2019年05月14日

第72回座錦湯

☆第72回座錦湯

 出演:桂文五郎さん、笑福亭智丸さん
(2019年5月13日20時開演/錦湯)


 月日の流れは速いもの。
 映画撮影などが重なって、錦湯さんに足を運ぶのもひと月以上ぶり。
 常連さんやリピーターさんも顔を見せていたが、新しいお客さんも増えているようで、まずは何よりだ。
 72回目となる座錦湯は、支配人五人衆のうち桂文五郎さんが差配で、ゲストはこの1月にビリートップを卒業し、支配人の座も降りた笑福亭智丸さん。
 冒頭のトークでも、同期二人の微妙な関係性を肴にして盛り上げた。

 で、頃合いのよいところで文五郎さんが高座へ。
 まずは、おなじみの『青菜』から。
 日中の気温30度というもはや初夏の勢いの京この頃にはぴったりの古典だ。
 途中幾度もライヴ特有のアクシデントが発生したが、それも笑いに変えつつ、文五郎さんは最後まで乗り切った。

 続いては、智丸さん。
 はじめに令和改元の話題を口にしてから、世の中には変わった祭があると本題の方向へ。
 そして、花火大会を訪れたカップルが二人。
 打ち上がる花火を喜ぶ彼女に対し、花火は嫌いと言い放つ彼氏。
 それはなぜかと尋ねたら、実は彼氏は南大阪のとある地方に伝わる尻花火(口から火薬などを飲み込んで尻から花火を打ち上げる!)を受け継ぐ一族の末裔で…。
 その名も、旭堂南湖さんの『尻花火』である。
 〆のトークでも語っていた通り、錦湯の智丸さんといえば、シモがかったネタをよく取り上げているが、それが下品というより不条理に傾いて聴こえるのは智丸さんの人徳(?)か。

 休憩を挟んで、再び智丸さんが登場する。
 今度は、一転、古典の『鬼の面』。
 丹念、丁寧な語り口で、噺を進めて行く。
 ちまちまの愛称に相応しく(?)、おせつのキュートさいじらしさも印象に残った。

 トリは、文五郎さん。
 予告通り、芝居噺の『七段目』をかける。
 マクラでは、自分自身の高校時代の実体験を交えて笑いをとりながら、『七段目』の内容の背景について説明し、ついでに平成の「言葉狩り」の風潮が令和になってもっと極端なものではないように変わってもらえればとも。
 何はなくとも芝居好きの若だんさん、大だんさんから厳しく叱られれば叱られるほど芝居(歌舞伎)の真似を繰り返す始末。
 遂には客人が来るからと二階に追いやられてしまったが、それでも芝居の真似を止めることはなく…。
 といったおなじみの展開。
 やはり、ここでは若だんさんのエスカレートする芝居真似ぶりがおかしくて仕方ない。
 文五郎さんは、それこそ大向う受けする役者真似ぶりだった。
 リアルな商家風の錦湯さんでの高座も愉しかったが、今度はさらに大きな小屋で接することができたらと思った。

 と、文五郎さん智丸さんで計落語4席。
 久しぶりの生の落語を愉しみました。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 00:54| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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