2022年07月23日

黒川寄席 vol.31 特別版〜黒川猛・三遊亭はらしょう二人会

THE GO AND MO'S
黒川寄席 vol.31 特別版〜黒川猛・三遊亭はらしょう二人会

 出演:黒川猛、三遊亭はらしょう
(2022年7月23日14時開演/スタジオ松田の家)


 久しぶりの三遊亭はらしょうの京都での公演、加えて土曜開催ということもあって、本当に久しぶりにTHE GO AND MO'Sの黒川寄席を観に旧知の松田裕一郎さん宅1階のスペース・スタジオ松田の家へ足を運んだ。

 で、まずは開口一番、黒川さんの漫談から。
 嘘、というよりもこれはほら話、それも吹きも吹いたり大ぼら話である。
 岸和田出身というお父さん、そして北九州(福岡と長崎の違いはあるが、九州の北側の人の持つ陽性というか、はっちゃけた感じは十分わかる)の血と育ちを巧く取り込んだ内容になっていた。

 続いては、ゲストのはらしょう。
 はらしょうの活動拠点の一つ、ナイツで話題(?)の浅草東洋館の客席や楽屋裏の情景を語りながら場の雰囲気をうかがったのち、古典落語の『八九升(はっくしょう)』をはめ込んだドキュメント落語。
 圓生一門に伝わるという噺だが、実は耳にするのはこれが初めて。
 古典の落語家としては破門されながら、現実にあったエピソードを落語に仕立て上げるドキュメンタリー落語家として認められたはらしょうの師匠三遊亭圓丈への想いも感じられる仕掛けになっていた。

 再び黒川さんが登場して、新作落語を披露する。
 こちらは無手勝流の趣。
 宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘を題材に、二人の「闘い」がどんどんエスカレートしていく辺りは、当然先の漫談と繋がっていておかしい。

 そして、トリははらしょうのドキュメンタリー落語。
 1991年10月(もう30年以上前になるのか!)の宮沢りえのヘアヌード写真集『サンタフェ』に興奮する原田亮少年ら中学生たちの姿を描いたで、関西弁でのやり取りにかつてのハラダリャン時代の一人芝居なども思い出す。
 とともに、はらしょうがあえて「ドキュメンタリー」「落語」と名乗る理由の一端もわかる話であった。
(終演後聴いたところ、ここ3年ほど東京でも関西の言葉で口演を行っているとのこと。昨年亡くなった圓丈師匠から指摘されたように、確かにはらしょうにとって関西弁は強みになるだろうな。もちろんそれは、先代の桂小南流儀の上方古典落語とは違い、ドキュメンタリー=実録=即興的な部分にも大きく関わってくるという意味で)

 最後は、お客さんとのやり取りなども交えながら黒川さんとはらしょうのトークで〆た。
 14時開演で、約1時間半から2時間程度。
 愉しい時間を過ごすことができた。
 THE GO AND MO'Sもそうだし、三遊亭はらしょうの公演にもまたぜひ京都で接したい。
posted by figarok492na at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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