2019年03月17日

京都市交響楽団 第632回定期演奏会

☆京都市交響楽団 第632回定期演奏会

 指揮:広上淳一

 座席:3階LB1列5番
(2019年3月17日14時半開演/京都コンサートホール大ホール)


 プレトークやアフタートークで指揮の広上淳一も口にしていたが、交響曲第7番「夜の歌」は、マーラーの交響曲の中でもあまり演奏される機会がない。
 現に広上さん自身、生まれて2回目の指揮、1回目は相当前のアマチュアオーケストラとの共演でほとんど覚えていないという。
 ありがたいことに、1989年7月10日/フェスティバルホール(平成元年!30年前!)でのエリアフ・インバル指揮西ベルリン放送交響楽団、翌1990年5月20日/ザ・シンフォニーホールでのギュンター・ヘルビッヒ指揮トロント交響楽団、ずっと間が空いて2010年6月19日/京都コンサートホール大ホールでの高関健指揮京都市交響楽団/第536回定期演奏会と、僕は都合3回この曲の実演に接したことがあるが、正直に言えば、はじめのインバルのときは雰囲気そのものにのまれてしまっただけで、一方ヘルビッヒとトロントのオケはしまりのなさが気になって巧くのれず、結局高関さんと京響の演奏でこの交響曲の結構の面白さを知ったようなものだ。
 それからまた8年が経って、今度は広上さんが指揮台に立ち、京都市交響楽団とマーラーの交響曲第7番「夜の歌」に挑んだわけだけれど、「世界レベル」「日本でもA級のオーケストラ」と広上さんが自賛するだけあって、この間の京都市交響楽団の技術・表現力双方のレベルアップをよく示した演奏になっていた。
(ちなみに、今回の演奏は高関さんが補筆したものを使用したとのこと)

 全5楽章で約80分ほど。
 大編成な上に、途中第2楽章と第4楽章に「夜曲」が挟まれるなど、なかなか一筋縄ではいかなさそうな交響曲だが、「噛めば噛むほど…」との広上さんの言葉通り、聴きどころ聴かせどころに満ちた音楽であることもやはり確かである。
 全楽器の強奏と、ためというか弦楽器の身も世もあらぬといった表情のコントラストにぞくぞくとした第1楽章、まるで夜警のカリカチュアなのかと思いたくなるような第2楽章、非常に密度の濃い第3楽章のスケルツォ、マンドリンやギターが活躍して甘やかな、でもどこか歪な第4楽章、そして狂躁的ですらあるはしゃぎっぷりの最終楽章。
 広上さんは鳴らすところははっきりと鳴らし、かつ歌わせるところはしっかり歌わせる音楽づくり。
 終楽章などそうだが、どちらかといえばテンポは焦らずゆっくりめか。
 一つ間違うととっちらかっただけの音楽になる危険性もある曲だけれど、オーケストラを的確にコントロールして締めるところはきっちり締めていたからこそ、間然とすることなく全曲を愉しむことができたこともまた事実だろう。
 京都市交響楽団も、ソロ(冒頭のテノールホルンにはじまり、ホルン、トランペット、フルートその他、そしてコンサートマスターの泉原隆志ら弦楽器奏者たち)・アンサンブルともに精度の高い充実した演奏で、広上さんの意図によく応えていた。
 やっぱり世界レベル云々の言葉は嘘ではないと感じた次第。

 終演後、シーズン最後の定期演奏会ということで、広上さんの京都市交響楽団に関するスピーチのあと、お客様への感謝に加え、この3月で退団するチューバの武貞茂夫を讃える意味もこめて、アンコールとしてエルガーのエニグマ変奏曲から第8曲「ニムロッド」が演奏された。
 情感がよくこもってとても美しい音楽であり、演奏だった。

 生でオーケストラを聴くことの愉しみを存分に味わったコンサートでした。
 ああ、面白かった!!!
posted by figarok492na at 18:43| Comment(0) | CLACLA日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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