☆玉田玉山講談勉強会
(2022年9月29日19時開演/京都西院・京新ビル3F)
かつて大好きな京都小劇場の演者の一人に、丸山交通公園がいた。
自ら率いる友達図鑑や劇団員だった月面クロワッサンもそうだが、彼の本領発揮といえばやっぱり丸山交通公園ワンマンショーだろう。
本当に足繁く通ったものだ。
だけど、彼が四代目玉田玉秀斎に入門し、講談師玉田玉山となってからは、コロナだのなんだのあってなかなか接する機会を得ず、先日の第30次笑の内閣『なんであんたはんは市会議員になれへんのか』でようやく久しぶりの「再会」を果たした。
その丸山交通公園改め玉田玉山が、京都西院で初の講談勉強会を開くというので迷わず足を運んだ。
会場は、前はウエストコートといったんじゃなかったっけ、今はアイハートというスーパーが1階に入る京新ビルの3階奥の部屋。
ワンマンショーの会場を少し広くしてよりディープにした、という説明じゃわかりにくいかな、小ぶりな学習塾の教室といった趣の部屋だった。
で、初の勉強会となる今夜は古典と彼自身のエピソードを講談に仕立てた玉田玉山物語が読まれていた。
古典のほうは、『般若寺の焼き討ち』。
大坂の陣の折、奈良の般若寺に滞在中の徳川家康が、真田幸村の謀略によって寺を爆破され、命からがら逃げのびるといった内容。
武将と武将、武士と武士の激突を流れよくメリハリをつけて読むいわゆる修羅場では、玉田玉山のこの間の研鑽がよく表れていた。
一方、台詞の部分では彼の演者としての経験(に古い邦画好きも加えていいか)も巧く活かされていたように思う。
そして、この『般若寺の焼き討ち』の前後は、なんと140を数えるという玉田玉山物語の中から家族のエピソード、それから修業中のエピソードが読まれた。
こうした自分語りはワンマンショー時代も得意中の得意だったけれど、「我流では限界がある、後ろ盾となるものが必要」という自覚の中で選んだ講談の藝が大きな力となってより構成が堅固になり、要所急所のツボも明確に押さえられるようになっていた。
とともに、講談の独特の語り口も笑いに厚みを加えていたのではないか。
いずれにしても、今後の玉田玉山の研鑽と活躍を心から願うに相応しい足を運んで大正解の勉強会だった。
ああ、面白かった!!!
2022年09月29日
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