2008年05月15日

支倉焼

 指揮者の本多優之さんのお土産、仙台のふじや千舟の『支倉焼』を食す。
 おなじみ支倉常長の名にちなんだ『支倉焼』は、くるみの入った白餡を柔らかくてしっとりしたクッキー地で包んだお菓子だが、上品な甘さの白餡とクッキー地の組み合わせがぴったりで、くるみのアクセントもうまくきいており、実に美味しうございました。
 ごちそうさま!
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2008年01月08日

美味しいきんつば

  ☆萬寿堂のきんつば
   1個 135円(税込み)


 今日、新しい小説の取材がてらに万寿寺通を歩いていて、狂甘糖糖員の血が騒いだ。
 それが、今回とり上げる『御菓子司 萬寿堂』のきんつばである。
 実は、次の機会でいいや、と思っていったん通り過ぎながら、そのあとどうしても気になって、も一度戻って思わず買い求めてしまったのだけれど、これはそうして大正解だった。
 きんつばといえば、あんの周囲を砂糖でがちっと固めたハードなタイプがおなじみだが、こちらはソフトなつくりで、とても柔らかい。
 そして、甘さ控えめのつぶあんの美味しいこと美味しいこと。
 食べ終えて、口の中にいやな後味が全く残らないことも含めて、何個でもいけそうなきんつばだと思う。
 1個、税込み135円と値段もお手ごろで、僕にはちっとも惜しくない。
 堀川通から烏丸通に向かって万寿寺通を歩いて行けばすぐにお店は見つかるはず。
 きんつば好き、和菓子好き以外にも、なべておすすめしたい一品だ。
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2005年01月20日

MIDNIGHT ANKOTIGHT(うしみつ時の鯛焼き)

 以前、真夜中にもかかわらず鯛焼きを食べてしまった、という趣旨のコメントをいただいたことがあった。
 真夜中に鯛焼きか、そいつぁおつだなあ、などと熱狂的な狂甘糖員らしい感想を抱いたものだが、そのことが頭の片隅に残っていたからだろう、近所のジャスコで、パックに入った鯛焼きを買ってしまった。
 5個入り298円が、賞味期限の関係で、半額になっていたのだ。
 いろいろ気にかかるところもあるけれど(体調やら体重やら)、まあせっかくなのだから、これをアップし、さらに一仕事終えたら、うしみつ時の鯛焼きとしゃれ込むことにしよう。

 そう言えば、先代の林家正蔵(最晩年は彦六)が、次のような言葉を語っていたことを思い出した。
「鯛焼きは餡が甘いから、尾っぽのところは餡を入れずに少し焦がして焼いて、甘くなった口の中をその尾っぽのとこでさっぱりさせるものでね。だから昔の人は、尾っぽまで餡を入れると、ドジな焼き方をしやがってと言ったもんだ」
(吉川潮『江戸前の男 春風亭柳朝一代記』<新潮文庫>より)
 尾っぽの端まで餡が入っていると誉めた、アンツルこと安藤鶴夫を皮肉った言葉らしいが、なるほどな、と感心させられた。 
 確かに、餡のない尾っぽなら、口直しにはなるはずだから。
(ただ、狂甘糖員としては、尾っぽの端まで餡だらけの鯛焼きのほうが嬉しいことは嬉しいのだけれど。だって、口直しには渋いお茶でも飲めばすむことだもの)
 それにしても、これは単に鯛焼きに限らず、小説だってお芝居だっておんなじことじゃないのか、とも思ってしまう。
 口直し一つない、てんこ盛りに盛られた笑いや涙では、接する側も消化不良を起こしてしまうだろう。
 少なくとも、何らかの箸休め程度は置きたいものだ。
 内容の如何に関わらず、口直しがしっかり効いた、後味のすきっとするような作品を、一つでもいいから創り出してみたい。

 話がどうも鯛焼きからはずれてしまったな。

 さて、今日買って帰った鯛焼きは尾っぽの端まで餡が入っているのか、入っていないのか?
 早く、確かめてみなくっちゃ。
 
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2004年12月08日

甘いものの記録

 日付けに正確だと、昨日の晩、アイスクリーム「爽」のチョコ味を食べた。
 ううん、ちょっとどっかりしたかな。
 やっぱり、「爽」ならバニラ味がいいみたい。
 それか、小豆味。
 まあ、その確認ができただけでもよしとしよう。
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2004年11月14日

甘いもの余話

*タピオカミルク

 中華料理のデザートでは、やはり杏仁豆腐がもっともメジャーなのではないだろうか。
 僕も、あの杏仁豆腐のぷりっとした食感が好きで、時々パックに入った杏仁豆腐を買ったりする。
 特に、風邪をひいてしまった時など、消化によいかどうかはわからないが、喉ごしのよさもあって、ついつい杏仁豆腐を選んでしまう。

 ただ、僕が一番好きな中華料理のデザートといえば、実はタピオカミルク(砂糖で甘味をつけたココナッツミルクに、透明でぷにぷにしたタピオカの入ったもの)だ。

 初めてタピオカミルクを食べたのは、江山楼(注)という長崎のお店でだった。
 本当はどんな代物かわからなかったものの、ココナッツミルクがどうしたこうしたという説明が気になって、後先考えずに注文したのである。
 が、最初は見ために驚いた。
 だって、何だか生き物の卵のような…。
 でも、一口食べてみて、そのあっさりとした口あたりにまいってしまった。
 ココナッツミルクとの相性も抜群だし。
 これは、美味しい!
 で、それ以来、中華料理店に入ってメニューにタピオカミルクがある場合は、必ず注文するようになったのだ。

 最近では、スーパーでも小さなカップに入ったタピオカミルクを見かけるようになった。
 夜ごはんのおかずを、餃子や焼売にした時などは、わざとタピオカミルクを買ってみることもある。
 もちろん、食べる時はガラスの器に入れ直して食べることにする。
 そうするだけでも、全然気分が違うから。
 量的に言うと、カップ2個分は食べたいところだが、まあ、これは我慢しておいたほうが身のためのようだ。

 注=数年前に帰省した時、このお店に入ったのだが、タピオカミルクはメニューから消えていた。残念。
 
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2004年11月08日

甘いもの五趣・5

*プリン

 昔、『プリンプリン物語』という、やけにシュールでやけにスラプスティックな人形劇をNHKが放映していた。
 物語の主筋よりも、三波豊和の奇怪な登場やら『イエローサブマリン』の意味不明な挿入などのほうが記憶に残っているのだが、それより何より『プリンプリン物語』というタイトルそのものにあんぐりさせられたものだ。
 プリンプリンってあんた、天下のNHKでしょうが!

 で、今日はプリンの話(強引なつなぎだな全く)。
 子どもの頃食べたプリンと言うと、ハウスのプリンのもと(?)を利用した、手作りのプリンをまず思い出す。
 確か、牛乳か何かを混ぜて、冷蔵庫で冷やせばそれで出来上がりというものではなかったか?
 何だか粉っぽい感じもしたが、今となっては懐かしい。
 無理からどうしても、という訳ではないが、機会があれば今でも食べてみたいと思う。

 それからプッチンプリン。
 あれの登場は画期的だった。
 やたらとコマーシャルをやっていたせいもあるけど、底のポッチをポキッと折って、プリンをぽろんと外に出すって、やっぱりインパクトあったものね。
 プリンがどうこうよりも、ぷっちんしたさについつい買ってしまった自分の幼さを未だに忘れられない。

 と、ここまではプリンそのものの味なんてたいして考えてなかった時期。
 確かに、ケーキ屋さんに行けば美味しそうなプリンも売ってはいたのだけれど、せっかくのケーキ屋さんなのだからと、いつもパス。
 結局、プリンの味に目覚めたのは、大学に入って京都に移り住んでからのことだった。

 手軽に買えるということで、一時期はまっていたのは、ジョリマダムの焼きプリン。
 焼きプリンという響きに心動かされたのと、確か、まだアホキャラで売っていた羽野晶紀のコマーシャルが印象的だったからだ。

 それから、洋菓子屋さんやケーキ屋さんでプリンの味を確かめるようになったのだけど。
 案外、プリンって当たり外れがあるように思う。
 有名店のものが、必ずしも抜群だとは言えないし、街の隅っこの小さなお店がめちゃくちゃ美味しいプリンを出していたりもするから、侮れない。
 近くのジャスコの隣に入っている、「zizi」というケーキ屋さんのプリンもなかなか美味しい(プリン地をかたいパイ生地の上にのせた、シブーストがここの売り)。
 シュークリームはそれほどでもないが、プリンのほうは予算と相談した上で購入することにしている。

 ただ、これはシュークリームとも重なることだけれど、スーパーやコンビニで売ってあるプリンも、相当美味しくなってきた。
 だいたい、1個100円から200円の間なので、何度も試して自分にあったものを見つけるのが一番のような気がする。
 さしずめ、僕なら、高梨乳業の「生クリームと卵で作ったやわらかプリン」がお薦めだ。
(『おやつ合衆国☆プリン』で、商品名を確認しました)
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2004年11月02日

甘いもの五趣・4

*アイスクリーム

 どちらかと言えば、あまんじゃくな性格だと自覚をしているが、これだけはただのあまんじゃくではないと言い切れる。
 それは、コタツでアイスクリーム。
 ねっ、これならいけるでしょう?
 そりゃ、確かに、寒い時に寒い食べ物なんてと思う人がいるのも、当然のことだろうけど。
 でも、やっぱりいいんですよね。
 コタツの中でほっこりとアイスクリームを食べるのは。

 レディボーデンのような、どでかいアイスクリームは遠慮して、いつもは普通サイズのカップのアイスクリームを選ぶ。
 僕がこのところお気に入りにしてるのは、ロッテの「爽」。
 しゃきしゃきとした氷の食感と、どこか懐かしい雰囲気のするバニラアイスクリームがとてもよくあっている。
 他に、チョコや抹茶、小豆とあるけれど、僕は小豆をとる。

 ハーゲンダッツも大好きだが、これは外出時に歩きながら食べるのがベスト。
 クッキー&クリームやリッチミルクもいいけど、僕のお薦めはメイプルウォールナッツ。
 ちょっとこってりした感じがしないでもないが、メイプルシロップとくるみの見事なバランスが僕にはたまらない。
(やっぱり、ナッツ系が好きなんですね)

 子どもの頃の思い出では、竹下製菓の「ブラックモンブラン」というアイスクリーム。
 これは、九州限定なのだろうか。
 バニラアイスをチョコクランチでくるんだものだけど、草野球の帰りとかよく食べたなあ。
 これ、くじとかついてたんだよね。
 ああ、今も食べたいなあ。

 あと、郷里長崎の平和公園付近で、被爆一世のおばちゃんが売ってた屋台(箱車)のアイスクリーム。
 素朴な味が、今も忘れられない。

 そういえば、風邪をひいて寝込んだ時、布団の中で食べたアイスクリームの美味しさも、未だに忘れられない記憶だが。
 まあ、いくら冬でも、コタツの中あたりで我慢しておいたほうが、これはよさそうだ。

 皆さん、くれぐれも風邪にはお気をつけ下さい。


 

 
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2004年10月27日

甘いもの五趣・3

*チョコレート

 登山者が遭難した際に、板チョコを食べていたおかげで助かったという話を遠い昔に聞いた覚えがある。
 それだけ、チョコレートは栄養価が高いということだろう。
 そう言えば、チョコレートを食べてにきびがいっぱいできたなんて友人の話を聞いたこともあったっけ。

 チョコレートは、時折板チョコを買って食べることがある。
 スーパーに行けば、100円以内で必ず買えるので、手元不如意の折には恰好の甘いものだ。
 ホワイトチョコやパフの入ったチョコレートも好きなのだが、値段のこともあってか、日頃はシンプルなミルクチョコを選ぶことが多い。
 知り合いの中には、ブランデーといっしょになんて、酒の肴にしている剛毅な人間もいるが、一人で飲まない性質の僕は、そのままでぱりぱりと味わう。
 ぱりっというあの歯ごたえと、それが口の中でとろっととろける感覚は、やはり板チョコを食べる醍醐味と言っていいだろう。
 夏の暑い時は、冷蔵庫の中で冷やしておかないと、ぐにゃりとなって、食べる楽しみの大半が奪われてしまう。
 むろん、冬限定の溶けやすいチョコレートになると、これは話が別だ。
 あれは、はなから溶ける食感を楽しむためにあるのだから、歯ごたえがないだのかたくないだのと騒いでは、罰が当たる。

 チョコレートといえば、ハワイのキスチョコやマカダミアナッツ入りのチョコレートも、僕には印象深い。
 父が船乗りだったので、ハワイ経由の遠洋航海に出た時には、必ずといっていいほど、この二つのチョコレートを土産物として買って帰ってきたのだ。
 マカダミアナッツのほうは、ナッツの食感が好きなこともあって、よく食べた。
 冬になると、チョコの部分が白く変色して味も少し落ちたりするのだけれど、ナッツがあれば結構なので、それほど気にはならなかったように思う。
 キスチョコのほうは、細い紙のひもを引っ張って包みの銀紙を剥がすのが楽しかったが、一度何かの幼虫が巣食っているのにぶつかって、一気に苦手になった。
 今でも、キスチョコを見ると、その時のことを思い出す。

 男性にとってチョコレートといえば、何はなくともバレンタインデーということになるのだろうが、残念ながら義理チョコ以外に縁はない。
 ある女友だちから言われたことなのだけど、僕は「永遠に恋人からは本命チョコをもらえない運命にある」らしいのである。
 何ゆえか?
 第一に、恋人がいない時には、当然恋人からは本命チョコはもらえない。
 第二に、恋人がいても、僕が恋人に選ぶような人間は、バレンタインデーには無関心か、そういう習慣自体に拒否反応を示すような人間だろうから、結局恋人からは本命チョコがもらえない。
 というのが、彼女の答えだが、なるほど当らずとも遠からず、というような気がしないでもない。
 まあ、義理だろうが何だろうが、甘いものをプレゼントしてもらえるのなら、それに越したことはない訳で、なべて有り難くいただくことにしている。
 今年は、件の六華さんに付き合って、デパートのバレンタインチョコ販売の特設会場を散策したりもした。
 おなじみの老舗から、新興勢力、さらには他業種からの参入と、試食も含めて実に面白かったなあ。
 満足満足。
 それで、もしかしたら、六華さんが義理チョコあたり買ってくれるのでは、とほんのちょっぴり期待もしていたのだけれど、残念、それは適わぬ夢だった。
 世の中、板チョコほどにも甘くはないものだ。
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2004年10月22日

甘いもの五趣・2

*シュークリーム

 クロワッサンが三日月ならば、シュークリームはクリーム入りキャベツ。
 これ、フランス語のお話である。
(なるほど、確かに形はキャベツそっくりだ)

 何と言っても、僕の大好きな甘いものは、シュークリームだ。
 見ためはそれほどよいとは言えないものの、あのしわしわのシューにかぶりついたとたん、美味しいクリームが中からとろっととび出してくる。
 もうそれだけで、余は満足じゃてな具合に、他には何にもいらない気分になってしまう。
 実際、高校時代の土曜日など、お昼ごはんはシュークリーム3個だけという時期さえあった。
 ここまでくると、少々危ない感じもしないではないが、それには深い訳がある。
 実は、子どもの頃の僕にとって、シュークリームは全く魅力的でない食べものだったのだ。
 と言うのも、僕の母親や祖母が買ってくるシュークリームというのは、いわゆるスーパーで売ってあるような、クリームは糊みたいでシューはぱさぱさとした、まさに安かろう悪かろうのいんちきシュークリームだったからである。
 むろん、「こんシュークリーム全然おいしうなかよ」とは口になどしなかったものの、心の中に「シュークリームはあんまりおいしうなかもんばい」という言葉を、僕はずっと刻みつけていたのであった。
 ところが、高校に入って少し経ってから、学校のすぐ近くにマツハヤというコンビニエンスストアが出来たのだ。
 ある土曜日の午後、放送部の仲間とともに、柿落としなった店内に入ってみて僕は驚愕した。
 何と、レジの横のガラスケースの中に、今まで見たこともない、実に美味しそうなシュークリームがごまんと並んでいるではないか。
 怖いもの見たさ、ならぬ美味しそうなもの食べたさの一心で、すぐさまそれを買ってみたのだが、いやこのシュークリームの美味なること美味なること。
 シューの食感も、カスタードクリームの質も、今までのいんちきシュークリームとは段違いなのである。
 それ以来、僕はその店のシュークリームにとりつかれてしまい、シュークリームがお昼ごはんなどという、はたから見れば「いってる」状態を繰り返したのだった。
 もちろん、今ではごはんがわりにシュークリームですます、なんて馬鹿な真似はしない。
 ただ、それでも時々むしょうにシュークリームを食べたくなる時がある。
 以前は、いやいや太るから、などとぐっと我慢をしていたが、我慢すればするほど食べたくなって、おまけにいらいらいらいらしてしまって仕事がうまく手につかない。
 最近では、どうせ1個の話なんだからと、我慢するのはやめて、すぐさまスーパーかコンビニに走ることにした。
(前にも書いたことがあるように、スーパーやコンビニで売っているシュークリームでも結構いけるから)

