2025年02月23日

第33次笑の内閣『20周年コント公演 今夜はキックバック』

☆第33次笑の内閣『20周年コント公演 今夜はキックバック』

 作・演出:高間響
(2025年2月23日13時開演/UrBANGUILD)


 十年一昔なんて言葉があるが、笑の内閣が今年でちょうど結成20年を迎えるとは。
 あまりの時の速さに愕然とするばかりだけれど、往事茫茫というわけじゃなく、その第1回公演『間男はつらいよ』(実質的には2回目となる今はなきアトリエ劇研でのC.T.T試演会)のことは強く記憶に残っている。
 劇団名の由来となった三谷幸喜の『笑の内閣』を下敷きにしつつ、SF的要素も加味した会話劇で、それこそ本歌と密接に関係した浅草軽演劇のような風味のある舞台になっていた。
 実際、試演のあとの質疑応答でもそうした感想を口にしたはずだ。
 ただ、高間君本人はもっとバランスがとれてスマートな芝居を目指していたようで、こちらの誉め言葉に若干苦虫を嚙み潰したような表情をしていたのも忘れ難い。
 それからだいぶん間が空き、笑の内閣の公演を熱心に観るようになったのは、2012年1月の第14次笑の内閣『ヅッコケ3人組の稽古場有料化反対闘争』からあとのことだ。
 で、それから10年以上の笑の内閣と高間君自身の変化については、公演の度にいろいろと記してきたので、ここではあえて繰り返さない。
 もし興味がおありの方は当方の観劇記録の中から、笑の内閣の公演分をご覧いただければ幸いである。

 さて、『20周年コント公演 今夜はキックバック』のことだけれど。
 過去の作品、過去の公演の様子(あの人やこの人、懐かしい顔を映像で目にすることができる)を織り込みながらも、単純にノスタルジーに浸るだけにとどまらない、今現在の劇団のあり様、高間君のあり様が表れた内容になっていたと思う。
 『短編・がんばれ吉田寮』、『政治家の覚え方』、『現代口語AV』、『ハムレットプロレス』、『超短編コント・対案を出せ』、『笑の内閣、オリジナルソング歌謡ショー』、『やってみようZOOM演劇』、『君の名は』というコントのタイトルを並べただけでも、笑の内閣の公演に接したことのある人はその中身について十分想像がつくのではないか。
 不敬なネタあり、プロレスあり、歌あり、演劇に関するネタあり。
 100分近く、意図した以上のだれ場というか、どうしても集中が途切れるところはありつつも、思わず大笑いしてしまうような場面も少なくなかった。
 髭だるマン、由良真介の劇団員に、石田達拡、ガトータケヒロ、川上唯、土肥嬌也、HIROFUMI、山中麻里絵のおなじみの面々や、大山渓花、夏目れみ、宮本伊織という自分にとっては初顔となる演者陣は、高間君の一筋縄ではいかないコントと真正面からよく向き合っていたのではないか。
 近年の笑の内閣の公演がそうであったように、バランス感覚とスマートさが発揮されているように感じた。

 そうそう、もう一つ忘れていけないことは、演劇に対する高間君の愛情とともに、彼の身近な人たちへの強い想いだ。
 映像のピックアップの仕方をはじめ、今回の公演でもそうした想いがそこここに溢れていたと思う。
 とにもかくにも、笑の内閣20周年本当におめでとうございます!!
 そして、出来ることならば50周年記念公演に接することがかないますように。
(自分のことも記されているので面はゆいが、会場で販売されている『笑の内閣 20年史』は労作である)
posted by figarok492na at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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