2018年08月20日

第41回座錦湯

☆第41回座錦湯

 出演:笑福亭智丸さん、露の新幸さん、桂恩狸さん
(2018年8月20日19時開演/錦湯)


 先週風邪のためお休みして二週間ぶりとなる座錦湯は、第41回目。
 ビリートップ五人衆の一人笑福亭智丸さんを差配に、露の新幸さんとの「二人会」という形式で行われるはずだったが、ここに飛び入り、ではなく本来今回出演を希望していた桂恩狸さんが加わった。

 今回も19時開演。
 定刻とともに、恩狸さんが登場し、新幸さんが少し遅れていますので、今夜は自分が祇園花月の前説を錦湯さん風にやってみますと高らかに宣言し、前説を始める。
 開始早々、恩狸さんのパワーが全開だ。

 で、新幸さんの到着にあわせて、智丸さんを含めた三人のトークへ。
 ここで、上述した飛び入り騒動の顛末が恩狸さんの口から語られる。
 自ら語るが如く、実に大きな声で続けてパワー全開だ。

 と、頃合いを見計らったところで、まずは智丸さんが高座へ。
 先日の豪雨の際、ちょうど新横浜を訪れようと新幹線に乗って難儀したエピソードをマクラで語ってから、旅繋がりの本題「東の旅」から『七度狐』に入った。
 お伊勢参りの二人連れ、喜六と清八はひょんなことからひどい目にあったら七度も化けて相手に復讐するという七度狐に石をぶつけてしまう…。
 といったおなじみの展開。
 麦畑でまず騙されて、さらには庵寺でもまた騙される喜六と清八の姿を智丸さんは丁寧に描いていく。
 加えて、「深いか深いか」といったやり取りや金貸し婆などのチャーミングさは、「ちまちま」という智丸さんの愛称にぴったりだとも思った。

 二席目は、新幸さん。
 自分はスピンオフが嫌いとまずもって一言。
 どうやらスピンオフというのは『スターウォーズ』シリーズが契機らしいが、当たりに当たった一本目の前日譚をつくればそりゃお客さんも集まる、ずるいとさらに説を進める。
 ところで、本題として演じたのは「東の旅」の『煮売屋』、つまりは『七度狐』の前日譚ならぬ前段のお話である。
 新幸さんはメリハリがよく効いてテンポのよい高座。
 喜六と清八に対する煮売屋の親父の造形も印象に残った。

 そして、中トリは恩狸さん。
 ささっとマクラを切り上げて演じたのは、『船弁慶』。
 喜六の誘いにようやく乗って清八が重い腰を上げたところに戻って来たのは、すずめのお松、雷お松の異名を持つ怖ろしい妻お松だった…。
 といったおなじみ上方の古典。
 恩狸さんは当たるもの皆なぎ倒す勢い、息継ぐ暇を惜しむかの如くに語り続ける。
 まさに疾風怒濤の趣だ。
 とともに、金を出し惜しむ清八や口から生まれたかの如きやかまし屋のお松といった強烈なパーソナリティを持った登場人物と恩狸さんの柄がよくあっていたようにも思う。

 中入りを挟んで四席目は再び新幸さん。
 またも、スピンオフは嫌いと口にしたあと、『船弁慶』の前日譚とでも思っていただければと断って、『厩火事』を演じた。
 くすぐりどころもそうだけれど、妻が夫を想うところだとか、夫が妻を気遣うところとか、そういった人の心の細やかな部分がべたつかない形で浮かび上がっていたのではないか。
 茶碗を洗おうと突然言い出した嫁に動揺する、亭主の姿が中でも忘れがたい。

 トリは智丸さんで、22日(水曜日)の夜に動楽亭の「としごの会」でコントとして演じる予定の『謝り方指南』の前日譚にあたる新作(題名は「Like a Rolling Kyao!」)。
 かつて一世を風靡したピン芸人・二階堂メンゴだったが、今は鳴かず飛ばず。
 飲み屋で一人侘しい酒を飲んでいると、かつての人気ギャグ「メンゴ」をやれと馬鹿にされる始末。
 ここでも、チャーミングさとフラ、滑稽さが前面に押し出されていたが、一方で、途中からのぐにゃんと捻りが加わるような展開にも智丸さんらしさを覚えた。
 もちろん、藝や藝人に対する智丸さんの想いの一端も示されていた。

 と、落語がたっぷり五席。
 ああ、面白かった!!

 そして、毎週月曜夜は皆さんも座錦湯にぜひ!!
posted by figarok492na at 23:20| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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