2018年07月30日

第38回座錦湯

☆第38回座錦湯

 出演:月亭遊真さん、桂りょうばさん、桂文路郎さん
(2018年7月30日19時開演/錦湯)


 台風一過。
 厳しい暑さは続いているものの、先週の猛暑よりはなんとかしのげるようになった京この頃。
 38回目となる座錦湯は、支配人のビリートップ五人衆の一人月亭遊真さんの差配で、2015年入門の落語家三人によるプチ同期会が開催された。
 ただし、今回は遊真さんに桂りょうばさんまでは同じだけれど、桂文路郎さんが前回の桂小きんさんに代わって出演していた。
 ちなみに、今夜はプチ同期会がお目当てのご新規さんやリピーターさんとお客さんも新鮮な顔触れが多く集まって重畳重畳。

 定刻19時に三人が登場し、トークをスタート。
 それぞれの入門や修業、年季明けといった話題で盛り上げる。

 で、頃合いのよいところで遊真さんが高座へ。
 季節が季節だけに、師匠月亭遊方さんがかつて体験した「背筋も凍るような」エピソードをマクラで語ってから本題の『犬の目』に入る。
 上方の古典落語ではもうおなじみの噺。
 遊真さんの口演もすでに接したことはあるが、筋運び、掛け合いの流れ等、この間の積み重ね・研鑽がよく表れていた。

 続いては、文路郎さん。
 マクラは、弟弟子たちのちょっと困ったエピソード。
 本題のほうは、師匠桂文枝さんの新作『お忘れ物承り所』だ。
 文枝一門が最初につけてもらうネタということで、ここ錦湯さんでも何度も取り上げられてきたが、文路郎さんはあえて田中真紀子の言葉を引用すれば「凡人、軍人、変人」のうちの「凡人」の趣である。
 芸人流儀の派手さではなく、昔の邦画の登場人物の如き淡々とした語り口が印象に残る。
 普通さに徹した文路郎さんの自作の新作を聴いてみたい。

 三席目は、すでに錦湯さんでもおなじみの一人となったりょうばさんだ。
 りょうばさんは、遊真さんのマクラを受けて、若き日にガソリンスタンドでバイトしていた頃体験した「背筋も凍るような」エピソードを口にする。
 そして、本題は『秘伝書』。
 怪しげなテキ屋から2000円で買った秘伝書だったが…。
 といった具合の、これまたおなじみの古典である。
 強弱のふり幅の大きいメリハリがくっきりとした口演で、りょうばさんは笑いを誘っていた。

 トリは、遊真さんの二席目。
 自分自身をはじめ、落語家仲間の酒にまつわる失敗譚を披瀝したのち、新ネタとなる『親子酒』をかけた。
 親が酒好きなら子も酒好き…。
 上方流儀だから、もちろんうどん屋のくだりも入っている。
 『犬の目』もそうだけれど、遊真さんの高座は陽性だなと改めて思う。
 声の張りがよく動きもダイナミックで、柄も大きい。
 錦湯さんだけではなく、大きめの小屋でも接してみたいなと感じた。
 むろん、細かい部分はきっちり細かく演じていることは言うまでもないけれど。

 最後は三人が再登場し、軽めのトークで〆た。

 と、今夜は落語がたっぷり演じられた座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜夜は皆さんも錦湯さんへぜひ!!
posted by figarok492na at 23:21| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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