2012年12月17日

ハンドリーとロイヤル・フィルのワーグナー名曲集

☆ワーグナー:管弦楽曲集

 指揮:ヴァーノン・ハンドリー
管弦楽:ロイヤル・フィル
(1993年10月/デジタル・セッション録音)
<Tring>TRP008


 今ではどう言うのかな。
 かつては駅売CDと言ったはずだけど、駅の構内にあるショップや書店のCDコーナーに、1枚500円から1000円あたりのクラシック音楽のCDが棚一列か二列程度並べられていたと思う。
 あなた、サントメプリンシペ祝祭管弦楽団やスケベニンゲン・フィルといったついぞ耳にしたことのない名前のオーケストラが演奏した名曲集に、こなた、フルトヴェングラーやカラヤン、ワルター、トスカニーニが指揮したモノラル時代の名録音と、その内容は千差万別だが、前者は偽名、後者は板おこし(版権の切れた音源のLPレコードを再生録音しCD化したもの)と、いずれも出所不明の怪しげなCDがその多くを占めていた。
 そうした駅売CDの中に、録音はデジタル録音、しかもオーケストラはイギリスの名門ロイヤル・フィル、当たり外れがあるとはいえ演奏自体もけっこういけている、ロイヤル・フィルハーモニー・コレクションというシリーズがある(あった)。
 実はこれ、もともとTringという海外のレーベルがロイヤル・フィルと精力的に進めていた一連の録音の一部を、KEEPという国内の業者が買い取って、手を変え品を変え販売していたものなのだけれど、今回紹介するワーグナーの管弦楽曲集は、そのTringレーベルがリリースした初出盤。
 ちなみに、KEEPのロイヤル・フィルハーモニー・コレクションにも堂々加えられている(いた)。

 で、第1曲目のワルキューレの騎行(『地獄の黙示録』でおなじみの曲)から、ブラス・セクションの鳴り具合のよさに舌を巻く。
 続く、『リエンツィ』序曲、『ローエングリン』第3幕への前奏曲、『さまよえるオランダ人』序曲、『タンホイザー』序曲、いずれをとっても金管群は好調で、まずもってこのアルバムの聴きどころは、ロイヤル・フィルのブラス・セクションだと強く思った。
 加えて、先年亡くなったイギリスの名匠ヴァーノン・ハンドリーの、見通しがよくて粘らないまとまりのよい音楽づくりにも好感が持てる。
 重くてねっとりとしたワーグナーを好まれる、いわゆるワグネリアンの方々には、相当物足りない演奏かもしれないが、この軽やかなワーグナーは何度聴いても聴き飽きない。
(その意味でも、このアルバムのカップリングは正解だろう)
 ジークフリート牧歌など、細かく聴けば粗さを感じる部分もなくはないが、弦に木管ともに達者な演奏だし、若干ざらつきはあるものの録音もクリアだ。

 これは購入して本当によかった一枚。
 ブックオフで中古が250円とは安過ぎる。

 上述したKEEPなら新品が税込み315円で手に入る(った)し、輸入盤もSACD等が廉価で発売されている。
 なお、ブックオフだとKEEPの中古が500円で出たりしているので、注意が必要だ。
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2010年12月01日

2010年12月のエンタメ情報

 2010年も、今日から12月。
 今年も残すところあと一ヶ月を切ってしまった。

 で、毎月一日は恒例のエンタメ情報、ということになるのだけれど、いかんせん体調が万全でないことに加え、仕事関係や企画関係の予定でスケジュールの確定が非常に難しい。
 と、言うことで、今月は、自分自身が足を運べるか否かは別にして、気になる公演などについてまとめてみることにする。


 まずは、いつもの如く演劇お芝居の類いからだが、年の暮れにもかかわらず(だからこそ?)、怒涛の公演ラッシュ。

 3〜5日は、ベトナムからの笑い声の第28回公演『チェーンデスマッチ』(黒川猛さん脚本、スペース・イサン)。
 ベトナム流オムニバス・コントの集大成となるのではないか。

 5、6の両日は、京都ロマンポップのさかあがりハリケーンVol.3『元禄桜乃恋 油蟲舐メ鬼懺悔 〜旗本松平夢之丞ノ黒幕』(向坂達矢さん脚本・演出、アートコンプレックス1928)。
 あえて「グランギニョル」と名乗るところに、京都ロマンポップの心意気を感じる。
 その結果や如何?

 9日〜13日は、MONOの第38回公演『トナカイを数えたら眠れない』(土田英生さん作・演出、ABCホール)。
 MONO、ぜひとも観ておきたいんだけどなあ。

 10日〜12日は、辻企画の第五回公演『愛 ―在りか―』(司辻有香さん作・演出、人間座スタジオ)。
 久しぶりの辻企画の公演で、司辻さんがどのような作品世界を創り出すのか気になるところだ。

 16日〜23日は、下鴨車窓の♯7『王様』(田辺剛さん脚本・演出、アトリエ劇研)。
 この公演に関しては、とまる。に推薦文を書いたこともあり、必ず観に行くつもりにしている。
 筒井加寿子さんの出演(ダブルキャスト)も、個人的には嬉しい。

 16日〜19日は、劇団Ugly ducklingの第32回本公演『凛然グッド・バイ』(樋口ミユさん作、池田祐佳理さん演出、AI・HALL)。
 今回の公演をもって、Ugly ducklingは活動を休止する。
 そのこともあって、できれば落としたくはないのだが。

 17日〜20日は、イッパイアンテナの10th session『無人島でコーヒー』(大崎けんじさん脚本・演出、アートコンプレックス1928)。
 前回同様、愉しさとパワーあふれる公演を期待したい。

 17日〜19日は、ピンク地底人の第七回公演『その指で』(ピンク地底人3号君作・演出、東山青少年活動センター創造活動室)。
 前回の公演を観逃しているだけに、なんとか公開リハーサルだけでも観に行ければ。

 18日〜26日は、悪い芝居のVol.11『キョム!』(山崎彬さん作・演出、精華小劇場)。
 僕自身は未見だけれど、ビギナーズユニットの演出を経験した山崎さんの作劇のあり様にも注目なのではないか。

 21日〜24日は、燐光群の『3分間の女の一生』(坂手洋二作・演出)。
 坂手さんと燐光群の作品ということももちろんだが、竹下景子や円城寺あやの出演も、僕にとっては魅力である。

 そして、24日〜28日は、『ジャンヌ・ダルク』(中島かずき脚本、白井晃演出、梅田芸術劇場メインホール)。
 なんと言っても、堀北真希の初舞台初主演!
 ってわけじゃないけど。
 たまには、こういうお芝居も観ておきたいのだ、本音を言えば。


 コンサートは、今月はパス。


 映画は、全て京都シネマの上映作品。
 4日からの『セラフィーヌの庭』、11日からの『約束の葡萄畑』、25日からの『人生万歳!』と『ボローニャの夕暮れ』の四本が、僕の好みに合っているような気がする。
 特に、ウッディ・アレンの新作『人生万歳!』と、第二次大戦中のイタリアが舞台となった『ボローニャの夕暮れ』は面白そうだ。


 いずれにしても、今月は、あれも観ることができなかった、これも観ることができなかったと歯噛みする一ヶ月となるのではないか。
 残念ながら、仕方あるまい。
(お芝居にせよ映画にせよ、長時間ひとっところに座っていなければならないということも大きなネックなのだ。体調との関係から言うと)
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2010年11月02日

France_panを忘れちゃいけなかった(11月のエンタメ情報追記)

 今日、京都芸術センターで「とまる。」2010秋号を入手して、昨日アップした2010年11月のエンタメ情報に、France_panの『ありきたりな生活』(伊藤拓さん作・構成・演出/25日〜28日、アトリエ劇研)のことを記すのを忘れていた。
 これはもう凡ミス。
 てっきり12月の公演だとばかり思っていたのである。
 で、『ありきたりな生活』は、France_panの面々による久しぶりの京都公演で、伊藤さんが何を仕掛けてくるのか、実に愉しみだ。

 あと、男肉 du Soleilの『シューカツ!』『永久男肉回転木馬+苦味(ラ・ラ・ララブソングwithナオミ・キャンベル)』(3日〜5日、アートコンプレックス1928)は、この団体の解散公演だそうで、その意味でも気になるところだなあ。

 そうそう、それと、清流劇場の『AQUAPOLIS』(田中孝弥さん作・演出/24日〜28日、大阪市立芸術創造館)のことを記すのも忘れてしまっていた。
 これもまた、非常に食指の動く公演なんだけど…。
 27日にどうしても外せない用事があるため、どの公演をどうチョイスするか本当に迷ってしまう。
 実に辛い。
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2010年11月01日

2010年11月のエンタメ情報

 今日から11月。
 2010年も、残すところあと二ヶ月を切ってしまった。
 ああ、時よお前は美しい!
 なあんて呟いたところで、一度失ってしまった時間を取り戻すことはできないわけで、今このときを大切にしながら、毎月一日恒例のエンタメ情報をアップしていきまっしょい!


