☆小澤征爾音楽塾展コンサート〜塾生が奏でるそれぞれのカルメン〜(チェロ編)
チェロ:遠藤真理
ピアノ:三浦友理枝
(2019年2月16日15時開演/ロームシアター京都「ミュージックサロン」)
この3月にメインホールで予定されるビゼーの歌劇『カルメン』の公演にあわせて、今、ロームシアター京都のミュージックサロンで小澤征爾音楽塾展と題した展示が開催されている。
これまでの小澤征爾音楽塾の歩みが、公演の衣裳や写真、さらには小澤さんが書き込んだオペラのスコアなどを通して明らかになるという仕掛けだ。
今日は、その小澤征爾音楽塾展の連動企画である「小澤征爾音楽塾展コンサート〜塾生が奏でるそれぞれのカルメン〜」のVol.1、チェロ編を聴いてきた。
出演は、2001年と2002年の小澤征爾音楽塾の公演(モーツァルトの歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』と『ドン・ジョヴァンニ』)に参加した経験のあるチェリストの遠藤真理と、ピアニストの三浦友理枝の二人。
真理さんと友理枝さんといえば、これはもうNHK・FMの『きらクラ!』ということになるが、あえてここでは割愛する。
司会の岩崎里衣とのトークを交えつつ、カサドの『親愛の言葉』、ラヴェル/バズレール編のハバネラ形式の小品、グラナドス/一柳信二編のスペイン舞曲集より第5番「アンダルーサ」、ファリャ/ピアティゴルスキー編のバレエ音楽『恋は魔術師』より「火祭りの踊り」、バルトークの狂詩曲第1番の前半5曲、休憩を挟んで、カステルヌォーヴォ=テデスコのフィガロ(ロッシーニの歌劇『セビリャの理髪師』より「私は町のなんでも屋」から)、フォーレ/藤沢俊樹編のシチリアーナ、オッフェンバック/トーマス=ミフネ編のジャクリーヌの涙、ドビュッシー/吉松隆編の『月の光』、ビゼーの歌劇『カルメン』組曲第2番より「闘牛士の歌」、マルティヌーのロッシーニの主題による変奏曲の後半6曲、そしてアンコールのサン・サーンスの動物の謝肉祭より「白鳥」、と総計13曲が演奏された。
トークの中で真理さんもそれとなく触れていたが、もともとセッコな会場な上に、最前列のかぶりつき、真理さんとは1メートル半ほど、友理枝さんとでも3メートル弱ほどの至近距離に陣取ったこともあって、直接音も直接音、生な音が直撃して、非常に生々しかった。
と、言っても、上述したプログラミングからも想像がつくように、真理さんは力任せとは全く無縁、エネルギッシュで躍動的でありつつも、精度が高く機知に富んで、しかも劇場感覚(お客さんの存在をよく心得ているという意味)も豊かな均整のとれた音楽を愉しむことができた。
で、いつもの如き当てずっぽうで申し訳ないかぎりだけれど、真理さんってなんだか野上弥生子っぽいなと思ったりもする。
頭でっかちにならない生活に根付いた賢しさというか、自分の中にしっかりとした核があるというか。
そして、長く継続して表現活動、芸術活動を行うことの意味についても改めて考えさせられた。
いずれにしても、接することができて本当によかった。
ああ、面白かった!!!
そうそう、応募抽選制の無料招待というコンサートなので、パンフレットは仕方ないとしても、もしかしたらチラシは終演後に配布してもいいんじゃないかと思ったりした。
もしも関係者の方がご覧なら、ぜひともご一考いただければ。
2019年02月16日
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