2017年10月17日

座錦湯 第1回

☆座錦湯 第1回

 出演:月亭方気さん、桂三幸さん他
(2017年10月16日20時開演/錦湯)


 月亭方気さんご夫妻が新支配人となり、その名も「座錦湯」と改まった錦湯さんの会。
 その第1回目はあいにくの雨にもかかわらず、常連さん、リピーターさん、ご新規さんが顔を揃えたなかなかの入りでまずは何より。
 新支配人の道行く人へのお声がけも見事に功を奏した。

 定刻20時を過ぎたあたりで方気さんが登場し、颯爽と高座へ。
 新支配人就任の挨拶を一くさりしたのち、錦湯さんが馴れ初めの場ということもあって、ご夫人とのエピソードをマクラで披露し笑いを生む。
 で、入った本題は『ふぐ鍋』。
 ふぐは喰いたし、命は惜ししとばかり、家の主も客人もふぐ鍋に手をつけようとしない。
 と、そこにおこも(乞食)がやって来て…。
 というおなじみの古典で、方気さんは錦湯でもすでに一度この噺をかけていたが、流れがよくて安定したやり取りの合間に仕掛けてくる表情の変化がおかしい。
 特に、今夜の高座で方気さんの柄にぴったりで一瞬ぞくっとしたのが、おこもに食べさせるふぐをあつらえているときの狂気をためた嗤い!
 テレビドラマ『相棒』のシーズン5の第9話「殺人ワインセラー」で、それまであえて抑えた演技を重ねていた佐野史郎が、最後の最後でかましたマッドな大嗤いを思い起こしもした。

 続いては、錦湯ならではのシークレット・サプライズ。
 それこそ、茶屋町界隈に寄ってっていならぬ、錦小路界隈に寄ってっていだ。
 いや、座錦湯情宣アカウントのツイートでもしやとも思ってはいたのだけれど。
 敵もさるものひっかくもの、うっしっしと大喜びの一時だった。

 三席目は前支配人の三幸さんで、先週スペシャルゲストとして久しぶりに登場した月亭太遊さんとのエピソードをマクラで語ったのち、出来立てほやほやの新作をぶつける。
 支配人は退任したとはいえ、そこはホームグラウンドの錦湯さん。
 攻める攻める。
 これから練りに練っていく新作ハイブリッド落語だけに、あえて詳細は触れないけれど、高校野球をテーマにした観客をぐいと巻き込む新作とはやはり語っておきたい。
 やたけたスリリングな展開だったが、それがまた大きな笑いに変わっていて、面白かった。

 トリは、再びサプライズ!!
 まさか二席とは思ってもみなかった。
 それこそ、夢のような時間を愉しんだ。

 最後は、方気新支配人と三幸前支配人のトークで盛り上げて〆た。
 ちなみに、次回次々回は方気さんがお休みで、三幸さんが差配を行うとのこと。
 この臨機応変ぶりも錦湯ならではのものだ。

 と、座錦湯の船出に相応しい一夜でした。
 ああ、面白かった!!!
 そして、毎週月曜20時は座錦湯に皆さんもぜひ。
posted by figarok492na at 00:55| Comment(0) | 落語・ネオ落語記録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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