GYAO!の『新・必殺仕置人』の無料配信も遂にこの第10話で終わり。
仕置をしくじった上に、仕置人の一人が捕えられた。
寅の会の危機=我が身の危機と新たに仕置を引き受けた念仏の鉄だったけれど、相手が両国を根城にする香具師の総元締相模屋惣五郎と知った中村主水はそれこそ我が身大事と仕置を外れる。
ところが、たまたま主水が入牢させた政吉という男こそ惣五郎の仕置の依頼人だった。
無理やり阿片の運び人にされた上に、女房を阿片中毒で殺された政吉は惣五郎を深く憎んでいたのだ。
女房のりつを奪われた主水は、惣五郎一味の要求通り、政吉を牢から解き放つのか、それとも…。
本放映は1977年の3月25日。
ワンクールの終了回らしい、寅の会と中村家の危機を重ね合わせた脱出劇の書き手は、中村勝行。
『必殺仕業人』で赤井剣之介を演じた中村敦夫の実兄である。
相模屋惣五郎役は、神田隆。
大悪巨悪にぴったりの相貌風貌の持ち主、中でも佐藤栄作そっくりで、山本薩夫監督の『金環蝕』や『不毛地帯』ではまんま佐藤栄作という役柄を演じていたが、この『女房無用』では当時話題のロッキード事件を絡めてだろう、「よっしゃよっしゃ」と田中角栄のおなじみのフレーズを口にしている。
ちなみに、帝銀事件を下敷きにした『新・必殺仕置人』第25話「濡衣無用」にも神田隆は出演していて、当然の如く仕置される。
政吉役は、常田富士夫。
必殺シリーズへの出演は数回程度だが、いずれも印象に残るものだ。
特に『必殺仕置人』第3話「はみだし者に情なし」での、見えている片方の眼を熱した蠟で潰される亀吉役はとてもインパクトがあった。
さて、嵐寛寿郎出演の第11話「助人無用」、上原謙出演の第13話「休診無用」…、とこれから先も『新・必殺仕置人』には気になる作品があれこれと続くが、まずはここまで。
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