2024年03月14日

今日聴いた音楽から(2024/3/14)

 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルが演奏したリヒャルト・シュトラウスの交響詩『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』<WARENER>を聴いた。
 ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらは、ドイツ史上屈指の反逆精神の持ち主、ティル・オイレンシュピーゲルの伝説を交響詩化したものだ。
 交響詩『英雄の生涯』の感想をアップした際、ちらと記したかと思うが、リヒャルト・シュトラウスという人自身、相当な諧謔精神の持ち主で、この交響詩でもティル・オイレンシュピーゲルに自らのそうしたメンタリティを仮託しているように感じられてならない。
 一方、フルトヴェングラーは、ユーモア精神がなかったとはいえないが、その音楽を聴く限り、どちらかといえば、悲劇のほうによりシンパシーを感じる人物のように思える。
 このティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずらでも、もちろん軽やかなティルのいたずらぶりを巧く表現してはいるが、それと対立するかのような重くて執拗な低音がやはり強く印象に残る。
 そして、裁判での金管楽器の強奏よりも、僕はそのあとに続く静かで圧倒的な低弦の響きにぞくぞくとした。
 クラリネットの節回しをはじめ、ウィーン・フィルの魅力も十分に発揮されている。
posted by figarok492na at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック