ドイツ放送フィルが進めているドヴォルザークの交響曲全集から、今年リリースされたばかりの第7番と第8番<SRW>を聴く。
もともとはカレル・マーク・チチョンの指揮で始められた録音だが、日本フィルの首席指揮者としても有名だったピエタリ・インキネンが今は引き継いでいる。
第7番と第8番も、そのインキネンの指揮。
インキネンはオーケストラのコントロールに秀でた指揮者だが、このアルバムでもそうした彼の特性がよく発揮されていた。
まず第7番は、この曲の構成的な堅固さを真正面からとらえた演奏で、全篇間然としない。
第3楽章のリズムもキレがよい。
一方、第8番は強弱緩急のメリハリが一層効いている。
第3楽章の牧歌的美しさも巧く表現されているし、この交響曲のぎくしゃくとして突拍子のない感じも巧く出ていた。
ザールブリュッケンとカイザースラウテルンの放送オケが合併してできたドイツ放送フィルは、ソロとしてもアンサンブルとしても精度が高い。
派手さはないが、手堅く充実したアルバムである。
2024年02月21日
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