 まずは、いつものごとく、お芝居演劇の類いから。

 記者会見にレポートブロガーとして参加したおかけで、KYOTO EXPERIMENTの以下の公演は全てご招待。
 3日〜7日の地点『−ところで、アルトーさん、』(アントナン・アルトー原作、宇野邦一さん構成・翻訳、三浦基さん演出/京都芸術センターフリースペース)、6・7日のジゼル・ヴィエンヌ『こうしておまえは消え去る』(ジゼル・ヴィエンヌ構成・演出・振付・舞台美術/京都芸術劇場春秋座舞台上)、11日〜14日の鉄割アルバトロスケット『鉄割のアルバトロスが 京都編』(戌井昭人さん作、牛嶋みさを演出・照明/アートコンプレックス1928)、12日〜14日のピチェ・クランチェンダンスカンパニー(ピチェ・クランチェン振付/京都芸術劇場studio21)、16日の味方玄/京都芸術センター『待月(つきまち)』(松田正隆さん原作、味方玄さん演出・脚本/大江能楽堂)、19日〜23日のチェルフィッチュ『ホットペーパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』(岡田利規作・演出/アートコンプレックス1928)、京都造形芸術大学舞台芸術センター『アガタ』(マルグリット・デュラス原作、渡邊守章さん訳・構成・演出/京都芸術劇場春秋座舞台上)、21日〜23日のフェデリコ・レオン『未来のわたし』(京都芸術センター講堂)。
 なお、1日現在、すでに地点とジゼル・ヴィエンヌは予約ずみだ。

 さらに、20日〜23日には、京都府立文化芸術会館ホールで、ぶんげいマスターピースvol.3「シェイクスピア・コンペ」が開催される。
 矢内原美邦(作・演出)、アンサンブル・レゾナンス(藤原留香作・演出)、M.M.S.T(百瀬友秀構成・演出)、グループAKT・T(青柳敦子さん翻案・演出)、劇団GUMBO(トニー・ムーア+劇団GUMBO作、田村佳代演出)、てんこもり堂(藤本隆志さんテキスト・構成・演出)の6団体が、独自の手法でシェイクスピアに挑むという意欲的な企画で、これまた興味津津の企画である。

 また、26日〜28日の正直者の会『スナップ/スコップ』(田中遊さん作・演出)も落とせない。
 C.T.T.の5月試演会で試演された「ゲーム1」がどのような変化を遂げているか。
 実に愉しみだ。


 続いて、映画は、いずれも京都シネマで上映予定の作品で、6日からの『プチ・ニコラ』(ローラン・ティエール監督、2009年・フランス)と、13日からの『ペルシャ猫を誰も知らない』(バフマン・ゴバディ監督、2009年・イラン)の二本だけは、なんとか観ておきたい。


 で、最後にコンサートなんだけど。
 本来ならば、これまでのように、我らが街のオーケストラ京都市交響楽団…、と書きたいところだが、ちょいとわけあってこれがそう書けない。
 詳しい理由については、いずれおいおいと。


 と、言うことで、11月は芸術の秋大本番。
 いいもの愉しいものに接することのできる一ヶ月でありますように!
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2010年10月01日

2010年10月のエンタメ情報

 今日から10月。
 今年も残すところあと3ヶ月を切ってしまった。
 ああ、どうしようどうしよう。
 やるべきことは山積みで…。
 と、慌てていても仕方がない。
 慌てるこじ、じゃない、慌てるホームレスの方々は得るものが少ない。
 どっしり構えて、毎月1日恒例のエンタメ情報をアップしていきまっしょい!


 で、まずはいつもの如く、お芝居演劇の類いから。

 明日2日夜の、豊島由香さんの朗読企画「ひそりと、あなたにあう日」のみっつめ、朗読と影絵「洋菓子屋の午後」(西陣ファクトリーGarden)はすでに予約ずみ。
 豊島さんによる小川洋子作品の朗読はもちろんのこと、川上明子さんの美術も気になるところだ。

 また、28日〜31日のマレビトの会の『HIROSHIMA−HAPCHEON 二つの都市をめぐる展覧会』(松田正隆さん演出/京都芸術センター講堂)は、京都国際舞台芸術祭の記者会見にブロガーとして参加したため、招待してもらえることになっている。
 演劇という既成の枠組みに抗い続ける松田さんらしい作品になるのではないか。

 ほかに、物理的精神的な余裕があれば、8〜10日の虚空旅団の2010年公演『見送ル、背中』(高橋恵さん作・演出/ウイングフィールド)、14日〜17日のエイチエムピー・シアターカンパニーの『Politics!』(岸田理生原作、樋口ミユさんパタンナー、笠井友仁さん演出・美術/AI・HALL)、遊劇体の♯50『縄文人にあいういう』(仁王門大五郎さん作、キタモトマサヤさん演出/AI・HALL)もぜひ。
 特に、遊劇体はあの満開座の仁王門大五郎さんの作品を再演するというのだから、できれば観逃したくない。


 続いてコンサートでは、21日の京都市交響楽団の第540回定期演奏会(京都コンサート大ホール)をおとしたくないところ。
 スイス出身のマティアス・バーメルトの指揮で、メインはフランクの交響曲。
 ただし、聴きものは、村治佳織のソロによる武満徹の『夢の縁へ』とカステルヌォーヴォ・テデスコのギター協奏曲第1番かも。
(正直、バーメルトさんの指揮ならば、ロンドン・フィルとシャンドス・レーベルにレコーディングしているパリーの交響曲をメインに据えて欲しい。どうで村治さんがゲストなんだもの、それぐらい冒険してもよかっただろうに…)

 余談だけれど、京都市交響楽団の演奏したフランクの交響曲といえば、ちょうど今から20年前に聴いた山田一雄さん指揮によるものが忘れ難い。
 笛吹くから、ではない、俺踊るから皆踊ってくれよ、とばかりに踊りまくり叫びまくるヤマカズさんの姿に僕は強く心を動かされたのである。


 あと、映画は全て京都シネマでの上映作品で、ともに9日から上映予定の『ぼくのエリ 200歳の少女』(トーマス・アルフレッドソン監督、2008年・スウェーデン)と『シスタースマイル ドミニクの歌』(ステイン・コニンクス監督、2009年・フランス、ベルギー)ぐらいは観ておきたいな。


 いずれにしても、この10月は芸術の秋を満喫したいものだ。
(「食欲の秋とちゃうの?」、と呼ぶ声あり。いやあ、どちらも満喫したいものですなあ)
posted by figarok492na at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月01日

2010年9月のエンタメ情報

 今日から9月。
 9月といえば、新しいシーズン(2010・2011)のスタートなわけで、毎月一日恒例のエンタメ情報も、いつにも増してはりきっていかなくちゃ!
(「って、暑苦しいんとちゃうのん」、と呼ぶ声あり。確かに、今日も暑いね。暑苦しい…)


 で、まずはいつもの如くお芝居演劇の類いから。

 3日〜6日の京都ロマンポップ第10回公演『人を好きになって何が悪い』(よりふじゆき脚本、向坂達矢さん演出/アートコンプレックス1928)、10日〜12日のてんこもり堂第3回本公演『ESCAPE』(如月小春原作、藤本隆志さん構成・演出/アトリエ劇研)、18日〜20日のtabula=rasa no.4『私はハムレットです。』(シェイクスピア原作、高田ひとし君構成・演出/アトリエ劇研)は当選確実。

 また、17日〜20日のイッパイアンテナ 9th session『馬鹿もやすみやすみyeah!』(大崎けんじさん脚本・演出/アートコンプレックス1928)、23日、24日のこのしたやみ♯7『二人で狂う』(イヨネスコ作、山口浩章さん演出/西陣ファクトリーガーデン)、24日〜26日の柳川第23回公演『キラーナンセンス2184』(津野允さん作・演出/アトリエ劇研)も、非常に気になるところ。
 財布の中身と体力が続くかぎり、ぜひとも観ておきたい。


 続いてコンサートでは、京都市交響楽団の二つのコンサート、4日の第539回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)と、12日の第14回京都の秋音楽祭開会記念コンサート(同)は、できれば落としたくない。
 特に12日は、我らがシェフ広上淳一さん指揮による、メインのドヴォルザークの交響曲第8番が聴きものになるはずだ。
(が、まだチケットを押さえていないのだ、二つとも。何やってんだい、お前さん!)

 あと、29日のピアノのクリスチャン・ツィメルマン&ハーゲン・カルテット(いずみホール)、30日のフォルテピアノのマルコム・ビルソンのレクチャーコンサート(ザ・フェニックスホール)も、なんとか聴いておきたいのだが。
 いかんせん、そこまでは余裕が…。


 映画は、京都シネマでの上映作品で、4日から上映予定の『パリ20区、僕たちのクラス』(ローラン・カンテ監督)と、18日から上映予定の『ミックマック』(ジャン・ピエール・ジュネ監督)に心ひかれる。
 中でも『ミックマック』は、『アメリ』の、と、言うより『デリカテッセン』のジャン・ピエール・ジュネの新作だから、僕にはマストだな。
(『デリカテッセン』は、マルク・キャロとの共作だったけど)


 最後に、珍しく絵画展を。
 どちらも、neutron kyotoでの展示会で、昨日8月31日から開催中の入谷葉子展『縁側ララバイ』(12日まで)と、14日〜26日の中比良真子展『Stars on the ground』は、必ず観に行くつもりにしている。
 前回の作品展を観て、自分の好みに合っていると強く思った人たちなので。
 入谷さんの作品展は、早速今日にでも観に行く予定だ。


 いずれにしても、新しいシーズンも、どんどんよいものを観、よいものを聴いていきたい。
 新しいシーズンが、よいシーズンでありますように!
posted by figarok492na at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

2010年8月のエンタメ情報

 さあ、2010年も今日から8月!
 暑さも暑し暑苦し…。
 なんて弱音を吐いてちゃ、だめ! だめ! だめ!
 と、言うことで、毎月一日恒例のエンタメ情報行ってみよう!!


 で、まずは、お芝居演劇の類いから。
 8月は夏休みのシーズンということもあってかストレートプレイの公演に目ぼしいものはなさそうだけれど(あったらごめんなさい)、その分、朗読会をはじめ、ユニークな企画がけっこう行われる予定である。

 そのうち、すでに予約ずみなのが、今日開催の豊島由香さんの朗読コラボレーション『ひそりと、あなたにあう日』(西陣ファクトリーGarden)。
 三回連続の企画のうち、第一回目の今回は、楠堂葵さんの絵と平野雄一さんの詩とのコラボで、豊島さんの朗読はもちろん、楠堂さんの絵と平野さんの詩の共同作業も大いに愉しみだ。

 また、8日の東山フェスタ『五丁目寄席』(東山青少年活動センター創造活動室)は、エディ・B・アッチャマンさん、二口大学さん、水沼健さん、藤原大介さん、岡嶋秀昭さんといった京都で活躍する役者陣によるおなじみ落語会で、これもなんとかぜひ。

 ほかに、パノラマ☆アワーの面々とヴァイオリンの柴田奈穂さんとのコラボレーションによる朗読劇『銀河鉄道の夜』(12日〜14日、宮沢賢治作、右来左往さん演出・構成/P−actステージ)や、宮部純子さんの一人パフォーマンス『あさおきてよるねむるまで』(21日、22日、宮部純子さん構成・出演、鈴木正悟さん監修、壱坪シアタースワン)も、非常に気になる公演である。


 続いて、コンサート。

 ここでは、我らが街のオーケストラ、京都市交響楽団の二つの演奏会を挙げておきたい。
 まずは、6日の第538回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)で、スペイン出身の指揮者ファンホ・メナがお国もの(やお国に深く関係した作品)をとり上げるという趣向。
 エリック・シューマンをソロに迎えるラロのスペイン交響曲ともども、カラフルでパワフルな演奏になるのではないか。

 もう一つは、29日のオーケストラ・ディスカバリー(同)。
 広上淳一さんと京響の面々がラヴェルのボレロに挑むってことだけで、「聴き」だと思う。

 早くチケットを購入しておかなければ!


 最後は映画だけれど、まあこれは時間と財布の中身に余裕があったらということで。


 いずれにしても、いいものを観、いいものを聴いて、暑い夏を乗り切っていきたいものですね!
posted by figarok492na at 01:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月01日

2010年7月のエンタメ情報

 今日から7月。
 2010年も半分が終わり、残すところ6ヶ月を切った。
 むしむしじめじめと過ごしにくい毎日だけれど、ダルな気分はからっとふっ飛ばして、毎月一日恒例のエンタメ情報をアップしていかなくちゃ!


 で、まずはいつもの如く、演劇お芝居の類いから。

 すでに当選確実、チケットの予約をすませたのは、3日、4日のトリコ・A『せりふのないガラスの動物園』(山口茜さん構成・演出/アトリエ劇研)と、8日〜12日のニットキャップシアター第28回公演『ノクターンだった猫』(ごまのはえさん作・演出/精華小劇場)の二つ。
 トリコ・Aの『せりふのないガラスの動物園』は、当然あの『ガラスの動物園』を山口さんがどう咀嚼し、どう組み立て直したかという点に興味があるのだけれど、二口大学さんや大木湖南さんといったこれまでのトリコ・Aとは異なる座組み、キャスティングもやはり気になるところだ。
 一方、ニットキャップシアターは本当にご無沙汰続きで、ファンを名乗るのが申し訳ないくらい。
 ごまさんの台本をニットキャップシアターの新しいアンサンブル(僕にとっては)がどう演じ切るかも愉しみにしたい。

 ほかに、9日〜11日の烏丸ストロークロック『短編集:仇野の露』(柳沼昭徳さん台本・演出/アトリエ劇研)、22日〜25日のピンク地底人落涙の第六回公演『FLOWER OF ROMANCE』(ピンク地底人3号君作・演出 /アトリエ劇研)、24日、25日の広田ゆうみ+二口大学の『いかけしごむ』(別役実作、広田ゆうみさん演出/東山青少年活動センター創造活動室)も余裕があればぜひ。


 続いて、コンサート。
 ここでは、17日の第537回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)と19日の大阪特別公演(ザ・シンフォニーホール)という、京都市交響楽団の二つのコンサートがなんと言っても目玉だろう。
 我らがシェフ、広上淳一さんが指揮するバーンスタインの交響曲第1番「エレミア」とシベリウスの交響曲第2番、いずれも落としたくないし、最近評判のアリス=紗良・オットのソロによるグリーグのピアノ協奏曲も聴き逃せまい。
 が、である。
 実はまだ、どちらのコンサートとも、チケットを押さえていないのだ。
 これはなんたる不覚!
 少なくとも、定期演奏会だけは聴いておかなければ。


 最後に、映画は全て京都シネマでの上映作品。
(なにしろ、京都シネマの会員だからね)
 10日〜16日の『大雷蔵祭in京都シネマ』でどうしても外したくないのは、『眠狂四郎無頼剣』。
 と、言うのも、この作品だけは映画館のスクリーンで観たことがないため。
 経済的に余裕があれば、ほかの『弁天小僧』、『炎上』、『ぼんち』、『破戒』も観ておくつもりだが。
(なにしろ、市川雷蔵のファンだからね)
 あと、お芝居好きの目をひくのが、3日から公開予定の『モリエール 恋こそ喜劇』。
 ただ、京都シネマ通信の紹介記事を読むと、喜劇よりも別のところに力点が置かれているような気がしないでもない。
 まあ、いいか。


 いずれにしても、与えられた人生は一回かぎり。
 悔いなくいろいろなものを観、いろいろなものを聴いていきたいものだ。
 財布の中身が許すかぎりは…。
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2010年06月01日

2010年6月のエンタメ情報

 今日から6月。
 今年ももう6月。
 そしてこの20日には、僕もついに41歳となってしまう。
 ああ、人生という砂時計の砂がどんどん落ちていく…。

 なあんて感傷的な気分などぶっとばして、毎月一日恒例の今月のエンタメ情報をアップしていきまっしょい!


 まずは、演劇お芝居の類いから。

 10日〜13日のルドルフ『授業』(ウージェーヌ・イヨネスコ作、水沼健さん演出/京都芸術センターフリースペース)と11日〜13日のベトナムからの笑い声第27回公演『ベトナムガエシ』(黒川猛さん演出/精華小劇場)は、誰がなんと言おうと当選確実。
 前者はイヨネスコのテキストに水沼さんの演出、そして粒ぞろいの演者陣と三拍子そろった公演だし、後者はベトナム屈指の傑作『オリエンタル歌劇団 〜ミュージカル・ロンドバルトとポニーテール』の再演が愉しみだ。
 いずれも、あとはチケットの予約をすますだけである。
(「早く予約しなさいよ!」、と呼ぶ声あり。わかってまんがな)

 第7回アトリエ劇研演劇祭中の公演、18日〜20日の日韓共同プロジェクト『旅行者』(田辺剛さん作、ウォン・ヨンオさん演出)もほぼ当選確実。
 すでに初演再演と観続けてきた田辺さんの『旅行者』が、韓国と日本の演出・演者陣の共同作業でどう生まれ変わるのか。
 実に興味深い。
(なお、今週末、5日の明倫ワークショップ・『旅行者』の公開稽古はすでに申込みずみだ)
 加えて、アトリエ劇研演劇祭では、13日、14日のディディエ・ガラス『アルルカン、天狗に出会う』、26日、27日の空間再生事業 劇団GIGA『漂着』(田辺剛さん作、山田恵理香さん演出)と気になる公演が目白押しで、どれを選ぶか迷ってしまう。
 要は財布の中身がね…。

 また、7日、8日の柳川『ヨーゼフ・K作 掟の門』(津野允さん演出)は、何やら思わせぶりなタイトルということもあり、できれば落としたくない。

 あと、演劇関係の企画では、国際演劇交流セミナー2010「カナダ特集」のうち、少なくとも4日のシンポジウム『いま、演劇で、世界は描けるか』(京都芸術センター)だけは参加しておくつもり。


 続いて、音楽・コンサートでは、19日の京都市交響楽団第536回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)がすでに当選確実(チケット購入ずみ)。
 高関健がウェーベルンとマーラーの交響曲第7番「夜の歌」を振るというだけで、期待大である。
 惜しむらくは、夜ではなくて昼過ぎにコンサートがあることか?

 ほかに、7日のブルーノ・カニーノのピアノ・リサイタル(ザ・フェニックス・ホール)、16日のモルゴーア・クァルテット西宮公演(兵庫県立芸術文化センター小ホール)も気になるが、残念ながらパスせざるをえず。
 要は、財布の中身がね…。


 最後に映画だけれど、これは全て京都シネマで上映予定の作品。

 まずもって忘れてならないのが、12日〜18日の「生誕百年山中貞雄監督映画祭in京都シネマ」で上映される、山中貞雄の『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』、『河内山宗俊』、『人情紙風船』。
 『山中貞雄餘話』の執筆者たる者、観ないでなるものか!

 5日から上映予定の『密約 外務省機密漏洩事件』(1978年、千野皓司監督)は、沖縄返還協定時のいわゆる日米両政府による「密約」が、いかにして男女間の「スキャンダル」にすりかえられたかを描いたテレビ映画で、これが33年ぶりの公開となる。
 内容はもちろんのことだが、北村和夫や吉行和子、永井智雄といった役者陣の演技も、僕は愉しみにしたい。

 ほかに、19日から上映予定の『ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い』(2009年、カルロス・サウラ監督)も面白そう。
 なにせ、あのロレンツォ・ダ・ポンテ(モーツァルトの『フィガロの結婚』、『ドン・ジョヴァンニ』、『コジ・ファン・トゥッテ』の台本を書いた)が主人公というだけで食指が動く。
(ただ、ちょっと内容的にロマンティックに過ぎるような気がしないでもない)


 と、今月も観たいもの聴きたいものだらけ。
 人生という砂時計の砂もそうだけど、まずは財布の中身との闘いになりそうだ。
 今月もまた。
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2010年05月01日

2010年5月のエンタメ情報

 ああ、美しい五月に。
 などと、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウやヘルマン・プライを気取って胴間声張り上げるような馬鹿な真似はよしたいが、ちょっと小声でシューマンの詩人の恋の一節を口ずさみたくなるような、そんな五月一日。
 と、言うことで、毎月一日恒例のエンタメ情報の時間がやってまいりました。

 さて、今月はいつもと違って、コンサートから。
 どうしてコンサートからなのか、はご想像にお任せします。
 で、まずは当選確実が二つ。
 3日(ザ・シンフォニーホール)の読売日本交響楽団大阪公演は、招待状がらみですったもんだがあったけど、なんとか無事聴きに行くことができそうだ。
 新常任指揮者のシルヴァン・カンブルランの指揮で、バルトークの二つの映像、モーツァルトの交響曲第41番「ジュピター」、ストラヴィンスキーの『春の祭典』というプログラムが実に嬉しい。
 大いに愉しみだ。
 21日(京都コンサートホール大ホール)は、我らが街のオーケストラ、京都市交響楽団の第535回定期演奏会。
 シェフ広上淳一さんの振るシューマンのライン・シンフォニーはもちろんのこと、ボリス・ベルキンのソロによるメインのブラームスのヴァイオリン・コンチェルトも聴き応えがあるのでは。
 これまた、大いに愉しみだ。
 ほかに、26日(ザ・シンフォニーホール)のウィーン・シンフォニカー大阪公演、28日(同)の大阪交響楽団第145回定期演奏会、29日(兵庫県立芸術文化センター大ホール)のフィルハーモニア管弦楽団西宮公演も気になるが、いずれも経済的な事情によりパスせざるをえまい。
 大阪交響楽団の定期では、大好きなブラームスのセレナード第1番が演奏される予定なんだけどなあ。
 まあ、仕方ない。
(それにしても、大阪シンフォニカー交響楽団から大阪交響楽団への改名ってどうなんだろう。正直、あんまりぴんとこないんだが)

 続いて、演劇お芝居の類いでは、21日〜25日の遊劇体『多神教』(泉鏡花作、キタモトマサヤさん演出/五條楽園歌舞練場)はぜひ。
 泉鏡花の一風変わった戯曲をキタモトさんはじめ遊劇体の面々がいかに演じ上げるか?
 興味津津である。
 ほかに、4、5両日のC.T.T.試演会(アトリエ劇研。僕は5日に観に行くつもり)、4日の京都芸術センター・オープンキャンパス・ショーケースの二口大学さんの「役者の落語」と、明倫ワークショップのルドルフの『授業』の公開稽古、5日のこれまたオープンキャンパスのてんこもり堂の『紙風船』も観に行く予定だ。

 映画は、いずれも京都シネマの上映作品だが、4月から上映中の『ウディ・アレンの夢と犯罪』(MONOの土田英生さんがトークをやってたのに…)、8日から上映予定の『やさしい嘘と贈り物』は、なんとしても観ておきたい。
 ほかに、デジタルリマスター版による今日1日からの『海の沈黙』(ジャン・ピエール・メルヴィル監督)と、同じく今日1日からの『抵抗/死刑囚の手記より』(ロベール・ブレッソン監督)もできれば落としたくない。

 いずれにしても、美しい五月に、いいもの美しいものを観たい聴きたい愉しみたい!
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2010年04月01日

2010年4月のエンタメ情報

 今日から4月。
 新年度のスタート!
 が、エンタメ五番勝負の疲れが今ごろどどっと出たか、エンタメ関係にはいささか食傷気味で、4月はおとなしめに進行しよう…。
 なあんてのは真っ赤な嘘!!
 今日は4月1日、四月馬鹿だもんね。
 あはははは、あはははは、あはははは。
(「こいつ本当の馬鹿だよ、本当の」、と呼ぶ声あり。この声、できれば『男はつらいよ』のときの森川信で)
 ただし、12日から一週間程度郷里長崎に久しぶりに帰省する予定なので、その分パスせざるをえないものはいつかあるかもしれない。
 って、そんなにないかな。

 まずは、いつもの如く演劇お芝居の類いからだが、めぼしい団体が3月中にどどっと公演をやってしまったせいか(関係者諸君、もっと「談合」をしましょうよ、「談合」を!)、これはというものは、今のところ22日〜25日の地点・上演実験vol.3『誰も、何も、どんなに巧みな物語も』(京都芸術センター)ぐらい。
 宇野邦一さんが構成・翻訳したジャン・ジュネのテキストを三浦基さんが演出する公演で、ダンサーの山田せつ子さんと安部聡子さんの共演(協演)も観もの聴きもの接しものだと思う。

 コンサートでは、11日の京都市交響楽団のスプリング・コンサート(京都コンサートホール大ホール)がチケット購入ずみで、当選確実。
 我らがシェフ広上淳一さんの指揮で、NHKの大河ドラマのテーマ曲にベートーヴェンの田園シンフォニーというなんとも愉しげな内容だ。
(本当は、林光さんの『山河燃ゆ』、山本直純の『武田信玄』のテーマ曲を僕は聴きたかったのだが、まあ仕方ない)
 ほかに、24日の京都フィルハーモニー室内合奏団の第170回定期公演(京都コンサートホール小ホール)もできればぜひ。
 だって、室内アンサンブル用に編曲された、マーラーのさすらう若人の歌とブルックナーの交響曲第7番というプログラムが非常に興味深いから。
 なお、指揮は若手の村上寿昭、マーラーの独唱はバリトンの晴雅彦。
 ちなみに、18日の秋山和慶が指揮する、京都市交響楽団第534回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)は、帰省の期間をどうするか次第。
 カバレフスキーの交響曲第4番は落としたくないんだけどね。

 映画では、なんと言っても明日2日までの『チャップリンの独裁者』を観逃したくない。
 すでに何度も接したことのある作品だが、これは大きなスクリーンで観ておかないと。
 同じTOHOシネマズ二条の午前十時の映画祭から、10日〜16日の『アパートの鍵貸します』、17日〜23日の『お熱いのがお好き』というビリー・ワイルダー監督の二本も外したくないなあ。
 前者は帰省期間と相当かぶっているので厳しそうだけど…。
 あと、京都シネマで17日から上映予定の『ウディ・アレンの夢と犯罪』も気になる作品。
 京都シネマ通信を読むかぎり、なんとなくケン・ローチっぽいつくりなのかなと。
 いや、予断は禁物だな。
 プディングは食べてみなくちゃわからない。
(「そのプディング、毒入りだったらどうすんだよ!」、と呼ぶ声あり。信ずる者はすくわれる! 足を…)

 と、こんな調子で新年度もやってきます。
 皆さん、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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2010年03月01日

2010年3月のエンタメ情報

 弥生三月ひなあられ。
 などと、ついつい食べ物に走ってしまう中瀬宏之だが、2010年も3月に突入し、春本番まであと僅か。
 その分、花粉症の本番が恐ろしくもあるわけだけど、めげずに毎月一日恒例のエンタメ情報をアップしていきまっしょい!


 で、今月はいつもと違ってコンサートから。
 と、言うのも当選確実の数がけっこう多くなったため。

 まずは、招待券を見事ゲットした、12日の望月京のオペラ『パン屋大襲撃』(いずみホール)。
 村上春樹の原作をもとにしたドイツ語の室内オペラということで、いったいどのような作品に仕上がっているのか興味津津だ。

 14日の京都フィルハーモニー室内合奏団の定期公演(京都コンサートホール小ホール)は、すでにチケットを予約ずみ。
 ピアニストにして作曲家の野平一郎がフランス物をとり上げるコンサートである。
 個人的には、プーランクのオーバードの弾き振りに注目したい。

 さらに、27日の京都市交響楽団の定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)も、チケット購入ずみ。
 我らがシェフ広上淳一さんの指揮による、メインのベートーヴェンの交響曲第4番が実に愉しみである。

 そして、29日には、以前指揮者の川畑隆君に電話でお話をうかがったaimė室内管弦楽団の第1回目の演奏会(京都コンサートホール小ホール)が予定されている。
 川畑君の熱意がどのように結実するか。
 それを、ぜひとも見(聴き)届けておきたい。


 続いて、演劇お芝居の類いでは、23日〜28日のトリコ・Aプロデュースの『クリスチネ』(アトリエ劇研)と、26日〜28日のマレビトの会の『ユビュ王』(アートコンプレックス1928)が「マスト」。
 前者は、山口茜さんが帰国後初めてトリコ・Aでかける新作ということが興味深く、後者は、松田正隆さんが『ユビュ王』をどう料理するかが興味深い。
 作品のやたけたさに、ごまのはえさんやF・ジャパンさんというキャスティングもよく合っていると思う。

 ほかに、柳沼昭徳さん流の『失われた時を求めて』と呼びたくなる「漂白の家シリーズ」の集大成、5日〜14日の烏丸ストロークロックの『八月、鳩は還るか』(アトリエ劇研)、伊沢はるひさんがイプセン演出に挑む、5日〜7日の飛び道具の『海の夫人』(東山青少年活動センター創造活動室)も余裕があればぜひ。

 あと、遊劇体とこのしたやみの面々による18日の近代戯曲リーディング(京都府立文化芸術会館ホール)をはじめとした、演出家大学in京都の一連の催し物にもできるかぎり参加するつもり。


 映画では、一本目の『スティング』以降、ついつい観落としてしまっているTOHOシネマズ二条の「午前十時の映画祭」から、20日〜26日の『ライムライト』と27日〜4月2日の『チャップリンの独裁者』は観逃せない。
 特に、『独裁者』のほうは是が非でも。
(「乾いた笑いが好きやったんとちゃうんかいな?」、と呼ぶ声あり。それとこれとは別なんです…)


 そうそう、忘れちゃいけないのが、14日まで京都国立博物館で開催中の『THEハプスブルク』展。
 これまた招待券をゲットしたもので、平日の午後あたりに足を運ぼうと考えているところだ。
 忘れないようにしておかないと。


 と、まあ今月もなんやかやと目白押しで、いつもの如く財布の中身が心配なんだけど、それより何より、今月は花粉症のほうが心配かなあ…。
 くしゃみ、要注意!!
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2010年02月01日

2010年2月のエンタメ情報

 2009年も今日から2月。
 今年も残すところあと十一ヶ月…。
 なあんて、時の速さを嘆いていたって仕方がないや。
 まずは、自分自身の為すべきことをしっかり為していかなければ。
 と、言うことで、毎月一日恒例の今月のエンタメ情報をアップする次第。
 それにしても、2月は28日だけだけど、けっこう気になる公演コンサートが重なっていて、選択に迷ってしまうなあ。

 さて、お芝居演劇の類いでは、松田正隆さんの作品を維新派の松本雄吉さんが演出する『イキシマ』(18日〜28日、精華小劇場)やおなじみMONOの『赤い薬』(土田英生さん作・演出/19日〜28日、HEP HALL)をまずもって推すべきだろうが、個人的には、柳川の『フランケンシュタイン』(20・21日、アトリエ劇研)を選びたい。
 柳川はずっと気になっている劇団ながら、まだ一度も観ることができていないのだ。
 ほかに、西山真来企画の『西山真来はなぜこうなってしまったのか』(5日〜7日、アートコンプレックス1928)、tabula=rasaのシリーズ=ハムレットマシーンvol.3『祝祭』(ハイナー・ミュラー、ウィリアム・シェイクスピア原作、高田ひとし君演出/26日〜28日、アートコンプレックス1928)も余裕があればぜひ。
 前者は、舞城王太郎の原作を西山真来さんが組み立てなおした企画で、後者は、高田ひとし君にとって三度目の挑戦にあたる。

 続いて、コンサートでは、7日の金聖響指揮オーケストラ・アンサンブル金沢のベートーヴェン・ツィクルス最終回(ザ・シンフォニーホール)と、27日のクリスティアン・ベズイデンホウトのフォルテピアノ・リサイタル(兵庫県立芸術文化センター小ホール)は、すでにチケット購入ずみ。
 演奏はもちろんだけど、それより何より、大好きな作品が並んだコンサートでありリサイタルなので。
 一方、我らが街のオーケストラ、京都市交響楽団は26日に定期演奏会があるが、曲目の面白さからもチケット料金の手ごろさからも、14日のオーケストラディスカバリー(高関健指揮、京都コンサートホール大ホール)のほうを選ぶべきかもしれない。
 なにしろ、バーンスタインの『キャンディード』序曲をはじめ、耳なじみのよい作品が目白押しだもの。

 映画では、先月30日から公開中の山田洋次監督の新作『おとうと』は落としたくないなあ。
 それと、今月からTOHOシネマズ二条で始まる「午前十時の映画祭」は、映画好きなら観逃せまい。
 特に、『スティング』(ジョージ・ロイ・ヒル監督、6日〜12日)、『裏窓』(アルフレッド・ヒッチコック監督、20日〜26日)、『北北西に進路をとれ』(同、27日〜3月5日)は「マスト」である。
 たぶん団塊世代の人たち対応の企画なんだろうが、ぶらりひょうたん的な生き方をしている私めも乗っからせてもらいますぜ。
 一本1000円というのもありがたいし、なんとか早起きしなくっちゃ。
 あと、京都シネマでは、『ユキとニナ』(諏訪敦彦、イポリット・ジラルド共同監督、13日〜)か。
 予告編の雰囲気も悪くなかったし、約1時間半という上映時間も助かる。
 あざといっちゃあざといのかもしれないけれど、まあいいや。

 いずれにせよ、今月もいいものを観、いいものを聴いていきたいものだ。
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2010年01月01日

2010年1月のエンタメ情報

 皆さん、あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

 さて、一年の計は元旦にあり、一月の計は一日にあり。
 と、言うことで、毎月一日恒例のエンタメ情報。


 まずは、いつもの如く演劇お芝居の類いから。

 現在のところ確定しているのは、15日〜17日の劇研アクターズラボ+正直者の会、鉄人漁船の『plant』(田中遊さん作・演出)。
 旧知の板倉真弓さんや西塔友美さんをはじめとしたラボ生たちの変化とともに、田中遊さんの仕事ぶりも興味深い。

 ほかに、22日〜25日のルドルフ×このしたやみの『熊』(アトリエ劇研)も都合がついたらぜひ。
 チェーホフの一幕物『熊』を、ルドルフとこのしたやみの面々が演じ分けるという企画だが、筒井加寿子さんと山口浩章さんという二人の演出家の動と静の対比が実に愉しみだ。

 また、29日〜31日、伊丹AI・HALLの現代演劇レトロスペクティヴ、虚空旅団の『学習図鑑 〜見たことのない小さな海の巨人の僕の必需品〜』(高泉淳子作、高橋恵さん演出)も見落とせない。
 高橋さんが、遊◎機械/全自動シアターの名作をいかに仕立て直すか?
 たぶん、よい意味でバランスのとれた舞台になるような気が、僕にはする。

 あと、これは純然たる演劇公演ではないけれど、明後日3日の劇研寄席(アトリエ劇研)も気になるところ。
 ときにはお芝居での演技以上に光り輝く(なんて言ったら、怒られるかな)二口大学さんをはじめ、京都小劇場界の演者陣たちが落語に挑戦する恒例の企画で、お正月の三が日をしめるにはぴったりなんじゃないだろうか。


 続いて、コンサート。

 こちらで当確=チケット購入ずみは、21日の大阪フィルの定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)。
 イギリス音楽を十八番とする尾高忠明が、僕の大好きなエルガーの交響曲第2番を振るっていうんだから、これは聴いておかなくちゃ。
 大阪フィルのブラスセクションの出来がちょちょっと気になるのだが…、まあいいや。

 チケットはまだだけど、どうしても聴いておきたいのは、16日のコンチェルトコペンハーゲンの来日公演(兵庫県立芸術文化センター小ホール)。
 チェンバロ奏者としても著名なラース・ウルリク・モルテンセン率いるデンマークのピリオド楽器アンサンブルが、バッハのコーヒー・カンタータや農民カンタータを演奏するコンサートで、中でもマリア・ケオハナのソプラノ独唱も期待大だ。
(ちなみに、ケオハナの歌唱は、youttubeで確認ずみなり)

 われらが街のオーケストラ京都市交響楽団は、10日のニューイヤーコンサートと22日の定期演奏会(ともに、京都コンサートホール大ホール)が控えている。
 前者は、やっぱり新進気鋭の川瀬賢太郎の指揮がのだめ、じゃないめだまだろう。
 P席のチケットを買いそびれたのが痛い。
 後者は、ガブリエル・リプキンの独奏するサン=サーンスのチェロ協奏曲第1番が聴きものだが、今や絶滅寸前の「鋼鉄はいかに鍛えられたか」式の外山雄三によるショスタコーヴィチの交響曲第10番も貴重な体験になるかもしれない。


 最後に映画では、9日から京都シネマで上映予定の、アンジェイ・ワイダ監督の『カティンの森』。
 第二次世界大戦中、ソ連によって捕虜となったポーランド人将校が虐殺されたカティンの森事件を描いた作品で、ワイダらしさが全面に発揮された内容になっていると思う。
 雀百まで踊り忘れず。
 やはり観ておかないと。


 と、いった感じの2010年1月だが、今年も(今年こそは)いいもの愉しいもの心動かされるものに、どんどんどしどし触れていきたい。
 さあ、観るぞ!
 さあ、聴くぞ!
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2009年12月01日

2009年12月のエンタメ情報

 2009年も、とうとう今日から12月。
 今年も残すところ一ヶ月を切ってしまったが、今さらじたばたしたって仕方がない。
 どーんと構えて一年をしめましょう!

 と、言うことで、毎月一日恒例のエンタメ情報。
 まずは、演劇お芝居の類いから。
 ここでは、9〜14日の下鴨車窓♯6『人魚』(田辺剛さん脚本・演出/アトリエ劇研)が当選確実。
 田辺さんのテキストはもちろんのこと、平岡秀幸さん、豊島由香さん、宮部純子さん、森衣里さんの四人によるアンサンブルも興味深く、これはやっぱり観ておかないと。
 19、20日両日のびわ湖ホール青少年オペラ劇場『森は生きている』(林光さん作曲、中村敬一演出、林さん指揮いずみシンフォニエッタ大阪他/滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール中ホール)もぜひ観に行きたい。
 林さん自身の指揮による室内オーケストラの伴奏で『森は生きている』を観聴きできるというんだから、外しちゃだめでしょう。
 ほかに、22〜24日の燐光群『ハシムラ東郷』(坂手洋二作・演出/AI・HALL)も気になるところ。
 経済的事情さえクリアできれば。

 続いて、コンサートでは当選確実が二つ。
 4日のフォーレ4重奏団(ザ・フェニックスホール)はすでにチケットを購入ずみ。
 なんと言っても、ブラームスのピアノ4重奏曲第1番を生で聴けるってだけで嬉しい。
 フォーレ4重奏団の演奏も、実に愉しみだ。
 一方、18日の齊藤一郎指揮京都市交響楽団他による第九コンサート(京都コンサートホール大ホール)は、京都民報系のポータブルサイトで招待券を手に入れたもの。
 「ただただ」ありがたい。

 映画は、京都シネマで上映の作品ばかり。
 現在上映中の『母なる証明』はすでに記した作品だから、ここではパス。
 てか、「早く観に行けよ!」、と呼ぶ声あり。
 何がなんでも観ておきたいのは、キューバ映画祭2009in京都シネマのうちの一本、『ある官僚の死』だ。
 なぜなら、これは、映画好きにはこたえられない作品になってそうだから。
 加えて、12日から上映予定の『台湾人生』、19日から上映予定の『戦場でワルツを』も気になるなあ。
 観ておきたいなあ。

 いずれにしても、いいものをたっぷり観、いいものをたっぷり聴いて、新しい年を迎えたいものである。
 なんとかしていかなきゃね。
posted by figarok492na at 12:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月01日

2009年11月のエンタメ情報

 日付けが変わって、2009年もついに11月。
 今年も残すところあと二ヶ月を切ってしまって、これではあかんと気の引き締めにやっきな中瀬宏之だが、はたして毎月一日恒例のエンタメ情報も引き締まって記していけるだろうか?

 と、言うことで、いつもの如く演劇お芝居の類いから。
 まず、10月31日から公演が始まっている、1日のヤマコジ朗読実験室round3『〜神様〜』(東山青少年活動センター創造活動室)は当選確実。
 ほかに気になっているのが、12〜18日の遊劇体♯48『演劇×世界』(キタモトマサヤさん台本、演出/ウィングスフィールド)と13〜15日のPan_officeプロデュース『京都かよ!』(伊藤拓さん演出/アトリエ劇研)の二つ。
 前者は、キタモトマサヤさん渾身の一作となっているのではないか?
 正直、評価は大きく分かれるような気もするけれど、だからこそ観ておきたい気がする。
 梅田心斎橋間を歩いて往復する覚悟ができたら、ぜひ。
 一方後者は、France_panの伊藤拓さんが、山崎彬さん(悪い芝居)、司辻有香さん(辻企画)、田辺剛さん、村上慎太郎さん(夕暮れ社弱男ユニット)という京都の劇作家の書いた台本を演出するという企画。
 順に、一人芝居、二人芝居、三人芝居、五人芝居と、出演者が増えていく趣向も興味深い。
 それにしても、『京都かよ!』って、なんとも伊藤さんらしいネーミングだなあ。

 続いて、コンサートでは、14日の京都市交響楽団モーツァルトツィクルスNr.21(京都コンサートホール小ホール)と、28日の京都市交響楽団の第530回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)が気になる。
 14日は、ピリオド楽器の演奏で名高い鈴木雅明の指揮で、交響曲第20番と第34番といった比較的有名ではないモーツァルトの作品が演奏されるのが面白い。
 加えて、ソプラノの松井亜希が歌うモテット『エクスルターテ・イウビラーテ』も興味をそそる。
 また、28日の定期演奏会は、なんと言っても広上淳一が指揮するお得意のサン=サーンスの交響曲第3番「オルガンつき」が目玉だろう。
 この二つは、できれば落としたくない。

 映画では、いずれも京都シネマで上映される『湖のほとりで』(10月31日〜)、『パンドラの匣』(同)、そして『母なる証明』(同)の三本。
 『湖のほとりで』と『パンドラの匣』は先月のエンタメ情報で記したので、ここではパス。
 『母なる証明』は、『殺人の追憶』の感動と興奮が未だに鮮明に記憶に残るポン・ジュノ監督の作品ということで、期待大だ。
(「てか、あんたも京都シネマの会員なんやから、もちょっと映画を観に行きなはれ!」、と呼ぶ声あり。わかってまんがな、そないに言わんでも…)

 あと、文庫本の新刊では、13日発売予定の川上未映子の『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』<講談社文庫>、25日発売予定の矢作俊彦の『あ・じゃ・ぱん』<角川文庫>、28日発売予定の伊坂幸太郎の『フィッシュストーリー』<新潮文庫>ぐらいは買っておきたいものだけれど。
 ああ、どうにかならないもの金!

 って、よくよく考えたなら、11月末には個人創作誌の『赤い猫』の第3号の発行も控えてるんだった。
 ほんと、エンタメってる場合じゃないって!!
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2009年10月01日

2009年10月のエンタメ

 今日から10月。
 2009年も残すところ三ヶ月を切って、どうにもこうにも焦燥感にとらわれている中瀬宏之だが、なんてったって食欲の秋。
 ではない、芸術の秋、エンタメの秋。
 張り切って今月のエンタメについて書き散らしていきまっしょい!
(「なあんか、いとうおますなあ」、と呼ぶ声あり。いやはや、なんともはや…)


 まずは、いつもの如くお芝居演劇の類いだが、さすがはシーズン到来、あるわあるわの乱れ打ち。
 10〜12日は、てんこもり堂の番外公演ともいえる、からこのえだの『熊』(チェーホフ作、辻井直幸君演出/壱坪シアター・スワン、1000円)。
 勝二繁君、よこえとも子さん、柳川の浦島史生君とともに、辻井君があの『熊』をどう料理するかが愉しみだ。
 17日と18日は、ベトナムからの笑い声の黒川猛さんによる、THE GO AND MO’S『黒煙』(黒川さん企画、構成、演出、出演/東山青少年活動センター創造活動室、1200円)。
 やるぞやるぞという声だけはありながら、長らく延ばし延ばしになっていた黒川さんの一人公演がついに実現。
 チラシからして、不穏な空気感満載である。
 21〜25日は、MONOの特別企画Vol.4『チェーホフを待ちながら』(土田英生さん作・演出/AI・HALL、3000円)。
 チェーホフの短篇戯曲を下敷きにした作品を、土田さん以下、MONOの正統メンバー男性5人が演じ切るという企画だから、これは観物も観物だろう。
 期待大。
(余談だけれど、土田さんの『土田頁』は、その人となりがよく表われたウェルメイドなブログだ。文は人なり、土田さんファン、MONOファンには「マスト」なんじゃないかな)
 23日〜25日は、東京の劇団SelfのVol.10『私たち死んだものが 目覚めたら』(イプセン作、矢野靖人構成・演出/アトリエ劇研、2500円)。
 6月のC.T.T.公演、並びにワークショップはパスしてしまったが、これは非常に気になる公演。
 この週は、MONOや後述マレビトの会の公演もあって大いに悩むところだけれど、できることなら落としたくない。
 24日と25日は、マレビトの会の新作『PARK CITY』(松田正隆さん作・演出/びわ湖ホール大ホール舞台上舞台、3000円)。
 笹岡啓子の写真とのコラボレーションも興味深いが、個人的には、松田さんがどこまでブレヒトを意識した造形(作劇というより、こちらの言葉のほうがより適切なのではないか)を行っているかが鍵のような気がする。
 10月末日と11月1日は、ヤマコジの朗読実験室round3『〜神様〜』(東山青少年活動センター創造活動室、1000円、ただし黒川さんの公演の半券を持っていけば200円の割引)。
 タイトルからもわかるように、川上弘美の『神様』を中心にした内容で、前回同様ダンスも加わるらしい。
 現在朝日新聞連載中の『七夜物語』も含めて、全ての川上さんの作品が『神様』の変奏と言っても過言ではないだけに、そうした点も含めて愉しみだ。


 続いて、コンサート。
 こちらも行きたい聴きたい公演が目白押し。
 9日は、相沢吏江子のピアノ・リサイタル(ザ・フェニックス・ホール、2500円)。
 相沢さんが神童的な扱いで鮮烈なデビューを飾ってからもう20年が経つのか。
 グリーグのホルベルク組曲、ドビュッシーの子供の領分、ブラームスのヘンデル変奏曲というプログラムで、現在の彼女の美質が十二分に発揮されるのではないか。
 14時からのティータイムコンサートということもあり、手の届きやすいチケット料金というのも嬉しい。
 10日は、いずみホールのウィーン音楽祭in OSAKAのトップバッター、バリトンのマティアス・ゲルネとピアノのピエール=ロラン・エマールによるリサイタル(いずみホール、9000円〜7000円)。
 ドイツを代表するバリトン歌手ゲルネが、本来女性用の歌曲集、シューマンの『女の愛と生涯』を歌うというのがこのリサイタルの大きな目玉。
 エマールとのコンビネーションにも注目したい。
 13日は、そのエマールのソロ・リサイタル(いずみホール、6000円〜5000円)。
 現代音楽の演奏で評価が高いエマールだが、モーツァルトのピアノ・ソナタ第6番、ドビュッシーのベルガマスク組曲、ベートーヴェンのエロイカ変奏曲といった今回のリサイタルでは、彼の別の一面を堪能することができるのではないか。
 15日は、アンサンブル・ノマドのコンサート(同志社大学寒梅館ハーディーホール、2000円)。
 ヴァレーズ関連の企画の一環として行われるコンサートで、ヴァレーズのほか武満徹の作品も取り上げられる。
 現代音楽好きには、お薦め。
 17日は、岩村力指揮兵庫芸術文化センター管弦楽団の室内オーケストラシリーズ1(兵庫県立芸術文化センター小ホール、3000円)。
 兵庫芸文センター管弦楽団が、小ホールで室内オーケストラ編成の演奏を行うという新たな企画の初回で、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者ベンツェル・フックスをソロに迎えたモーツァルトとウェーバーのコンチェルトが聴きものではないか。
 個人的には、ストラヴィンスキーの『プルチネッラ』組曲が気になるんだけど。
 18日は、フォルテピアノの小倉貴久子を中心としたピリオド楽器のアンサンブルによる室内楽コンサート(いずみホール、4000円)。
 ベートーヴェンの交響曲第2番のピアノ3重奏版に、シューベルトの『ます』と、その筋の愛好家(どんな筋やねん)には垂涎のプログラム。
 その筋の愛好家(だからどんな筋やねん)の一人としては、外したくないなあ。
 23日は、通崎睦美さんの木琴とマリンバのリサイタル(京都府立府民ホール・アルティ、3500円)とヴェルターヴォ・カルテットの来日公演(大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペラハウス、3000円)がバッティングしている。
 旧知の通崎さんのリサイタルはすでに何度か足を運んでいるので、その魅力は充分承知之助。
 一方、女性4人組のヴェルターヴォ・カルテットも、お国もののグリーグのカルテットをはじめ、なんとも気になる存在。
 ああ、悩むなあ。
 30日は、井上道義指揮京都市交響楽団の第529回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)。
 井上ミッチーがモーツァルトの交響曲第36番「リンツ」とブルックナーの交響曲第9番を振るというだけで、興味津津だが、P席1500円を買いそびれたのが痛恨の一事である。


 映画は、24日〜の『パンドラの匣』と31日〜の『湖のほとりで』(いずれも京都シネマ)。
 前者は太宰治原作云々かんぬんより、川上未映子の出演が気になって。
 ただしこの映画、もしかしたら仲里依紗を観る映画かも。
 後者は、作品本位のチョイス。
 あと、京都シネマでは24日〜30日のぴあフィルムフェスティバルin京都期間中に、大島渚の『日本の夜と霧』、『絞死刑』、『儀式』、『愛のコリーダ』、『御法度』が上映されるのもお忘れなく。
 万国の大島渚ファンよ、団結せよ!
(そういえば、結局『幸せはシャンソニア劇場から』も観に行けてないんだよなあ…)


 あと、旧知の松田裕一郎さんから誘われて、月亭可朝やんが出演する26日の錦湯寄席も観に行くんだった。
 ああ、お金があれば、お金さえあれば。
 どうにかならないもの金!
posted by figarok492na at 13:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月01日

2009年9月のエンタメ

 今日は、2009年9月1日。
 ヨーロッパ流にいえば、09−10シーズンのスタートということになるが、ここは日本。
 それでも、月の始まりは月の始まり。
 と、言うことで、毎月の恒例をエンタメ情報をアップしていこう!
(「あらまあから元気?」、と呼ぶ声あり。「やる気、元気、なんとか!」よりはましでっせ!)

 まずは、お芝居演劇の類い。
 やはり気になるのは、8日〜13日の地点第17回公演『あたしちゃん、行く先を言って』(三浦基さん構成・演出/京都芸術劇場studio21)。
 副題にもあるとおり、太田省吾の全テクストより三浦さんが腕によりをかけて選び取った言葉の数々を、演者陣がどう再現し尽くすのか?
 特に、安部聡子さんの演技が観物聴き物だろう。
 5月の京都芸術センターの公演を観逃しただけに、なんとか足を運んでおきたいのだが。
 気になるといえば、11、12両日のこのしたやみ♯7『紙風船』(岸田國士作、山口浩章さん演出/京都市東山青少年活動センター創造活動室)もそう。
 二口大学さんと広田ゆうみさんの二人を通して、山口さんが岸田國士の世界をいかに描くかが興味深い。
 上演時間の関係もあってか、1000円というチケット料金もありがたい。
 他に、19日〜21日のFrance_pan 15th『点在する私』(伊藤拓さん作・構成・演出/アトリエ劇研)も可能ならばぜひ。
 タイトルからして何やら「臭う」し、伊藤さんの作品は極端に好みがわかれるだろうけれど、実演を観ることなしに白黒つけることは僕は避けたいので。
 ねえ、森山直人さん。

 続いて、コンサート…。
 と、その前に、お芝居とコンサートの中間に位置づけるべきだろうか。
 5日の高泉淳子ライヴ&リーディング『アンゴスチュラ・ビターズな君へ』(兵庫県立芸術文化センター中ホール)は、1hourシアターVOL.10ということで、通常よりもショートヴァージョンということになりそうだが、その分チケット料金も2000円だし、それより何より、高泉さんのライヴに接することができるというだけでもよしとせねばなるまい。