 洋菓子屋のシュークリームも大好きだ。
 今までで一番美味しいなと思ったのは、大阪の友人がおみやげがわりに持ってきた、創作シュークリーム。
 抹茶クリームとオレンジクリームのシュークリームだったけど、シューとクリームのバランスがとてもよくて、これは本当に美味しかった。
 残念なことに、天神橋筋商店街の中にあるお店とだけしか聞いていないので、今度改めてお店の名前を教えてもらっておかないと、と思う。
 あと、京都では金閣寺の近く、北大路通りに面しているグリュックスシュヴァインのシュークリームも美味しい。
 ここのは、しっかりとしたパイ生地と、少しこってりとしたクリームが特徴で、まさにシュークリームのメインディッシュといった風格が漂っている。
(このお店は今もやっているのかな?)
 他にも、街を歩いていて知らない洋菓子屋を見つけると、ついついシュークリームを買ってしまう。
 中にはとんでもない外れもあるけれど、当った時の喜びといったら、もうこれはうまく書きようがない。
 何れにしても、結局シュークリームのない人生なんて、僕には考えようがないのである。

 ああ、シュークリームが食べたくなった!
(関西地区で、美味しいシュークリームの耳寄りな情報をお持ちの方は、ぜひともご教示下さいませ)
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2004年10月20日

甘いもの五趣・1

*カステラ

 9月29日の『スウィート・セプテンバー』にも書いたことだが、僕は甘いものに目がない。
 一応お酒も嗜むが、何かの記念にシャンパン(スパークリングワイン)を買ってきてきこしめす以外、家では一人では絶対に飲んだりしない。
 そのかわり、甘いものならよく食べる。
 もちろん、糖尿病になるほど甘いものばかり食べている訳ではないが、一週間のうち少なくとも四日は、何らかの形で甘いものを食べている。
 一番の好物といえば、やはりシュークリームということになるが、地元長崎の名産ということもあり、自分自身の好物の一つでもあるから、まずはカステラから取り上げてみることにする。

 カステラ。
 京都の和菓子屋のカステラを幾つか試してみたが、残念ながら納得のいくものには一回として巡りあわなかった(スーパーで売ってあるカステラなど論外)。
 粉っぽいというのか、何だかぱさぱさとしていて、あのカステラ特有のしっとりとした味わいが全く感じられないのだ。
 名物にうまいものなしなどと言うけれど、やっぱり長崎のカステラは美味しいと思う。
 むろん、長崎ならばどの店でも同じという訳ではない。
 いの一番に挙げるべきは、福砂屋のカステラだろう。
 今では、修学旅行生でさえも我先にとお土産にするくらいだから、福砂屋の認知度はこれまで以上に高まっているのではないか(三時のおやつは○○堂よりも)。
 実際、福砂屋のカステラは、潤いがあるというのか、しっとりとしているというのか、一口頬張ると、カステラの生地が口の中で柔らかくとけていく。
 それに、カステラの底にザラメがついているのも嬉しい。
 ザラメが欠けると、カステラを口にする喜びが半減してしまうくらいだと、僕は極論したくなる。
 ただ、今年の正月に帰省した時に初めて食べた、匠寛堂のカステラも、実に結構な味だった。
 皇室御用達という箔づけは一先ず置くとして、非常に密度の濃い食感なのだ。
 福砂屋のカステラが、おやつとしてぱくぱくすすむ甘さなら、こちらのほうは、お茶うけの一切れで充分満足、という甘さなのである。
 まあ、何れにしても、匠寛堂のカステラが美味しいことに間違いはない。
 一般的には、福砂屋のカステラをお薦めするべきだろうが、長崎来訪の折は、一度匠寛堂のカステラもお試しになっては如何だろう。
 眼鏡橋で有名な中島川沿い、繁華街の浜町から市民会館に向かう途中に店があるので、日常的な長崎の風景を楽しみながら、ぶらぶらぶらぶらとあたりをのんびり散策してみるのも一興かと思うが(お茶までついた試食もあるので、至れり尽せりだ)。
 ところで、福砂屋のカステラならば、大阪や京都のデパ地下でも結構簡単に手に入るのだけれど、これが不思議なことに一切買おうという気が起こらないのだ。
 どこかで、「カステラは長崎のもの」という地元意識がこびりついているのだろう。
 今度、禁を破って購入してみようか。
 案外、病みつきになってしまうかもしれない。
posted by figarok492na at 02:34| Comment(23) | TrackBack(0) | 甘いもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする