☆THE GO AND MO’S 黒川寄席vol.3
作・演出・出演:黒川猛
(2020年3月15日14時開演/スタジオ松田の家)
THE GO AND MO’Sの黒川猛が、旧知の松田裕一郎さん宅の1階フラットスペース・スタジオ松田の家で毎月二本の創作落語を演じるという黒川寄席も今回ではや三回目。
世は新型コロナウイルスで持ち切りで、演劇音楽その他あれこれ、各種イベントの延期中止が続いているが、アルコール消毒の徹底とマスクの完備、さらには空調設備のフル稼働によって、無事黒川寄席は開催されることとなった。
といったあたりについて、開口一番代わりにそうした事どもが黒川さんより語られる。
さて、今回演じられたのは『杜子春』と『パパとママ』の二作品。
一本目の『杜子春』は、題名通り前々回前回の『蜘蛛の糸』と『鼻』同様、芥川龍之介の小説を下敷きにしたもの。
いろいろあって放蕩息子の杜子春は仙人の弟子となるのだけれど…。
まずは原作の梗概が丁寧に語られる。
で、本題は一転、原作よりもなお放蕩息子ぶりが激しい杜子春ならぬ「としはる」が登場し、仙人とのおかしなやり取りを繰り広げる。
そして、肝は中盤以降、原作の梗概が仕込みとなった黒川さんのマイム(無言劇)だろう。
先日、ルドルフの『隕石の栞』で久しぶりに黒川さんのストレートプレイでの演技を目にしたが、いずれの場合も内なる表出欲求ならぬ笑出欲求こそがその根底にあるのだということを改めて強く感じさせられた。
今だからこそのサゲも、その延長線上にあることは言わずもがなだろう。
小休止を挟んだ二本目の『パパとママ』は、最近放送日が金曜から土曜に変わって視聴率がどうなっているのか気になるところの国民的アニメ番組(と原作の漫画)のパパとママが主人公となるお話。
ママが二階の胡散臭い居候を体よく追い出したまではよかったが、これ幸いとあいつもこいつもやってきて、にんにんころころにんにんころころとかまびすしいかぎり。
仕事柄、子供と接する機会の多い黒川さんならではの。
いや、だけじゃないな。
ベトナムからの笑い声での元チャンネル団地なんか見てもわかるように、自分がたぶん子供の頃からテレビ好きだったはずの黒川さんならではの作品に仕上がっていた。
と、こういう時世だからこそ、生の笑いの大切さを改めて痛感する黒川寄席だった。
ああ、面白かった!!
次回vol.4は、三遊亭はらしょうの京都公演と合体して4月19日の14時から開催の予定。
また、3月29日の14時からは、伏見いきいき活動センター会議室305で、延命聡子をゲストに迎えた黒川の笑その17も予定されているので、ご都合よろしい方はそちらもぜひ!!
2020年03月15日
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