 で、ようやくコンサート。
 こちらはすでにP席のチケットを押さえた、4日の京都市交響楽団第528回定期演奏会(京都コンサートホール大ホール)が議席を獲得。
 『マンフレッド』序曲、ピアノ協奏曲、そして僕が大好きな交響曲第2番という、オール・シューマン・プログラムが実に嬉しい。
 ちなみに、ピアノ独奏は田村響、指揮は山下一史なんめり。

 映画は、いつもの如く京都シネマの上映作品(でも、行ってない…)。
 8月から上映中の『扉をたたく人』、『ポー川のひかり』もそうだけど、中でも5日からの『幸せはシャンソニア劇場から』に心惹かれる。
 お芝居好きにはたまらない内容になってそうだから。
(「『ディア・ドクター』は観に行かんのかい!?」、と呼ぶ声あり。ああ…)

 そうそう、あと忘れてはいけないのが、15日に講談社文庫から刊行予定の、佐藤亜紀の『鏡の影』だ。
 例の盗作騒動のせいで長らく姿を消していた作品の復活ということもあり、これは絶対に買いである。

 と、今月も観たいもの聴きたいもの読みたいもののオンパレード。
 ほんと、どうにかならないもの金!
posted by figarok492na at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月01日

2009年8月のエンタメ情報

 雨、雨、雨。
 今日も雨降りの本降り。
 おまけに雷鳴までが轟く始末。
 ごるごるどるどるぐわぐわぐわしゃーんどごーん!
 と、梅雨もまともに明けぬまま、とうとう八月を迎えてしまったわけだけど、毎月恒例のエンタメ情報だけは忘れるわけにはまいりませぬ。
 世は未だにどんよりじめっとしたままだが、気分だけでも夏本番、からっからっと頑張っていきまっしょい!
(「ほんまあんさん、暑くるしいわぁ」、と呼ぶ声あり。へへ、から元気、ご迷惑おかけしやした…)

 まずは演劇、お芝居から。
 ぜひとも観ておきたいのが、大阪女優の会vol.7『夕凪の街 桜の国』(7日〜9日・東山青少年活動センター創造活動室)。
 こうの史代の有名作品を遊劇体のキタモトマサヤさんが構成し直し、演出するもので、確か昨年に続いて二回目の公演になるはず。
 その趣旨も含めて、これはおとせない。
 他には、京都ロマンポップのさかあがりハリケーンvol.1『苦しみを煮込んで喰え』(15日、16日・アトリエ劇研/向井達矢作・演出)と、tabula=rasa『儀式』(21日〜23日・アトリエ劇研/ハイナー・ミュラー脚本、高田ひとし君演出)も気になる公演だ。
 京都ロマンポップは前々から一度は足を運ぼうと思っていて、結局果たせないでいる劇団だから、今回こそはなんとか観ておきたいが。
 ただ、前売り1000円に対し、当日2000円というチケットの料金設定がなあ。
 いや、どうしてそういう設定にしているかは充分理解がいくのだけれど…。
 一方、tabula=rasaのほうは、フリーペーパー『とまる。』の発行でも活躍中の高田ひとし君による、ハイナー・ミュラーのハムレット・マシーン・シリーズ中の公演で、正直彼の書いた文章を目にしたり演じ手の顔ぶれから想像するに、よい意味でも「知」に働けば角が立つ、もしくは意到りて筆随わないという結果になりそうな気がしないでもないが、ハイナー・ミュラーに果敢に挑戦する姿勢には強く興味を覚えることも事実である。
 あと、C.T.T.上演会(13日、14日・アトリエ劇研)には宮階真紀さんのカウパー団が出演するが、これはよくも悪くも京都小劇場界の枠内にうまく収まった内容になってしまうのではないか。
 たぶん精度=完成度が上がった分、アンファンテリブル的なインパクトは相当薄まっているような気がする。

 コンサートは、聴きに行くとすれば、京都市交響楽団の定期演奏会(9日・京都コンサートホール大ホール)とみんなのコンサート(23日・京都市西文化会館ウェスティホール)の二つ。
 いずれも広上淳一の登場という点が目玉だが、定期のほうはP席を買いそびれてしまったのがネックだな。
 加えて、プログラム一曲目のチャイコフスキーのスラヴ行進曲って、正直僕は好きじゃないんだよね。
 同じロシア国歌が引用されるにしても、『1812年』ははじけっぷりがすごくって(どごーん!どごーん!)、愉しく聴いていられるんだけど、スラヴ行進曲のほうはただただくどくてうっとうしいだけ。
 ベートーヴェンの『ウェリントンの勝利』と並ぶ二大迷曲だと決めつけたくなるほど。
(そんな二大迷曲をカップリングしたCDをリリースしているロリン・マゼールって指揮者は、どうしようもない偽悪家、ならぬ「偽悪趣味家」だと思う。本当に)
 と、言うことで、8月はみんなのコンサートだけか、もしくは一切なしか…。

 映画は、京都シネマで今日から上映が始まった『人生に乾杯』(ハンガリー作品)と、同じく京都シネマで上映が予定されている『扉をたたく人』(アメリカ作品)の二本に心ひかれる。
(そうそう、観る観ると言っておきながらまだ観ることのできていない『ディア・ドクター』も忘れちゃいけないんだった。って、10時20分からの一回だけの上映になってるじゃないか…)

 心ひかれると言えば、京都国立近代美術館の『無声時代ソビエト映画ポスター展』を挙げておかないと。
 23日まで開催されてはいるが、早いうちに観に行くことにしておかなきゃ。

 いずれにしても、いいものに極力触れて、今年の夏を乗り切っていきたいものだ。
posted by figarok492na at 15:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月01日

2009年7月のエンタメ情報

 今日から7月。
 2009年も折り返し地点。
 と、言うことで心機一転。
 財布の中身も心機一転、といきたいところだが、こちらのほうは残念ながらすぐさまどうにかなるもんじゃない。
 それでも、せっかく四十歳を迎えたわけだから、できうるかぎりいろんなものを観たり聴いたりできればと強く願っていることもまたまごうことなき事実であって、これまで以上に張り切って今月のエンタメ情報を記していきたいと思う中瀬宏之であった。
(「なんだよ、その昔の『大岡越前』のエンディングのナレーションみたいな物言いは」、と呼ぶ声あり。今は亡き芥川隆行の声を思い浮かべながらどうぞ!)

 で、まずはお芝居から。
 当選確実は、ベトナムからの笑い声第26回公演『キャプテンジョー』(黒川猛さん脚本/3〜5日、スペース・イサン)と、てんこもり堂第2回公演『MOON』(如月小春原作、藤本隆志さん演出/10〜12日、スペース・イサン)の2本。
 これはどう転んだって観に行くつもりなので、あえて詳しくは記しません。
 あと、物理的な条件がなんとかなれば、剣崎あさむさんのひとり芝居『風知り草 〜円谷幸吉の雑走〜』(右来左往さん作・演出/8、9、11、13日、P−act)もぜひ。
 剣崎さんの激走、ならぬ劇走には強く心を動かされること間違いなしなので。
 ほかに、ニットキャップシアターのコント公演『さよならテレビ』(ごまのはえさん作・演出/25、26日、東山青少年活動センター創造活動室)も気になるところ。
 ニットの若手の演技に触れるという意味でも、これは外したくないな。

 続いて、コンサート。
 こちらは、昨日6月30日に京都コンサートホールでチケットを購入した、京都市交響楽団の第526回定期演奏会(23日、京都コンサートホール大ホール)と、小澤征爾音楽塾コンサート(30日、京都コンサートホール大ホール)の二つに尽きる。
 前者は、なんと言ってもあの大野和士の京響定期登場が嬉しいし(十数年前に聴いた関西二期会の『リゴレット』公演。大野さんの指揮だったが、京響の音が全然違って聴こえたもんなあ)、後者は、齋藤友香理に三ツ橋敬子という新進気鋭の指揮者を識る上でいい機会になるのではないか。
 いずれにしても、愉しみ愉しみ。

 映画は、京都シネマでともに4日から上映される、エミール・クストリッツァ監督の『ウェディング・ベルを鳴らせ!』と、ディアーヌ・キュリス監督の『サガン −悲しみよこんにちは−』に食指が動く。
 そうそう、京都シネマでは、現在上映中の西川美和監督の『ディア・ドクター』も忘れちゃいけないんだった。
 これはけっこうな観ものみたい。
(それにしても、『ウェディング・ベルを鳴らせ!』は10時台の上映一回きりってああた。不規則発言、じゃない不規則生活のわてにはつろうおまんがな…)

 ほんと、どんどんいいものを観なくっちゃ。
 ほんと、どんどんいいものを聴かなくっちゃ。
 それにつけても、金の欲しさよ!!
posted by figarok492na at 12:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 今月のエンタメ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする