☆京都市交響楽団第642回定期演奏会(後半のみ)
指揮:リオ・クオクマン
管弦楽:京都市交響楽団
座席:3階LB1列5番
(2020年2月14日/京都コンサートホール大ホール)
仕事終わりに自転車を必死でこいで、京都市交響楽団第642回定期演奏会の後半、メインのプロコフィエフの交響曲第5番を聴いた。
プロコフィエフの交響曲第5番を生で聴くのは、1991年7月2日の同じ京都市交響楽団の第336回定期演奏会(京都会館第1ホール)以来ということで、なんと約30年ぶりということになる。
よくよく考えてみれば、崩壊間際とはいえ、あのときはまだソ連が存在していたのだということに思い当たる。
指揮はセルジュ・ボド。
当時の京都市交響楽団の水準や京都会館のデッドな音響、そしてボドの押しの強い音楽づくりもあって、猛進なれどとっちらかった印象も強い演奏だったような記憶が残っている。
一方、今回の指揮はマカオ出身でアメリカでも学んだリオ・クオクマン。
第1楽章の強音、第2楽章の駆け足、そして第4楽章でのせかされるような幕切れと、ごちゃごちゃとごちゃつくことのないオケの鳴らしっぷりをよく心得ていることはいうまでもない。
が、それとともに、クオクマンはこの曲のもう一面である抒情性、ロマンティックな表情を重視することも忘れてはいない。
中でも第3楽章、音を手繰り寄せるような指揮の下、弦楽器がたっぷりと歌う。
まるで映画音楽かなにかのようなわかりやすい美しさだ。
だけど、それ以上に強く印象に残ったのは後半、同じ弦がぞわぞわと這い上がるというか、近寄ってくるような部分だった。
いずれにしても、この曲の持つ多様な側面を改めて考えることができて、実に愉しかった。
クオクマンの指揮に応えて、京都市交響楽団も精度の高い演奏。
これで、後半券1000円はほんとに安い。
ああ、面白かった!!!
それにしても、芥川也寸志ってプロコフィエフの交響曲第5番の影響を相当受けてるんだなあ。
ふとそんなことも思ってしまった。
2020年02月15日
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