2019年03月23日

集団迷子『星の王子さま』

☆集団迷子『星の王子さま』

 脚本:寺山修司
 演出:にさわまほ
(2019年3月23日15時開演の回/京都市東山青少年活動センター創造活動室)


 少し前か、朝日新聞のテレビ・ラジオ欄に今月末放映予定の2夜連続スペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』のプロデューサーによる文章が何回か連載されていた。
 曰く、江戸川乱歩の名作や同じテレビ朝日の土曜ワイド劇場『江戸川乱歩の美女』シリーズ(天知茂主演)の面白さは認めつつ、それをそのまま現代に演じても多くの人たちには通じないのではないかとのことで、実際、西島秀俊演じる明智小五郎はサイバーセキュリティ対策のプロ、怪人二十面相はサイバーテロ集団に置き換えられるなど、このドラマでは現代向けのアレンジが様々に施されている。
 その伝でいけば、2014年8月の京都学生演劇祭でルサンチカが演じた『星の王子さま』などスペシャルドラマ『名探偵・明智小五郎』流儀、と言い切ってしまうと言い過ぎかもしれないものの、当然テキストの特性本質をくみ取りながら、現代を生きて、しかも現代演劇の先端と切り結んでいる河井朗以下彼女彼ららしい精度の高い上演に仕上がっていたのではないだろうか。

 一方、集団迷子の面々が今回演じた『星の王子さま』は、どちらかといえば、江戸川乱歩の原作や『江戸川乱歩の美女』シリーズにも通じるような邪劇性見世物性というか、寺山修司的訥弁の能弁というか、アンダーグラウンド的粗雑さ猥雑さの力というか、いずれにしても初演時を想像させる内容となっていた。
 正直、技術的な限界を感じたことは否定できないし、舞台で演じられている事どもとまもなく50歳になる自分との間の距離を覚えたことも事実だが、そんなことは全て承知の上、稽古を重ねて自分たちに今できることをやって見せるという意識、それより何より、何がなんでも演劇を芝居をやり続けたいんだという彼女彼らの想いも十分に伝わってきた。
 演者陣では市毛達也が潔さの極み。
(あの役をああ演じさせた演出のにさわさんも、演じ切った市毛君も偉い)
 また、稲垣綾菜、井深誌文、雛野あき、それぞれの配役にも納得がいった。
 ほかに、大谷彩佳、奈良光彩希、畑迫有紀、坂本美音、篠原夏美、森田万利奈、松原淘汰、森實春香らも要所要所で顔を出す。

 上演時間は約60分。
 明日までの公演で、ご都合のよろしい方はぜひ!
posted by figarok492na at 18:31| Comment(0) | 観劇記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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