2018年06月12日

第34回座錦湯

☆第34回座錦湯

 出演:桂三実さん、桂三語さん、桂文路郎さん
(2018年6月11日20時開演/座錦湯)


 夕方頃まで降り続いた雨も夜にはやんで、今夜も錦湯さんには常連さん、リピーターさんとなかなかのお客さんが集まった。

 34回目となる座錦湯は先週に続いて、ビリートップ5人衆の一人桂三実さんが差配を務め、ゲストに初登場となる桂三語さん、桂文路郎さんの二人を迎えた。
 って、三人共に当代の桂文枝さんのお弟子さんではないか。
 ということで、今回はプチ一門会の趣となった。

 定刻20時頃、まずは三実さんの口上に始まり、三語さん、文路郎さんが登場。
 自己紹介も兼ねた冒頭のトークで会場を盛り上げる。
 加えて、このトークで三人の個性や師匠文枝さんとの関係性もなんとなく判断がついていく。

 で、頃合いのよいところで、文路郎さんが高座へ。
 今日京都に来て目にしたことなどを皮切りに、ペットとの想い出などをマクラで語って本題の『猫すねちゃった』に入る。
 師匠文枝さん(三枝時代)の新作で、おとぎ話の桃太郎の世界を下敷きに、見事桃太郎の御伴に選ばれた犬とそうはならなかった猫の掛け合いが物語の中心となっている。
 文路郎さんは34歳というが(冒頭のトークで判明)、初々しい語り口。
 人柄がよく表れた口演だった。

 続いては、三実さんが登場。
 「満を持して」と宣言した上で演じたのは、おなじみの『時うどん』。
 前回の座錦湯に来られた方ならもうおわかりだろう。
 『帰り道に卵かけごはんが食べたくなる落語』は、この『時うどん』のための大いなるマクラ、伏線だったのだ!!(って、大袈裟な…)
 三実さん曰く、教わって下ろしてすぐなので型に副って演じているそうだけれど、昨日のアルテミス・カルテットの演奏じゃないが、強弱の取り方、間合い、アクセントの置き方等々の違いに、三実さんの特性、フラがよく出ていておかしい。
 これで独自のくすぐりなんて加わったら。
 想像するだに愉しみだなあ。

 トリは、三語さん。
 冒頭のトークではサッカー好きと話したけれど、それに加えて相撲も好き。
 というマクラにおやと思っていたら、そこはトリだけに軽い噺でお茶は濁さず『花筏』を選ぶ。
 親方の頼みで、大関花筏の身代わりとして高砂での巡業に参加した提灯職人の徳さんだったが、どうしたことか地元の強豪素人力士千鳥が浜と勝負をしなければならなくなって…。
 張りがあって渋めの声、これぞ上方落語の落語家といった口舌で、三語さんはたっぷりと語り切った。

 最後は、「オレの修行中はこうだった!」トークを決行。
 一門の三人が揃ったんだもの、ここは修行中のエピソードを語り合おうということで、三実さんが用意したお題に従って、トークを繰り広げた。
 「文枝師匠の気持ちをアップさせるには?」、「(他の二人は)ここがずるい」といったお題への答えに、三語さん、三実さん、文路郎さんの人柄はもちろんのこと、文枝師匠その人の人柄も浮かび上がっていたのではないだろうか。
 もちろん、文枝師匠への三人の想いが伝わってきたことは言うまでもない。

 と、今回も盛りだくさんでした。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は皆さんも座錦湯へぜひ!!
posted by figarok492na at 00:48| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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