☆京都市立芸術大学サテライトコンサート
クリスマスチャリティーコンサートvol.8
「親子で楽しむオペラの世界」
ソリスト:京都市立芸術大学大学院修士課程声楽専攻生
指揮:中井章徳
管弦楽:京都市立芸術大学アカデミーオーケストラ
座席:F−21
(2017年12月22日19時開演/京都市立京都堀川音楽高等学校音楽ホール)
京都市立芸術大学が開催している「響/都プロジェクト2017コンサートシリーズ」の一環である、京都市立芸術大学サテライトコンサート クリスマスチャリティーコンサートvol.8「親子で楽しむオペラの世界」を聴きに、堀川御池の京都市立京都堀川音楽高等学校音楽ホールまで行って来た。
市芸の大学院生のオーケストラである京都市立芸術大学アカデミーオーケストラを伴奏に、同じく大学院の修士課程声楽専攻生がオペラのアリアやアンサンブルを歌うという趣向のコンサートで、「親子で楽しむ」と言う割には予想していたよりお子さんの数は少なかったものの、なかなかの入りでまずは何より。
で、声楽指導で司会の久保和範准教授と出演者のトークを挟みながら、前半は歌劇『フィガロの結婚』序曲と「もう、飛ぶまいぞ、この蝶々」、『ドン・ジョヴァンニ』の「カタログのうた」に「奥様、お手をどうぞ」の二重唱、歌劇『コジ・ファン・トゥッテ』の「このハートをあげましょう」の二重唱、歌劇『魔笛』の「フムフムフム」の五重唱に「パ・パ・パ」の二重唱、とモーツァルトのオペラから7曲、後半はビゼーの歌劇『カルメン』第1幕への前奏曲と「ハバネラ」、グノーの歌劇『ファウスト』の「宝石の歌」、ベッリーニの歌劇『ノルマ』の「清らかな乙女よ」、ヴェルディの歌劇『リゴレット』の「慕わしい人の名は」、歌劇『椿姫』の「乾杯の歌」の二重唱、とフランス・イタリア物から6曲がそれぞれ演奏されていた。
歌手名など詳細は省くが、若さや課題は当然感じつつも、流石は院生として学ぶだけあって、あるは声質であったり、あるは声量であったり、あるは技巧であったり、あるは安定性であったり等々、どこかにおっと思わせる聴かせどころを持った、一定の水準を超えた歌唱力の持ち主たちであり、全篇愉しく聴き終えることができた。
一方、演技の面では若干拙さを覚えたところもあるのだけれど、それがかえってコンサートの趣旨に沿っているというか、清々しさ若々しさに繋がっていて好感を抱いた。
(その意味で、「ハバネラ」を歌った中谷明日香さんは見せるということを心得た歌いぶりのように感じられて強く印象に残った)
なお、独唱はM2が務め、M1は重唱や合唱のみの出演となっていた。
指揮は中井章徳さん。
中井さんといえば、プロやアマのオーケストラばかりかオペラでも豊富な活動経験のある指揮者なので、あれ市芸の講師になったのかなと思っていたら、現在博士(後期)課程で研鑽中の由。
活動経験が多いとは言い難いオーケストラの面々を相手に、要所急所を押えた音楽づくりを行っていた。
(ホールの音響の癖もあって、強弱の変化に苦心していたようにも思わないではない)
そうそう、このコンサートをスケジュールに組み込んだあと、旧知の藤居知佳子さんが出演していることを知ったのだ。
まだM1ということで、『コジ』の2重唱のドラベッラと『魔笛』の5重唱の侍女などを歌っていたのだけれど、久しぶりに耳にする藤居さんはこの間の研鑽を感じさせるもので、声域の幅と声量の豊かさに加え、歌そのものの安定感も増しており、今後の活躍を期待させるものだった。
実は、来年2月の大学院のオペラ公演では同じ『コジ』でもデスピーナのほうを歌うことになっている。
すでに応募のハガキを送っているので、なんとか抽選に当たらないかな。
アンコールはクリスマスソングのメドレー。
院生の皆さんの美しい歌声のおかげで、クリスマス気分を一足先に味わうことができた。
と、聴いて大正解。
とてもすっきり、とてもほがらかな気分になれたコンサートでした。
ああ、面白かった!!
2017年12月22日
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