2020年02月09日

THE GO AND MO'S 黒川寄席vol.2

☆THE GO AND MO’S 黒川寄席vol.2

 作・演出・出演:黒川猛
(2020年2月9日14時開演/スタジオ松田の家)


 黒川猛さんが自作の創作落語を毎月2本ずつ演じていこうというTHE GO AND MO’Sの新企画黒川寄席も、はや2回目。
 青空は見えつつも、気温は低く、しかも時折雪がちらつくようなお天気の中、果たして集客や如何、と部外者ながら心配していたところ、会場のスタジオ松田の家(旧知の松田裕一郎さんご自宅1階のフラットスペース)に足を運んで嬉しいびっくり。
 蓋を開ければ満席の入りで、まずは何より。

 さて、今回は『鼻』と『裏鼻』の2本。

 『鼻』は、言わずと知れた芥川龍之介の小説を下敷きにした作品だ。
 原典に関するあらすじやら、黒川さん自身のお母さんのエピソードに触れながらコンプレックスやらについてマクラで語ったのち、本題に入る。
 芥川龍之介の描写通りのでっかい鼻だと、いったい何をしゃべっているのかわからんやろう、という発想から生まれた、鼻の大きなお坊さんとその弟子のとんちんかんちんな掛け合い。
 古典の『こんにゃく問答』をもっとエネルギッシュにしたようなやり取りである。
 で、基礎の部分はしっかり作り込みつつも、そこに生ならではの跳躍や爆発、必死のぱっちが加わるのが、黒川さんの魅力で、この『鼻』でもそれが存分に発揮されていた。
 特に、なんとか自分の説教が相手に伝わるよう四苦八苦する姿のおかしいこと。
 いやあ、面白いな。

 続いて、2本目は『裏鼻』だ。
 実は、先ほど演じた『鼻』はとある公演に出演した際、幕間に演じさせてもらった創作落語なのだと、黒川さんが切り出す。
 さらに、公演場所がお寺なのでそれにちなんだ話にして欲しいという要望があり、しかも下ネタはやめて欲しいと釘を刺されたとも黒川さんは続ける。
 それでは、普段通りに下ネタを入れてしまえばどうなるか?
 そこで、つくってみたのがこの『裏鼻』。
 なんと鼻の形が男性のあれそのものというお坊さん、これではまともに人前に出られない…。
 ところが、そこに救いの神、ならぬ救いの魔人が現れる。
 どこぞで手に入れたランプを擦ってみたところ、出て来た出て来た魔人が出て来た。
 でも、この魔人、アラジンではなくアラチンという名前で…。
 まさしく下ネタ全開。
 ただし、そこにコンプレックスの話が巧く盛り込まれているのも、流石黒川さんである。
 笑いのための笑いと侮るなかれ!
 そして、サゲも見事。

 と、寒中足を運んで大いにあったまることのできた黒川寄席でした。
 ああ、面白かった!!!

 次回vol.3は3月15日の14時から、同じくスタジオ松田の家で。
 また、3月29日の14時からは、伏見いきいき市民活動センター会議室305で黒川の笑その17(ゲストに延命聡子さん)も予定されている。
 さらに、2月22日〜24日、THEATRE E9 KYOTOで開催予定のルドルフ『隕石の栞』に、黒川さんが出演されるとのこと。
 ご都合よろしい方はぜひ!!!
posted by figarok492na at 16:24| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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