グイド・カンテッリが指揮したフランクの交響曲<WARNER>を聴く。
ただし、オーケストラはフィルハーモニア管弦楽団ではなくて、NBC交響楽団。
NBC交響楽団といえば、アルトゥーロ・トスカニーニのために設立されたオーケストラとして知られるが(実際のところは、そう断言できるものではないらしい)、トスカニーニに目をかけられたカンテッリはしばしばこのオーケストラに客演している。
1954年4月6日のステレオ録音。
トスカニーニが引退発表を決断し、このオーケストラが消滅していくきっかけとなったコンサートの翌々日のことだ。
フランクの交響曲では、今年リリースされたタンゴーとベルリン放送交響楽団による端正で丹念な演奏に感嘆感動したばかりだが、カンテッリのほうはメリハリのハリが強く効いた演奏。
第2楽章など、メリのほうの表現も一応出てはいるのだが、概してぐいぐいと力が前に出る感じがする。
一つには、トスカニーニとの関係やオーケストラの性質も大きく作用しているのだろうが。
鮮明なステレオ録音だけれど、その分、オーケストラの粗さも感じてしまう。
できれば、この音質でフィルハーモニア管弦楽団との録音を聴いてみたかった。
2024年03月30日
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