2019年04月09日

第67回座錦湯 帰って来た三河さん

☆第67回座錦湯

 出演:桂三実さん、桂三幸さん、桂健枝郎さん/桂三河さん
(2019年4月8日20時開演/錦湯)


 4月とはいえ、まだまだ肌寒さを感じる今日この頃。
 それでも錦湯には、常連さんやリピーターさんが集まって何より。
 67回目となる今夜の座錦湯は、桂三実さんの差配で、今年で入門2年目となる桂健枝郎さん、おなじみの桂三幸さん、そして秋田県住みます芸人を卒業して2年8ケ月ぶりに関西に戻ってきた桂三河さんと、桂文枝一門が顔を揃えた。

 定刻20時を少し過ぎたあたり、三実さんが開口の挨拶を行ったのち、三河さん、健枝郎さんが登場する。
 錦湯での落語会が始まってしばらく、月亭太遊さんを支える形で何度も出演を重ね、秋田に移る際には「ネオラクゴ・サンガサル」と題した特別のイベントが設けられた三河さんがようやく帰って来たのである!
 と、こう記すとなんだかお涙頂戴調に思えるが、そこは三実さんのこと、ここぞというところではわざとすっと交わして全くドライ、なおかつ軽快にトークを引き出す。

 で、頃合いのよいところで、健枝郎さんが高座へ。
 現在修行中だけれど、三実さんがお師匠の文枝さんにきちんと断りを入れて座錦湯への出演となったそうだ。
 今回が2度目の高座となるそうで、かけたネタは古典の『普請ほめ』。
 ところどころ筋をきっちりと確認しつつ、丹念に話を進めていった。
 顔は二の線、好スタイル、おまけに声もよく通るということで、今後の活躍が愉しみである。
(ちなみに、ラストのトークで、健枝郎さんが早稲田大学で映像などを専門に学んでいたことを知る。ぜひ今度はそういった話をうかがえれば)

 続いては、急な出演となった三幸さん。
 実は、上方若手噺家グランプリでのネタを確認したいということで、いつもの三幸流マクラを重ねたあとは、自作の『二つの未来』を演じた。
 来週グランプリの予選があるため、あえて詳しくは記さないけれど、ハイブリッド落語の作り手たる三幸さんらしい、「とんがり」具合も秘めた作品となっている。
 もちろん、ネオはめ物も大活躍。

 三席目は、三実さんだ。
 マクラの代わりは、2、3分程度の短い落語を二席。
 いい塩梅に捻りが加わった作品である。
 本題は、このおなじみ『動物園』。
 基本の部分は端正丁寧に、でもそこに細かいくすぐりが加わって三実さんらしい口演に仕上がっていた。
 三実さんの高座は、新作古典ともに要注目である!

 トリは、待ってました!
 三河さん。
 秋田でのエピソードをマクラで語って笑いをとる。
 そして、お師匠文枝さんとのエピソードなどから徐々にフグの話題を持ち出して、古典の『河豚鍋』へと入った。
 久しぶりに観聴きする三河さんは、噺の恰幅がよくなったというか、大柄で簡明な語り口だった。
 それでいて、河豚を「おこも」さんに食わせようと算段するあたりでの表情など、三河さん自身の新作『春の一大寺』に通ずる怪しさを感じたりもしておかしかった。
 三河さん、これからもぜひ座錦湯さんへ!

 最後は、全員のトークで〆た。
 三河さんに対して、三幸さんや三実さんが仕掛けるすかす。
 いやあ、嬉しいな。

 と、今夜も盛りだくさんな座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 00:09| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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