ヴァイオリン4、ヴィオラ2、チェロ2という編成もあって、弦楽8重奏曲は二つの弦楽4重奏団によって演奏されることが多い。
今夜は、クリーヴランド・カルテットがホストとなるメンデルスゾーンの弦楽8重奏曲を聴いた。
後年、TELRACレーベルにメリオラ・カルテットとも録音しているが、今夜聴いたのはRCAレーベルに残したもの。
1977年の録音で、共演は同じ1969年に結成された東京クヮルテット。
とにかく威勢がよい。
ぐんぐんぐんぐん前に進む。
まさしく若いからこそできる演奏だ。
ただ、技量は高いものの、少々前のめりというか、力が入り過ぎて少々音がしょっぱいというかぎすぎすして聴こえないでもない。
そもそもメンデルスゾーン16歳のときの作品であるから、若さが前に出過ぎるるのも仕方なかろうし、録音がやけにデッドなことも大きいとは思う。
それに、良くも悪くも同世代の弦楽4重奏団が共演することの相乗効果とも考えられなくはない。
カップリングは、弦楽4重奏のみによる変奏曲とスケルツォ。
ここでは、通常運転というか、インティメートでまとまりのよいいつものクリーヴランド・カルテットの演奏を聴くことができる。
それにしても、この若かった2つの弦楽4重奏団がやがてベテランの域に達し、ともにすでに解散してしまっているのだから、複雑な気分になる。
もうあと数年したら録音から50年経つのだから、それも当然といえば当然なのだけれど。
2024年01月03日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック