☆第17回座錦湯
出演:月亭方気さん、桂あおばさん、桂三実さん、笑福亭智丸さん
(2018年2月12日20時開演/錦湯)
いやあ、痛い。
いくらなんでも氷点下の寒さにはかなわない。
そんな厳しく激しい寒さが続く京この頃だが、三連休最終日の今夜も座錦湯は問題なく開催された。
17回目となる今回は、支配人の方気さんに、おなじみのあおばさん、三実さん、智丸さんの四人のご出演。
定刻20時を過ぎたあたりで、方気さんが高座へ。
バレンタインが近いということで、まずはふるまいチョコあり。
多謝!!
次に先週の急な休みに関して報告があったのち、ほんまに、ほんま、ほんまに、ほんま…とどこかで耳にしたフレーズを繰り返す方気さん。
おやこれは、と思っていると、これからは今までかけてこなかったネタを掘り出していくことにしたいという趣向とのことで、その一発目として、ほんの僅かな期間入門していた月亭可朝さんにつけてもらった唯一のネタである『犬の目』をつけてもらった通りにかけてみると本題に入って行った。
『犬の目』といえば、月亭太遊さんや月亭遊真さんも錦湯でかけている月亭一門にとってはおなじみのネタの一つだが、方気さんは可朝さん流儀。
はじまりからして変化球というか、あえてテンポをずらして軽みの効いた筋運び。
患者と医者、医者と助手のやり取りの滑稽さが増している。
実に新鮮でおかしな『犬の目』だった。
続いては、あおばさんの登場。
実は、座錦湯さんの公式アカウントのツイートではあえて出演者として記載されていなかったあおばさんだけれど、我が意を得たりしてやったりと快調な出だし。
最近、桂枝雀さんのSR落語にはまっているといくつか例として演じた上で、自作のSR落語も披露する。
その流れで、素人さん・学生さんの演じる落語を観聴きすると刺激を受けるとも。
続いて、ざこば師匠とのエピソードなども語って盛り上げる。
まさしく舌好調。
さらには、まだ錦湯さんでもかけてない古典のネタがいくつかあると、そのうち『ろくろ首』の冒頭部分をさらっとかけてお客さんの反応を試したりもする。
途中のアクシデントも巧く笑いに変えて、大きな拍手の中、あおばさんは高座を下りた。
三人目は、三実さんだ。
自分は高校を卒業してすぐ(桂文枝=当時三枝師匠)に入門したので、勉強したといえばかれこれ7、8年前になるがと断ってから本題の新作へ。
ある高校生が好きな女の子を紹介してもらうために友人とのしりとり勝負に挑むが…。
といった展開の作品で、しりとりや会話の中に学校で習ったあれやこれやが巧みに織り込まれている。
そのチョイスが的確というか、面白い。
流れのよい快活な口演だったが、後半の「変容」(とあえて呼びたくなる)も皮肉が効いていておかしかった。
トリを務めたのは、智丸さん。
今日の出演者で酒好きといえば支配人の方気さんがいっとう最初にくるだろうが、自分もそれなりの酒好き。
だからお酒の噺をしたいのだけれど、ここ錦湯さんではなぜだか「汚い」ネタが多くなってしまう、その点ご勘弁を、と断って演じたのは『禁酒関所』。
殿様から酒を飲むなと禁酒のお達しがあり、酒を持ち込んではならじと関所まで設けられてはいるが、そこは酒好きの侍のこと、どうにか屋敷まで酒を届けてくれと頼んできた。
そこで、酒屋の連中はあの手この手を思い付くのだけれど…。
というおなじみの古典で、智丸さんは規矩によくそった丁寧な筋運び。
それでいて、侍と酒屋の人間のやり取りの滑稽さ、丁稚のかわいらしさにも欠けていない。
智丸さんの渋み、よい意味での荒味の効いた声も噺の雰囲気によく合っていた。
最後は、四人のトークで〆た。
なぜだかご機嫌の方気さんや、三実さんや智丸さんにネタを振るあおばさんと、ここでも皆さん快調だった。
そうそう、方気さんと智丸さんは入門が同期だが、そのことに関して近々何か報告があるかもしれない様子。
これまた愉しみだ。
と、今夜も盛りだくさんの座錦湯。
ああ、面白かった!!
そして、毎週月曜20時は錦湯さんに皆さんぜひ!!
2018年02月13日
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