☆第29回座錦湯
出演:月亭遊真さん、桂白鹿さん、露の新幸さん
(2018年5月7日20時開演/錦湯)
世はゴールデンウイーク明け。
おまけに雨降りと、正直芳しからぬ状況だったが、今夜も錦湯さんには常連さんにリピーターさん、ご新規さんとお客さんが集まり、なかなかの入り。
29回目となる今回は月亭遊真さんが差配を務め、桂白鹿さん、露の新幸さんの二人がゲストに招かれた。
定刻20時頃に三人が登場し、まずは錦湯さんでの会への出演など自己紹介を兼ねたトークから。
さらに話題は、上方落語協会の会長選挙について。
何せ白鹿さんはアンチ現会長派の急先鋒として昨今何かと話題の桂文鹿さんのお弟子さんだから、そこら辺の話題などについてもきっちり踏み込みつつ、若手噺家の立場に則ったおしゃべりを繰り広げて盛り上げた。
で、じゃんけんで勝ったもんの順番ということで、本来は入門が一番早い白鹿さんから高座へ。
白鹿さんはすでに錦湯さんに一度登場しているのだけれど、あいにくその回はこちらが足を運べていなかった(その際のエピソードに関しては、冒頭のトークで白鹿さんがしっかり語ってくれた)ので、生の高座に接するのは今夜が初めて。
師匠文鹿さんとのエピソードをマクラで語って笑わせてから、本題の『色事根問』を演じる。
もてる男の条件について、それこそこれっぽっちももてなさそうな男があれこれ訊いていくというおなじみの古典だが、テルマエ・ロマエ風の偉丈夫な白鹿さんは上方の落語家さんとしてはオーソドックスな語り口でまずは丹念に掛け合いを重ねていく。
そして、大事な部分では音量をぐっと強め、テンポをきっと速める。
その強弱の塩梅も効いて、くすぐりをはじめここぞというところで笑いを生んでいた。
続いて、登場したのは新幸さん。
こちらも、マクラでは師匠の露の新治さんについて触れる。
とあることからお師匠さんの人となりについては知っていることもあって、実におかしい。
さらに、自分がどのような具合にネタの稽古をつけてもらっているか、そしてこれから演じるのは非日常の世界を経験してきた者が登場人物である旨を説明した上で、本題に入る。
どこぞでたっぷり愉しんできた男が二人、胴間声張り上げて馬鹿なやり取りを繰り返している。
と、お腹が空いてきた、だったらうどんを喰おうやないか…。
これはもうおなじみ『時うどん』。
ただし、新幸さんがつけてもらった『時うどん』はそんじょそこらの『時うどん』とはわかが違う。
この人を見よ!
ならぬ、この高座を見よ!
とばかりに、とばすとばす、叫ぶ叫ぶ。
その有り様はうどん屋の親父ならずとも、キ××イと思うだろうクレージーさで、お客さんがわきにわいた。
途中、高座外のアクシデントもあったが、そこは緊張と緩和、巧くやり過ごした。
トリは、遊真さん。
遊真さんもまた師匠の月亭遊方さんのエピソードをマクラで語ったのち、本題に。
あほな男が道具屋を始めるという古典中の古典『道具屋』で、要所急所を押さえた快活な語り口は、うどんはうどんでも香辛料も具もたっぷりのメインディッシュのうどんのあとだと、お茶漬けさらさらといった感じであっさりとした滑稽さが引き立った。
と、今夜も充実した座錦湯でした。
ああ、面白かった!!
そして、毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんもぜひ!!
2018年05月08日
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