フランス出身のヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティとユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団が演奏したパガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番<SONY>を聴いた。
パガニーニといえば19世紀を代表するヴィルトゥオーゾ中のヴィルトゥオーゾであり、鬼才中の鬼才として知られる。
そのパガニーニが自身の高度なテクニックを披歴せんがために作曲したのが、このヴァイオリン協奏曲第1番だ。
フランチェスカッティは生前パガニーニのオーソリティーと評されていたそうで、実際この録音でもそうした彼の高度な技量を聴くことができる。
ただ、イメージ的にパガニーニが身体をくねらせながら変幻自在にヴァイオリンを操っているイメージとすれば、フランチェスカッティのほうは背筋をぴんと伸ばして格調高くヴァイオリンと向き合っている感じがする。
正直、終楽章の超高音あたりでは、現在の耳からするとちょっと厳しさを感じないでもないが、その豊かなヴァイオリンの音色と丹念な演奏はやはり魅力的だとも思う。
オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団はなんとも威勢がよい。
粗雑な感じはしないものの。
1950年のモノラル録音だが、フランチェスカッティの美音を愉しむという意味では問題ない。
2024年03月04日
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