☆『家族を想うとき』(2019年/イギリス・フランス・ベルギー)
監督:ケン・ローチ
(2020年1月1日14時15分上映の回/MOVIX京都)
正月早々映画を観たくなって、新京極通のMOVIX京都まで足を運んだ。
すでに世評であれこれ知っていたし、何しろケン・ローチだし。
それで、『男はつらいよ』でも観ておくか、でも松竹系で1月1日に寅さんはべただなあ、あれあれ結構長いじゃないか、それこそ一作目なんてプログラム・ピクチュア丸出しで1時間半もなかったのに…。
で、ケン・ローチを選んだ。
『家族を想うとき』という放題に偽りはなくて、父と母(夫と妻でもある)、息子と娘がお互いを想い合う、その点では『男はつらいよ』とも通じる作品ではあるんだけれど、どうして想い合うに到るかについては原題の『Sorry We Missd You』(宅配業者の不在届の言葉、「不在中でしたので失礼します」の意)が巧く示唆しているのではないか。
確かに作品自体は救いのない結末で、イギリスもひどいが、この国もひどいや、他人事じゃないと契約宅配業者の父=夫の如くパンチをぶちかまされた気分ではあるのだが、でも、ここでかつて中学生や高校生の頃に観た人権啓発映画のようなご都合主義的ハッピーエンドやら、機械仕掛けならぬ機会仕掛けの神やらを用意されても鼻白むだけだろう。
それに、たとえどうしようもない世界ではあっても、希望の芽となるものをケン・ローチは指し示してもいる。
結局のところ、自分自身がどう考え、どう行動するかという話なのだ。
新年の始まりに観ておいて、やっぱりよかった。
ああ、面白かった!!!
2020年01月01日
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