ジャン・マルティノン指揮シカゴ交響楽団が演奏したビゼーの『アルルの女』組曲第1番と第2番、交響曲ハ長調<RCA>を聴いた。
ここでも、マルティノンは緩急強弱のコントラストを強調した、線のはっきりした音楽づくりを行っている。
例えば、組曲第2番の1曲目パストラルでは穏やかな管楽器の掛け合いと強奏と、また3曲目のメヌエットでは美しいフルートのソロと強奏との対比が非常にはっきりとしている。
そして終曲、おなじみのファランドール。
第1番の前奏曲冒頭の「三人の王様が」という旋律が再び登場したあと、太鼓にあわせて音楽がリズミカルになる部分、はじめはちょっと遅めだなと思っていたら、最後になって煽る煽る!
これがライヴだったら大興奮間違いなしだろう。
交響曲でも、マルティノンの音楽の進め方は基本的に同じだ。
第1楽章は概して軽快だけれど、中間部、オーボエのソロのあたりではいくぶんテンポをおとし、僅かな気分の変化を明示する。
もちろん、終楽章はノリがいい。
まるで澄んだ青空を見ているかのような、明るい音楽だ。
音色という点で粗さを感じる部分はあるものの、シカゴ交響楽団はやはり充実していた。
管楽器は言わずもがな、交響曲の第2楽章ではアンサンブルとしての弦楽器の力量の高さがよくわかる。
2024年03月17日
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