2026年01月11日

京都市交響楽団特別演奏会 ニューイヤーコンサート

☆京都市交響楽団特別演奏会 ニューイヤーコンサート

 指揮:ロマン・レシェキン
 独奏:ルエン・リー(ヴァイオリン)
管弦楽:京都市交響楽団

 座席:2階L3列40番
(2026年1月11日14時半開演/京都コンサートホール大ホール)


 今年初めての京都市交響楽団の演奏会は、久しぶりのニューイヤーコンサート。
 去年に続いて新年もまた、以前よりお世話になっている方にチケットを譲っていただいた。
 本当にありがとうございます。

 指揮は、ロマン・レシェキン。
 ロシア人の指揮者を父親と、同じくロシア人のバレリーナを母親としてニースに生まれた、フランス人の指揮者。
 2022年の第1回ひろしま国際指揮者コンクールで、2位に選ばれている俊英とのことで、実演に接するのは今回が初めて。

 前半1曲目は、ヴォーン・ウィリアムズの『すずめばち』序曲。
 古代ギリシャのアリストファネスの古典喜劇のために書かれた劇音楽の序曲で、それこそすずめばちの羽音のように音楽が始まる。
 当方はキース・バケルス指揮ボーンマス交響楽団のCD<NAXOS>を聴いて以来大好きな曲の一つだ。
 長身のレシェキンは弛緩することのない動きで細かく指示を出しながら音楽をつくっていく。
 冒頭部分やラストなど十分十二分に盛り上げていたが、中間部分の表現からは抒情的な音楽への適正も窺えた。
 なお、今回のコンサートマスターは会田莉凡。
 ほかに、チェロの客演首席としてルドヴィート・カンタも参加していた。
 オーケストラの配置は、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラというオーソドックスなもの。

 続く2曲目は、同じくヴォーン・ウィリアムズの揚げひばり。
 揚げひばりは、メレディスの詩に基づく独奏ヴァイオリンと管弦楽のための作品で、題名の如くひばりが空高く揚っていく様子をイメージさせる。
 ヴァイオリン独奏をつとめたのは中国は上海出身のルエン・リーだが、チラシの写真による想像とは大きく異なり、こちらも長身、というか相当の長身。
 で、「東洋思想とからめて作品を紹介する」というチラシの言葉を読んでいたせいか、そもそも揚げひばりの曲調もあってか、それこそ老荘思想的、山水画的、いわゆるアジア的な雰囲気をそこここに感じ取った。
 加えて、音楽がくねくねするというのか、ひばりがすっと飛翔するのではなく、舞い遊びながら昇っていくような感じがした。
 ただし、それはウェットな感情に軸足を置くものではなく(その点からいえば、『白鳥の湖』での会田さんのソロのほうがよほど情緒纏綿としていた)、「デジタル」を当為のものとして育ってきた人ならではの演奏、音色のようにも当方には思われる。
 アンコールは、ニコラ・マッティスのヴァイオリンのためのエア集からパッサージョ・ロット。

 休憩を挟んだ後半は、チャイコフスキーのバレエ音楽『白鳥の湖』セレクション。
 チャーチャララララーララーララーララララララ。
 という誰でも一度は聴いたことのあるはずの情景をはじめ、『白鳥の湖』といえば、もはやとやかく言う必要のないバレエ音楽屈指の有名曲である。
 今回はそのセレクション、つまりは美味しいとこどりということ。
 こうやって久しぶりに一部とはいえ『白鳥の湖』をまとめて耳にすると、やっぱりこの曲は管弦楽的な技巧が冴えわたり、劇的感覚に富んだ名曲中の名曲だなあと痛感した。
 悲劇を予感させる序奏から一転、華やかな第1曲の情景に移り、さらに優雅な極みのワルツと続く。
 もうこれだけでも、ほんまにええ曲とわかってしまう。
 セレクションだけに、1曲ごとに間が空いてしまうのはちょっとだけもったいないが、それでも音楽の美しいこと愉しいことわくわくすることに違いはない。
 ことに終曲!!!
 生ならでは、そしてピットの中ではなく、コンサートホールならではの大音響大団円には、これぞメロドラマの勝利などと内心感じ入ってしまった。
 京都市交響楽団の面々も、レシェキンの音楽運びによく応え、ドラマティックな演奏を繰り広げていた。
 会田さんやカンタさん、オーボエの高山郁子、ハープの松村衣里のソロも見事だった。

 アンコールはサン=サーンスの歌劇『エティエンヌ・マルセル』からワルツ。
 なかなか実演では聴くことのできない、小気味いい曲だ。
 レシェキンの指揮では、ぜひフランスの作曲家の作品も聴いてみたい。
posted by figarok492na at 20:42| Comment(0) | TrackBack(0) | コンサート記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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