2024年03月16日

今日聴いた音楽から@(2024/3/16)

 リヒャルト・シュトラウスが最晩年に作曲した4つの最後の歌を、ソプラノのアスミク・グリゴリアンがオーケストラ伴奏とピアノ伴奏で2回歌ったアルバム<α>を聴いた。
 オーケストラはミッコ・フランク指揮フランス放送フィルで、ピアノはマルクス・ヒンターホイザー。
 アスミク・グリゴリアンはアルメニア系のリトアニア人。
 オペラでの活躍が知られている。
 前々から書き続けているけど、声の好みのストライクゾーンが極端に狭い人間なので、案の定というか、彼女の声質自体はちっとも好みじゃない。
 もやもわとして重たく感じてしまうのだ。
 ただし、中音域の響きの豊かさや表現力の高さは十分にわかる。
 このアルバムでは、そうした彼女の特質がよく発揮されていた。
 第1曲の「春」では、無理に声を振り絞るものだから、そのあと音が下がる際にほんの少し不安定に聴こえるなど、どうしても高音域に急所があるように感じたことも事実で、初めのうちはあれあれと思いながら聴いていたが、後半の2曲、ことに終曲の「夕映えの中で」の詩にあわせての表現の細やかな変化には大いに感嘆した。
 管弦楽、ピアノ、ともにグリゴリアンをよく支えていたが、強く印象に残ったのは「夕映えの中で」の消え入るようなヒンターホイザーのピアノだ。
 明度の高いミッコ・フランクとフランス放送フィルととても対照的だった。
posted by figarok492na at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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