2018年06月04日

第33回座錦湯

☆第33回座錦湯

 出演:桂三実さん、桂三幸さん、桂ちきんさん
(2018年6月4日20時開演/錦湯)


 まだ6月に入ったばかりというのに、夏同然のむわむわとした暑さに包まれる京この頃だが、今夜も錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんと幅広いお客さんが多く集まった。
 33回目となる座錦湯は、支配人ビリートップ5人衆のうち桂三実さんの差配で、二代目支配人桂三幸さんに、おなじみ桂ちきんさんがゲストとして迎えられた。

 定刻20時頃、三実さんが前口上を行ったのち、三幸さん、ちきんさんが登場。
 後半の「お茶子でボケようグランプリ」に関する説明なども含めたトークで盛り上がる。

 頃合いのよいところで、じゃんけんに勝ったものの希望順で三実さんが高座へ。
 錦湯さんでの三実さんといえば、まずは一出演一挑戦。
 ということで、今夜は現在修業中の笛を使ったネタを披露したが、いつもの如く着想の妙というか、思わず笑ってしまう。
 で、本題は新作の『帰り道に卵かけごはんが食べたくなる落語』。
 『時そば』など、食べ物が出るいい落語を聴いたあとはついついその食べ物を食べたくなってしまうもの。
 そこで三実さんが選んだのは、なんと卵かけごはん。
 卵かけごはんにちなんだくすぐりやうんちくと細やかな目配りも嬉しいが、途中で話がひゅっと横に逸れるような変化ぶりもおかしい。
 三実さんの新作は要注目だ。

 続いては、ちきんさん。
 今年で10年目、いろいろ古典のネタも持っているけれど、このあと三幸さんの出番なので遠慮してと、「あえて」断ってから新作の『初恋のブダペスト』に入る。
 『初恋のブダペスト』。
 まるで1970年代末から1980年代にかけて撮影された大人の恋愛を主題にした邦画みたいなタイトルだが、実は筋とは全く関係なし。
 自分が芸能プロデュースを引き受けたらどんな感じになるだろう、といった落語家の幕内をテーマにした作品で、三実さんのネタや冒頭のトークその他がふんだんに盛り込まれていく。
 最後は、わあわあ言うておりますというおなじみのフレーズで高座を下りた。

 トリは、三幸さんが古典の『狸賽』を演じた。
 恩を受けた子狸が、男のためにサイコロに化けて博打勝負に挑むというおなじみの噺である。
 三幸さんは、快活なテンポで進めていったが、あれ、いつも耳にする『狸賽』と比べると、なんだか話がスマートというか洗練されているな、またそれが三幸さんの雰囲気にあっているなと思っていたら、あとで桂九雀さんからのものだと本人から説明があった。
 なるほど、そういうことか。
 それにしても、同じ古典といえど演じ方は十人十色千差万別なのだなあと改めて思う。

 そして、後半はお待ちかね三実さん提案の「お茶子でボケようグランプリ」。
 落語会では、座布団を裏返したり、見台(膝隠し)を用意したり、めくりを捲ったりとお茶子さんが大いに活躍する。
 そんなお茶子さんに三実さん、ちきんさん、三幸さんが扮して、いろんなボケをかましてみせようという趣向だ。
 新作落語同様変化球勝負、あの手この手の三実さん、錦湯さんにある小物を使ってやたけた必死のぱっちで目まぐるしいちきんさん、グリーンにきっちり寄せて行く三幸さんと三者三様のボケっぷりで、愉しいひとときだった。

 と、今夜も盛りだくさんの座錦湯でした。
 ああ、面白かった!!
 そして、毎週月曜20時は皆さん錦湯さんにぜひ!!
(来週も三実さんが差配の予定とのことです。お愉しみに!!)
posted by figarok492na at 23:44| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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