☆第90回座錦湯
出演:月亭遊真さん、笑福亭大智さん
シークレットゲスト:桂三度さん
(2019年10月7日20時開演/錦湯)
二度あることは三度ある。
どころではない、これで五度目。
月亭太遊さん主宰、ネオラクゴ・フロンティアの名で2014年10月からスタートした錦湯さんでの落語会も、今夜でちょうど5回目のアニバーサリーデイを迎えた。
ということで、ここのところずっとご無沙汰していた錦湯さんへ万難を排して足を運んだ。
で、第90回目となる座錦湯は、ビリートップ五人衆のうち月亭遊真さんに笑福亭大智さんほかの出演で、誕生回に相応しい充実した内容となっていた。
定刻20時を少し過ぎたあたり、まず高座に上がったのは大智さんだ。
大智さんは笑福亭仁智さんのお弟子さんですでに何度も錦湯さんの会に出演しているが、ラジオ好きの当方としてはABCラジオの『兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ。』の兵動さんのトーク内での印象も強い落語家さんである。
マクラは、その『兵動大樹のほわ〜っとエエ感じ。』でも宣伝されていた大智さんメインとしたよしもと祇園花月での怪談イベント『忘霊』にも関係している泥棒がらみの怖い話。
そこから、本題の『打飼盗人』に入る。
盗人が忍び込んだ長屋の住人というのが、博打好きのどうしようもない男。
大事な大工道具も質に入れっぱなし、これではおまんまの食い上げ、ところが質受けしようと借金しようにもだあれも金を貸してくれない。
見かねた盗人は、男に金を与えるが…。
長屋の男が下手下手に出つつ、盗人から金を巻き上げていく様がおかしく、「へてな」という言葉が巧くルーティンとなっている。
今夜がネタおろしという大智さんは、名は体を表す体は藝を表すで大ぶりせせこましさのない語り口。
それでいて、押しつけがましさとは無縁なので、長屋の男が盗人の懐に入っていくあたりが柄によく合っていると感じた。
続いては、遊真さんが高座へ。
近況報告を兼ねたマクラののち、おなじみの『饅頭こわい』を演じる。
と、言ってもコンビニで売っているような手軽で気軽に買えるお饅頭(それはそれで美味しいけれど)とは違って、遊真さんが演じたのは鶴屋なんとかだとか何某堂で売っているような本寸法長尺の『饅頭こわい』。
若いもんらが寄り集まって何が好きだ、何が嫌いだ何がこわいとわいわいがやがやおしゃべりに興じている部分から、農人橋で起こる怪談話のくだり、そして題名そのものの「饅頭こわい」の終盤まで遊真さんはたっぷりと語っていく。
怪談話の部分でじっくりと語り込み、最後の饅頭騒動でぱんとはじける結構は、まもなく入門5年目となる遊真さんにとって好んで取り上げたくもなるだろうと十分に合点がいった。
やっぱり継続は力なり。
で、ここで終わらないのがアニバーサリーデイ。
嬉しいサプライズがあったのだけれど、あえて詳細は語らないことに。
いやあ、笑ったなあ。
とともに、かつて培ったものと新たに積み重ねたものの強みを痛感したりもした。
そうそう、ときどきふと大好きな高田次郎さん(『あかんたれ』の)を思い出したことを付け加えておきたい。
と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
ああ、面白かった!!!
そして、二度あることは三度ある、五度あることは六度あるどころじゃない、十度も十五度もと今後も着実に回を重ねることを心より願っております。
そのためにも、月曜夜は皆さんも錦湯さんへぜひ!!!
(と記すこちらもなかなか足を運べていないのですが、そこは平にご容赦のほど)
*追記
差配の遊真さんが、シークレットゲストとして桂三度さんが出演されたことをツイートされたので追記。
高座に上がる前から、もうこれは笑わないと仕方ないというエネルギーがみなぎっている。
むろん、一世を風靡した「世界のナベアツ」のイメージからの影響もないとは言えないけれど、逆にそうやってこれまで培ってきたものの力の強さがこうやって醸し出されていることもまた否定できない事実だろう。
ちょっとしたネタで笑いを生んでから、早速本題の『大工調べ』へ。
江戸落語で有名な噺を上方に移したもの。
もっちゃりとした語り口だと、もしかしたら違和感を覚えたかもしれないが、三度さんの流れのよい口跡がここでは効いている。
くすぐりも豊富だし、棟梁(とうりゅう)の啖呵も見事。
そうそう、上述した通り、時折因業家主が高田次郎さんに見えたりもしたんだった。
大いに笑った。
とともに、三度さんのクレバーさというか、自らが落語家であることへの強い自覚を感じたりもした。
それにしても、蓋が開いてしまうと、二度あることは三度あるって言葉がなんともお恥ずかしい。
2019年10月08日
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