よくよく考えてみたら、アメリカの作曲家が作曲したオーケストラ曲のCDをほとんど持っていない。
大好きなバーンスタインの『キャンディード』序曲があるくらいではないか。
それだって、名曲集の中の1曲でしかないのだが。
グローフェが作曲した『グランド・キャニオン』なんてLPCDを持っていないだけではなくてFMで何度か聴いた程度、まともに聴くようになったのはamazon music unlimitedを使うようになってからではないか。
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、その『グランド・キャニオン』<SONY>を聴く。
『グランド・キャニオン』は、その名の通りグランド・キャニオンの情景を模した「日の出」、「赤い砂漠」、「山道を行く」、「日没」、「豪雨」の5曲からなる組曲。
グランド・キャニオンを間近に見たことがないだけに、果たしてその描写力はどこまでのものか断言はできないが、カッポカッポカッポカッポとロバを模した音型がユーモラスな「山道を行く」をはじめ、管弦楽を駆使した「らしさ」の表現はなかなかのものだと思う。
それをまた腕っこき揃いのフィラデルフィア管弦楽団の面々が、見事に実際の音にしていて実に愉しい。
ただ、オーマンディという音楽家、人間の特性には静謐でシリアスな趣のある「赤い砂漠」がもっとも合っているような気がしないでもないが。
先日聴いたヘンデルよりも2年ほど前の1957年の録音だが、リマスタリングが施されているのか音のクリアさでは断然こちらがよい。
そうそう、音の面ではモノラルということで分が悪いが、「豪雨」の豪快さではアルトゥーロ・トスカニーニとNBC交響楽団の演奏も忘れ難い。
2024年01月10日
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