2020年01月03日

正月三日目 リヒャルト・シュトラウスの『カプリッチョ』を観、河ア秋子の『土に贖う』を読了した(CLACLA日記)

 正月三日目。


 どんよりとした感じはあるものの、晴天が続く。

 日中はまだしも、朝晩の冷え込みが厳しい。
 皆さん、くれぐれもご自愛くださいね。
 風邪やインフルエンザにはお気をつけのほど。


 体調、今一つ。
 寒さで身体が縮こまっている。
 両耳の不調も続く。


 安倍内閣が今日も続く。
 厚顔無恥で因循姑息な無理無体無法無謀が今日も押し進められる。
 いつまで続く泥濘ぞ。
 本当に救い難い状況である。

 新年早々、馬鹿な傀儡が毎度の如く馬鹿な妄言を繰り返している。
 イラクでは、トランプの馬鹿の命令でイランの革命防衛隊の司令官が殺害された。
 馬鹿に付ける薬はない。
 馬鹿を支える者こそ一番の馬鹿だ。
 一番の馬鹿にはなるまい。
 そのためにも、記憶力、読解力、判断力を一層鍛えていかなければ。
 そして、目くらましの八百長猿芝居には絶対に騙されまい。


 昨夜、アメリカWCLVのオンデマンドでフランツ・ヴェルザー=メスト指揮クリーヴランド管弦楽団が演奏したマーラーの交響曲第5番、YouTubeでファビオ・ルイージ指揮DR交響楽団が演奏したベートーヴェンの交響曲第5番、スティーヴン・ハフとハンナ・チャン指揮アイスランド交響楽団が演奏したブラームスのピアノ協奏曲第2番とハフが弾いたシューマンの子供の情景からトロイメライ(2019年10月10日、レイキャビク・ハルパ)を聴いたりしながら、河ア秋子の『土に贖う』<集英社>を読み進めたり、作業を進めたりしたのち、3時20分過ぎに寝床に就く。


 10時に起きる。

 午前中、フィラルモニ・ド・パリのサイトでシューベルトの弦楽4重奏曲第8番とブラームスの弦楽4重奏曲第1番(2010年1月17日、パリ・シテ・ド・ラ・ミュジック)、KBS京都の『妹尾和夫のパラダイスkyoto』を聴いたりしながら、友人知己に新年のあいさつを送ったり、雑件を片付けたり、『土に贖う』を読み進めたりする。


 午後、ウルフ・シルマー指揮パリ・オペラ座=パリ国立歌劇場管弦楽団他が演奏したリヒャルト・シュトラウスの歌劇『カプリッチョ』のDVD<TDKコア>を観聴きする。
 パリのオペラ座=国立歌劇場のうち、新しくできたバスティーユのほうではなく古いガルニエ宮での2004年の上演録画に映像的趣向を加えた、ロバート・カーセンの演出。
 『カプリッチョ』といえば当方が大好きなオペラの一つだけれど、こうやって演技/映像と字幕付きのDVDで観ると、この作品が劇場人リヒャルト・シュトラウスのマニフェストであり、遺言であるという評価も大いに頷ける。
 それとともに、山田由美子の『第三帝国のR・シュトラウス』<世界思想社>でも指摘があるように、ナチス政権下、それも戦時下でのリヒャルト・シュトラウスの抵抗精神が一層うかがえもした。
 正直声質は好みではないのだが、マドレーヌ役のルネ・フレミングはやはり立派だし、その他の歌手陣も粒揃いで歌唱演技ともに過不足ない。
 それにしても、『カプリッチョ』の言葉と音楽のなんと美しくなんと切ないことか。

 そうそう、『カプリッチョ』がらみで残念なのは、バーバラ・ボニーがマドレーヌを歌って録音を残さなかったこと。
 彼女を軸とするならば、伯爵にはトーマス・ハンプソン、フラマンにはライナー・トロスト*、オリヴィエにはオラフ・ベーア、ラ・ローシュにはクルト・モル、クレロンにはアンネ・ゾフィー・フォン・オッター*、ムッシュ・トープにはロバート・ティアー*といった布陣になるだろうか。
 指揮はヴォルフガング・サヴァリッシュで、オーケストラはバイエルンのオペラか放送局で。
 *=今日観たDVDと同じ配役。


 その後、フィラルモニ・ド・パリのサイトでイザイ・カルテットが演奏したベートーヴェンの弦楽4重奏曲第8番「ラズモフスキー第2番」他(同)を聴いたりしながら、友人知己とのやり取りをしたり、雑件を片付けたりする。


 『土に贖う』を読了する。
 明治から現在に至る北海道を舞台に、時代の変化の中で衰退していく産業とそれに翻弄される人々の姿を自然への敬意、死への真摯さを交えながら描いた短篇集で、一つ一つの作品が重く問いかけてくる。
 著者が三浦綾子文学賞の受賞者というのも当然か。
「日々を滞りなく廻しておく代償に疲れを溜めていった多くの人々。死んでいった者。叶えられなかった希望。自分だけではない知らない誰かの、積もり積もった感情が土を形作るごとに表出していく気がした」
 という作中の文章が、この『土に贖う』という本の全てを表しているのではないか。
 著者の創作者表現者としての自負や矜持も含めて、脱帽する以外にない。

 続けて、ギュスターヴ・フローベールの『ブヴァールとペキュシェ』<作品社>を読み始める。


 夕方になって外出し、夕飯用の買い物をすませて帰宅した。


 帰宅後、フィラルモニ・ド・パリのサイトでイザイ・カルテットが演奏したシューマンの弦楽4重奏曲第3番とリームのカルテット・スタディ(2012年1月21日、同)を聴いたりしながら、雑件を片付けたり、『ブヴァールとペキュシェ』を読み進めたりする。


 途中夕飯を挟み、NHK・FMで第63回NHKニューイヤーオペラコンサートを聴く。


 夕飯後、フィラルモニ・ド・パリのサイトでイザイ・カルテットが演奏したベートーヴェンの弦楽4重奏曲第12番(同)、トゥガン・ソヒエフ指揮トゥールーズ・キャピトル管弦楽団が演奏したショスタコーヴィチの交響曲第5番(2018年11月5日、フィラルモニ・ド・パリ大ホール)を聴いたりしながら、雑件を片付けたり、『ブヴァールとペキュシェ』を読み進めたり、ジョン・マウチェリの『指揮者は何を考えているか』<白水社>を読み始めたりする。


 今日は、甘いものは食さず。
 我慢我慢。


 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
posted by figarok492na at 22:22| Comment(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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