2024年02月06日

今日聴いた音楽から(2024/2/6)

 スメタナの連作交響詩『我が祖国』の中で第2曲「モルダウ(ヴルタヴァ)」は、もっとも有名な作品だ。
 我が祖国の中でどころか、スメタナの作品の中で、どころかチェコの作曲家が作曲した作品の中でドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」と並んで有名な管弦楽曲の作品だろう。
 いや、知名度でいえば、全ての作曲家が作曲した管弦楽曲の中で少なくともベスト30にはノミネートされる作品ではないか。
 そのモルダウをヴィルヘルム・フルトヴェングラーとウィーン・フィルが録音している。
 単純な自然描写にとどまらず、チェコ(ボヘミア)の愛国心を鼓舞する音楽であるモルダウだが、一方でハプスブルク帝国の文化圏の中で生まれた音楽でもあり、独墺を代表する指揮者とオーケストラが録音してもちっとも不思議ではない。
 余談だがフルトヴェングラーとベルリン・フィルが演奏したドヴォルザークの新世界よりの第二次世界大戦中のライヴ録音<PHILIPS>なるものをCD初期に買って聴いたことがあるが、のちにオスヴァルド・カバスタ指揮ミュンヘン・フィルが本当の演奏者であることを知った。
 このスメタナのほうは、正規のセッション録音である。
 ゆっくりと流れだし、ここぞというところでスピードを上げる。
 緩急強弱のはっきりとした、まさしくドラマティックな演奏だが、農夫たちの結婚式の終わりの低弦の深い響きが印象的だったり、それに続く月の光の下の水の妖精たちの踊りにワーグナーの歌劇『ローエングリン』の第1幕への前奏曲を思い出したりするのは、やはりフルトヴェングラーの演奏だからだろう。
 そうそう、最後の喜びの表現には、ベートーヴェンの第九を思い出しもしたんだった。
 ただ、聖ヤンの急流の荒々しさ、激しさは、もっと音質が良ければと残念でならない。
 リマスタリングを加えてもなお、ノイズが多すぎる。
posted by figarok492na at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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