☆四百年前の落語を聞く会
出演:林家菊丸さん、三遊亭はらしょう、月亭天使さん
(2024/2/25 14時開演 誓願寺)
昨年2023年は落語の祖とされる安楽庵策伝上人による醒睡笑が世に出されてちょうど400年。
偶然そのことに気がついた旧知のドキュメンタリー落語家三遊亭はらしょう、早速策伝上人とゆかりの深い誓願寺に訊ねてみたところ、まったく関連のイベントが企画されていないことを知らされる。
それじゃあ、自分がやりましょうと企画したのが今回の『四百年前の落語を聞く会』である。
そういったあたりは、はらしょう自身がドキュメンタリー落語『醒睡笑』で語っていたところだが、その前に高座の横に鎮座する立命館大学所蔵の誓願寺門前図屏風の複製図について同大学の矢野桂司先生から説明をいただく。
で、はらしょうの企画説明も兼ねたドキュメンタリー落語ののちは、月亭天使さんが高座へ上がる。
『醒睡笑』由来の落語からということで、少し予定を変更して『平林』から。
天使さんの『平林』は、ずいぶん前に錦湯さんの会で接したことがあるが、使いに出される丁稚(男の子)の造形がやはり柄に合っている。
平林の読み方を尋ね尋ねしているうちにうかれてくるあたりが印象に残った。
仲入りを挟んで、再び天使さんが高座へ。
もともと予定していた『犬の無筆』をかける。
これだけではあまりにも短いということで、先に『平林』を話したのだ。
本人が語っていたように、猫好きの天使さんが犬を演じてみせるのがおかしい。
そして、三人目に登場するのは、林家菊丸さん。
ラジオなどで前々から接していたが、生の菊丸さんは実はこれが初めて。
20日の七本松落語会はまだ体調が今一つだったため、残念ながら断念してしまっていた。
今日かけたのは『青菜』。
季節は外れるが、これも『醒睡笑』がもとになる噺なのだ。
まずは自分の落語家人生のスタートがかつて新京極にあった京都花月だと語り、続けて師匠に入門したあとの梅田花月の楽屋風景で大いにわかす。
本題も、笑いのツボをしっかり押さえて評判に違わぬおかしさ。
とともに、細やかさも兼ね備えた充実した口演になっていた。
いやあ、面白かった。
最後に再びはらしょうが登場し、本当なら『青菜』で〆るのがベストなのだがと、自作のドキュメンタリー落語『誓願寺とビートルズ』を演じる。
あな、懐かしや。
この誓願寺ではらしょう、当時ハラダリャンは演劇公演を行ったのだ。
僕もちゃんと観に行っている。
ただし、主筋はそこではなくてこの公演の際に使用したビートルズと自分の出会いについて。
それこそかつての一人芝居のおなじみのキャラも登場し、そうそうはらしょう、ではなくこの場合はハラダリャンはこれなんだと感慨ひとしおだった。
菊丸さん、はらしょう、天使さん、おつかれさまでした。
2024年02月25日
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