2023年02月25日

玉田玉山京都講談勉強会

☆玉田玉山京都講談勉強会

(2023年2月25日19時開演/京都西院・京新ビル3F)


 遂に年季明けを果たした玉田玉山の京都での2回目の勉強会に足を運んだ。
 会場は前回と同じく西院京新ビルの3階にある一室で、なかなかの入りにまずは何より。

 で、ちょっとしたマクラののち、まずは玉田玉山物語から短めの一席を読む。
 ちなみに玉田玉山物語とは、自分自身の体験や身近な人のエピソードを講談化した新作講談の「私講談」。
 今回読んだのは、お父様が主人公となる物語だが、長大となる(はずの)玉田玉山物語の発端ともなっているところがミソだ。

 二席目は、積極的に新しい仕事を開拓していかなければという体で挑んでみた食レポ講談。
 ただし、いわゆる三ツ星レストランやテレビ雑誌ネットで取り上げられる有名店とは無縁のあたりが玉山君らしい。
 特に、自分がが住んでいる界隈で起こったエピソードは笑ったなあ。

 そして、待ってました!
 最後は大ネタの『講談・加藤の乱 〜加藤紘一の三度返し〜』である。
 ちなみに2000年11月に勃発した「加藤の乱」とは、自民党内の派閥の領袖加藤紘一と山崎拓がタッグを組み、野党提出の内閣不信任案に賛成することで支持率が最低ラインに達していた当時の森喜朗総理大臣を辞任に追い込もうとしたものの、野中広務幹事長の切り崩し策などで結局頓挫してしまった政治的事件をいう。
 その加藤の乱のハイライトといえば、ホテルオークラでののちの自民党総裁谷垣禎一が加藤に向かって口にした「加藤先生は大将なんだから!」の場面だが、これは同じく旧知の月亭太遊とゲスト出演したKBS京都のラジオ番組『角田龍平の蛤御門のヘン』で披露済。
(そういえば、錦湯で太遊さんがわざと弱気な発言をしてみせたとき、「後藤さん(太遊さんの本名)は大将なんだから!」と芝居気たっぷりに返したことがあったなあ)
 今夜は、その後の国会に出席して不信任案に賛成するか、それとも欠席に留めるかという加藤紘一の逡巡が巧みに描かれていた。
 政治好きな玉山君は、「自分自身が愉しくてやる」ので勘弁して欲しい旨断っていたけど、なんのなんの、小学校高学年で戸川猪佐武の『小説吉田学校』<角川文庫>を読みふけり、初めて映画館で観た映画も森谷司郎監督の『小説吉田学校』、おまけに小中高の友人で『小説吉田学校』仲間だったH君と放送部内の部長選挙で三角大福も真っ青の権力闘争を行うことになってしまった人間にとっては、実に面白く愉しい一席だった。
 というか、加藤紘一の弱気に山崎拓の侠気、対する野中広務の老獪さという濃い人間ドラマは、例えば関ヶ原の合戦時の石田三成や大谷吉継、徳川家康らにも通じるわけで、それこそ講談だからこそのネタになっているとも思う。
 かなうことならば、玉田玉山が好きな泡沫候補と呼ばれる面々をネタにした物語も読んでもらいたい。

 と、大いに笑い大いに愉しんだ勉強会。
 次回が待ち遠しい。
posted by figarok492na at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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