☆第57回座錦湯
出演:桂三実さん、桂三幸さん、桂あおばさん
(2019年1月7日20時開演/錦湯)
クリスマス・イヴに大晦日とお休みが二週続いた座錦湯だが、新年一発目の今夜は、寒さにも負けずなかなかのお客さんが集まってまずは何より!
今回は、桂三実さんの差配に、二代目支配人の桂三幸さん、そして桂あおばさんとおなじみの顔触れだ。
定刻20時あたりに登場した三人さんは、年末年始を肴にしつつ慣れたアンサンブル・トークで盛り上げる。
で、お客さんからお題を集めたあおばさんが、おっとり刀で着物に着換え三題噺に挑む。
紆余曲折、四苦八苦するあおばさんがまたおかしい。
必死のぱっちで突拍子もない方向へ話を進めるその姿は、まさしく『ざこば・鶴瓶のらくごのご』におけるお師匠さんの桂ざこばさんを彷彿とさせた。
最後は、七草や猪、初日の出といったお題をはめ込んで、無事高座を下りた。
続いては、三実さんが高座へ。
R-1グランプリの1次通過の報告ののち、そのR-1でのネタ、架空の落語のサゲ(オチ)の部分を披露する。
三実さんらしい目の付け所。
そして、落語愛が感じられる。
一方、本題はお師匠桂文枝さんの新作『鯛』だ。
とある居酒屋の大きなイケスに入れられることになった明石生まれの天然鯛ロクは、イケスの名主と呼ばれるギンギロさんに目をかけられて…。
人に食べられる運命にある鯛たちの姿を、笑いをまぶしながら描いたペーソス味もある新作で、三実さんは丹念に演じ上げていた。
トリは、三幸さん。
同じくR-1の1次を通過した三幸さんは、新しいネタをつくったから試してみると、ラーメン屋の行列の前で歌を歌い出すストーリー・ミュージシャンを叱るラーメン屋の親父の一人コントを演じてみせた。
麺の湯切りにネオはめ物と小道具もたくさん。
続いて、R-1用のネタでこちらもネオはめ物が物を言う、ドラフト・ネタを披露。
さらに本題、お師匠文枝さんの新作『涙をこらえてカラオケを』でもネオはめ物を駆使する三幸さんである。
病身の退屈さを紛らすために寝たきりのカラオケに勤しむ老人だったが…。
明るく歌って死者を送ろうというネタで、全くもって暗さとは無縁のお話だけれど、おとそ気分がまだちょっと残っているだけに、門松は冥土の旅の一里塚という言葉をふと思い出したりもした。
最後は、NGKであおばさんや三実さんがやることになったものボケを錦湯さんでも再現。
桶に脱衣籠、はては象のじょうろと、大ぼけ小ぼけ、すべりを怖れずぼけ切った。
と、今夜も盛りだくさんの座錦湯だった。
ああ、面白かった!
そして、2019年も毎週月曜夜は錦湯さんにぜひ!!
2019年01月07日
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