グイド・カンテッリが亡くなった1956年の5月にフィルハーモニア管弦楽団と録音した、ベートーヴェンの交響曲第7番<WARENER>を聴く。
超快速のテンポではないけれど、非常に流れのよい演奏で、全く鈍さと遅さを感じない。
また、作品の持つ劇性には忠実ながら、確固としたフォルムを保ってもいて、見通しが実によい。
『のだめカンタービレ』で有名になった第1楽章の盛り上がる部分や、終楽章のコーダの追い込みも印象に残るが、カンテッリの美質をことに象徴しているのが第2楽章だろう。
過度な感傷に浸ることなく、クリアでスタイリッシュに音楽を進めていく。
それでいて素っ気なさとは無縁だ。
おまけに、ステレオ録音ということで音の拡がりも十分にある。
非常に聴き心地のよい演奏。
かなうなら、カンテッリが指揮したベートーヴェンの交響曲全曲を聴いてみたかった。
2024年03月13日
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