だけにすることで、受けのよい漫才に仕上げていた。

 続いては、露の都さんの六番弟子にあたる露の陽照(あきらと読む)さんが高座へ。
 まだ入門2年目のぴちぴちの若手…。
 にしては、どうにも貫禄がある妙齢な女性だなと思っていたら、マクラでそこら辺りの経緯を詳らかにしてくれた。
 もとは、演劇や映像の世界で演技の仕事をしていたそうで、『ちりとてちん』などBK制作のドラマやVシネマの『ナニワ金融道』にも出演していたとか。
 それが心機一転、究極の一人芝居とでもいうべき落語家を目指すことにしたのだという。
 で、今夜演じた『鉄砲勇助』でも、活舌がよくて流れのよい部分や、登場人物(猪やら氷になった人の声も含む)のキャラクターづくりにその経験を強く感じた。
 ただ、言い淀むでもためるでもないけれど、掛け合いがいったんゆっくりなる部分での隙というか、間合いのようなところこそ、実は陽照さんの持ち味であり、本来の柄なのではないかと思ったりもした。
 いずれにしても、甲羅を経ての入門には頭が下がる。
 今後の一層の活躍に期待したい。

 と、またもやスクリーンが降りてきて、カラオケが始まる。
 今度はなんと三幸さんと陽照さんのデュエット!
 陽照さんの芝居達者ぶりが十分に発揮された。

 トリは、三幸さんの新作ほぼネタおろし『サプライズパーティー』。
 大阪本社から北海道支社への転勤が決まった部長は、部下たちからlineのグループに招待されるが…。
 これまたネオはめ物で、最後の最後に錦湯さんではおなじみミニスピーカーが登場した。
 三幸さんなら、これがなくっちゃ。
 次々に送られてくるlineのメッセージがそのままくすぐりとなっている話で、錦湯劇場での借りを返すというか、今夜はきっちりオチが着いた。

 と、盛りだくさんの会だった。
 急遽会の開催が決まったこともあってか、上述したほかにもスリリングな場面は多々見受けられたのだが、それもまたおかし、我が道をゆく三幸さんのぶれなさぶりがはっきり示されてもいて、大いに愉しむことができた。
 ああ、面白かった!!
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2017年05月09日

The錦湯 第1回 〜早くもR-1に向けて始動〜

☆The錦湯 第1回 〜早くもR-1に向けて始動〜

 出演:桂三幸さん、桂小留さん、月亭遊真さん
 大喜利出演:龍楽さん
(2017年5月8日20時開演/錦湯)


 先週の錦湯劇場の最後に支配人の桂三幸さんより発表があった通り、今週から錦湯での落語会・演芸会はその名も「The錦湯」に改まった。
 で、そのThe錦湯の栄えある第一回目は、連休明けにもかかわらず常連さん、リピーターさん、ご新規さんがバランスよく集まってまずは何より。
 出演も三幸さんと月亭遊真さんに、初登場となる桂小留さん(桂小枝さんのお弟子さんで、ちろると読みます)が加わって新鮮な顔触れとなった。

 定刻20時頃、出演者が登場しトークをスタートさせるというスタイルはこれまで通り。
 これまでの錦湯さんでの会の精神を受け継ぐという三幸支配人の言葉も伊達ではない。
 ただし、そこは三幸さん、小留さん、遊真さん、それぞれの色がよく出たやり取りは「The錦湯」オリジナルである。
 GWをどう過ごしたかといった話題で盛り上げた。
(そうそう、遊真さんの副支配人就任が発表されたんだった)

 まずは、私服姿のままの小留さんがフリップ・ネタを披露する。
 R-1グランプリ用か、フリップ(厚紙か何かの上に、ネタをプリントした紙が貼り付けてある)を利用した身近にいる人のあるあるネタだが、そのきっちり準備されたフリップにも小留さんの人柄が窺えた。

 続いては、三幸さんと遊真さんによる漫才。
 明日の繁昌亭での三幸さんのひとり会(足を運ぶ予定)の出し物でもあるのだけれど、三幸さんが岐阜でのラジオの収録のためあまり時間がとれず、まだしっかり固まっていないと。
 「ドキュメント」としてご覧くださいとは、遊真さんの言。
 いくつかスリリングな箇所はあったが、掛け合いがすんなり決まっているところでは二人のよさが巧く出ていたように感じる。
 明日の「本番」が愉しみだ。

 再び小留さんが登場。
 こちらもフリップ(先のものと同じ仕様)を使ったネタで、今度は最近はやっているテレビ番組を意識して、俳句に手を加えていくというもの。
 ただしあちらが手を加えることで句がよくなるとすれば、こちらは手を加えることでださくだめになるというところがミソ。
 芭蕉や一茶といった有名どころもそうだけれど、けっこうマニアックな句が取り上げられていたところに小留さんの目の付け所のよさを感じた。

 さて、ここからは着物姿に着替えたお三方の高座が始まる。
 一番手の遊真さんは、漫才に続いてドキュメント噺というか。
 身近にあったおもろい出来事やら、あっと驚くほら話やらを汗を流しながら語り切った。

 二番手は小留さんが高座へ。
 自己紹介を兼ねたマクラのあと、古典の『ん廻し』(田楽喰いの部分)を演じた。
 寄り集まった町内の若い衆、豆腐屋から差し入れられた大量の豆腐田楽を肴に酒を飲もうということになったが、ただただ食って飲むだけでは芸がない、せっかくだから「ん」の付く言葉を口にして「ん」の数だけ田楽を食べよう…。
 といったおなじみの展開で、バーバル・ギャグというか、言葉遊びが噺の肝となっている。
 小留さんはところどころ語尾の伸ばし方にお師匠の小枝さんを想起させたが、口演自体はテンポと歯切れよく進めていった。
 特に、終盤の「ん」尽くしが印象に残った。

 三番手は遊真さんの二席目。
 古典中の古典とでも呼ぶべき『子ほめ』で、確か錦湯さんの初登場の際に遊真さんはかけていたのではなかったか。
 やり取りの間合い、掛け合いのテンポはあのときと当然共通しているが、強弱のつけ具合、流れのよさ、細部の練れ具合に、遊真さんのこの間の研鑽を観聴きする想いがした。
 こうやって時間を置いて同じ噺に接することができるのは、やはり愉しいな。

 トリは、三幸さんの『みかん屋』。
 蜜柑を売って家計の足しにしろと言われた男だが、この男、どうにもお人好しで…。
 錦湯さんでの『みかん屋』といえば、桂恩狸さんがその体格に相応しい大どかなゆったりした語り口の高座を披露していたが、三幸さんは快速というか、スピーディーに噺を進める。
 もちろん、ここぞというところでは強弱をぱっと変化させてしっかり笑いを生んでいた。

 最後は、三幸さん仕切りによる大喜利。
 お客さんからいただいた、こんな電車は嫌だ、こんな嫁は嫌だといったお題に、遊真さん、小留さん、常連の龍楽さんが挑んだ。
 果敢に解答を重ねる遊真さんを抑え、1位(優勝)なしの2位(次点)を獲得したのは小留さん。
 最後の、こんな銭湯は嫌だのお題に「正解」を出したのが大きかった。
 大喜利連投となる龍楽さんも健闘である。

 と、第1回目のThe錦湯も盛りだくさんでした。
 毎週月曜20時は、これまで通り錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
(ちなみに、次回は支配人の三幸さんはお休みかもとのこと。これまた副支配人に就任した月亭方気さんが出演の予定です)
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2017年05月02日

錦湯劇場 新生第5回(通算第30回)

☆錦湯劇場 新生第5回(通算第30回)

 出演:桂三幸さん、桂雀太さん
 大喜利出演:龍楽さん
(2017年5月1日20時開演の回/錦湯)


