☆第13回座錦湯
出演:月亭方気さん、桂三幸さん、桂ちきんさん
大喜利出演:地主君
(2018年1月15日20時開演/錦湯)
もし昨日会が開かれてたら死んでたんとちゃう、という桂三幸さんの言葉が大袈裟ではないほどとてつもなく厳しい寒さが続いたここ数日の京都だったが、運よく今夜はだいぶんと寒さが和らいで、錦湯さんには常連さんやリピーターさんが集まった。
新春二回目となる第13回座錦湯は、現支配人の月亭方気さんに前支配人の桂三幸さん、そして浪速のチャップリンこと桂ちきんさんの三人の出演。
今回はスタートのトークは抜きで、早速方気さんが高座に上がる。
前回お題を集めた新作の件、時期も時期だけにバレンタインデーをいただいてきちんとできました。
と、ここまではよかったのだけれど、大事な虎の巻を忘れてしまい、あえなく断念…。
1月20日19時15分より開演の、大阪は阿波座enocoブラックスタジオでの「ひうち落語会」を乞うご期待!
ということで、ここ一週間の近況報告へ。
商売繁盛笹もってこいの掛け声でおなじみ十日戎から、祭の出店で見かけたアベックのエピソードで笑いを生んだのち、本題の『道具屋』に入る。
ただし、あほな男に道具屋をやれと勧めるおっさんとのやり取りはなくて、どうやら道具屋をやってみようと思い立った「足りない」男に、隣の店の男が出店の出し方を教えるところから話は始まる。
くすぐりの多い話で、方気さんはそこにメタ的突っ込みを入れつつさらに笑いをとっていったが、やはり見せ場は木刀と知らずにそれを抜こうとするお客と道具屋の男の押し引きのところ。
表情に息遣い、必死のぱっちというか、方気さんの力の入れ具合が真に迫っておかしかった。
続いては、ちきんさん。
今日はバディ(相棒)の讃岐のヒッチコックこと福神よしきさんがいないので、落語を聴かせてくれるのかなと思っていたら、登場したちきんさんはなんと洋服姿。
開口一番、R2-D2です、とつかみはOK。
で、R1グランプリでのエピソードなど、時折お客さんへと声をかけながら、ちぎっては投げちぎっては投げといった勢いのスタンダップ・コメディーを繰り広げる。
いやあ、その疾風怒頭、じゃない疾風怒濤ぶりには笑ってしまった。
錦湯さんならではの一幕。
トリは、桂三幸さん。
まずは、挨拶代わりにお師匠さんの桂文枝さんの話題をひとくさり。
そして、ちきんさんのR1グランプリの話を受けつつ、ネオはめ物を駆使したそのR1グランプリ対応のネタを披露。
以前、錦湯さん(のお客さん)を嵐に巻き込んだ野球ネタの続きにあたる部分で、くすぐりの積み重ねが面白かった。
一方、本題は古典の『半分雪』。
江戸で勝負を終えた関取を訪ねて町内の若い衆がやって来るが、相手をした関取の女房は口から出まかせの話ばかりして…。
相撲といえば最近何かと話題だが、三幸さんはもちろんくすぐりに巧くそうした話題を取り込んでいた。
そして、何を言っても憎めない女房のキュートさ、軽さが強く印象に残った。
最後は、久しぶりに大喜利を決行!
三幸さん仕切りの下、ちきんさん、方気さん、お客さんの地主君が大喜利勝負に挑んだが、なんといってもちきんさんの即答ぶりがすごい。
昔、NHKのテレビ番組に『脱線問答』というのがあって、そこで司会のはかま満緒から「早いのが取り柄岡本信人君」と岡本信人が言われていたけれど、ちきんさんは間をあけないのが取り柄、それも十分な取り柄と評したくなるくらい。
いずれにしても、ある種前衛芸術を目にしているかの如き大喜利だった。
と、今回も盛りだくさんの座錦湯さんでした。
毎週月曜20時は、皆さんも錦湯さんにぜひ!
ああ、面白かった!!
2018年01月16日
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