2024年03月23日

今日聴いた音楽から@(2024/3/23)

 ガリー・ベルティーニ指揮シュトゥットガルト放送交響楽団が演奏したベートーヴェンの交響曲第7番とシューベルトの交響曲第7番「未完成」<SWR>を聴いた。
 ベートーヴェンは1995年4月13日、オーケストラの本拠地シュトゥットガルトのリーダーハレでの、シューベルトは1996年11月8日、カールスルーエ州立劇場での、それぞれライヴ録音だ。
 ここでもベルティーニはフォルムがはっきりして流れのよい音楽を生み出している。
 ベートーヴェンの第7番といえば、ワーグナーの「舞踏の聖化」という言葉もあるようにリズムが肝の作品だが、当然ベルティーニも躍動性があって前に進む感じを明確に表す。
 『のだめカンタービレ』でおなじみになった第1楽章は、音楽が進むうちにどんどん熱量も高まっていく。
 終楽章も同様。
 それでいて、音楽は崩れない。
 第2楽章は第3番「英雄」の同じ楽章と同様、ゆっくりとした歩みで暗鬱とした表情を醸し出す指揮者も少なくないが、ベルティーニは速めのテンポを保つ。
 それによって、ベートーヴェンという作曲家がすでにロマン派へと足を踏み入れていたこと、ベートーヴェンのロマン派的感情が伝わってきた。
 第3楽章では、トリオの部分の雲がもこもこと拡がっていくような感じが印象深い。

 未完成交響曲も粘ることなく、速いテンポで音楽が進む。
 表現は甘くないが、といって冷血でも冷淡でもない。
 シューベルトの音楽の持つ歌謡性や感傷性が裂け出てきて、強く魅了された。
 ベートーヴェンでは若干もやついていたが、こちらはクリアな音質で、ベルティーニの解釈によくあっている。
posted by figarok492na at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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