 世は大型連休中。
 が、今夜も錦湯さんは常連さん、リピーターさん、ご新規さん(韓国から旅行中のお客さんもいらっしゃった)がバランスよく集まった通常進行。

 新生5回目、通算30回目を迎える錦湯劇場は、新支配人の桂三幸さんのほかに、同期で先日米朝事務所を辞められたばかりの桂雀太さんがゲスト出演した。
 で、定刻20時に三幸さん、続いて雀太さんが登場しトークがスタートする。
 まずは、三幸さんのほうから、毎回ネタおろしを続けて来た前支配人の月亭太遊さんと異なり、現在のレギュラー陣では持ちネタがどうしても少ない。
 そこで、フリーになったばかりの雀太さんに出演をお願いしたと、ゲスト出演の経緯を説明し、今回のあれこれについて雀太さんから話を聞き出す。
 さらに、よしもとはどう?と何度も繰り出したが、そこは雀太さん、軽くいなすいなす。

 と、盛り上げたところで三幸さんが高座へ。
 自分自身の恋にまつわるちょっとした想い出をマクラで語ってから本題に入る。
 会社からわき目も降らずに家に帰るような堅物無趣味の青年に、おじさんが今風の女性の口説き方をアドバイスするのだが…。
 ずいぶん前に錦湯さんでも演じたことのある師匠文枝さん(三枝さん)の新作『How to プレイボーイ』で、三幸さんは時事的なくすぐりも織り交ぜつつ笑いを生んでいた。

 続いて、雀太さんが登場。
 向こうから酒樽が歩いて来たぞと若い男二人が喧嘩を始める。
 酒樽と喩えられた割木屋のおっさん幸助は、喧嘩を止めて酒を振る舞うのが唯一最大の趣味、つまり嘘の喧嘩を仕掛けてただ酒飲ませてもらおうという魂胆なのだった…。
 と、これはおなじみ古典の『胴乱の幸助』で、京都が舞台ということもあり、錦湯さんでかけるにぴったりのネタである。
 師匠の雀三郎さん、というより大師匠の枝雀さん流儀、基本はきっちりと押さえつつ、ここぞという要所急所でばばっと動きが広がるというか、緩急強弱のメリハリが効いた笑いの多い口演をたっぷり披露した。
 後世に残る古典というものは、やはり噺自体がよく出来ていると再確認するとともに、雀太さんの人柄特性がよく窺える高座だった。

 トリは、三幸さんの新作ネタおろし。
 錦湯ではおなじみ小型スピーカーを使ったネオはめ物だ。
 来週の繁昌亭での会でかける予定ということもあってあえて詳しくは語らないけど、くすぐりの積み重ねが肝となった作品で、ああ、あるあると思わされる内容となっていた。
 そして、錦湯らしい終わり方。
 三幸さん、そこは動じない。

 さらに三幸さんの仕切りの下、大喜利も決行。
 錦湯大喜利勢を代表する龍楽さんがコンスタントに解答を続ければ、「なるほどここはこういう場なんですな」と雀太さんも場の空気を読んで最後まで答え切った。

 と、今夜も盛りだくさんな錦湯劇場でした。
 ああ、面白かった!!

 さて、最後に三幸さんのほうから重大な発表がある。
 これまでの錦湯劇場の名前は、前支配人の太遊さんあってのものであり、太遊さんが戻って来る際に使ってもらうことにし、自分が支配人を務める分に関しては新たな名称で会を行っていきたい。
 で、その名も「The錦湯」。
 ただし名前は変わっても、自分は太遊さんの中継ぎ(中繋ぎ)であって錦湯劇場精神はそのまま、落語会のほか、漫才、コント、その他広いジャンルの方々に参加してもらうし、大喜利や投げ銭制も継続する旨、三幸さんは宣言した。
 ということで、これからも毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!!
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2017年04月25日

錦湯劇場 新生第4回(通算第29回)

☆錦湯劇場 新生第4回(通算第29回)

 出演:桂三幸さん、笑福亭笑利さん他
 大喜利出演:貯蓄アンドザシティさん、こみやさん、丸山交通公園君
(2017年4月24日20時開演/錦湯)


 4月も下旬となってようやく春らしくなってきた京この頃。
 今夜も常連さん、リピーターさん、ご新規さんと錦湯さんには大勢のお客さんが集まって重畳重畳。
 桂三幸さんが新支配人となって今回で4回目となる錦湯劇場だが、心なしか落語愛好家と思しき方々が顔を揃えてきたようにも思う。

