2017年11月07日

座錦湯 第4回

☆座錦湯 第4回

 出演:林家染八さん、笑福亭智丸さん、露の棗さん、露の新幸さん
(2017年11月6日20時開演/錦湯)


 立冬を前にしてぐぐっと気温が下がった京都だが、今夜も錦湯さんには常連さん、リピーターさん、ご新規さんとなかなかのお客さんが集まった。
 今回は新支配人の月亭方気さんご夫妻の登場、かと思っていたらまさかのお休み。
 しかも前支配人の桂三幸さんも不在という状況だったが、そこは伊達に3年間も会をやって来たわけではない。
 林家染八さん、笑福亭智丸さんというおなじみの顔触れに、初登場の露の棗さん、露の新幸さんと四人の落語家さんが顔を揃え、万事順調に会を進めた。

 で、染八さんの進行のもと、自己紹介を兼ねたトークを繰り広げたのちは、新幸さんが高座へ上がる。
 新幸さんは、露の新治さんのお弟子さん。
 もともとはロックミュージシャン、それもメジャーデビューも果たしたのだけれど…、とまずは詳しい紹介をマクラですませてから本題の『金明竹』へ。
 店番をしていた丁稚、来る客ごとに失敗を重ねてごりょんさんに叱られてばかりだったが、最後に現れた加賀屋の使いが一番の難物で…。
 というおなじみの古典だが、前半の丁稚さんとごりょんさんを中心としたやり取りでは声の強弱や表情の変化を巧くつけながら丹念に噺を進めていく。
 そして、肝となるのはなんと言っても加賀屋の使いの言い立てだ。
 流石は元ミュージシャン(?)、新幸さんはこの言い立てをよどみがなくてテンポよく聴かせた。
 爽快な一席。

 続いては、棗さん。
 露の都さんのお弟子さんで、三年の年季が明けたばかり。
 実は、年季明け初の仕事がこの座錦湯になるとのことで、貴重な機会をこちらもいただいたということだ。
 はじめに、小咄を三つ披露して場をなじませてから演じたのは、「ナイスバディ」な容姿の自分にあったネタの『大安売り』。
 町内の衆と関取の滑稽なやり取りを描いたこれまたおなじみの古典だけれど、棗さんは大ぶりな語り口で、この噺の持つおおどかさをよく掴んでいたのではないか。
 時に内面の細やかさが窺えたりもしたが。
 いずれにしても、今後の棗さんの活躍を期待したい。

 三席目は智丸さん。
 錦湯さんの会で演じてきたネタを再確認したら、『有馬小便』や『転失気』と「汚い」噺ばかり。
 こうなりゃ行くところまで行くと覚悟をした智丸さんが演じたのは、新作の『スネークアドベンチャー』だ。
 何をやっても運のない男だったが、ひょんなことから蛇神から恩返しを受けることになり…。
 20世紀前半に盛んになった新古典派音楽ではないが、智丸さんは古典落語風のやり取り、さらには引用を基調としつつも、そこに流石は詩人と唸らされる特異な言語感覚(何せ「ずんずん丸」!)や突拍子もない設定を織り交ぜて、笑いが豊富の作品に仕立て上げていた。
 口演中の恥じらいというか、臆面のある加減もチャーミングだった。

 トリは、染八さんの『もう一つの日本』。
 笑福亭福笑さんの新作で、商談にやって来たアメリカ人とそれに対する関西のこてこてのビジネスマンの掛け合いがどうにもおかしい。
 時折飛び出す毒の効いたくすぐりも嬉しい。
 染八さんはそうした作品を丁寧に演じつつ、自らの人懐こさ、人柄を巧く垣間見せてもいた。
 トランプ大統領の来日というタイミングにもぴったりのチョイスである。
(『エアフォース・ワン』なんか放映するよりよっぽどましだぜ!)

 最後は、染八さんの仕切りで大喜利を決行。
 智丸さん、棗さん、新幸さんがコンスタントに解答を重ねる一方、客席のおなじみさんも果敢にお題に挑んでいた。
 なお、錦湯さんの大喜利で鍛えられた染八さんが初代支配人の太遊さんの仕切りをリスペクトしていた点にも好感が持てた。

 と、今夜も盛りだくさんな座錦湯でした。
 次回こそは方気さんご夫妻が登場か?
 毎週月曜20時は錦湯さんへぜひ!
 ああ、面白かった!!
posted by figarok492na at 01:48| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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