ガリー・ベルティーニ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団が演奏したブラームスの交響曲第3番<SWR>を聴く。
シュトゥットガルト・リーダーハレでの1985年1月25日のライヴ録音。
この曲は少し前にグイド・カンテッリ指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏を聴いたばかりだが、あちらが言いたいことがあり過ぎて、どうしても口ごもってしまう、といった風な演奏だとすれば、こちらは言いたいことは言うべきときに言うといった感じ。
ここでもベルティーニはシャープな音楽づくり。
音の歯切れがよくて、テンポも速めで、全く粘った感じがしない。
カンテッリでも記したこの曲の音楽のつくりがよくわかることがもちろんだが、それに加えて、そうした音楽のつくりが結果としてどのような音のドラマを生み出すかもはっきりと聴かせてくれる。
第1楽章の後半、感情が爆発する部分での迫力や、終楽章での運命そっくりのテーマが鳴り響いたあとの追い込みなどベルティーニの劇場感覚がよく発揮されている。
一方で、第2楽章や有名な第3楽章では決然として前進するといった意志がうかがえ、終楽章の終結部でも明るいというか、希望の見える終わり方をしていた。
実演を聴けば感嘆しただろうし、こうした録音媒体であれば繰り返し触れたくなるような演奏である。
録音も見通しがよい。
2024年03月24日
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