 定刻20時頃、三幸さんと笑福亭笑利さんが登場。
 久方ぶりとなる笑利さんだけれど、いつもの如きスタンスを貫く三幸さんとのやり取りで盛り上げる。

 で、短くトークを切り上げて、笑利さんが高座へ。
 前支配人の月亭太遊さんについてなどマクラで語ってから、独演会の「独利−HITORI−」でネタ下ろしした新作を演じた(あっ、題名を訊き忘れた!)。
 夏休み、祖父母のもとへ遊びに来たソウスケ少年と河童のガタローの交流を主題にした新作で、笑いはもちろんのこと、笑利さんの想いもしっかりと伝わってくる内容となっている。
 終盤、幕内がらみのアクシデントもあったが、そこは笑利さん。
 きちんと大きな笑いに変化させた。

 続いては、落語愛好家の方ならばこれぞ落語の神様のご加護とばかり、住吉大社の若宮八幡宮に石清水八幡宮、ばかりかその元社である山崎の離宮八幡宮にまでお参りにいくかもしれぬというような時間が設けられる。
 って、これは大げさか。
 まあ、錦湯での会によくお越しの方ならば、あっ今回そうなんだとにんまりする感じの時間ではある。
 いずれにしても、落語を「たっぷり愛して」いる方はもちろんのこと、「すこ〜し愛して」いる方でも存分にお愉しみいただけたことと思う。

 トリは、三幸さんの『池田の牛ほめ』。
 あほな男が池田まで普請と牛を誉めに行くが…。
 というおなじみの古典だけれど、三幸さんはマクラできちんと断ってから阪急池田行きの通勤特急ばりのスピードで噺を進めつつ、要所急所でメリハリをつけて大きな笑いを生んでいた。
 新支配人としての風格も出てきたのでは。

 最後は、大喜利を決行。
 三幸さん仕切りの下、笑利さんや大喜利連がお題に挑むというもので、予想の如く笑利さんがきもおかしいイラストを駆使した解答で機智guyぶりを十二分に発揮し、ついつい笑ってしまう。
 一方、大喜利連も善戦。
 教科書通りと三幸さんにお誉めの言葉をいただいた貯蓄さんはじめ、ワンマンショー男丸山君、常連のこみやさんとコンスタントに答えを重ねていた。

 と、今夜も盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 落語をとてもたっぷり愛している方も、すこ〜し愛している方も、落語ってなんや!?と思っている方も、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年04月18日

錦湯劇場 新生第3回(通算第28回)

☆錦湯劇場 新生第3回(通算第28回)

 出演:桂三幸さん、桂三実さん、笑福亭智丸さん、月亭遊真さん
 大喜利出演:ぷるーとさん
(2017年4月17日20時開演/錦湯)


 あいにくの雨、それも本降りの雨となったが、今夜も錦湯さんはなかなかの盛況。
 新年度に新体制ということもあってか、おなじみ常連さんや定着するリピーターさんに加え、少なからぬご新規さんとここのところ顔ぶれに変化が生じてきたかなというのが、率直な印象だ。
 そうそう、今夜は雑誌のPOPEYEの取材の方も来られていた!

 新支配人桂三幸さんの差配2回目となる今夜は、「ビリートップvs嵐(三幸さんのこと)」と題して桂三実さん、笑福亭智丸さん、月亭遊真のビリートップ勢が出演、三幸さんと激しい笑いのバトルを繰り広げた(?)。
 定刻20時頃、やおら三幸さんと弟弟子にあたる三実さんが登場、さらに智丸さん、遊真さんも加わって各々の紹介を兼ねたトークで盛り上げる。

 頃合いのよいところで、出囃子の録音に乗って智丸さんが高座へ。
 自分の器の小ささを痛感したエピソードをマクラで語ってから本題の『転失気』を演じる。
 なんだかお腹が張って仕方ないお坊さんは、お医者さんから「てんしきはあるか?」と訊かれて思わずないと答えたのだけれど、実はこのお坊さん、てんしきとは何かを知らなかったものだから、小僧さんにそれを尋ねにやるが…。
 というおなじみの古典。
 智丸さんといえば、以前『有馬小便』という珍しい噺を錦湯さんで演じたことがあったっけ。
 もしかして、ちょっとス××ロの気で…。
 まあ、それは冗談として、粘らない語り口に節度の効いたキャラクター設定で後味のよい高座となっていた。
 小僧さんもなかなか可愛らしい。

 続いては、三実さん。
 若い衆が集まって一番好きなものは何か、一番怖いものは何かと語り合っているうち、一人の男が口にした一番怖いものとはなんと饅頭で…。
 と、これはもう言わずと知れた古典 of 古典の『まんじゅうこわい』だ。
 師匠文枝さんにつけてもらったということだけれど、スピーディーで快活なテンポとここぞというところのくすぐりでしっかり笑いが生まれていた。
 そして、その合間合間に三実さんの一筋縄でいかなさ、ファニーさが窺えたのも今夜の収穫だった。
 『征平吉弥の土曜も全開!!』で、時折桂吉弥さんが三実さんの名前を口にしているが、そのうち錦湯さんでも吉弥さん譲りの古典を聴くことができるかもしれない。
 三実さんの捻りの効いた新作とともに、それもまた愉しみだ。

 トリの三幸さんは、自作の『冬のゴルゴ』をかけた。
 世は経済不況、あの世界的な殺し屋ゴルゴ13も背に腹は代えられず、望まぬ仕事を引き受けなければならなくなって…。
 題名は、懐かしの韓流ドラマ『冬のソナタ』から来たものだけれど、削りに削って今では『冬のソナタ』の部分は消えてしまった、といった内情を以前錦湯さんで取り上げた際に三幸さんが話していたっけ。
 笑いのエッセンスを凝縮したいいとこどりの内容だけに、今夜も要所要所で仕掛けが活きて大きな笑いが起こっていた。
 ゴルゴ13がこてこての大阪人という設定自体もおかしい。

 で、大喜利を決行。
 ただし、そこは三幸さんだけに、独自の色合いを出す工夫がなされている。
 今夜は「宿題大喜利対決」と銘打ち、「こんな名前なら入門するんじゃなかった。どんな名前?」、「この泥棒育ちが良さそう。 その理由とは?」、「タワーマンションの最上階なのに激安、その理由とは?」というお題を数日前に公開。
 ビリートップ勢+大喜利愛好家のぷるーとさんが一人ずつ解答を発表し、それに三幸さんが対決するという一対一の大喜利勝負が組まれた。
 ときにトリッキーな答えを繰り出すビリートップ勢にぷるーとさん(途中、遊真さんの落研の後輩であることが発覚)に対し、三幸さんも見事応戦。
 特に、二番目の泥棒のお題での三幸さんの同じイラスト使い回し戦略には笑った。

 お約束(?)の引き分けののち、さらに「あたかも読書」も決行。
 何も書いてない本を開いてあたかも読書しているように即興作文に挑むもので、お客さん(わしじゃわしじゃ)からのお題をアレンジした「富士山の登り方」というのが今夜のお題。
 三幸さん仕切りの下、三実さん、遊真さん、ぷるーとさん、智丸さんが「らしい」言葉を重ねて見事(?)切り抜けた。

 と、今夜も盛りだくさんの錦湯劇場でした。
 雨が降ろうと何が降ろうと、月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年04月11日

錦湯劇場 新生第2回(通算第27回)

☆錦湯劇場 新生第2回(通算第27回)

 出演:桂三幸さん、桂ちきんさん、福上よしきさん
 大喜利出演:あふろだんぺーさん、シェンロンさん他
(2017年4月10日20時開演/錦湯さん)


 4月に入ってもう10日なったが、まだまだ肌寒さを感じる京この頃。
 それでも、錦湯さんには常連さんにリピーターさん、ご新規さんと結構な数のお客さんが集まりまずは重畳重畳。
 で、今夜は、新たに支配人に就任した桂三幸さんが初めて差配を務める記念すべき回。
 ということで、二回目の登場となる桂ちきんさんと讃岐のヒッチコックの異名をとるピン芸人の福上よしきさんがゲストとして出演し、三幸さんの門出を盛り立てた。

 定刻の20時頃、まずは三人が登場しトークをスタートさせる。
 初出場となる福上さんの自己紹介も兼ねてということなのだが、早速ちきんさんのエネルギーが全開し、プライベートでも親しい福上さんとだだすべりも恐れぬ掛け合いを繰り返し、客席をわかせた。

 で、程よい頃合いで福上さんのネタが始まる。
 開演前から学生服姿の福上さんだったのだけれど、これは一本目のネタのため。
 さらに生着替えのあとに、二本目のネタも披露した。
 あえてネタは割らないが、いずれもべたでありながら、捻りの効いたオフビートな笑いの作品で、独特なフラのある福上さんの雰囲気ともども実におかしかった。

 続いては、ちきんさんが高座へ。
 映画評論家としても活躍するちきんさんだけに、マクラはもちろん映画の話題。
 そして、淀川長治を模した語り口で、新作映画『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』を説明したが、あえてぎりぎりまで話したのは、当然浜村淳さんを意識してのものだろう。
 水を得た魚の如きおしゃべりだった。
 さらに、ちきんさんは古典の『鹿政談』も演じたが、こちらはサスペンス映画もかくやと思わせるスリリングな部分はありながらも、それがまたちきんさんの個性によく合っているように感じられた。

 トリは、三幸さんが古典(準古典)の『桃太郎』を演じる。
 昔と違って今では子供に寝物語として桃太郎を語ってみても…。
 といった展開のなじみ易いお話。
 父親と子供のキャラクターづけを三幸さんはしっかり行いながら、メリハリが効いたテンポのよい口演を行って、ここぞというところで笑いを生み出していた。

 最後は、錦湯劇場恒例の大喜利を新支配人三幸さんも決行。
 ただし、今夜はちきんさんと福上さんのコンビがパワー全開(全壊?)で、ご新規のお客さんを解答者に選び出したり、解答をとめどなく連打したり、消耗もいとわぬ掛け合いを繰り出したりと、マルクス兄弟やバスター・キートンもびっくりなアナーキーな笑いを提供していた。
 むろん、新支配人の三幸さんは解答に回って場の収拾に努めたり、あふろだんぺーさんやシェンロンも大喜利猛者らしい正統派ぶりをアピールしたりするなどしっかり応戦していたが。
 いやあ、笑った笑った。

 と、新支配人の初差配に相応しい回でした。
 毎週月曜20時は錦湯さんへ皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年04月04日

錦湯劇場 新生第1回(通算第26回)

☆錦湯劇場 新生第1回(通算第26回)

 出演:月亭方気さん、リスナップ・藤本康志さん、銭湯熟女・湯毛さん
(2017年4月3日20時開演/錦湯)


 前支配人月亭太遊さんが九州に移り、新支配人に桂三幸さんを迎えた錦湯劇場の新生第1回。
 が、あいにくよんどころない事情で三幸さんはお休み。
 ということで、月亭方気さんが差配を買って出た新年度一回目の錦湯劇場だったが、蓋を開ければ常連さんにリピーターさん、ご新規さんでなかなかの盛況となり、まずは何よりである。

 で、これまでの雰囲気を一転、出囃子に乗って方気さんが登場し、颯爽と高座へ。
 前回は新作をかけたけれど、今夜は古典二席を演じますとまずもって宣言。
 お客さんの様子をうかがいつつ、本題の『天災』に入った。
 錦湯さんでの『天災』といえば、少し前に桂あおばさんが演じたところだけれど、あなたあおばさんがお師匠のざこばさん譲りの無手勝流とすれば、こなた方気さんは歯切れのよいテンポでたったっと話を進めていく。
 もちろん、そこは方気さんだけに、要所急所で表現をデフォルメさせてきちんと笑いを掴みつつだ。
 紅羅坊奈丸の説諭のくだりも面白いが、男が別の相手に説教してやろうと飛び込んだあとの流れのよさが強く印象に残った。

 続いて、漫才コンビ・リスナップの藤本康志さんが登場。
 ちなみに、藤本さんは伊集院光と今は亡き名優日守新一を足して二で割って陽性にしたような感じの顔立ちの方で、お客さんに声をかけたりしながら、自己紹介を兼ねたおしゃべりでわかせる。
 と、よい頃合いで銭湯熟女の湯毛さんが今度は登場。
 あまりの銭湯愛が高じて、遂には錦湯さんで自らの写真を撮影、錦湯さんなど京都の限られた銭湯でしか手に入らない写真集まで発売を始めた湯毛さんだけど、藤本さんはその写真集を肴にしつつ湯毛さんから話を引き出していく。
 湯毛さんのとぼけた口調と、時折藤本さんが繰り出す鋭いジャブがよいコントラストを生んでいた。

 トリは、方気さん。
 夏を見越してそろそろ怪談噺でもと、ホテルで起こったどっきりするようなエピソードで盛り上げてから、方気さんは『皿屋敷』を演じた。
 姫路の古い荒れ屋敷は、昔々代官のはかりごとで殺されたお菊さんの幽霊が夜な夜な現れて、一枚二枚と皿を数えることから皿屋敷と呼ばれている。
 それを聞き込んだ若い衆は、これはおもろいと皿屋敷に押し掛けるが…。
 といった展開のおなじみの噺で、方気さん自身、ここ錦湯さんで一度かけたことがある。
 『天災』同様、快活なテンポながら丹念に筋を運びつつ、ここぞというところで表現を大きくして笑いを生み出した。

 最後は、方気さん、藤本さん、湯毛さんの三人による大喜利が行われた。
 ただし、これまでの太遊さんが仕切りに徹する大喜利とは趣を変えて、今夜は方気さんと藤本さんが掛け合いを重ねながら回答していくというスタイル。
 二人の息がよく合っている。
 そして、その隙間をぬって湯毛さんがオフビートなぼけを口にしていた。

 と、新生第一回目の錦湯劇場も盛りだくさんでした。
 毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
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2017年03月28日

錦湯劇場 第25回

☆毎週月曜 錦湯劇場 第25回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、桂三実さん、月亭方気さん、月亭八織さん、センサールマン
 後見人:石村一也さん
(2017年3月27日20時開演/錦湯)


 25回目となる昨夜の「毎週月曜 錦湯劇場」は、ネオラクゴ・フロンティアに始まり、ネオ落語・セントラル、そして錦湯劇場と2年半にわたって錦湯さんでの会を主導し続けてきた月亭太遊さんが支配人を退任し、新支配人を発表するというまさに記念すべき回。
 ということで、錦湯さんは常連さん、リピーターさん、ご新規さんが総勢60人ほども集まり、階段に女湯(声のみ)、さらには立ち見も出るほどの空前の大盛況となった。
 太遊さんがこの間培ってきたものが目に見えて表されたと言っても過言ではあるまい。

 さて、定刻の20時を少し過ぎたところで、大勢のお客さんをかき分けながら太遊さんと盟友の石村一也さんが登場し、「トリに新支配人が登場します!」と今回の趣向を語る。
 その言葉に、お客さんの期待も高鳴る高鳴る。

 で、まずは月亭八織さんが高座へ。
 陸続とお客さんがやって来るため、しばし休止したのち仕切り直し。
 太遊さんとの想い出を語って、あとは「太遊さんは小栗旬に似ている」といういじくりですませようと思っていたものの、それではすまないということで、以前錦湯さんでも一度かけた柳家喬太郎さんの『母恋くらげ』を演じる。
 小さな子供のくらげが陸に打ち上げられて…。
 といった展開で、喬太郎さんらしいマニアックなくすぐりが詰まっているが、まさしく話の中のくらげと同じくらいの小さなお子さんたちを中心にして、八織さんの熱演ぶりに笑い声を上げていた。

 続いては、桂三実さん。
 ABCラジオの『征平吉弥の土曜も全開!』で、桂吉弥さんの「桂三実君が古典の稽古に来ている」旨の話を聴いてにんまりしたのは数週間前。
 だが忘れちゃいけない。
 桂三実さんは、一筋縄ではいかない新作落語の作り手でもある。
 錦湯さんでの落語会でも、そんな三実さんの特性が度々発揮されてきた。
 昨夜の『言うておきますが』も、三実さんの「おかしさ」が全面に表された作品となっていた。
 舞台はとあるペンション、いったい誰が殺人事件の犯人か? まるで古畑任三郎のごとき刑事は容疑者たちに質問を重ねるが…。
 タイトルの「言うておきますが」の部分に、三実さんの「変さ」が満ちあふれていてとても愉しい。
 あと、登場人物の名前にも内心くすっとした。

 三番手は、漫才のセンサールマンが登場。
 客席から見て左側の愛植男さんと右側の山崎仕事人さんの二人組で、最近テレビでもその特異なネタが披瀝されたばかりだ。
 で、ここは錦湯、ネオラクゴの聖地である。
 ということで、センサールマンは特異なネタの中でも飛び切りの特異なネタ、仏教でいうところのおそろしく長い時間の流れを示す「羽衣劫」を題材にしたものをぶつけてきた。
 植男さん扮する天女が仕事人さん扮する兵庫県ほどの長さで兵庫県ほどの高さで兵庫県ほどの大きさの岩を撫でていくという様が、どうにもおかしい。
 植男さんの芸達者ぶりは言うまでもないが、それこそ岩のようにそれを支える仕事人さんの目配りも忘れてはなるまい。
 いやあ、笑った笑った。

 四番手は、月亭方気さん。
 方気さんといえば、基本をしっかり押さえた上で独特なかろみをおびた古典の演じ手として知られているが、ここ錦湯さんではかつて自作の新作(擬古典風なつくりなれど、大師匠の月亭可朝さんにも通じる赤裸々な「私落語」)を演じたこともあった。
 太遊さんの九州移住にあわせて昨夜も新作に挑んだ方気さんだが、今回は前回とは一転、都会と田舎のよいとこどりを売りにする「とかいなか」をテーマとする「私」性を排除した作品となっていた。
 舞台は、その名も「とかいなか」。
 ますます「とかいなか」をアピールしていこうと男たちは動き出す…。
 途中、時事ネタも織り込んだりするなど、きっちり丁寧に作り込まれた作品で、ここぞというところでばっちりお客さんの反応が返っていた。

 なお、方気さんの前までは、太遊さんが繋ぎのおしゃべりをやっていたが、次が出番ということもあり、石村さんがここでは繋ぎを担当。
 現在深く関係している脱出ゲームで出題されるようなクイズで、お客さんを愉しませる。

 さて、トリ前の「モタレ」は太遊さんだ。
 この回のためにネタオロシ(降臨)されたのは、『グッドバイ・メリメイキング』。
 役所のなるたけやる課のどい君は、次々と持ち込まれる難題をなんとかこなしていこうとするものの、きちんと評価されることはなく…。
 この2年半のネオラクゴのエッセンスが盛り込まれるとともに、錦湯さんでの会への想いがひしひしと伝わってくる内容となっていて、大いに笑いながら、この間のことやこれからのことをいろいろと考えた。
 排除することなく、おもねることなく、自覚的に肩ひじ張らず、笑いながら愉しみながら。
 錦湯さんに足を運んでいければと強く思う。

 そして、トリ、つまりは新支配人は桂三幸さん!
 これまでの流れ(当方の一連の感想をご参照のほど)を考えれば、三幸さんの新支配人就任は確かに「なるほど」の一語である。
 盛大な拍手を受けて、新支配人としての言葉をしっかり発したあとは、ホームグラウンドらしい構えない語り口で笑いを生んでいく。
 昨夜演じたのは、新作の『宇宙への道』。
 年に一度、単身赴任先のタイから日本へと帰国する父親は、そのたびに息子の書いた「将来の夢」という作文を目にするが…。
 くすぐりの積み重ねが伏線となったよく出来た作品で、それがどんどん笑いに繋がっていった。
 新支配人の門出に相応しい高座だった。

 最後は全員が登場、お客さんの長くて大きな拍手で華々しく〆た。

 さあ、来週からは4月。
 新年度も、毎週月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!!
(ちなみに、来週は三幸さんはお休み。方気さんが仕切る予定です!)
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