2024年01月17日

今日聴いた音楽から@(2024/1/17)

 かつては女性に不向きな職業の一つと呼ばれていた指揮者だが、社会の変化の中で女性の指揮者の数は増え、ようやく世界各地のオーケストラの重要なポストを占めるようにもなってきた。
 昨シーズンからは、沖澤のどかが京都市交響楽団の常任指揮者にも就任している。
 2019年からオランダ放送フィルの首席指揮者となったアメリカ出身のカリーナ・カネラキスも、そうした活躍著しい指揮者の一人だ。
 そのカネラキスがオランダ放送フィルを指揮したバルトークのアルバム<Pentatone>を聴いた。
 2022年7月、オーケストラの本拠地であるヒルフェルスムの放送音楽センターでのライヴ録音とクレジットされている。
 カネラキスとオランダ放送フィルのライヴ演奏は、YouTubeのオランダの公共放送協会の公式アカウントから度々アップされていて、エネルギッシュな指揮ぶりと均整のとれた演奏を確認することができるが、このアルバムでもそうした基本の部分では大きな違いがない。
 メインとなる管弦楽のための協奏曲でも、カップリングの4つの管弦楽曲でも、強弱緩急をよくコントロールした見通しのよい音楽に仕上がっている。
 ただ、例えば管弦楽のための協奏曲の第3楽章「悲歌」が端的に象徴しているように、素っ気ないというわけでは全然ないが、音が軽いというか、踏み込みの浅さを感じたことも事実だ。
 一つには、録音の問題もあるような気はするが。
 できれば、他のレパートリーの、他のレーベルでのセッション録音を聴いてみたい。

 このアルバムのことはひとまず置くとして、いずれ近いうちにベルリン・フィルをはじめとした世界のトップオケで女性の指揮者が音楽監督や首席指揮者、常任指揮者の座に就くことはまず間違いないだろう。
 そしてそれは、音楽界における「ルッキズム」の問題を改めて考える契機になるかもしれない。
posted by figarok492na at 16:47| Comment(0) | TrackBack(0) | CDレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック